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Last-modified: 2010-08-17 (火) 16:14:14

生き物を飼う事が好きである。例えそれが人間のエゴであっても関係なく好きである。
我が家では猫、蛙、メダカ、エビ等を飼育している。
微課金の僕だが飼育設備に関しては3桁近く投資をしているからマニアは怖い!
だが、飼育下で生体が成長、繁殖し、第二世代へ移行する様は下手なドラマよりも感動があったりする。
少しでも興味を持った人に、その感動を伝えたい!

第1回 ミナミヌマエビの飼い方?

ミナミヌマエビってどんなエビ?
ミナミヌマエビ - wikipedia -
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安価で丈夫!丈夫だけれど水には繊細!暑さに弱く寒さに強いエビである。
環境に適応すると恐怖を感じるほど爆殖するエビである。
数ヶ月で1桁が3桁になり、更に数ヵ月後…とんでもない雌豚だよ!
一日中水槽内を徘徊し、食脚でツマツマしながら餌を探す姿は和むこと請け合い!

飼育の準備?

ミナミヌマエビを飼育する環境は水槽野外ビオトープの2択である。
厳密にはこれ以外にもあるけれどお勧めしない。
水槽で飼育する場合、最低でも必要な物は水槽 濾過器 水草 底床 餌
あると良いのがスポンジフィルター 性能の良い濾材 流木
水槽
水槽はホームセンター等でセット販売を行っている場合が多々あり、
セールだと2980円で60cm水槽+上部フィルター+底床+ヒーターなどセットで売られていたりする。
水槽は大きければ大きいほど水質の悪化が遅い為、楽である。

濾過器(フィルター)とバクテリア
水を循環させ水流を作り、舞い上がった水槽内のゴミや糞などを取り除いてくれる。
それ以上に重要な働きがあり、濾過バクテリアを濾過槽内の濾材に定着させる事が目的。
水槽内のエビの糞や残飯から発生するアンモニア等、有毒物質はエビは勿論、魚類にとっても猛毒で、
濾過バクテリアが存在しないと水槽内の水に有毒物質が充満して中毒死させてしまう。
その有毒物質を餌として無害な物に変えてくれるのが濾過バクテリアである。
濾過器には底面、外部、上部、スポンジ、投げ込み、様々な種類があり、それぞれメリット、デメリットがある。
個人的なオススメはスポンジフィルター+濾過槽>上部フィルター>投げ込み式である。
そして濾過槽内に投入するバクテリアを定着させる濾材もまた重要である。
フィルターを購入した際についてくるウール
別売りのリング濾材、有名な洗車スポンジや本来、底床に使うような軽石など様々。
お金に余裕がないならウール
信頼と安心ならリング濾材
余った底床を濾材として上記と組み合わせたり、
安価で高性能と話題の千切った洗車スポンジ、輪切りにしたストローなんて手もある。
各濾材の性能や使い方に関してはググレカス!

