登録日:2010-05-28 (金) 10:35:04
更新日:2024-04-13 (土) 23:03:29
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プロフィール
生年月日:2000年9月13日
年齢:15歳
身長:162cm
血液型:不明
声優:石田彰
人物
銀髪で赤目の美少年。
データ上の生年月日はセカンドインパクト?と同日。
劇中での活躍
TVアニメ版
24話からの遅い登場。
零号機?の自爆で廃墟となった第3新東京市?の像の上でベートーベンの交響曲第9番ニ短調作品125を口ずさんでいる時にシンジ?と出会う。
シンジには最初から純粋な興味と愛情を示し、唯一シンジに心を開かせた。
その正体は、第17使徒タブリス(TABRIS)。
使徒としての名前の「タブリス」はキリスト教?・ユダヤ教?の伝承にある「自由意志の天使」に由来する。
セカンドインパクトの際に分割されたアダムの魂を宿すモノであり、人類への最後のシ者である。
尚、本編で使徒としての名前が呼ばれる事はない。
その出自は明かされていない事も多いが、かつての葛城調査隊の実験により人の遺伝子を組み込まれたアダム?から生み出された体にゼーレ?によってサルベージされたアダムの魂が宿ったもの、とされている。
他の使徒のような特殊能力は持っていないが、人間体でありながら光や磁場さえも遮断する強力なA.T.フィールドを展開する事が出来る。
その応用として、空中を自在に移動する事も可能。
また、エヴァを外部から意のままに操る事が出来るが、これはカヲルがアダムの魂を持ち、アダムから産まれたエヴァと自在に繋がる事が出来るからである。
作中、彼が「エヴァは僕と同じ身体で出来ている」と告げたのはその為だが、リリス?から産まれた初号機?を自在に操る事は出来ない。
かなり達観した性格をしており、死に対して憧れとさえ取れる発言をしている。
一方でシンジとは打算なく付き合い、彼の繊細な感性に惹かれていた。
シンジもカヲルに「無条件に自分へ向けられた愛情」を感じ取り、短い期間ながらかなり親密な間柄を築いている。
後にシンジが「父さんと同じに裏切った」と告げているのは、シンジにとっては肉親のように親しく思える相手であった事の表れである。
因みにアダムから生まれた使徒達は自分達が持たない知恵の実を持つ人類に興味があったとされており実際にTV版に登場する使徒達は段々と人間の心を理解しようとする行動を取るようになっている。
カヲルはその極致と言え、人以上に人の言葉を使いこなし、最終的にはシンジという人間と理解しあうようになっている。
カヲルが人の形をとっているのも使徒が人類を理解しようとした結果ではないかとする説もある。
しかし彼はゼーレの願いを託された身であり、人間と理解しあえたからといってその役割がなくなる訳ではなかった。
パイロット不在の弐号機?を操り、セントラルドグマに降下。ヘヴンズドアを開き、ターミナルドグマに接触した。
しかしその場に安置されているのがアダムではなくリリスである事に気付き、追い付いてきたシンジに殺される事を選んだ。
この際、「僕を殺してくれ。そうしなければ君たちが死ぬ事になる」と告げており、シンジに対する愛情は本物であり、人類を理解したがため本来の役割を放棄している事がうかがえる。
だがこの時トウジ?やアスカ?が傷付き、加持?やレイ?を失い精神に大きな負担がかかっていたシンジは親友を自らの手に掛けたことで遂に壊れてしまう。
また使徒としての一連のシーンのBGMは口ずさんでいた第九である。
そして握りつぶすのに使う時間が非常に長い。
ワンカットでジャスト1分引っ張るためTVが壊れたかと思う程。
彼のTV版での出番はこれがすべて。全26話中、たったの1話だけ。
人気が高く、商品展開やメディアへの露出が多いので勘違いされがちだが、彼の出番はものすごーく少ないのである。
一応OPにはワンカットのみだが登場しているのである意味全話に登場していると言えなくもないが。
旧劇場版?
アダムを取り込んで巨大化?したレイ(リリス)が、途中で彼の姿を取る事があった。*1
レイと共にシンジの精神世界で彼に語り掛け、最終的に「人の世界」を望んだシンジを見送った。
漫画版?
