登録日:2016-04-27 (水) 16:54:49
更新日:2024-04-28 (日) 11:58:39
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Tag: 遊戯王 遊戯王デュエルモンスターズ ネタバレ 次回予告 伝説の次回予告 「死なないで城之内!」→「城之内死す」 まさかの社長バージョン 真崎杏子 城之内克也 城之内死す やめて! 神作画 加々美高浩 神回 もはや伝説 ネタバレサブタイ
以下、真面目にやります。
「城之内死す」とは、アニメ「遊戯王デュエルモンスターズ?」第128話のサブタイトル?である。
(正確にはアニメのものは「城之内 死す」とスペースが入るが、公式サイトでは空いてないのでこちらの表記に準ずる)
内容自体は動画サイトでネタにされる城之内?の「ぐわぁぁぁ!」という断末魔の叫び?や、
闇マリク?によるリバース(嘔吐的な意味で)などのネタになる要素もあるものの、
城之内が闇のゲームと《ラーの翼神竜?》に真っ向から挑み、惜しくも倒れて敗退するというシリアスなものだった*1。
以上エピソード概要終わり。
だが、この回の1つ前の第127話「逆転!稲妻の戦士」。
この回で流された次回予告は視聴者に衝撃を与えるものだった。
ラーの翼神竜の特殊能力で、ギルフォード・ザ・ライトニングを焼き払われたら、
闇のゲームでモンスターと繋がってる城之内の精神まで燃え尽きちゃう!
お願い、死なないで城之内!
あんたが今ここで倒れたら、舞さんや遊戯との約束はどうなっちゃうの?
ライフはまだ残ってる! ここを耐えれば、マリクに勝てるんだから!
次回「城之内 死す」
デュエルスタンバイ!
杏子は視聴者に希望を持たせるようなナレーションをしているにもかかわらず、そこに続くサブタイトルがこれである。
前半部は悲痛な思いを抱きつつも必死に応援しているのに、サブタイトルコールとデュエルスタンバイはいつも通り明るい調子で言うため落差がひどい。
上記の通り闇のゲームによるラーの翼神竜?の不死鳥モードに城之内が耐えられるのかどうか視聴者がハラハラしてる中、
「死なないで城之内!」とか「ライフはまだ残ってる」とかいいつつその後あっさり「城之内死す」である。これはひどい
丁寧に説明しているおかげで遊戯王のルールよく分からない人でもはっきりと状況が分かることも面白さに拍車をかけている
こんなこと言われたら、見てる側は皆で爆笑するかひどい脱力感に襲われるしかないだろう。
ちなみに第128話本編でも、
マリクの攻撃をしのぎ、とっさの判断で反撃に転じた城之内君。
だが、あと一歩まで追い詰めたところでマリクにラーを召喚されてしまった…!
ラーの第三の能力――ゴッド・フェニックスによって場のモンスターと共に
城之内君の精神力まで焼き払おうというのか!?頼む、耐えてくれ城之内君…勝利は目の前なんだ!
という闇遊戯?のナレーションから「城之内 死す」のサブタイトルが表示されるというものとなっている。
真崎杏子?の項目にも書かれているが、元々ネタバレ気味な予告等を繰り出す遊戯王シリーズの中でも
特に遊戯王デュエルモンスターズ?は杏子によるネタバレがひどい予告を次々と繰り出すことで有名だった。
(後述する番組でも使われた第27話「海馬散る!無敵のトゥーンワールド」や第106話「男の花道 本田玉砕」など)
そのなかでもこの予告は予告内容とサブタイトルコール&デュエルスタンバイのテンションの落差が激しく、
ついにはこの次回予告を(公式サイドにすら)「伝説」と称されるものとすることになった。
なお、このエピソードは原作でもジャンプ掲載時に「志半ば… 城之内、散る!」という煽りが掲載されていた。
なのでサブタイトル自体はそこまでひどいというわけでもない(というか他アニメなどでもよくあるもの)。一番は内容とテンションの落差である。
ちなみに城之内は原作では心停止、アニメでは瀕死の状態に陥ったが、奇跡が起きて復活している。
つまり、ネタバレではあるが最終的には嘘予告というか予告詐欺である。
本編自体は作画監督を加々美高浩?氏が担当したため作画クオリティが非常に高く、
(特に加々美氏は原作を読んだ時からこのエピソードに大変入れ込んでおり、当時遊戯王のアニメカレンダーのイラストという大変な作業もあり、
本来ならば別の作画監督が担当する場合もあったが、無理を言ってまでこの回の作画監督をやり切ったという)
バトルシティ編の山場の一つである盛り上がるストーリーに、声優達の熱演や原作にない演出なども加わりシリーズでもトップクラスの見応えのある内容となっている。
その文字通りの熱気を受けたのか、文庫本では城之内が焼かれる場面が高橋和希?氏によって2ページほど加筆されている。
センス自体はとても良いものだとはいえるが、この予告とサブタイトルを考えたスタッフどんな気持ちでこれにしたのだろうか……?
