YMCA(曲)

Last-modified: 2024-05-22 (水) 22:34:10

登録日:2018-05-22 (火) 21:48:07
更新日:2024-05-22 (水) 22:34:10
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♪Y・M・C・A!
♪若いうちは やりたいこと 何でもできるのさ

「YMCA」とは、アメリカのディスコグループ「ヴィレッジ・ピープル」が1978年にリリースした楽曲。
タイトルのYMCAとは、「キリスト教?青年会(Y;oung M;en's C;hristian A;ssosiation)」に由来する。

表向きの内容は若者に対する応援ソングで、「YMCAは素晴らしい組織だからみんな入ろう!」と若者に向けて勧めるような内容となっているのだが……

以下ネタバレ?

まず、ヴィレッジ・ピープルというグループ自体、メンバーの大半がゲイによって構成され、一貫してゲイを題材とした楽曲を手掛けるミュージシャンである。本曲も例外ではない。

実は、YMCAというのは“ゲイの巣窟”という意味合いも孕んでいるのである。

YMCAは宿泊施設も数多く所有しているが、それらは相部屋が多く、「そういう目的」で宿泊した人がノンケをホイホイ誘ったり、ゲイ同士で行為に及んだりと、いつしかハッテン場?やゲイ同士の出会いの場の役割を担うようになっていった。
それゆえ、YMCAという組織名自体がゲイを匂わせる隠語として現地で徐々に定着していった。

実際、歌詞をよく読めばゲイを連想させるキーワードはそこかしこに織り込まれており、本曲のミュージックビデオでは、ヴィレッジ・ピープルのメンバー達は水兵、建設作業員、アメリカ先住民、鞣し革ファッション、カウボーイ、警察官の格好をしている。
これらは全てゲイに人気の高い定番の職業・ファッションなのである。

なお、本曲がヒットした事でYMCAの宿泊施設を「そういう目的」で使っていた人達が心情的に使えなくなってしまったという逸話もある。
また余談ではあるが、ヴィレッジ・ピープルの楽曲は当のゲイ達からは鼻で笑われ相手にされていなかったらしい。そのため早々にゲイ要素をにおわせる程度に留めたディスコミュージックに路線変更した模様。

カバー版

数多くの名曲を残すヴィレッジ・ピープルの中でも屈指の人気曲であり、世界各地でカヴァーが為されており、
日本でも西城秀樹氏が「YOUNG MAN(Y.M.C.A.)」のタイトルで1979年にカヴァー。大ヒットとなった。
この項目を読んだ人も、本記事の冒頭にあるこの日本語版の歌詞を最初に思い浮かべたという人が大半であろう。

なお、西城氏のバージョンは原曲よりもややアップテンポになり、歌詞のニュアンスも原曲とは変わり、ストレートな応援ソングとして人気を博した。

彼が本曲のカヴァーを決めたのは、訪米した時に現地でこの曲を聞いて気に入ったからで、この曲の真意を知る周囲のスタッフは猛反対したというが、事情を知らされてもなお、「良いものは良い」と西城はこの曲を歌う事を諦めず、スタッフと幾多にも及ぶ話し合いを重ね、実現へと漕ぎつけた。

カヴァーにあたって歌詞は当時西城のマネージャーだったあまがいりゅうじ(天下井隆二)によって“日本語?による訳詞”…というよりかは殆ど完全オリジナルな内容へと変更。ゲイを匂わせる要素は皆無となり、青春応援ソングとして生まれ変わった。
YMCAは組織名ではなく掛け声としての扱いにし、タイトルもYMCAから「YOUNG MAN(Y.M.C.A.)」に変更された。

ちなみに西城氏は「本曲のYMCAとは「Young Man Can do Anything」(若者は何でも出来る)の略である」と度々説明していた。
まぁ、原曲と意味合い自体が全く異なるうえに、アメリカの団体について予備知識を持たないリスナーも少なくないであろう事を考えると、こういう独自解釈も妥当といえるかもしれない。

