王冠軍/王立空軍

王立空軍(英: Royal Air Force, RAF)は、グレートブリテン及びアイルランド連合王国の軍隊である、王冠軍の空軍である。

王立空軍 Royal Air Force

創設	1918年4月1日	目次
国家	グレートブリテン及びアイルランド連合王国	役割組織航空軍団航空団第1航空団第2航空団第11航空団第22航空団第38航空団第83遠征航空団装備戦闘機(Combat Air) 早期警戒機(ISTAR) ヘリコプター(Helicopters) 輸送機(Air Mobility) 練習機(Training aircraft) 関連項目
軍種	空軍
規模	55,010 現役兵 2,910 補助空軍兵 3,330 空軍予備兵 1,248 航空機
司令部	空軍委員会（ホワイトホール, ロンドン）
標語	Per Ardua ad Astra(苦難に打ち勝って栄光の星へ)
指揮官
空軍参謀総長	Terence Winston(テレンス・ウィンストン) 空軍大将
空軍参謀次長	Gerry Gough(ジェリー・ガフ) 空軍少将
記章
エンサイン
ラウンデル

役割

　王冠軍の航空部門として、王立空軍には様々な役割が担われている。王立空軍は、6つの主要な役割を有している。

Respond to Threats - 王立空軍は、昼夜を問わず、1年365日、1日24時間、脅威に対して準備を整えている

　連合王国は、無許可の航空機の保護空域への侵入からサイバー攻撃に至るまで、不確実な世界で脅威に直面している。
　RAF Lossiemouth(スコットランド東北部)、RAF Coningsby(イングランド東部)、フォークランド諸島(南大西洋)に拠点を置く私たちの緊急対応警報(Quick Reaction Alert) 部隊は、数分で最先端のタイフーンをスクランブルし、脅威を阻止する体制を取っている。

Prevent Conflict - 王立空軍は、世界中のパートナーと協力し、国内および国際的な安全を強化し、英国の利益と影響を保護する

　インテリジェンス・監視・偵察により、脅威が具体化する前に特定し対処する。必要に応じて、紛争を阻止し敵を打ち負かすために、世界中に航空機と要員を迅速に配備する。
　王立空軍は現在、4つの大陸で活動しており、東ヨーロッパ、南大西洋、地中海、インド洋で重要な作戦行動を展開している。これらの不安定な地域は潜在的な敵に近接しているため、脅威と不安定な行動を抑制する空軍力が求められる。

Watch the Skies - 王立空軍は、英国の空域に対する潜在的な脅威を24時間365日監視している

　最新の静的レーダー、モバイルユニット、航空機および衛星の組み合わせを使用し、空中アクティビティに関する刻々の情報を収集する。航空監視および制御システム部隊は、英国内および周辺の空域の認識された航空写真を継続的に編集し、無許可の航空機やミサイルなどの潜在的な脅威の重要な早期警告を提供している。
　また、宇宙の天候や、軌道を回る衛星を損傷する可能性のあるスペースデブリから潜在的な敵による敵対的な行為まで、常に宇宙の脅威を監視している。

Deliver Aid - 王立空軍は、国内の洪水からアフリカのエボラ出血熱、カリブ海の壊滅的なハリケーンまで、緊急時に緊急援助を提供する準備を整えている

　王立空軍には人道支援、機器および人々を被災地に迅速に送り込むための航空機やノウハウがある。
　連合王国のオペレーションに関する政府機関および緊急活動をサポートし、国際開発省(DFID)、コモンウェルスおよびパートナー国政府と協力しながら、海外の人道支援活動を実施している。

Work in Partnership - 王立空軍は、世界中の英国の安全、繁栄、国益を促進するために、連合王国および海外の政府、軍隊、および民間のパートナーと協力している。英国の海上での経済的繁栄を保証するために、重要な貿易ルートを保護している

　航空戦力は、英国陸軍や王立海軍などの他の軍種や政府部門との共同行動において最も効果的であり、すべてが共通の国家目標に向かって取り組んでいる。これをフルスペクトルアプローチ(Full Spectrum Approach)と呼ぶ。
　王立空軍は、世界クラスの空軍として、他の空軍にも助言と訓練を行い、脅威に対応して紛争を防ぐ能力を構築する。

