初期型ジム/ジム後期生産型

Last-modified: 2024-04-16 (火) 10:40:12

登録日:2012/04/06 Fri 14:21:50
更新日:2024-04-16 (火) 10:40:12
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Tag: ガンダム ジム 地球連邦軍 MS 一年戦争 ガンダムMS_IGLOO ガンダム・センチネル カトキハジメ 量産機 初期型 後期生産型 第08MS小隊 ルナツー 初期型ジム



初期型ジム、及びジム後期生産型とは、ガンダムシリーズに登場するモビルスーツ(以下MS)。
いずれも地球連邦軍ジム系列の機体である。


初期型ジム

GM EARLY type

型式番号:RGM-79[E]*1
所属:地球連邦軍
開発:ルナツー?工廠
生産形態:先行試作量産機、先行量産機
全長:18.0m
頭頂高:18.0m

《武装》
頭部60mmバルカン
90mmブルパップ・マシンガン

《主なパイロット》
テリー・サンダースJr

機動戦士ガンダム 第08MS小隊?』に登場。

地球連邦軍の量産試作MS。
「宇宙用ジム」「宇宙用ジム ルナツー仕様」と表記される事もある。
RGM-79 ジムは一年戦争において連邦軍の主力MSとして大量生産されたが、
この機体はその数多くのバリエーションの中でも最初期に開発・実戦投入されたものである。

開発は「V作戦」とは別にルナツーで独自に行われた。
当初の計画では後期生産型の一種として開発が進められていた宇宙戦用ジムだったが、オーガスタ工廠製のG型>ジム・コマンドが想定よりも早く完成した事から計画は中止となり、バックパックはGS型に、本体設計は後期型ジム(C型)に受け継がれた。
そして先行生産されたE型は、ジムシリーズの実戦投入前のMS運用試験機「初期型ジム」として密かに試験が開始された経緯を持つ。

「量産可能なMS」の存在は連邦軍としてはトップシークレットであった為、シャア?に追われてサイド7から逃げてきたホワイトベースが厄介者扱いされ、難民受け入れを拒否されたのはこの機体の存在があったからだとも言われている。

宇宙世紀0079年10月には完成し、ルナツーとその周辺に密かに配備が進められていたという。

肝心要の性能だが、これがまたあまりよろしくなかったらしい。
開発段階ではガンダムの実働データがまだ無かった為動きも悪く、ザニーの延長、ザクⅡ?に毛が生えた程度でしかなかった。
連邦のMSパイロットの未熟さもあってジムシリーズでも屈指の棺桶だったが、本機でザクを6機撃墜した猛者もいたらしいというのだから大したものである。

ただ逆に言うと、突貫工事でも名機(といわれる)ザクⅡと同等以上の性能は確保できたという事でもある。
もちろんこれから登場していく新型には太刀打ちできないとはいえ、戦闘機?ボールが主力だった連邦宇宙軍にとって、その戦力的な意義は計り知れない。
それに実機が手に入ったという事実は大きく、パイロット候補生の実戦レベルの訓練に弾みがついた。
なにより、実機を運用する事によって小隊・中隊規模での連携、ボールや宇宙戦闘機・艦隊との連携の研究など、様々な運用データをもたらした功績は、連邦軍の遅れているMS研究も考えると戦闘以上に大きいものがあったといえる。

それらの戦闘データは後の後期型ジムシリーズの開発に多大な貢献を果たし、一面では“真の量産型ガンダム”とも呼ぶべき性能を獲得したジム・コマンドジム改などの後期生産型とその派生の原型となったし、他方ではソロモン戦以降の大規模な作戦にいきなりMSを投入したにもかかわらず、怒涛の勢いで勝ち上がる原動力ともなった訳である。