当然、バクテリアも生き物ですから餌となるアンモニアが無ければ繁殖しない。
だからといって水に敏感なミナミヌマエビをバクテリアの存在しない
水槽内に急に入れると早ければ即日、遅くても1週間前後で中毒死させてしまう。
その問題を解決する際に活躍するのがメダカ等、水の汚れに強い魚をバクテリアを繁殖させる目的で投入する
パイロットフィッシュと呼ばれる魚である。
短期間メダカを飼育して餌を与え、糞をしてもらいバクテリアを繁殖させるのである。
2週間から3週間の間、確実にエビを飼うなら1ヶ月もメダカを飼育すればエビを入れても問題ない程に
バクテリアが定着する。
だが、幾ら強いメダカでもバクテリアが少ない時期は小まめに水替えを行う必要がある。
3日に1度、1/4 程の水を交換する。購入したメダカが即日、数日後に何匹か死んでしまったとしても
購入、運搬の所為で弱っていたのが原因の場合がある為、
焦って死因を考え過ぎ、全部の水を交換したり濾過槽を掃除したり飼育用品を触りすぎてはいけない。
メダカは水流が強いとストレスや疲労で弱ってしまう為、水流が強く発生する上部フィルター等では
密集した水草で水流を殺すなど、工夫が必要。
また、飼育環境に慣れていないメダカを水槽上部から覗き込み、
メダカが驚いて逃げ回ってしまうようなストレスも与えてはいけない。
遅かれ早かれ、慣れれば水槽を覗くだけでエサくれ~!と寄って来るメダカも可愛いものである。
バクテリアが繁殖し、安定すれば基本、足し水のみで、水替えは数ヶ月に1度で済むようになる。
多少リスクはあるが、浄化作用の強い水草が豊富で水槽に入れる生体の数も少ない場合、
バクテリアが定着するまで餌を少なめに与え、少量の水を毎日交換する事で、
パイロットフィッシュを使わずとも問題なくエビを飼育する事が可能。
自分は上部フィルターとスポンジフィルターを一緒に使用している。濾材は上から順にウール、リング、軽石の3層

水槽に入れる水
水道水をそのまま水槽に注ぎ込んで生体を飼うような人はいない。
魚、エビ、水草、バクテリア、ミジンコ等の微生物にとって水道水に含まれる塩素は猛毒。
例えば1/3の水替えをする際、水道水をそのまま、もしくは水道水を入れてから
中和剤を投げ込むなんて水替えの方法は論外である。
ミジンコやバクテリアは即死、エビも塩素で苦しみ、水槽から逃げ出そうと狂ったように泳ぎ回る。
最初に注水する水は勿論、1/3の交換、蒸発してしまった飼育水に足し水する際も確実に塩素を抜こう!
ハイポで中和する方法
最も早く、確実。そして安心感のある手段!
ショップは勿論、100円ショップなどで1袋購入すれば数年使える。
ただ、ハイポの容器に記載されているバケツ1杯に1粒の量は大間違いで、
ピンセットやペンチで砕いたゴマ1粒程度で十分過ぎる程!
1.5リットルのペットボトルなら塩1粒くらいの大きさでも十分過ぎる!
多少なら入れ過ぎても害は無いとされているが、化学物質なので度重なる水替えによって
蓄積を続けても良い事は無いだろう。
また、野外の川、池、沼から水を汲んで使うのは論外である。
有害な菌、生物、卵が混入する危険性。環境が変わることによって水中の微生物が死滅し、
水質が急激に悪化する危険性が高い。リスクだけで良い事は何も無い!
詳しいハイポの使用量はググレカス!
水道水を沸騰させる
5分以上、水道水を沸騰させ、塩素とトリハロメタンを蒸発させる。
足し水程度なら問題はないのだが、多量の水替えを行う際には注意が必要だ。
水道水は煮沸させるとPHが上昇するからだ!
また、水中の酸素が完全に抜けてしまう為、少量ならともかく多く水替えをすると酸欠になってしまったり
急激な水質変化で死亡してしまう場合がある。
野外に汲み置いて塩素を抜く
昔からある、バケツに水道水を入れて野外に一晩置くと塩素が抜けると言われる手法だが、
これは説明不足の感があり、正しくは、直射日光の当たる野外に一晩置く事で塩素が抜ける
1日中、陽の当たらない場所に置いた所で塩素は抜けない。
厳密には抜けなくも無いけどその前に水が腐ったり、ボウフラが沸いてしまうのではないか。
塩素を抜くには紫外線に当てる事が最も重要である。
紫外線が強いほど塩素が抜けるのが早く、直射日光が当たる範囲が広いほど早い。
なので口が狭く底が深いバケツより正反対なタライが有効である。
必要な水量が少ない場合、透明なペットボトルも有効。ペットボトルは紫外線を通すので、上部を切り取って
切り口の少し下に穴を開けて紐を通し、日光の当たる場所に吊るして置ければあっという間に塩素が抜ける。
また、ガラスは紫外線を遮断するのでガラス越しの直射日光では塩素が抜けづらい。
エアーポンプを使って底の水を巻き上げたほうが水全体が強い紫外線に当たり、塩素が蒸発していくので効果的!
夏場なら一晩どころか数時間で完全に抜ける。紫外線の弱い季節ほど塩素は抜け難い。
が、安全性を考えるのなら、1日は直射日光の当たる場所で確実に塩素を抜いた方が良いだろう。
また、季節によって水道水に含まれる塩素の量は変わる為、注意が必要である。
水の腐りやすい梅雨から夏場に掛けてが最も多く含まれる。
自分はハイポを使い、自作コントラコロラインを作って使用している。

