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Last-modified: 2020-09-24 (木) 02:09:23

arp

ARPテーブルを管理するためのコマンド。

用例

  • ARPコマンドのヘルプ(説明)表示
    arp
  • ARPテーブルの表示
    arp -a
  • 指定したインタフェースのARPエントリを表示
    arp -a -N 192.168.1.20
  • ARPテーブルのクリア(管理者権限が必要)
    arp -d *
  • ARPテーブルへの永続的エントリー追加(管理者権限が必要)
    arp -s 192.168.1.20 00-20-78-d5-b4-2f
  • ARPテーブルのエントリー削除(管理者権限が必要)
    arp -d 192.168.1.20

書式

arp -s IPアドレス MACアドレス [インタフェース]
arp -d IPアドレス [インタフェース]
arp -a [IPアドレス] [-N インタフェース] [-v]

options

-s指定されたIPアドレスのエントリーをARPテーブルに追加する。
ARPテーブルへ指定されたIPアドレスとMACアドレスのエントリー追加を行うインタフェース、ARPテーブルが対象とするインタフェースを指定する。
省略された場合は、IPアドレスなどから自動決定する。
-d指定されたIPアドレスのエントリーをARPテーブルから削除する。
-aARPテーブルを表示する。IPアドレスやインタフェースが指定された場合は、該当するエントリーのみを表示する。
-g-aと同じ。
-v現在の ARP エントリーを詳細モードで表示。すべての無効なエントリーとループバック インタフェースのエントリが表示される。
-N指定したインタフェースのARPエントリを表示。

説明

ARP(Address Resolution Protocol)テーブルを管理するためのコマンド。
Windows Vista以降、IPv6も扱えるnetshコマンドでARPテーブルを管理する方法が推奨されている模様。

  • ARPテーブルは、イーサネット通信のために用いられるIPアドレスとMACアドレスの対照表。
  • ARPテーブルの内容を確認すれば、通信相手のIPアドレスとMACアドレスを特定することができる。
  • ARPテーブルは、OSが基本的に管理する。通信を行えばOSがARPプロトコルにより取得した対象ホストのエントリーが追加され、使用しないエントリーは自動的に削除される。
  • ARPプロトコルは、IPアドレスから物理層のネットワーク・アドレス(MACアドレス)を求めるために利用されるプロトコルのこと。
  • TCP/IPにおける通信では、通信に先立って、このARPプロトコル・パケットの送受信が行われ、お互いのコンピュータ同士がMACアドレス情報のやりとりを行うことになっている。
  • ただし、ARPはコストの高い処理であり、IPパケットを送信するたびに利用するのは現実的ではない。
  • そこで、1度取得したARPの情報をARPテーブルに格納しておくことにより、無用なARPパケットのやりとりを抑えて、ネットワークのパフォーマンスを最大限に活用できるようにしている。
  • ARP テーブルの更新は、ARP 応答を受け取ったときだけでなく、ARP 要求を受け取ったときにも実施される。
  • ARPプロトコルは同一ネットワーク上のみで有効である。ARPプロトコルはMACアドレスをベースにして動作しているため、ルータを越えた先にあるコンピュータのMACアドレスを表示することはできない。
  • ARPプロトコルは、通信相手のMACアドレスを知るためのプロトコルとして開発されたが、現在では、IPアドレスの重複確認のためにも利用されることが多い。
  • ARPテーブルは、基本的にローカルホストがキャッシュで維持している。
  • キャッシュで保持している dynamic エントリーは一定期間(Windowsでは、デフォルト15-45秒)再利用されない場合は、テーブルから自動削除される。
  • ユーザーが明示的に追加した static エントリーは一定期間再利用されなくとも削除されない。
  • ARPテーブルはインタフェースごとに管理されている。Windowsでは、インタフェースごとにブロック単位でARPテーブルが表示される。

関連

  • netsh
  • getmac

参考リンク

その他メモ