目次
BASC

ブレイクアーツというコンテンツを管理、運営する組織のこと。
その役割は広範囲で、全アーティストの管理、新規サーキットの敷設、新規モジュールの開発補助、イベントの実施...などなど、ブレイクアーツに関わるあらゆる業務を引き受けている。
第1環境時代に発生したトラブルの責任を問われ、実質的に新生しており、現在は様々な関連企業から出向した人員による運営がなされている。
かつての独裁的な運営から脱却した一方、ブレイクアーツによって利益を得ている企業・団体が運営に関わることで、本来秘匿情報であるはずの仮想空間に関するデータの流出が疑われており、公平性という観点で疑問を持たれているようだ。
昨今、DVRのライセンス提供が開始された影響でブレイクアーツ以外の没入型コンテンツの台頭が危惧されており、今後訪れる厳しい競争の中で、それでもブレイクアーツは生き残れるだろうか。
GC

自らをガベージコレクタ(プログラミングにおける不要なデータを回収する仕組みのこと)と名乗る非営利組織。
現在のBASCの在り方に疑問を抱き、第三環境が解禁されるや即座に設立された。
新興組織でありながら非常に高い技術力を持ち、我々の製品は「スタンダード」ではなく「テンプレート」とする姿勢から愛用するアーティストも多い。
しかしながら、その不自然に高すぎる技術力に度々疑問の目を向けられることもあるようで、曰く、「有名企業の子会社」「BASCを抜けた技術者が立ち上げた」、はたまた「そもそもBASCの別組織であって、ただのマッチポンプなのでは」といった噂まで様々だ。
MATEREAL

第1環境から続く、ブレイクアーツ(BA)参入企業の最大手。
ビジネスという側面から見たとき、(BASCはさておき)彼ら以上に収益を上げている団体は存在しない。
全世界に展開する採掘・精練・加工・材料開発を手掛けるグローバル企業ではあるものの、基本的にBtoBであるために企業規模の割に一般知名度が低い。
その改善のために様々なPR活動を展開しているのだが、その1つとして当時話題であった完全没入型ゲームに目を付けた...という流れだ。
つまり彼らにとってBA事業の収益など雀の涙程度であり、PR効果がないと判断されれば即座に撤退することも厭わないだろう。
ゆえにBASCとは非常に懇意であり、一般のプレイヤーから陰謀論めいた噂を立てられるのだ。
&K

第1環境から続く、MATEREALと双璧を成すブレイクアーツ(BA)参入企業の大手。
かつては非常に小規模なデザイン系のIT企業であり、当時話題性のあったBAへ参戦。
名機アザレアを生み出したことでPR効果を得て本業の受注も拡大、現在に至る。(といっても、企業規模としてはMATEREALと比べるべくもない)
ブランドイメージやPRをBAに依存しており、その脱却を狙うも失敗が続いている。
結果的に本業を維持するためにBAへ投資を続けなければならないという循環が発生しており、辛うじて黒字だったBA事業は第2環境の段階で赤字に転落している。
第3環境においては新規参入企業への対抗のため、なりふり構わぬ手法で商品価値を維持しようと奔走しているようだ。
VOSSLER

欧州に本社を持つ重工業メーカー。
比較的設立が新しく、事業規模はそこそこ。
なんでも代表が第1環境のブレイクアーツにご執心だったようで、いつかは参入したいと考えていたらしい。
それから早数年、第3環境への移行に伴い、ついに行動を開始。
戦車をモチーフにした各種モジュール・フレームは好評であるものの、デザインを優先した結果、どれも身体感覚との不和が問題視されている。
慣れの問題と言ってしまえばそれまでではあるものの、慣れすぎてリアルでの生活に不自由が生じているアーティストもいるらしく、著しく身体感覚と乖離するようなデザインを禁止にするべきではという動きもあるそうだ。
UNITE
複数の大学や学生団体によって運営される学生が主体となるグループ。
活動の一環としてブレイクアーツへ参入しており、定期的に成果発表会としてイベントを企画している。
全世界の様々な学生がオンラインで繋がっていることから、モジュールの名称にはポジティブな意味のある生物の名前が付けられている。
(ただし、SALAMANDERだけは趣味で名付けたらしい)
ライセンス料は比較的高めであるが、これは環境による開発難易度の差を埋めるための設備投資を含んでいるため。
UUU
全世界に広く事業展開するメディア系総合企業。
かつてはモータースポーツのスポンサーをしていたが、年々重視される環境問題の観点から企業イメージを鑑みて撤退。
新たな市場を模索する中で電脳モータースポーツたるBAへの参入を決定した。
とはいえ既存のルールの中では老舗企業に対抗できないと考え、敢えて戦場ピュアレーシングのみに限定。
レーシングカーや航空機をテーマにしたモジュール開発やピュアレーシングイベントを企画することで市場を独占したい考えだ。
DIVE