水草
水草の効果は絶大である!
エビは勿論、魚にとっても水草は重要で、水を汚す原因となる餌の食べ残しから溶け出す栄養を吸収!
魚やエビの糞から発生する有毒物質も養分として吸収します。つまり水の浄化作用がある。
光合成をして酸素を放出、エビの隠れ家になる、濾過バクテリアが付着してくれる。
水槽内の養分を吸収する為、苔の発生も抑制できる。
良い事だらけなのでエビの飼育には必須です。

生まれたばかりの稚エビが隠れ家や餌場として活用するウィローモス!
浄化作用が強力で成長速度が神掛かっているアナカリス、マツモ!
野外のビオトープなら浄化作用NO.1、そして環境省に悪魔と恐れられる繁殖力のホテイアオイ!
※ホテイアオイは強い光量を必要とする為、野外で使うのが現実的。

そんな利点だらけの水草にも購入時だけはリスクがあり、
①残留農薬 ②害虫の混入 この2点がある。

残留農薬
購入した水草に農薬が使われていたりすると、魚には許容範囲な残留農薬であっても
エビにとっては致死量なのである。ウィローモス、アナカリス、マツモ、ホテイアオイは比較的安全だが
マツモに良く似たガボンバ、アヌビアスナナは残留農薬が原因で実害が出ている有名な種である。
お店で無農薬表記がされているか、店員に聞く、水草が売られている水槽でエビが元気に過ごしているか
確認したほうが良いだろう。(客に安全性を示すため、水草水槽にエビを入れている店が少なからずある)
エビの飼育に関してだけは、水草が多ければ多いほど良い。
夜間は光合成が止まり、酸素を消費する水草だが、濾過器があれば酸欠なんて起きない。

害虫の混入

水草を食害する生物の混入

ミズメイガ:千切った水草を身体に纏い姿を隠し、バリバリムシャムシャ食害した後、蛾になる。
スネール:水草を食害する貝類 繁殖力がとてつもなく、放置すると水槽のガラスにびっしりなんて事も!

エビを捕食する生物の混入

ヒドラ:見た目はイソギンチャク。稚エビやミジンコ等を捕食する。
    大人のエビもヒドラの触手に触れられると凄い勢いで飛び退く!
肉食昆虫:ヤゴとヘビトンボの幼虫である。
     種類にもよるが稚エビは勿論、魚、成熟したエビもバリバリ捕食する!

ミズムシ:害は無いがワラジムシそっくりで、見た目が悪い。
     枯れた水草や餌の残りを食べてくれるので益虫ではあるが…?
プラナリア:エビに害は無いが、ヒルのような姿の不快害虫!繁殖力が凄まじい!
     夜行性で、エビの餌や死骸、死亡確実な弱ったエビに襲い掛かって捕食する。

これらの混入を避ける為に、多少乱暴でも必ず水草をよく洗い、調べ、可能な限り害虫の混入を避けよう。
雑菌を殺す目的も含め、水道水で洗うのは良いが漬けるのは避けるべきである。
水質に敏感なマツモ等は洗うだけでもバラバラに砕け散る事があるので注意が必要。
自分はアナカリスとウィローモス、野外で採集したコツボゴケを水中化させて使っている。
コツボゴケの知名度は低いが、密集して育つ為、隠れ家や餌場としてウィローモスに劣らない。
陸上、半水、水中、全てに適応可能である。適応する環境によって姿を変化させる。