Conbat Cyber Threats - 王立空軍は、連合王国の航空および宇宙能力をサイバー攻撃から保護する責任を負っている

　現在、我々の潜在的な敵は、航空交通管制などの民間および軍事の重要な航空および宇宙システムを混乱させる可能性のあるサイバー攻撃を仕掛ける能力と自信を高めている。サイバー攻撃が成功すると、英国の空域を保護し、海外に空軍力を提供する能力が妨げられる可能性がある。王立空軍のサイバーセキュリティ部門は、このような脅威と戦うために取り組んでいる。

組織

　王立空軍の最高位の軍人は空軍参謀総長(Chief of the Air Staff, CAS) で、国防評議会の委員会である空軍委員会(Air Force Board) を率いている。空軍委員会は王立空軍を管理し、数人の上級司令官から構成されている。
　権限は空軍委員会から王立空軍の軍団(Command) に委任される。かつて爆撃機、戦闘機、訓練などを担当する個別の軍団が存在したが、現在は航空軍団(Air Command) のみが存在し、ハイ・ウィッカム空軍基地(RAF High Wycombe)に司令部がある。

航空軍団

　航空軍団(Air Command) は空軍参謀総長(Chief of the Air Staff)によって指揮されます。空軍大将の副司令官(Deputy Commander) は2人存在し、作戦・副司令官(Operations) は、打撃軍団(Strike Command) から継承された2つの航空団(Group)（第1航空団および第2航空団）と、マルチドメイン作戦航空団(Multi-Domain Operations Group) である第11航空団、王立空軍のエンジニアリング、兵站、通信、医療などを担当する、第38航空団を監督する。作戦・副司令官は空軍参謀総長の副官として行動し、日々の作戦を監督する。人事・副司令官(Capability) は、人事・訓練軍団(Personnel and Training Command) から継承した第22航空団に対して責任を負う。

Air Command 航空軍団
指揮官	名前	階級	就任
Air Officer Commanding-in-Chief 空軍部隊最高司令官	Terence Winston(テレンス・ウィンストン)	空軍大将	2019年7月26日
Deputy Commander(Operations) 作戦・副司令官	David Orr(デイヴィッド・オア)	空軍大将	2019年5月10日
Deputy Commander (Capability) 人事・副司令官	Eden Whymper(イーデン・ウィンパー)	空軍大将	2019年5月10日

航空団

　航空団(Group)は、特定の種類の作戦行動または限られた地理的領域での作戦行動に責任を負う。

第1航空団

　第1航空団(No. 1 Group)は、王立空軍のすべての前線、戦闘機能力、およびインテリジェンス・監視。偵察（ISTAR）作業を調整している。第1航空団の8,500人の兵員は、連合王国または世界中の英国の利益に対する新たな脅威に対応する準備を整えている。

