arp
ARPテーブルを管理するためのコマンド。
用例
- ARPコマンドのヘルプ(説明)表示
arp
- ARPテーブルの表示
arp -a
- 指定したインタフェースのARPエントリを表示
arp -a -N 192.168.1.20
- ARPテーブルのクリア(管理者権限が必要)
arp -d *
- ARPテーブルへの永続的エントリー追加(管理者権限が必要)
arp -s 192.168.1.20 00-20-78-d5-b4-2f
- ARPテーブルのエントリー削除(管理者権限が必要)
arp -d 192.168.1.20
書式
arp -s IPアドレス MACアドレス [インタフェース] arp -d IPアドレス [インタフェース] arp -a [IPアドレス] [-N インタフェース] [-v]
options
-s | 指定されたIPアドレスのエントリーをARPテーブルに追加する。 ARPテーブルへ指定されたIPアドレスとMACアドレスのエントリー追加を行うインタフェース、ARPテーブルが対象とするインタフェースを指定する。 省略された場合は、IPアドレスなどから自動決定する。 |
-d | 指定されたIPアドレスのエントリーをARPテーブルから削除する。 |
-a | ARPテーブルを表示する。IPアドレスやインタフェースが指定された場合は、該当するエントリーのみを表示する。 |
-g | -aと同じ。 |
-v | 現在の ARP エントリーを詳細モードで表示。すべての無効なエントリーとループバック インタフェースのエントリが表示される。 |
-N | 指定したインタフェースのARPエントリを表示。 |
説明
ARP(Address Resolution Protocol)テーブルを管理するためのコマンド。
Windows Vista以降、IPv6も扱えるnetshコマンドでARPテーブルを管理する方法が推奨されている模様。
- ARPテーブルは、イーサネット通信のために用いられるIPアドレスとMACアドレスの対照表。
- ARPテーブルの内容を確認すれば、通信相手のIPアドレスとMACアドレスを特定することができる。
- ARPテーブルは、OSが基本的に管理する。通信を行えばOSがARPプロトコルにより取得した対象ホストのエントリーが追加され、使用しないエントリーは自動的に削除される。
- ARPプロトコルは、IPアドレスから物理層のネットワーク・アドレス(MACアドレス)を求めるために利用されるプロトコルのこと。
- TCP/IPにおける通信では、通信に先立って、このARPプロトコル・パケットの送受信が行われ、お互いのコンピュータ同士がMACアドレス情報のやりとりを行うことになっている。
- ただし、ARPはコストの高い処理であり、IPパケットを送信するたびに利用するのは現実的ではない。
- そこで、1度取得したARPの情報をARPテーブルに格納しておくことにより、無用なARPパケットのやりとりを抑えて、ネットワークのパフォーマンスを最大限に活用できるようにしている。
- ARP テーブルの更新は、ARP 応答を受け取ったときだけでなく、ARP 要求を受け取ったときにも実施される。
- ARPプロトコルは同一ネットワーク上のみで有効である。ARPプロトコルはMACアドレスをベースにして動作しているため、ルータを越えた先にあるコンピュータのMACアドレスを表示することはできない。
- ARPプロトコルは、通信相手のMACアドレスを知るためのプロトコルとして開発されたが、現在では、IPアドレスの重複確認のためにも利用されることが多い。
- ARPテーブルは、基本的にローカルホストがキャッシュで維持している。
- キャッシュで保持している dynamic エントリーは一定期間(Windowsでは、デフォルト15-45秒)再利用されない場合は、テーブルから自動削除される。
- ユーザーが明示的に追加した static エントリーは一定期間再利用されなくとも削除されない。
- ARPテーブルはインタフェースごとに管理されている。Windowsでは、インタフェースごとにブロック単位でARPテーブルが表示される。
関連
- netsh
- getmac
参考リンク
- arp - Windowsコマンド虎の巻
- ARP - Windows DosCommand -- Key:雑学事典 -- Key:雑学事典
- コマンドプロンプト arp - [IPアドレスとMACアドレスの対応付けを表示・変更する]
- arp | Microsoft Docs
- arpコマンドの使い方、初心者に必要なことだけを説明する – ノンネットワークエンジニアのネットワークハンドブック
- arp【コマンド】とは|「分かりそう」で「分からない」でも「分かった」気になれるIT用語辞典
- 【図解】ARPの仕組みとWindows/Linuxでの仕様,コマンド ~種類,フォーマット,キャッシュ時間,確認/クリアコマンド~ | SEの道標
- WindowsのARPコマンドで通信先を特定する ― MACレベルでの通信相手の特定方法 ―:Tech TIPS - @IT
- arp ~ARPテーブルの表示/設定を行う:ネットワークコマンド使い方 - @IT
- 第11回 MACアドレスを解決するARPプロトコル:基礎から学ぶWindowsネットワーク - @IT
- ARP ~IPアドレスとMACアドレスを対応付け~ | TCP/IP | ネットワークのおべんきょしませんか?
- IPv6 の arp -a
- Address Resolution Protocol - Wikipedia
- ネットワークの基礎編 - マイクロソフト系技術情報 Wiki
- Arp Command – Network Encyclopedia
- arpコマンドを利用してJetsonのIPアドレスを検索する(Windows) | Developers.IO