底床
これも大事な飼育用品
濾材だけではなく、バクテリアは底床にも多く繁殖する。
また、水草を植える為、エビが水流に負けずに歩く為、必須である。
有名なのはソイルで、赤玉土や軽石、大磯、田砂、等
注意として底床には水質を変化させる物が多い。
ソイルや赤玉土は弱酸性。軽石は弱アルカリ性にするなど。
急に底床を変えたりすると、急激に水質が変化してエビには危険!
水草にも好む水質があり、それによって良く育ったり枯れてしまったりする。
各底床の水質変化はググレカス!
自分は赤玉土と軽石を2層にして使っている。

流木
これは別にあっても無くても?あれば美しいが…!
流木は水質を弱酸性にします。
その他、ウィローモスなどを活着させたり、裂け目のある物を選んでエビの隠れ家にしたり。
ただ、購入したばかりの流木をそのまま入れるとアクが出て水が茶色く濁ってしまう為、
アク抜きと言う作業が必要である。
鍋で1時間ほど煮込み、そして2日ほど水道水に漬けて放置すれば大丈夫。
それでも多少はアクが出るが、その程度なら特に悪影響は無いとされている。


ミナミヌマエビは雑食性で、魚の死骸、己の脱皮殻、枯れた水草、水槽内に生える苔、なんでも食べる。
個体数にもよるが、上記の餌だけではミナミヌマエビの食欲には追いつかない為、
また、栄養面でも不安があり、脱皮不全の心配もあって……どうしても市販の配合飼料を与える必要がある。
市販の配合飼料は何でも良い。
メダカの餌、ザリガニの餌、金魚の餌、熱帯魚の餌、コリドラス、プレコの餌、等。
だがミナミヌマエビには好みがあり、製品の種類によってはほとんど食べない場合があるので注意が必要だ。
また、魚と違い地表で生活するエビには餌を沈める必要がある。
水面に浮遊している餌を背泳ぎでキャッチする個体もいるが、それは全てオスか稚エビである。
卵巣を発達させるのに栄養が必要なメスの為にも、沈む餌が好ましい。
それ以上に浮遊性の餌だと散らばり過ぎて、広範囲に沈み、細かい餌だと特に食べ残しが多く出てしまう。
硬く、沈み、多少の水流では舞い散らないのが理想。
ダイソーのザリガニの餌 キョーリンのザリガニの餌 コリ、プレコ用のタブレット等が理想である。
アカムシ類の餌はプラナリアが混入する可能性があるので避ける事。
餌を与えるのは1日1回、2時間程度で食べきれる量で十分。大き過ぎる場合は砕いて沈める。
個人的な感想だが、上記のザリガニの餌を与えると脱皮不全で死亡する個体が限りなく0になるイメージだ。
野外のアオミドロ等を餌になるからと入れるのは害虫の混入等、リスクだけで利点が無いので避けよう。

入手方法?

お店で購入する場合
大抵のアクアショップで取り扱っており、安い所で単価50円 高い店で100円
通信販売で購入する場合
探せばショップ、オークション等で容易に購入する事が出来る。
釣具屋で餌として購入する場合
グラム単位での販売 グラム単位だと小さなエビの場合は凄い数になる。
また、色々な種類のエビが混ざっている事も多く、管理も雑でオススメできない!
よって、お店で買うか通販で買う事になるのだが……
ネットで購入する場合、夏場の暑さで水温が上昇し水中の酸素濃度が低下して酸欠死
水温が上がりすぎて茹でエビになる等、あまりオススメ出来ない。
特にオークションの場合、出品者の知識の無さ、遠すぎて配達に時間が掛かってしまう等、
死着の可能性が高くなるので、信頼と実績のあるネットアクアショップで購入するのが無難!
また近所のショップで現地購入する場合も、夏場は水温の上昇を考慮し、最短で帰宅するべきである。

