AIクッキー☆

Last-modified: 2022-10-28 (金) 00:10:36

AIクッキー☆とは、AI(人工知能)技術を利用して作られたクッキー☆作品の総称およびそれらのタグである。
近年のAI技術の伸長により多義的に使用される言葉になっているため、どの分野・サービスを指しているのか注意が必要である。
「AIクッキー☆」タグは動画・静画共通で使用されている。(動画静画

概要

現在のAIクッキー☆は主に3つの分野から成り立っている。

  1. AIを用いた文章生成
  2. AIを用いた画像生成
  3. AIを用いた音声生成

以下、それぞれについて解説する。

AIを用いた文章生成

AIのべりすとNovelAI*1などの文章生成サービスを利用した作品。

AIのべりすとでは書き出しを与えるとそれに続く自然な文章が出力される仕組みとなっている。
淫夢では拓也の怪文書や同人拓也*2が既に流行していたため、これらを書き出しとする「AI拓也」も大流行となった。
一方クッキー☆においても、大量にあるクッキー☆本編の台本が書き出しの候補とはなるものの、

  • 声優本人、あるいはキャラクターとしてのアバターが主に注目される文化である
  • そもそも台本がつまらない

等の理由からか、AIによる文章生成を使用したAIクッキー☆作品は数える程度の投稿しかなく、発展が期待される。

AIを用いた画像生成

MidjourneyTrinArtなどの画像生成サービスを利用した作品。
特に、Stable Diffusion(2022年8月22日)はソースコード・学習済みモデルを無償公開した*3ことにより様々な拡張・派生サービスが生まれた。
アニメ絵に特化したWaifu DiffusionやTrinArtのチューン技術を使用したTrinArt Stable Diffusion、LINEトーク上で日本語のプロンプト入力に対応したお絵描きばりぐっどくんなどがそうである。
また、アニメ絵の精度の高さやソースコードの流出等で話題となっているNovelAI DiffusionもStable Diffusionの根幹理論である潜在拡散モデルを利用したサービスとなっている。

画像生成AIの一般的な解説

これらAIによる画像生成は、基本的にプロンプトと呼ばれる指示単語を組み合わせることで目的に沿った画像を出力する仕組みとなっている。*4
より良い画像の出力のためにユーザーが出来ることには試行回数を増やすことに加え、このプロンプトを改良することも挙げられ、
どんどん長くなっていくプロンプトの羅列は俗に「呪文」とも呼ばれる。

イラストを描くことに比べてごく簡単に画像を生成できるこれらのAI画像生成は急速に発展していったが、
教師データ(AIが学習に使用するデータ、ここでは画像・イラスト)の権利、特に無断転載作品を含むDanbooruを使用することの是非などいくつかの問題も抱えている。*5
その結果、画像生成AI技術それ自体を疑問視するような風潮が一般の絵師界隈では発生してしまっている。

クッキー☆界隈における画像生成AIの活用

一方クッキー☆静画では、メインアカウントとの分離が推奨される比較的アングラな界隈であるということ、
また、クッキー☆界隈内であれば特に断りなくイラストを素材として使える風潮があることなどから、
後述のように一部での反発は見られるものの、比較的抵抗なく画像生成AIが受け入れられていった。

出力された画像に手を加える手法により、SM牧場兄貴が『AIぢゆし』(2022年8月30日)を投稿したが、
程なくしてプロンプトの改良によりAIの出力そのままである『AIによって生成されたリランちゃん』(2022年9月17日)を右る兄貴が投稿。
現在はミラミカルリランを中心にAI作品が研究・投稿されつつある。*6

NovelAI Diffusionに関してはそれなりにクオリティの高い絵を量産できる事から各所で物議を醸しており、クッキー☆界隈でもク☆絵師たちの存在意義が無くなるとしてAIに反感を抱き対立する者も多いが、共存の道も見出されている。
共存方法は主に

  1. 描かれる機会の少ないマイナーキャラを優先的に生成させてマイナー供給にも繋げる
  2. 絵師の好みや都合、キャラ知識などの問題で不採用となったリクエストの救済措置
  3. 全貌が不明なキャラを再現するツール

の3つが挙げられる。
また、コレを逆手に取って対立煽り目的でメジャーなキャラのAI絵を投稿する荒らしも発生している。*7
この共存方法はALAL兄貴とジャッカスラビット兄貴が積極的に取り入れている。

画像を生成するという性質上サービスが使われるのは主に静画界隈であるが、クッキー☆MADにおいてもAIが利用され始めている。

AIを用いた音声生成

安祥兄貴による『クッキー☆ファンAI LAB』などの音声生成サービスを利用した作品。
上記の『クッキー☆ファンAI LAB』はText-to-Speechの「クッキー☆ロイド」と音声変換の「AI姉貴音声版」から成る。
現在利用できるクッキー☆声優は限られており、将来的にはより多くの声優に対応したいとのこと。
また、この技術を使えば淫夢男優でも同様のことが出来るが、権利上の問題から淫夢に対応する予定はないらしい。

『クッキー☆ファンAI LAB』はクッキー☆民によって作られたクッキー☆特化型のサイトであり、他に有力かつ手軽なサービスも見当たらないことから、
文章生成AI作品や画像生成AI作品とは異なり、半ばクッキー☆独自のジャンルと化している。

コメント


*1 元々はその名の通り小説を自動生成するサービス。その後、挿絵として画像出力をするNovelAI Diffusionが有名になった。
*2 拓也本人が書いたものではない二次創作文章
*3 無償公開は画像生成AIにとって非常に画期的なことだった。参考
*4 このような仕組みをText-to-Imageという。これに対して、プロンプトに加えてベースとなる画像をAIに読み込ませるimg2imgと呼ばれる機能も一部サービスにはある。
*5 mimicはDanbooruを使用していないが、他人の絵を学習させることが出来うるとして炎上してしまった。
*6 プロンプトと出力画像については右る兄貴のnoteが参考になる。(その1その2
*7 一例 user/illust/125396853user/illust/25755723user/illust/126407433