原作とはキャラクター造形が異なり、初期案通り貞本が本来持つ無邪気な少年としてのイメージで描かれている。
当初は死や愛の概念が分からず、子猫を「いずれ死ぬから今死んだ方が幸せ」と純粋な善意で殺したり、他者を心配するシンジの心情を図りかねていた。
基本的に空気が読めず、不用意な発言や言動を繰り返す。ガチでシンジに前歯を折られかけたことも。
しかしアルミサエルによりレイが浸食を受けた際に彼女の感情に触れ、涙を流した。
それ以降は人の感情に興味を示し、シンジに対しては「少しでも僕の事を思ってくれるなら殺してくれ」と告げた。
殺される事でシンジの心に残る事を望むなど、アニメとは違う形で彼に愛情を示している。
また、原作のカヲルはアルミサエル戦後に登場したため、登場時には既に精神崩壊していたアスカや自爆した2人目のレイとは面識が無かったが、
漫画版ではアラエル?戦の前に登場したため、彼女達とも面識がある。
因みにこちらではキール・ローレンツ?から使徒名のタブリスと呼ばれるシーンがある。
ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序
終盤に月面の棺から目覚め、未だ見ぬはずのシンジの名を呟いた。
ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破
月面に生身でたたずみ、シャトルのゲンドウ?に語り掛けた。
「おとうさん」と。お義父さんではない
終盤、初号機が覚醒した際にはエヴァンゲリオンMark.06?で舞い降り、カシウスの槍でサードインパクトを止めた。
「さあ約束の時だ、碇シンジ君。今度こそ、君だけは……幸せにしてみせるよ」
ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q
ヴィレ?からネルフ?に連れて来られたシンジに唯一親しく接する。
ピアノの連弾を通したコミュニケーションで徐々に打ち解け、旧作同様、たった数日で深い関係に。
もっとも、14年ぶりに目覚めて以降のシンジは、ロクに説明もせずDSSチョーカーだけつけたミサト?たちヴィレや「エヴァに乗れ」しか言わないゲンドウ、別人となったレイに囲まれているのだから無理もない話だが。
その後、シンジが「破」で起こしたニア・サードインパクトがきっかけとなったサードインパクトの惨状を見せ、彼が全てのきっかけだと厳しく諭す。
だが、エヴァ第13号機?に搭乗してセントラルドグマの二本の槍を使って世界を修復しようと持ちかけ、さらに自分を信じてもらうためにDSSチョーカーの肩代わりまでして見せ、本格的に心を通わせ合った。
そしてシンジと一緒に第13号機に搭乗。まさかの二ケツまで果たした。
だが、対の槍だったはずの二本の槍は同じ形状のロンギヌスの槍になっており、慌ててシンジを止めようとしても聞かず、第13号機によって槍が抜かれてしまった。
結果、乗っていたカヲルは第13の使徒として覚醒し、第13号機を覚醒させてフォースインパクトを引き起こしてしまう。
フォースインパクトの収束を図るため、シンジに後を託した彼は、自らにつけられたDSSチョーカーに身を委ね、微笑みと共に首を吹き飛ばせてしまうのだった。
「そんな顔しないで。また会えるよ、シンジ君」
旧作とは異なり、シンジを心から想い、彼を守るために自らをも犠牲にしたカヲル。その彼の死がシンジの精神にトドメを刺してしまったことは何という皮肉だろうか。
シン・エヴァンゲリオン劇場版:||
作中終盤に登場。「マイナス宇宙」での精神世界で対話を行い、シンジの中にユイを見つけたゲンドウの代わりに、シンジと共に人類補完計画の役割を引き次ぐ形で登場し、精神世界で加持リョウジ?との対話という形で唐突に真実が明かされた。
この事実によりカヲルは定められた円環の物語に囚われており、記憶を保持したまま何度も繰り返し世界をループしていたと思われる。
そして、カヲルが自身の正体を明かした際には、序のラストシーンに登場した棺が再登場した。月面に円を描く様に囲みながら置かれた数多くの棺には、まだ明けられていない数多くの棺と共に、既に開かれた形跡のある数多くの棺があったこと、そして、TVシリーズ版第二十四話「最後のシ者?」にてシンジとカヲルの回想にて、砂浜で二人が出会ったシーンが登場していること。その事からカヲルは少なくともTVシリーズから劇場版に至るまでの記憶を保持していることが窺える。