ミナミヌマエビ…だと?
お店で売っているミナミヌマエビ、実はこれ、日本に生息する純国産のミナミヌマエビとは
違うシナヌマエビである事は有名な話で、シナと言う名前の通り外来種である。
増えすぎた!飽きた!引越し!等の理由で飼えなくなったとしても、絶対に放流してはいけない
が、時既に遅く、シナヌマエビは全国で猛威を振るって乱交中!
在来種のミナミヌマエビとも容易に交雑し、増え続けている。
これ以上、在来種のミナミヌマエビがレイプされない為にも放流は絶対に止めよう!
逃がすくらいなら殺せ!むしろ掻揚げにして、うどんや蕎麦に乗せて食べろ!泥抜きは忘れずにね!
本物のミナミヌマエビは日本の南側、川の上流域、水の流れが緩いポイントで群れているのを良く見掛けた。
農薬を使っていないのが条件だが、婆ちゃんの家の田んぼの用水路などにも生息していた。
流された大量のカエルが用水路を登れず限られた陸地に溜まっており、怯えた瞳で俺を見ていた!無論、助けたさ!
国産のミナミヌマエビとシナヌマエビの見分け方はググレカス!

オスとメスの見分け方
メスの特徴
背ワタはオスメス関係なくあるんで、卵巣があるのがメス
オスは黒なり黄色なりの内臓が頭部のみだが、メスは腰まである
(背ワタはオスメス共通 産卵後は腰まであった卵巣が消える 未成熟は卵巣が無い)
腹節(お腹の呼吸するヒラヒラ)に卵を保護する為の甲殻で覆われているのがメス
背に黄色、金色、茶色などの太い1本線の模様があるのがメス(成熟した個体)
鈍く泳ぎ、歩き方が鈍くさい、見た目、丸っこい、体色変化が激しいのがメス

オスの特徴
見た目、スリムなのがオス 縞模様が出る 常に透明である
腹節を覆う甲殻が無い
軽やかに泳ぎ、軽やかに動き回る、水中でホバリングできる
背泳ぎで水面の餌をキャッチする
脱皮直前のメスや脱皮後のメスをつけまわし、捕獲しようとする

その他、見分け方!比較した写真を参照したい場合はググレカス!

メスの個体は体色変化が激しく、透明、緑、青、黒、茶、黄、赤 多彩な体色変化をする。
昨日は透明だったのに、今日は真っ黒とか良くある話。
体色変化の法則に関しては調べてもわからない。…魚と混泳させると体色が変わりやすいのは間違いないが。
また、メスは成熟すると背に太い黄色、金色、茶色の1本線が浮かび上がる。若い固体には無い。
1本線が特徴的過ぎて、若い固体が抱卵するとオスじゃなかったのか!と、勘違いされやすい。
多彩な色彩バリエーションの写真を見たい場合もググレカス!

水質と水温と環境変化?

ミナミヌマエビは弱酸性から弱アルカリ性と適応能力に長けている。
水質の変化に弱いというのは弱酸性からアルカリ性など、水質が急激に変化した時にダメージを受ける。
よって弱酸性の水槽で飼育販売されていたミナミヌマエビを購入し、自宅の水道水と軽石で構成された
アルカリ寄りの水槽にいきなり投入すると、急激なPHの変化で即日から1週間前後で死亡してしまう。
また、夏場と冬場。外と室内の寒暖が激しく、同時に水温差も激しいのに急に投入すると死亡してしまう。
なので水合わせは慎重に行う必要がある。水合わせとは!
①購入したミナミ入りの袋を水槽に浮かべて水温を合わせる
②ミナミ入りの袋に水槽の水を少量ずつ入れて徐々に水質に慣れさせる
③袋内の水を捨て、ミナミヌマエビを水槽に入れる
これらを3時間くらい掛けて行う。
それでも死亡してしまう事があるが、メダカと同じように考え過ぎて飼育環境を弄らない事。
同時に何匹も死亡したりすれば話は別だが!
一度、飼育環境の水質や水温に慣れてしまえば驚くほど丈夫だ。
自分の場合、弱アルカリ水槽に適応したミナミヌマエビなので、例え水槽の水を
全て交換しても水温さえ合わせれば1匹たりとも死亡しない。
が、場所によっては水道水が中性だったりアルカリだったりするらしいので水合わせするに越したことはないか。
1/3位の水替えをする際も、量が多いと水質が急変する場合があるので注意が必要だ。
足し水程度なら気にするほどではない。