タイフーン戦闘機でもって、英国の空域を24時間365日防衛する

フォークランド諸島をはじめとする重要な海外領土の継続的な防空を実施する

No. 1 Group 第1航空団

指揮官	名前	階級
Air Officer Commanding 第1航空団司令	Louis Moleyns(ルイス・モリンズ)	空軍少将
RAF Coningsby コニングスビー空軍基地
飛行隊	装備
No. 3 Squadron RAF 第3飛行隊	Typhoon FGR4
No. 11 Squadron RAF 第11飛行隊	Typhoon FGR4
No. 29 Squadron RAF 第29飛行隊	Typhoon FGR4(Operational Conversion Unit, OCU)
Battle of Britain Memorial Flight バトル・オブ・ブリテン記念飛行隊	Avro Lancaster Supermarine Spitfire Hawker Hurricanes Douglas C-47 Dakota de Havilland Canada DHC-1 Chipmunk
RAF Leeming リーミング空軍基地
飛行隊	装備
No. 100 Squadron RAF 第100飛行隊	Hawk T1A
No. 29 Squadron RAF 第29飛行隊	Typhoon FGR4(Operational Conversion Unit, OCU)
RAF Lossiemouth ロジーマス空軍基地
飛行隊	装備
No. 1 Squadron RAF 第1飛行隊	Typhoon FGR4
No. 2 Squadron RAF 第2飛行隊	Typhoon FGR4
No. 6 Squadron RAF 第6飛行隊	Typhoon FGR4
No. 9 Squadron RAF 第9飛行隊	Typhoon FGR4
No. 602 (City of Glasgow) Squadron RAuxAF 第602 (シティ・オブ・グラスゴー) 飛行隊	Boeing P-8 Poseidon
RAF Marham マーハム空軍基地
飛行隊	装備
No. 617 (The Dambusters) Squadron RAF 第617 (ザ・ダムバスターズ) 飛行隊	F-35 Lightning II
No. 618 (Highball) Squadron RAF 第618 (ハイボール) 飛行隊	F-35 Lightning II
No. 692 (Fellowship of the Bellows) Squadron RAF 第692 (蛇腹の友情) 飛行隊	F-35 Lightning II
Tactical Imagery Intelligence Wing
RAF Waddington ワディントン空軍基地
飛行隊	装備
No. 5 Squadron RAF 第5飛行隊	Sentinel R1
No. 8 Squadron RAF 第8飛行隊	Sentry AEW1
No. 13 Squadron RAF 第13飛行隊	MQ-9 Reaper
No. 14 Squadron RAF 第14飛行隊	Shadow R1
No. 39 Squadron RAF 第39飛行隊	MQ-9 Reaper
No. 51 Squadron RAF 第51飛行隊	RC-135W Airseeker
No. 54 Squadron RAF 第54飛行隊	Sentinel R1(OCU)

第2航空団

　第2航空団(No. 2 Group) は、王立海軍と王立空軍の最前線の戦闘部隊を支援するために使用される航空機を管理するため、航空戦闘支援グループ(Air Combat Support Group) とも呼ばれる。第2航空団の任務は、軍事能力を生み出し、採用することである。第2航空団の即応防衛と機動部隊の迅速、かつ国際的な展開により、連合王国は安全保障と人道的危機の発生に応じて軍隊を迅速に展開、維持、回復することができる。

No. 2 Group 第2航空団

指揮官	名前	階級
Air Officer Commanding 第2航空団司令	Spencer Beresford(スペンサー・ベレスフォード)	空軍少将
RAF Brize Norton ブライズ・ノートン空軍基地
飛行隊	装備
No. 10 Squadron RAF 第10飛行隊	Voyager KC2/KC3
No. 24 Squadron RAF 第24飛行隊	Hercules C4/C5 A400M Atlas(OCU)
No. 47 Squadron RAF 第47飛行隊	Hercules C4/C5
No. 70 Squadron RAF 第70飛行隊	A400M Atlas
No. 99 Squadron RAF 第99飛行隊	C-17 Globemaster III
No. 101 Squadron RAF 第101飛行隊	Voyager KC2/KC3
No. 622 Squadron RAuxAF 第622飛行隊	Typhoon FGR4(Operational Conversion Unit, OCU)
RAF Northolt ノーソルト空軍基地
飛行隊	装備
No. 32 (The Royal) Squadron RAF 第32 (ザ・ロイヤル) 飛行隊	BAe 146 CC2/CC3 Leonardo AW109SP GrandNew
No. 600 (City of London) Squadron RAuxAF 第600 (シティ・オブ・ロンドン) 飛行隊	Hercules C4/C5 A400M Atlas(OCU)
No. 601 (County of London) Squadron RAuxAF 第601 (カウンティ・オブ・ロンドン) 飛行隊	Hercules C4/C5

第11航空団

　第11航空団(No. 11 Group) は、COS Ops AOの機能と、展開可能な共同部隊航空コンポーネント(JFAC)、国立航空宇宙オペレーションセンター(NASOC)、およびエグゼクティブチームで構成される航空バトルスタッフを組み合わせた航空団である。また、BM Forceも組み込まれており、強力な非運動効果を生成するためのビルディングブロックを提供する。
　戦争の性質は絶えず進化しており、航空軍団は適応し、複数の環境またはドメイン、特に航空、宇宙、サイバー空間で作戦を実行できる必要がある。第11航空団が収集する膨大な量のデータは、インテリジェンスと情報活動がドメイン全体の運用の計画と実行に組み込まれる、集中的かつ統合的なアプローチで適用する必要がある。