ジオンと違って連邦軍・連邦政府はほとんどの作品で詳細が描かれない(描いても主人公メカの他はせいぜい一部の闇ぐらいで、ジムやボールの開発史はザクの開発史よりも明らかに掘り下げられていない)ために、特にこのジムは設定がコロコロ変わっている。
そのため、08小隊のアニメしか見てない人には「初期型ジム」という名称より「先行量産型の宇宙用Eタイプ」などと言う表記の方が馴染みがあるかもしれない。

主な活躍

『第08MS小隊』の第1話に登場。
テリー・サンダースJrが搭乗して宇宙用高機動試験型ザク?と戦闘していたが、弾切れと直撃で撃墜寸前に陥っていた。
シロー・アマダ?ボールが助けに来なければ間違いなくやられていただろう。

なお、画面に映っていないがこの戦闘でサンダースの上官と同僚が戦死し、部隊が壊滅している。

武装

劇中登場したのが消耗しきった一機のみなので、詳しい武装は不明。当時持っていたのは90mmブルパップマシンガンのみ。
ただ、当時すでにガンダムや地上のジムが多彩な武器を開発・装備?していた事を考えると、時期的・技術的に他の武装がなかった・装備できなかったとは考えられない。
少なくともビームサーベル(背部にマウント穴が確認できる)とシールド(武器より構造が簡単)は存在していたと考える方が自然だろう。
劇中の機体がそれらを持っていなかったのは、単に負け戦で消耗しただけと思われる。




ノーサイドってか?
レフェリーは…ここにはいねぇよ!

ジム後期生産型

GM LATER Type

型式番号:RGM-79
所属:地球連邦軍
開発:ルナツー工廠
生産形態:量産機?
頭頂高:18.0m
本体重量:41.2t
全備重量:58.8t
出力:1,250kw
総推量:55,500kg
センサー有効半径:6,000m
装甲材質:チタン合金セラミック複合材

《武装》
60mmバルカン砲×2
ビームサーベル
ビームスプレーガン
ビームガン
90mmブルパップ・マシンガン
ハイパーバズーカ
その他

《主なパイロット》
ストール・マニングス
トッシュ・クレイ

地球連邦軍の主力MSであるRGM-79 ジムの後期生産型。
ジム・コマンドジム・スナイパーⅡなどもこの後期生産型に分類されるが、本項目ではルナツー製の、前述の初期型ジムやジム改に近い仕様の機体を中心に記述する。

この後期型のジムはRX-78-2ガンダムの基本構造に基づいた細部の再設計と、戦闘データを基にしたアップデートが行われた結果として、基本性能や生産性・互換性が向上されており、ジム元来の優秀さをより活かした本当の意味での“量産型ガンダム”と呼ぶべき機体となった。
搭載ジェネレーターが前期生産型と同じであるにもかかわらず、出力が20%増している点からもその優秀さがわかるだろう。

設計そのものは前期型ジムがロールアウトする以前から行われており、オーガスタ基地製のD、G型、同じルナツー製のE型と並行して進められた。
その後E型がお蔵入りするとその設計を取り入れて完成した。

凡その仕様はジム改に準じる。
実戦配備はソロモン攻略戦からであったとされ、この戦い以降新たに参加したジムは全てこの後期生産型であるらしい。

外形は様々なタイプがあり、

  • 前期生産型ジムに近い機体
  • ジム改とほぼ同型の機体
  • ジム改によく似ている細部が違う機体

など幾つか違いがある。
とはいえ中身は統一されているために互換性が増している訳である。
なお、一番目のモデルは「先行量産型ジム 宇宙仕様」として新たに設定が組まれている。

初期型ジムとそっくりな外観をしているのは、同じルナツー製の初期型ジムをベースに開発されたため。
ホワイトベースが寄港した際に一時的とはいえクルーを拘束したのはガンダムの実戦データを密かに入手する目的もあったらしく、そのデータを初期型ジムに反映しているとされる。

一年戦終結後、この後期型ジムはあまりにも乱立し過ぎたジムシリーズの規格指標となるべく若干の改修を施され、「RGM-79C」の型式番号と「ジム改」の名を与えられてマイナーチェンジすることとなる。
つまり、後期型ジムとはジム改の雛形なのである。