水温に関しては水面に氷が張る真冬でも問題なく、夏場、水温が32度に達しても元気である。
が、これも水質と同じで急激に不慣れな水温まで上がったり下がったりするとあっけなく全滅することがある。
野外なら季節の移り変わりと共に緩やかに水温が上下するので問題ないが、
エアコンガンガンの室内で飼育していたミナミを真夏の直射日光の当たる場所に急に移したらバッタバッタと死んでいく。
ミナミヌマエビは基本、24度前後を好むので、例え急激な変化でなくとも1日中直射日光の当たる野外で
不注意から水温が38度まで行ったり、締め切ったサウナ状態の部屋で飼育すると全滅する危険性がある。
高水温が連日続くと、体力の無い個体(老体)から徐々に死亡していき、元気な個体も徐々に弱っていってしまう。
水深、水量を多くし、直射日光は午前中だけ当たる場所に移したり、水草を多めに入れて日陰を作るなど
水温を上げすぎないように注意したい。
底の深い容器や陶器の睡蓮鉢などは水面と水底では水温が全く違う場合があるので、それも気にしておきたい。

繁殖について?

ミナミヌマエビの繁殖は容易である。一度、飼育環境に適応すると恐ろしさを感じるほど増え続ける。
飼育を始めて1ヶ月!水槽内の環境に慣れると始まる!そこから悪夢が始まる!

交尾

個体差はあるが、黒い物、黄色っぽいもの、白っぽいものが、頭部から腰のくびれまで詰った状態が
産卵する準備を終えたと判断できるメスである。
そのメスが脱皮の直前になるとフェロモンを放出し始め、それに釣られたオスはメスを追い掛け始める。
そのメスが脱皮をしようものならフェロモンはピークに!オスは狂ったように泳ぎ回りメスを追い掛けストーキングする。
視界にメスの姿が映ったら勢い良く飛び付いて捕獲し、交尾をする。
交尾を終えてもオスの性欲は留まる所を知らず、先程、既に交尾を終えた同じメスであろうと
2発目を狙って追い掛け捕獲する。
その度にメスは逃げ続け、甲殻が硬くなり、フェロモンの放出が収まるまで耐え凌ぐ!
この際、余りにもオスの数が多すぎると度重なる逃避行動と過剰すぎる交接で弱ったり、
群れたオスに動きを封じられ、柔らかい甲殻や脚をツマツマされた挙句、怪我をして共食いされる。
弱りきった瀕死の個体や、死亡した個体以外で共食いをするのは、この場合のみである。
ミナミヌマエビは魚も貝も稚エビも、決して襲って食べたりはしない。

抱卵と卵

メスは交尾後すぐに産卵する訳ではなく、ある程度、甲殻が硬くなってから産卵を始める。
オスが追い掛け回す-脱皮-追い掛け回す-交尾-追い掛け回す-フェロモンの放出が終わる-抱卵
この様な流れである。
卵は産卵当初、白、薄い紫、灰色、黄色などで白濁りしており、それが段々と色濃く、そして徐々に透明になり、
稚エビの目が見えるようになると翌日には一斉に孵化する。少しずつ孵化することは無い。
少しずつ孵化する場合は正常ではなく、孵化した稚エビが卵から頭だけ出して死亡したり
卵から抜け出てもすぐに死亡してしまう事が多い。