電脳世界の海に魅せられた変わり者たちの集い。
元々第1環境において、サルベージという混沌としたデータ領域から機体データを復元する仕組みがあり、その名にちなんで「混沌としたデータ領域」を海と呼ぶ文化がある。
第3環境においてその領域を海として表示することが可能となり、サルベージフリークたちの心に火が点いたそうな。
今となっては特に回収できるデータはないものの、それはそれとして水中に没した際のビリビリとした感覚が癖になるとかで、彼らは試合そっちのけで潜っている。
注:BASCは不要な水没を推奨していません。
NICHIBISHI

かつて第1環境にて戦艦型のアーキテクチャで名を馳せた複合企業。
より正しくはその子会社たるNHIが主導しており、日本の長崎に縁があることから、かつてその地で建造された戦艦の名前を拝借している。
当初は親会社からPR活動を命じられたNHIがとある国内のIT企業に発注(丸投げとも)、提案されたプランが戦艦型アーキテクチャによるBAへの参入だったという。
脚のない戦艦型なら難易度も低いだろうと考えていたそうだが、受諾後、無事(?)にプロジェクトは炎上した。
そんな曰く付きのプロジェクトではあったものの、成果は上々で、そして何よりNICHIBISHIの会長が大変気に入ったそうだ。
斯くして、第3環境を期にNHIは会長直々の指令を受けるのだった。
SURREALISM
第2環境時に設立された電脳アート集団...だと思われる組織。
仮想空間という完全に人為的な空間こそ、人間の生み出す芸術の極致だと考え、意見交換や啓蒙活動に励んでいる。
と、ここまでならば無害で、ただのサークル活動のようなものであったが、第3環境に移行してからは不穏な動きを見せている。
どうやらある種の神性を見出しているようで、BASCの定めたルールの外側を探求する...有り体に言うならハッキングに近い活動を行っているとの噂がある。
またそもそも仮想空間に興味があるのであって、BA自体に強い関心があるわけではないことから、残留派と移転派で対立が起きているようだ。
DIFFRACTOR
&Kのお家芸である無線制御技術の到達点と呼べる技術のこと。
これまで子機は自律的にアーティストの補助をするシステムであったが、直接アーティストがその制御を可能とした。
言葉にすればシンプルではあるものの、これは数の有利を確保するという点において大きな効果を発揮する。
当然、他社も本システムの可能性については考慮したことだろう。
しかしながら、無線技術など霞むような最大の欠点から、実用化しようなどとは考えもしなかった。
第2環境以来のレギュレーションとして「自律攻撃の禁止」が課せられている。
これは人同士のスポーツをAIが代替してはならないという理念に基づく。
※ちなみに移動の補助についても厳密なレギュレーションがあり、それを破らない範囲においては無線制御が認可されている。
このような状況下で無線子機を用いた多面攻撃を可能とする唯一のアイデアがある。
それは全ての子機をアーティストの拡張感覚として直接制御するというものだ。
例えるなら、複数のディスプレイと複数のコントローラを手渡され同時にゲームをプレイするような...そんな達人芸が求められるということである。
OVERRIDE
試合中に使用できるORプラグイン(特殊機能)の1つであり、一定時間"無敵"になることができる。
その発端は第1環境の開発段階において、"特定の状況下で機体の中枢システムを上書き(オーバーライド)できる"という不具合から着想を得て実装された。
当時としては万全のセキュリティを搭載していたそうだが、そもそもDVR自体が人間の理解できるコードで作られていないという根本的な脆弱性を忘れてはならない。
真偽は不明であるものの、このOVERRIDEをさらにオーバーライドして動作するプログラムが出回っていたという話も囁かれている。
第3環境においては、OVERRIDEと同等の力を有するプラグインが開発され、これらをまとめてORプラグインと呼称する。
身体感覚
アーキテクチャ(機体)とは、いわばプレイヤーのアバターのことである。
