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Last-modified: 2008-11-20 (木) 13:49:56

20 名前: 潔白の証明 2nd Season [sage] 投稿日: 2008/10/03(金) 16:55:12 ID:XGewFWrL
12スレ35 「潔白の証明」の第2弾ですが直接には話は繋がっていないので、これから読み始めても問題ありません。
ただ、「潔白の証明」および「その名はAKJ 第三章」(13スレ96)と設定が被っていますので、よろしければ先にお読み下さい。

―紋章町屈指の大富豪であるリグレ家に忍び込んだ盗賊団を相手に、ディーク率いる傭兵団が戦っている。
傭兵ディーク、剣闘士奴隷だったところをパント夫妻に助けられ、リグレ家専属の傭兵となった。
個人の戦闘能力はもちろん、部下をまとめる能力にも長けており、屈指の凄腕として名をはせている。
しかし、今、盗賊相手に剣を交えながら、彼は苦悩していた。

デイジー 「もう、こんな強い警備がいるなんて聞いてないよ」
ディーク (こいつははっきり言って雑魚だ・・・それなのになぜこんなにもてこずる?)
デイジー 「ねぇ、もう見逃してよ」
ディーク (ダメだ、あの太ももから目が離せねぇ・・・)
デイジー 「ねぇ、何も盗ってないからさぁ」
ディーク (やめろ、胸元を見るな。今は戦いに集中しやがれディーク!!)
デいジー 「グス、お願い、あたし、痛いのはイヤ・・・(震えたロリ声+潤んだ上目遣い)」
ディーク 「う・・・」
デイジー 「隙あり!!(攻撃&逃走)」
ディーク 「うお!!(左腕にかすり傷)くそ・・・逃がしたか」

ディーク 「・・・・・・・・・」
ディーク (・・・おれは、あの盗賊の体から目が離せなかった。あんな年端もいかないガキの体に、だ。
そして、最後にあのガキが見せた芝居に、おれはまんまと騙された・・・。
相手が男だったら、いや、大人の女だったらこんなことは無かった。
相手が、子供の、女だったから・・・ということは・・・おれは・・・おれは・・・)
ディーク 「おれは・・・『ロ リ コ ン』なのか!?」

潔白の証明 2nd Season  第1章 少女しか愛せぬ傭兵

ワード・ロット「兄貴、無事ですかい?」
ディーク 「すまん、1人逃がした。おれのことはいいから追え!!」
クレイン 「いや、もういい。無理に捕まえる必要はないよ」
ディーク 「ぼっちゃん、すまねえ・・・しくじっちまった」
クレイン 「ほとんど被害が出ていないんだから十分だよ。それよりすぐに怪我を治療するんだ」
ディーク 「心配性なんだからよ・・・おれの部屋の薬があるから塗ってくるわ」

―ディークの部屋
ディーク 「こんな怪我で心配されるなんていい時代になったもんだぜ。昔は骨折もほっとかれたっていうのによ」
シャニー 「たいちょー、大丈夫!?怪我したんでしょ?」
ディーク 「『たいちょー』はやめろって言ってるだろ。それにこの程度、怪我のうちにはいらねぇよ」
シャニー 「でも、その血が出てるじゃん、心配だよぉぉ。そうだ、あたしが治してあげるね・・・ん・・・(ペロ)」
ディーク 「ば、ばばば馬鹿野郎、お前、何しやがるんだよ!?」
シャニー 「ん、こうやって舐めるとね、傷が早く治るんだよ、ん・・・ペロ」
ディーク 「やめろ、そんなの俗説だ。傷はちゃんとした薬か魔法じゃないと治んねぇんだよ」
シャニー 「え、そうなの?」
ディーク 「ったく傷の直し方ぐらい勉強しろってんだ」
シャニー 「ご、ごめん、あ、あたし、ディークさんのことが心配で・・・ごめんなさい」
ディーク 「ふぅ・・・やれやれ(シャニーの頭をなでる)」
シャニー 「あ・・・」
ディーク 「まぁ、その気持ちを受取っといてやるよ、すまねぇな」
シャニー 「ディークさん・・・えへへ・・・」
ディーク 「わかったらさっさと武器の手入れをしてこい」
シャニー 「はーい(去っていく)」
ディーク 「まったく、ガキなんだからよ・・・」
ディーク 「・・・」
ディーク 「・・・・・・うおーーーーー(頭を抱える)」
ディーク (だめだ、いまシャニーが舐めた感覚が忘れられねぇ・・・あいつの舌の柔らかさ、舐めた時の上目遣いが頭を離れねぇ・・・
しかも体を密着させやがって・・・あいつ、童顔で華奢なくせに胸は結構、って何を考えている、おれは!?
シャニーはただの部下、それも14,5のガキだ。それなのに、それなのに・・・
おれが少女趣味なんてことが世間に知れたら、今までの信用はガタ落ちだ。
ワードロットやシャニーに仕事が来なくなるし、リグレ家の恥となって旦那様やぼっちゃんにも迷惑がかかる、なんとかしねぇと・・・)
21 名前: 潔白の証明 2nd Season [sage] 投稿日: 2008/10/03(金) 16:58:31 ID:XGewFWrL
―ある日、パント夫妻を出張(という名のバカンス)へ送っていった帰り道
???? 「いや、離して」
ディーク 「ん?」
ゲブ   「ぶふふぅ・・・わしについてくれば気持ちいいことしてやるぞぉ」
女性   「誰がアンタなんかと」
ディーク (ったく、どこにでもああいうバカはいるもんだな)
ゲブ   「ぶふふぅ・・・デカイ胸強調して、太もも丸出し・・・お前も本当は男を誘ってるんだろぉ?」
女性   「これは民族衣装よ。部族の伝統を侮辱しないで」
ゲブ   「おおおぅ・・・従わないなら無理やりにでも・・・グハァ」
ディーク 「おお、痛え・・・この石頭が」
女性   「え?」
ゲブ   「き、きさまぁ、何をする!?」
ディーク 「ち・・・やっぱり拳じゃ気絶しねぇか・・・それなら(鋼の剣を抜く)」
ゲブ   「このぉ!!(斧を構える)」
ディーク 「げ・・・キラーアクスじゃねぇか」
ゲブ   「死ねぇぇぇぇ」
ディーク (落ち着け・・・攻撃の方向をギリギリまで見据えろ)
ディーク 「見えた(紙一重で攻撃をかわす)・・・オラァァァ(剣の側面でゲブに一撃を入れる)!!」
ゲブ   「ば、馬鹿な・・・(気絶)」
ディーク 「ふぅ・・・おい、大丈夫か・・・!!!!!!」