そしてカヲルは、加持との対話中、「渚とは、海と陸の狭間で波打ち際という意味を持ち、第1使徒であり第13使徒となる,人類の狭間をつなぐあなたらしい名前だ」と加持に言われており、TVシリーズ・旧劇場版・漫画版でのセカンドインパクトの原因であり、使徒の祖たる第1使徒アダムの魂を持った第17使徒タブリスと、新劇場版で第1使徒であり第13使徒ともなる「人類の狭間を紡ぐ存在」であることが明かされた。 また、加持はカヲルに対して一貫して渚司令と呼んでおり、カヲルは加持の事をリョウちゃんと呼んでいた。
第1使徒と第13使徒、あるいは旧版のエヴァ世界と新劇のエヴァ世界とつないでまで果たしたかった渚カヲルの本当の目的は、それは紛れもなくシンジを幸せにする事である。
最終的にシンジは、カヲルが「シンジの希望になるはずだった存在」のエヴァ第13号機を「処分」することを決め、「エヴァ」を捨てようとするが、それに対してカヲルは抵抗するでも拒絶するでもなく、シンジにとっての幸せは「エヴァによるものではない」と分かり、「君の幸せを誤解していた」と言い謝罪した。
シンジとの最後の別れ、カヲルは「いつかまた逢えたら、ありのままの君と過ごしたい」と望む。そこに幼い姿のシンジが現れ、カヲルに手を差し伸べこう言う。
その姿にカヲルは涙を流し、そして初めて会ったであろうあの砂浜で二人は握手をした。
加持との対話の中で、カヲル自身にも気づかなかったカヲルの本当の目的が、「自分はシンジを幸せにするだけではなく、それによって自分が幸せになりたかった」のだと指摘される。
そして加持との会話の最後に、カヲルは加持から「あなたは十分に使命を果たした。後は彼に引き継いで貰ってもいいでしょう。葛城と一緒に老後は畑仕事でもどうです?」と言われ、一言「そうだね。それもいいね」と満足そうに言い、二人が畑に向かう後ろ姿にシャッターが閉じられ、カヲルが退場した。
ネオンジェネシス後の新しい世界で、宇部新川駅の線路越しには、アスカやマリと同様に大人に成長し、レイと一緒に居るシーンが描かれた。
他作品での活躍
新世紀エヴァンゲリオン2
大筋はTV版と変わらないのだが、説得に成功すると名実共にフィフスチルドレンとなる。その場合S2機関搭載テストの事故で消え去ったはずの4号機をディラックの海から引っ張り出して乗機とする。
また彼の専用シナリオでは、就寝前のモノローグやレリエル?*2戦やアラエル*3戦等で、
使徒でありながら人間として生きることを選んだ矛盾、自身の本当の目的との剥離といった、彼なりに様々な苦悩や葛藤を抱えていることがわかる描写があり、アニメ版の超然としたイメージとはかけ離れた一面を見せる。
レリエルの中に現れたもう1人のカヲル曰く「リリンの真似が上手すぎて内面の弱さまでリリンそっくりになった」とのこと。
そのEDでは、遥かなる太古の昔に旅立った仲間(第一始祖民族)にいざなわれ再びアダムとして宇宙へと旅立つという結末が描かれている。
なお、機密情報(設定資料)では、サードインパクトは使徒+リリスでも起こせるとされている。カヲルの目的はサードインパクトではなく、あくまでアダムに還る事だったのかも知れない。ただ、機密情報の中にはTV版や旧劇の描写と噛み合わないものもある(ゼーレの目的など)のだが。
スーパーロボット大戦シリーズ?
スパロボにおいても、その謎めいた立ち位置ゆえか傍観者として何でも知っているキャラとして扱われていることが多い。
- スーパーロボット大戦F完結編?
バッドエンド?時のラスボスではあるものの、乗機のエヴァ3号機(バルディエル?ではない)が格闘とプログナイフしか武器がない漢らしすぎる性能*4なためまるで脅威にならない。
そして普通のルートだと一切出てこず、シンジは代わりにカトル君?と親しくなる。 - スーパーロボット大戦α?
本作ではマクロスの『愛・おぼえていますか』の鼻歌を口ずさみながら初登場。歌詞の入ったプレートをシンジに託す。
その後、原作同様の経緯を辿り、死亡。 - スーパーロボット大戦MX?
役回りは原作同様だがラーゼフォン?の美嶋玲香?(イシュトリ)の存在を認識していたり、電童?の7体目のデータウェポンの居場所を示したりしている。 - 第3次スーパーロボット大戦α~終焉の銀河へ~?