No. 11 Group 第11航空団

指揮官	名前	階級
Air Officer Commanding 第11航空団司令	Manuel Rosseter(マヌエル・ロセター)	空軍少将

第22航空団

　第22航空団(No. 22 Group) は、王立空軍と王立海軍および英国陸軍が世界規模で作戦行動を遂行するために必要とする有能で熟練した人員を提供している。第22航空団は、トレーニングの多くの側面を担当する幅広い関心分野を持っている。第22航空団は、3,800人の軍人と1,900人の民間人を直接雇用している。航空訓練機構(Air Cadet Organization, ACO) には、約41,000人の士官候補生と12,000人の成人ボランティアがいる。毎年、航空団は約61,000人を53箇所の施設で様々なレベルのトレーニングを行っている。

No. 22 Group 第22航空団

指揮官	名前	階級
Air Officer Commanding 第22航空団司令	Raymond Craine(レイモンド・クレイン)	空軍少将

第38航空団

　第38航空団(No. 38 Group)は、王立空軍軍楽隊(RAF Music Services) などのユニットに加えて、エンジニアリングおよびロジスティクス、通信、医療オペレーション部隊から構成されている。第38航空団は、英国の複数の防衛施設と世界中の展開場所に約2,600人の軍人と310人の国防省の職員を雇用している。

No. 38 Group 第38航空団

指揮官	名前	階級
Air Officer Commanding 第38航空団司令	Dudley Blackwood(ダドリー・ブラックウッド)	空軍少将

第83遠征航空団

　第83遠征航空団(No. 83 Expeditionary Air Group) は、中東における王立空軍の運用本部であり、カタールのアル・ウデイド空軍基地(RAF Al Udeid) に拠点を置いている。第83遠征航空団司令は、Operation KipionおよびOperation Shaderをサポートする4つの遠征飛行群(Expeditionary Air Wing) の管理と方向付け、および中東全体に渡る連合王国の国防目標と防衛目標の遂行について、連合王国の恒久合同本部を担当している。第83遠征航空団の責任範囲は、アラビア湾の南端から東地中海にまで及び、地域全体の多数の関係と提携を網羅している。
　遠征航空団、遠征飛行群の連携した取り組みは、中東における戦いにおいて極めて重要である。遠征航空団と遠征飛行群は、多種多様な防衛ミッションで最高水準のパフォーマンスを発揮した。第83遠征航空団は、適応性があり、機能に重点を置いて運用されているため、将来の課題に対応するために必要な地域で、いつでも世界クラスの航空戦力を提供することが出来る。

No. 83 Expeditionary Air Group 第83遠征航空団

指揮官	名前	階級
Air Officer Commanding 第83遠征航空団司令	Toby Kirkby(トビー・カービー)	空軍代将
RAF Al Udeid, Qatar アル・ウデイド空軍基地, カタール
飛行群	装備
No. 901 Expeditionary Air Wing RAF 第901遠征飛行群	Hercules C4 C-17A Globemaster III BAe125s BAe146s
RAFO Musannah, Oman ムサンナア空軍基地, オマーン
飛行群	装備
No. 902 Expeditionary Air Wing RAF 第902遠征飛行群	Merlin HM2
RAF Akrotiri, Akrotiri and Dhekelia アクロティリ空軍基地, アクロティリおよびデケリア
飛行群	装備
No. 903 Expeditionary Air Wing RAF 第903遠征飛行群	Tornado GR4 Typhoon FGR4 Hercules C5 Voyager KC3 Sentinel R1 Sentry AEW1
Al Minhad Air Base, United Arab Emirates アル・ミンハド空軍基地, アラブ首長国連邦
飛行群	装備
No. 906 Expeditionary Air Wing RAF 第906遠征飛行群	Tornado GR4 Typhoon FGR4