しかしこのタイトルは現在でこそネタにされているが、何気に「ネタバレ」としては余り機能していない。
前述の通り城之内が死ななかったのもあるが、そもそも今回の相手マリクはバトルシティ編のラスボス級であり、メタ的に言えば主人公でない城之内が勝てる要素は皆無に等しい。
それでも「決勝戦で戦おう」という約束を守る事を期待した読者もいたかもしれないが、そこに「城之内が死ぬ=負ける」とネタバレタイトルがぶち込まれ、誰もが城之内の敗北を予見した。
しかし城之内はそんな下馬評を跳ね返すかのように大善戦。デュエルのルール的には勝利というのは誰もが考えなかった事。
だがタイトルから予想される勝敗を見事に裏切ったと思いきや、最後の最後で倒れてしまった。
しかしこのタイトルでここまでの激戦を予測できた視聴者は多くないだろう。
要するにタイトルは死ぬとは言ったがデュエルで負けるとは言ってなく、何も知らない視聴者をドキドキわくわくさせたことは事実なのである。
つまり全部次回予告の落差が悪い。
このあまりにあんまりな次回予告に対しては公式もネタにしており、
2016年の映画『遊☆戯☆王 THE DARK SIDE OF DIMENSIONS?』を話題にした番組「劇場版遊戯王 公開SP! 風間・ケンコバ&メンタリストDaiGoのつっこみ遊☆戯☆王」では、
ネタバレ次回予告特集の前半の締めを担当し、遊戯の中の人・風間俊介?と百済木?の中の人・ケンドーコバヤシ?等を爆笑させ、
ナレーションと風間君にも「伝説の次回予告」と称された。
ちなみに風間君曰く、これを含んだネタバレ次回予告は「録ってた時は(第三者のつっこみがなかったため)全然気づいてなかった」らしい。
スタッフもわざとではなかったらしいが、それはそれでハイセンスである。
またAnimeJapan 2016で開催された映画版のトークステージでは城之内の声優である高橋広樹氏すらネタにしてしまい、
モクバ?役の竹内順子?氏にこの「俺が死ぬ回」の短縮版次回予告を言ってもらう様に願い出たのだが、
竹内氏がネタバレ次回予告はヒロインである杏子の特権であると断り、
それを何故か海馬役の津田健次郎?氏が買って出たことで……
ここを乗り越えれば、マリクに勝てるんだから(適当)
次回「城之内 死す」!!
デュエルスタンバイッ!!
と、レアな社長?バージョンが披露されることに。
どう考えても「死なないで」感はなく、むしろ城之内を本気で殺しにかかっているテンションになっている。
高橋広樹「あっホントに、ちょ…ホントに死んじゃう!その予告ホントに死んじゃう奴!!」
更に2019年12月のイベント「ジャンプフェスタ2020」で披露された「遊戯王デュエルオペラ」にて、
今度は闇マリク?役の岩永哲哉氏がやることになった。
こちらはなんとフルバージョンで、岩永氏の怪演も相まって不気味な内容になっている。
高橋広樹「おぉい!? 殺す人に殺される奴だ…!」
岩永「この壮大なネタバレ予告なんですけど、これマリクが言うとウッキウキ気分になっちゃうんでね!」
ラーの翼神竜の特殊能力で、ギルフォード・ザ・ライトニングを焼き払われたら、
闇のゲームでモンスターと繋がってる城之内の精神まで燃え尽きちゃうぅぅぅ!!
おぉ願い、死なないで城之内!
あーんたが今ここで倒れたら、舞さんや遊戯との約束はどーなっちゃうの…?(煽り)
ライフはまだ残ってる! ここを耐えれば、マリクに勝てるんだから!
次回「城之内 死す」!!
デュエルスタンバイッ!!
高橋広樹「死んだな、これ…」
そして『デュエルモンスターズ』以降の作品でも、死亡フラグ満載の次回予告や
アニメ『遊戯王ZEXAL?』第47話での予告「アストラル、死す…!?」のようにサブタイトルが近いものがありネタにされているものの、
どちらかといえば「城之内死す」が意識されたネタであり、単体ではこの予告ほどネタにされていない。
やはりネタバレというのもあるが、杏子が外道にも見える「お願い、死なないで城之内!」からの「城之内死す」という落差がこの予告の魅力…なのだろうか?
ちなみに遊戯王以前にも、まったく同じ事をやらかした?特撮作品?が10年も前に存在していたりする。
なおこっちは本当に死んでしまった(そもそもすでに死んでいた人物が一時的に復活していたような状態だったので、再び死ぬのは時間の問題ではあった)。
さらに後年、そのシリーズ作品?でネタバレサブタイトルが使われた際には、その公式Twitterが「デュエルスタンバイ!」とツイートするという病気っぷりを見せたりしている。ちなみにその内容は「メンバーの1人?がある理由で人生勝ち組ルートとなり調子に乗るが、サブタイトルが『三日天下』とネタバレしてしまう」というものだった。
もっと酷い状況だとドラゴンボールの扉絵で「ヤムチャ勝利確実!?(煽り)→真下に「其之百十八 ヤムチャ破れる!」というパターンもある。
「城之内死す」はネタとしては非常に受けている伝説の次回予告となったが、この手のネタバレ予告はトラブルにもなりかねない危険も孕んでいる。
実例を挙げると、月刊少年エースで『桜色フレンズ』を佐倉色氏は自身のブログにおいて、ほとんどその回のオチをバラすような内容のコマや数週に渡って引っ張った伏線である手紙の内容を記したコマを宣伝としてTwitterで公開されてしまい、「城之内死すをリアルにやられたようなもの」として憤りを感じていることを明かしている。
その他にも担当編集が様々な嫌がらせを行っていたことがブログ内で明かされ、最終的には公式サイトで編集部が謝罪することとなった。
なお、これらの一連の騒動の詳細は佐倉色氏のエッセイ漫画『とある新人漫画家に、本当に起こったコワイ話』で描かれている。
89ページの2コマ目に「城之内死す」が書かれていた?知らん、そんな事は俺の管轄外だ?
次回「Wiki篭り 死す」
追記・修正スタンバイ!