両手で「Y」・「M」・「C」・「A」を表現するあの有名な決めポーズ(振り付け)は、スポーティで健康的な印象を与えるために振付師の一の宮はじめ氏と西城氏が考案したもの。
それが西城氏を介して本家にも伝わり、いつしか世界中がこの決めポーズを披露するようになっていった…と一般的には言われているが、
その一方で、アメリカのテレビ司会者であるディック・クラークは、この決めポーズは自身が司会をするテレビ番組「アメリカン・バンドスタンド」で初めて披露されたと語っており、正確な発祥はよく分からない。

なお、この曲は当時放送されていた人気音楽番組『ザ・ベストテン』で9999点というカンストを叩き出した曲でもある。
もちろん史上最高得点であり、この記録は番組終了まで遂に破られる事はなかった。
またNHK紅白歌合戦?でも計3回披露され、回によって演出は異なるが元ネタの裏モチーフとは裏腹に多数の女性ダンサーがバックで踊っていた。
…但し「洋楽のカバー」だったのが祟って、「日本歌謡大賞」は獲れたものの、「日本レコード大賞」からは除外されてしまった。

YOUNG MANをカヴァーした日本のアーティストも多く、はいだしょうこ?、桑田佳祐、GENERATIONS from EXILE TRIBE、BOYS AND MEN、E-girls、直訳ロックで有名な王様もカバーしており、替え歌や原曲カヴァーを含めるともっと多い。

ヤングマンつながりで、元読売ジャイアンツ?の投手テイラー・ヤングマン*1の登場曲にも選ばれていた。
余談だが、ヤングマン投手がジャイアンツでの活躍を始めたのは2018年1月のことである。入団が発表された時点で「登場曲はYMCAかな」などと話題になったのは言うまでもない。

日本語以外の主な他言語カヴァーは以下の通り

  • 広東語版
    タイトルは「YMCA 好知己」。好知己とは日本語で「良い友達」の意。
    カヴァーしたのは林子祥で、YMCAを掛け声に使うのが日本語版と似ている。タモリ?が『ヘンタイ体操』とネタにしたことがある。
    内容は本家と西城版の中間ぐらい。なお、広東語オリジナル版以外にもYOUNG MANを中国語訳した物をカヴァーしたアーティストもいる。
  • フィンランド語版
    タイトルは「NMKY」。NMKYとは「Nuorten Miesten Kristillinen Yhdistys」の略称で、キリスト教青年会のこと。ある意味原語版と近いタイトルを付けている。
    カヴァーしたのはバンドのグレゴリウスで、お笑い番組のコーナー企画でカバーした。
    内容としては「また彼女に愛想を尽かされて人生お先真っ暗!だからみんな仲良しのNMKYに入って新しい友達作っちゃうぜ!」という原曲の歌詞を煮詰め、それっぽいエキスを抽出したようなもの。
    ネットの某所では「しょし」のタイトルで親しまれているが、これは歌い出しの空耳?に由来する。
  • フランス語版
    タイトルは「Moi J'aime Skier」。アニメ『ピングー』の挿入歌として使われた。
    内容は原曲の歌詞とは大幅にかけ離れたスキーの楽しさを歌ったもの。
  • スペイン語版
    タイトルは「CHUMEN」。

そして忘れてはいけないこのバージョンも紹介。

  • ハッチポッチステーション』版
    かつてNHK教育テレビで放送されていた人気番組『ハッチポッチステーション』内で放送された、グッチさんことグッチ裕三氏率いる「ビレッジ・ピーマン?」によるアレンジバージョン。
    「YMCA」と童謡「大きなくりの木の下で」のマッシュアップというカオスな組み合わせとなっている。  
    ただし、序盤こそ童話の歌詞だが、サビの「YMCA」ならぬ「わ~毛虫だ!」以降は大量の毛虫に関する内容ばかりになっている。
    また、グループ名は勿論メンバー(グッチさん+人形4名)の衣装はほぼヴィレッジ・ピープルの完コピだが、曲は原曲でなく西城秀樹版の「YOUNG MAN(Y.M.C.A.)」を基にしたものになっている。

YMCAで大量の毛虫に遭遇したヤングマン、追記・修正お願いします。


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*1 ただし、綴りは「Jungmann」。