登録日:2009-06-22 (月) 20:00:00
更新日:2024-04-26 (金) 22:38:21
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酒呑童子
平安時代、京の都は大江の山に巣くっていた鬼?達の頭領。
身の丈一丈*1の巨漢であり、酔っ払いのごとき赤ら顔だったとか。
現存する最古の出展は「大江山酒天童子絵巻」であるが、大元になっている話自体は大分前からあるもよう。
また、時代の推移と共に様々な伝承や話と合体分離を繰り返しており、誕生篇だけでも様々なバージョンが存在している模様。
大魔縁崇徳院・白面金毛九尾の狐玉藻御前と並んで『日本三大悪妖怪』にあげられている。
- 概要的なもの
誕生篇
※諸説ありすぎて大部分省略
①大江町ver1
町一番の美少年で、数多の女性に告白され沢山の恋文を貰うも、ことごとく拒否。
振られた女性達は恋わずらいから死亡。
ある日、山で火を炊き、恋文を燃やして処分しようとしたが、女性達の怨念がこもった煙を浴びてしまい、気がついたときには鬼に変貌していた。
恐るべきは喪女毒女の呪い。
つうか、半分逆恨みでは…。
②大江町ver2
町の平凡な寺に生まれた。
しかし、赤ん坊の頃から歯が生え揃っており、生後間もない頃から言葉を話し始め、なんと5歳から酒を飲むようになった。
成長すると酒の飲み過ぎでその体は真っ赤になり、顔も醜く変わった。
③伊吹山ver
スサノオノミコトにズタズタ切られ弱体化した八岐大蛇は出雲から落ち延び、伊吹山に住み着く。
色々あって落ち着いた大蛇は、近くの農家の娘を貰い息子を設けた。
後に童子は寺へと入れられたが、乱暴ばかりはたらいたため、罰としてその寺に安置してあった鬼の面が顔にくっついて取れなくなった。
色々あって意気投合した「茨木童子」などの鬼達と大江の山に住み着いたとか。
- 本編
酒呑童子率いる大江山の鬼達に頭を痛めた朝廷は「土蜘蛛退治」や「一条戻り橋の鬼退治」で有名な『源頼光』率いる『頼光四天王』を召集。
これの討伐に向かわせる。
頼光等は山伏に扮し、大江山に突入。
しかし、ほぼ無策で突入した為、あっとゆうまに遭難。
すると、老人に姿を変えた神様が彼等の前に現れ道を示してくれたうえ、人には薬となるが、鬼には毒?となる『神便鬼毒酒』
と神の鎧?、星冑を授かる。
ようやく鬼の宮殿にたどり着いた一行は、「道に迷った鬼を信仰する旅の者」だと偽り、まんまと潜入に成功。
当初は警戒していた鬼達も、酒呑童子の
「杯を交わした以上家族同然だ」
との言葉に警戒を解いて、頼光の酒を口に流し込んだ。
その後、毒酒が周り、身動き一つ出来なくなった鬼達を一行は1人残らず討ち取る。
その光景を目の当たりした酒呑童子は
「情けなしとよ客僧たち、偽りあらじといひつるに
鬼神に横道なきものを」(原文)
「信心を偽り、裏切るとは情けない。
こんな真似は鬼でもやらん」(意訳)
と批判。
対して頼光は
「勅なれば」
と刀一閃、酒呑童子の首を落とした。
しかし生命力の凄まじい酒呑童子は首だけで頼光の兜に噛みついた。
が、頼光が刀でその両目をえぐり出すと、ようやく力尽きて地面へ落ちたのだった。
この刀が、いわゆる天下五剣?の一つ、童子切安綱(国宝指定)。
童子の首を引っさげて意気揚々の帰り道、老の坂辺りで首が急に重くなる。
遂には持つ事も叶わなくなり、その場に埋めて帰ったとか。
その場所は、「首塚大明神」として現在も立派に奉られているとか。
- 余談的なもの
- 某地方に伝わる昔話の一つにその後の酒呑童子が出て来る話があり、首だけになった今でも酒をねだって空を飛び回り、居酒屋で酒を飲ませてもらっては、ニコニコしながら酔っぱらう毎日だとか。
- 辛い酒を「鬼ころし」と言うが、それの語源が童子に飲ませた酒。鬼を殺せるような辛い酒と言う所から来た言葉で、一般名詞な為商標登録されていない。だからどこのメーカーでもこの名前の酒を売り出せる。
- 酒呑童子を鬼と呼んだのは都の人たちで、地元での彼は人望篤かった。頼光に討ち取られたあと、大江山には彼を弔うための碑が建てられ、彼の命日には「鎌止め」といって刃物の一切を使わず彼の霊を慰めた。
- 首塚大明神は現在も京都市に存在しているが、地元では心霊スポットとして有名で、怪奇現象も多数報告されている。なにせ日本最強と恐れられる鬼が祀られている場所である。決して遊び半分で行かないように。
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