感覚や視界、運動神経は同期され、文字通り仮想空間上の"身体"としての役割を持つ。
(ちなみに、多くのアーティストは任意のタイミングでアーキテクチャに"変身"することが多い。一方、常にアーキテクチャの姿で闊歩するアーティストも存在する。)
さて、ここからわかるようにアーキテクチャの構造が人間に近いほど違和感がない。
ただでさえ全長が3m程度に拡張される都合上、歩くだけでも修練が必要だというのに、関節の数が足りない、腕がない、脚がない...などなど、言語道断である。
言語道断なのだが、そうしたフレームは存在し、かつ一定の人気があることも事実だ。
"そういうのが好き"な方々はもちろん、四肢が不自由な方にとってはむしろ扱いやすいとのこと。
フラグメント
空間中を満たすデータのことで、特にニュートラル・フラグメントを指して使う場合が多い。
他にはポジティブ・フラグメント、ネガティブ・フラグメント、ヴォイド・フラグメントなどがある。
アーキテクチャに搭載されたジェネレータはニュートラルからポジティブへと変換するコンバータとしての役割を持つ。
概ね濃度が一定の空間がサーキットとして選ばれているものの、特殊な条件下において濃度が異なる場合、エネルギー生成の効率は上下することになる。
エネルギーとして消費されたフラグメントはネガティブ状態に変移し、空間の持つ浄化作用によって徐々にニュートラルへと回帰する。
しかしながら、何らかの要因によって稀にヴォイドと呼ばれる変異フラグメントが発生することがあり、これはいわゆる"ゴミ"として清掃する必要がある。
浄化作用によっても除去されるものの、深刻な場合は人力での除去が行われることもあるそうだ。
第3環境
初代のブレイクアーツを第1環境とし、ブレイクアーツ2を第2環境、そして本作ブレイクアーツ3を第3環境と呼ぶ。
この環境という言葉には様々なニュアンスが含まれており、端的には根本となる要素を受け継ぎつつ、リニューアルした場合に数値が増えると考えるとよいだろう。
第1環境から第2環境への移行はネガティブな要素を含む出来事であり、BASCの実質的な解体と新生を含んでいた。
しかし今回は"正当な"刷新であり、BASC曰く「急造された第2環境を一度整え直す必要があった。」とのことだ。
Jの事件
アーティストの間で囁かれる噂話。
古くは第1環境時代に端を発し、曰く「黒い猫を見た」「試合中でもないのに攻撃してくるドローンを見た」「見たことのないパーツを使っているプレイヤーがいた」といった真偽不明の情報が飛び交っている。
これだけであればただの都市伝説に思えるが、第1環境はBASCによって強制的にリセットされたという経緯があり、それがこの噂話を補強する一因となっている。
その後、新生したBASCは一人のスタッフの暴走によって引き起こされた問題を隠蔽するためだった...と発表し、そのスタッフの頭文字を取って、「Jの事件」と呼ばれるようになったという。
外側
ブレイクアーツ用にフォーマットされていないデータ領域(仮想空間)のこと。
虚無と混沌が同居した空間であるとされ、特殊なアクセス権なしには認識することできない。
BASCは随時空間の拡張を実施しており、ブレイクアーツ用にフォーマットすることで一般のアーティストたちにも認識することができるようになる。
ちなみに、フォーマットされていない空間であっても微妙な"偏り"のようなものがあるそうで、それを活用した地形デザインがなされているらしい。
制限外アーキテクチャ
"外側"でも活動できるように特殊設計された競技用ではないアーキテクチャのこと。
ある種の翻訳システムを搭載することで、認識した空間を自意識によって書き換える能力をもつ。
BASCは本機を用いることで外側のフォーマットを実施している。
ほか、許容値を超えるヴォイドフラグメントが観測された場合にも出動し、その清掃作業も担っているようだ。
余談だが、その特殊な能力のために脳に大きな負担(強い倦怠感や疲労感)が生じることが問題で、高い適性がない場合は数日の休憩が必要とされる。