抱卵時の注意
基本的に抱卵したメスを隔離する必要は無いが、魚と混泳させている場合、
種類によっては抱卵した途端に卵を餌と認識して突いたりする場合があるから注意だ。
ミナミヌマエビは急激な水質の変化が起こると脱皮をする習性がある為、抱卵後に
急に水質を変化させると卵ごと脱皮をしてしまい、その卵は死んでしまう。
脱卵した卵をそのまま放置しても孵化する事は無い。脱皮殻が溶け、食われ、流れ、バラバラに散らばってしまう。
卵を水流やエアに当てる方法があるらしいが、孵化率は低いだろうと思うし非常に面倒だ。次に期待しろ!
また、稀に育児が下手なメスがいる。この場合、何度抱卵しても卵をポイポイ捨てたり、腐らせたりで治らない。

孵化
卵が孵化する日数は日数 = 620 ÷ 水温 これは有名だが目安であり、当てにはならない。
2週間で孵化する時もあれば1ヶ月近く掛かる場合もある。
水温が低いと孵化までに掛かる日数が増えるのは間違いないのだが、水温が高い程、孵化が早いと言うのは疑問。
個人的な体感だと、適温と高温、どちらも同じ気がする。
24度前後で20日以内 30度近くでも20日以内 水温が低いと1ヶ月と言った感じだ。
孵化直前のメスは、脱皮前や後、産卵時と同じで餌を投下しても食べに来ないようになり、物影でじっとしている。
そして突然、抱卵したメスのお腹から卵が消えており「あれ?卵どこいった!?」って事態が起こる。

稚エビ
孵化した当初、稚エビは隠れており、水しかない水槽でもない限り、確認は困難である。
2日目辺りから水草の表面や水槽のガラスに3mm程度の稚エビが見られるようになる。
生後2日目でも姿は立派なエビであり、良く間違われるケンミジンコより遥かに大きいので
一度でも見れば区別は容易。
孵化して数日もすれば普段は水槽や流木、水草に付着する苔をツマツマ食べ、
人口飼料を与えると群がるようになる。
エビは幼いほど脱皮の周期が短く、グングン育っていく。

混泳魚がいる場合、それが例え小さなメダカであろうと稚エビは良質な餌として容赦なく食べられ続け、
どんどん数を減らしてしまう。
隠れ家としてウィローモスの密集したジャングルがあればある程度は生き残るが、かなりの数が捕食される。
餌を与えるのも魚が眠る消灯時にするなど工夫が必要だが、魚にも餌を与えなくてはいけない為、難しい。
大量に増やしたいのならば魚との混泳は避けるべきである。
逆に増えすぎないようにしたい場合は混泳させたほうが良い。

また、親エビと同じ飼育設備では稚エビが濾過器の給水口から吸い込まれてしまう為、
上部フィルターならば給水口に別売りのスポンジを装着させる、ストッキングで覆う、
スポンジフィルターを使う等、対策が必要である。

抱卵している間もメスの卵巣は発達を続けており、卵を孵化させた翌日-数日後に脱皮を行い、
また抱卵!?と言う流れは日常茶飯事である。
例え飼育数が少数でも、メスが4匹も居ると、3ヶ月程度で恐ろしい数の稚エビが生まれる。
更に稚エビが生まれた季節にもよるが、3ヶ月程度で繁殖が可能になり交尾-抱卵。
……お兄ちゃんやめてぇぇ!らめええ!
……はぁはぁ、ママ!ママ!
……お父さんの言う事を聞きなさい!
って事態になる。

続々と稚エビが育ち続けると、過剰交接による共食いでメスが減り、フィルターの濾過限界を上回り、
中毒で全滅、等!様々な問題が起こりえるので、ある程度、間引く覚悟は必要である。
雌雄を分ける!食べる!釣り餌にする!捕食する魚を混泳させる!エビを食べるペットを飼う!……等

以上は俺のチラシの裏!
参考にして何か起きても一切、責任は負いませんので!