劇中での活躍

雑誌企画『ガンダム・センチネル0079』にて、バックパックをジム・コマンドと同型の高機動パックに換装した機動性向上タイプが登場。
サラミス級巡洋艦?“マリアナ”の所属として、若き日のストール・マニングスとトッシュ・クレイがソロモン攻略戦で使用した機体として描かれた。
この装備ではバックパックのサーベルホルダーが無いので、ビームサーベルは腰部アーマーのバズーカラッチにサーベルラッチを上付けする形でマウントしている。
武装面でも新型のビームスプレーガン(C-3型)や陸戦型ガンダムビームライフルを切り詰めた形状のビームガン、新設された腰部のラックなど、細かな改良が加えられているようだ。

MS IGLOO黙示録0079?』にはジム改そっくりなタイプ……というかジム改そのものとして登場した。
この機体は媒体によって表記が「後期型」だったり「ジム改」だったりと一定していないためだが、型式番号が「RGM-79C」である事と装備から本作では「後期型=ジム改」として扱っているようだ。
劇中では連邦軍の名もなきチンピラ達が搭乗し、 集団戦法での波状攻撃でゲルググを撃破するなどの健闘をみせるが、その一方でヅダ?やザクなどの旧式に殺られる場面も目立つ。

余談

初期型・後期型・改の3機が似ているのは元となったデザインが同一であるためである。
カトキハジメ氏がデザインしたセンチネル版ジムを公式設定として取り込んだのが後期型、後期型のデザインを流用したのがジム改、更にそのジム改のデザインを流用したのが初期型ジムといった具合。

『機動戦士ガンダム 戦士達の軌跡』のMSグラフィックスではナレーション(古谷徹氏)に前期型が「泥臭くて安価」と評されたのに対して、後期生産型は「ハイグレードで華やかな印象」と評されている。

そもそもジムに関して様々な後付け設定が出たのも、一年戦争後期のジム大量投入ぶりについて「いつの間にそんなにジム造ってたんだ」という疑問が生じたのに対し、「V作戦の結果を待たずに平行して色んな部署や現場でMS製作にかかっていた」という設定をもって答えようとしたものである。
また初期機体として、鹵獲ザクを改造した機体(ザニー等)なども設定された。
それでも後付けに後付けを重ねておまけに一年戦争中に『0083』に出ていたジム改と同じ型番のジムを後期型として映像作品に出した事で、センチネルの後期型を知っている濃いガノタですら混乱する事態となり、現在あれこれ帳尻合わせが行われている。

とりあえず、「アムロが9月18日に人類初のMS同士の戦闘?を行った」という設定は変わらないらしい。
短期間でジムのバリエーション出すぎではなかろうか。

ゲームでの活躍

初期型も後期型も基本的にゲームに出てくる事は稀。

『ガンダムオンライン』では初期型が低コスト・鈍重でありながら、上手くやれば高コスト機をピヨらせ、さらに攻撃を続ければそのまま撃墜できる火力のビームライフルを持っているため、連邦では初心者~熟練者のデッキに入ってるぐらいの需要がある。なのでガンオンプレイヤーには知名度が高い。

が、基本的に『IGLOO』の「ジム改の顔をした後期型」はコンシューマーゲームでは禄に出演しない。(凸)顔のジムの出番を奪ってしまいかねないのと、コマンドと役割が被るためだろうか。
近年のネットのゲーム等では機体のバリエーションを増やす為に後期型も参戦してる事もあるが…。

Gジェネシリーズ?では長らく登場せず、後期型とされるものは大体ジム・コマンドにすり替えられてしまう事が多かったが、ジェネシスにて初期型ジムが初登場。
しかし武装がマシンガンしかない上に、同作では初期生産できるザニーから通常のジムへ開発可能であるため自軍で使われるケースは少ないだろう。




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*1 RGM-79E、RGM-79(E)など表記に揺れがある