αにおいて死んだはずだがバサラ?の部屋にいて歌を聴いたり作詞していたりした。
このカヲルはMX世界から来た可能性が高い。ちなみに彼がいた世界は滅びたらしい。*5
なお、本作のカヲルは死んでいないはずなので、最終話で霊体で現れたのはα世界のカヲルなのでは、という声もある。
- 第3次スーパーロボット大戦Z?
時獄篇では音楽絡みでアクエリオンEVOL?のシュレード?の部屋にいたのが初登場。不動ZEN?とは色々と絡む。
またバサラ?に対して「相変わらず、いい歌だね」と本作における初対面時でコメントしており、第3次αの記憶を持っている可能性が示唆されている。
天獄篇にて、13号機のサブパイロットとして自軍に参加。
ストーリー終了後も死亡しない。
- スーパーロボット大戦V?
シークレットシナリオを通過すれば13号機とともに自軍に参加。
今作でも死亡しない。
余談
銀髪の達観した美少年、というのが現在におけるカヲルの完成されたイメージだが、監督の庵野秀明やキャラクターデザインの貞本義行が当初意図したキャラクターはもっと無邪気で幼い少年であり、ある意味で声優の石田彰によってイメージが変わったと話している。
これを証明するように声の無い漫画版では危うい無邪気さを持った少年として描かれている。
企画書では22話「猫と転校生」に猫を連れた美少年として登場予定で、猫が本体の可能性もあったという。
24話の初期稿ではトウジが順調に退院していたりと平和な学校に転校しており、成績優秀、スポーツ万能の神童で転校早々ファンクラブが結成される美少年という
シンジが持つコンプレックスを全てクリアしている理想像という意味でシンジが憧れる対象となっていた。
この初期稿で露骨にホモっぽい重要な事件のきっかけとなるシンジが泳げないという伏線?はプールの場面や精神世界での発言で張られており、この辺りからキャラが固まってきたと思われる一方で、メカデザインの山下いくとが中盤頃に劇場版のアイデアを求められて提出した案では
中ボスのエヴァ変異体が弐号機のエネルギーと一緒に吸収したアスカのデータを元に体内に生み出した仮想憑依体とされており、この時点でも扱いは決まっていなかった様子。
彼が登場する劇中サブタイトル「最後のシ者」の「シ者」を繋げると「渚」になり、「オワリ」を1字ずらすと「カヲル」になる、つまり「オワリのシ者」=「最後の使徒」というのは有名な話である。また恐らくシ者=死者にもかかっていると思われる。
少年エースに貞本が掲載していた描き方講座によると、デザインコンセプトは「3人のパイロット(これまで使徒と接触した人間)の合成像」だとか。*6
その整った容姿や石田彰の甘いボイス、数々のホモくさい言動が当時の腐女子を熱狂させ、彼とシンジをネタにした大量のやおい本*7が出回ることになった。Qでは破格の扱いということもあって再び人気が再熱し、時代を超えた人気を見せつけた。
このシンジとのホモネタは半ば公式化している為、メディアミックスや二次創作でも同性愛者の変人として描かれる事が多い。シンジもカヲルには最初から好意的な場合が多く、アスカやレイにとって強大なライバル?となっている。また、ゲームなどでは物語の真意を知るキャラクターとして描かれる事が多い。
24話初期稿ではシンジが彼に付きまとう理由を聞いてきたカヲルファンの女子に苛立ったアスカが「あの二人はデキてる」と口走ったり、ドラマCD?でもナルシス?ホモ呼ばわりするなどホモ扱いの震源地はアスカのことが多い。
欠番の4号機に搭乗する事が多いが、これは大抵のメディアでアスカが健在だからである。
もっとも、前述の通り彼がシンジに惹かれたのはあくまでその繊細な内面なので、厳密には「好きになった相手がたまたま男だった」に過ぎず、公式でもネタにされているとはいえ同性愛者という認識は不適切との指摘もあるため、どちらかと言えば両性愛?者(バイセクシュアル)の方が実態に近いとする説もある。
前述の『エヴァ2』ではシナリオによってはなんとカヲルがリツコに籠絡されてしまう*8というとんでもないイベント(詳細は彼女のページ?参照)も存在するため、公式的には少なくともカヲルの性対象には異性も含まれているということになる。
- 渚司令について
シンエヴァ劇中では何の組織の司令なのかといった事は一切明かされなかったが、2021年7月11日に行われた舞台挨拶にて庵野監督が、『破』から『Q』までの空白の14年間の間に、ゲンドウと冬月はNERVで失脚し、その後司令を務めたのがカヲル、補佐は加持リョウジが務めていたことを明かした。