―助けた女性を目の当たりにしたディークの体に、電撃が走った。
ディーク (なんていい女だ・・・こ、これは・・・ほ・・・惚れた・・・かも)
女性   「ありがとうございます、助かりました」
ディーク 「あ、ああ、ぶ、無事でよかったな」
女性   「あんな奴剣があればなんてこと無いんですけど、今日に限って持ってきてなかったんです」
ディーク 「無理するな。ヤツはともかく、キラーアクスは危険だ」
女性   「それにしても、すごく強いんですね。どこかの兵士とかなさっているんですか?」
ディーク 「リグレってところで 傭兵をやっている」
女性   「リグレって、あの大企業ですか。あんな一流のところに雇ってもらえるなんて、やっぱりすごいんですね」
ディーク 「///べ、別に、大したことじゃねぇよ///」
女性   「謙遜しなくてもいいですよ」
ディーク (・・・話してみるとますますいい女に思える、これはマジで惚れたか)
女性   「あの、今日のお礼をしたいのですが、もし迷惑でなければ3日後の土曜日に、もう一度会ってもらえますか?」
ディーク 「お、おいおい、別に大したことしてねえって」
女性   「いえ、あなたがいなければ、今頃あの男に何されていたか・・・ですから、その・・・」
ディーク 「そ、そうか、それなら、お言葉に甘えようかな」
女性   「本当ですか、では土曜日の朝10時にエレブ公園で待っていてください」
ディーク 「わかった。何かあったらリグレ本社にでも連絡してくれ」
女性   「はい、ではまた土曜日に。私、楽しみにしています」
ディーク 「そういやまだ名乗ってなかったよな。おれの名はディークだ」
女性   「私はリンディス、『リン』と呼んで下さい。それでは失礼します、ディークさん」
22 名前: 潔白の証明 2nd Season [sage] 投稿日: 2008/10/03(金) 16:59:04 ID:XGewFWrL
―リンと名乗る女性は去っていった。
ディーク 「・・・」
ディーク 「・・・」
ディーク 「・・・いやっほうぅぅぅぅぅ!!」
ディーク 「おれは、おれはあの女に惚れた!!
あのリンって女、どうみたって20歳は越えている、順当に言って22、3・・・いや、25以上ってことも十分にありえる。
最悪でも18歳以下ってことは絶対にありえねぇ。つまり、そんな女に一目ぼれしたってことは、おれは、おれは・・・」
ディーク 「ロリコンじゃなかったってことだぁぁぁぁぁぁ!!」

―ディークは柄にもなくはしゃぎまくった。
奇声を上げながら走り回り、飛び回り、しまいにはダンスを踊る始末である。
誰かに見られれば間違いなく警察に通報され、ロリコンでなくともリグレ家の恥になるところだが、
今の彼にそのようなことを考えることは不可能だった。
ただ、「自分はロリコンではない」という事実の喜びをかみ締めていたのだ。
ディーク「イエーイ、きゃっほう、ベイベー、YAHOOOOOOOOOOOO!!!」

―喜びが最高潮に達したディークは、立ち止まり、両手を広げ、天を仰ぎ、叫んだ。
ディーク 「ユニヴァーーーーーーーーース!!!!!」

―リグレ家、クレインの執務室
ディーク 「ぼっちゃん、じ、実は余所行きの服が一着必要なんだが、良い店しらないか?」
クレイン 「急にどうしたんだい?」
ディーク 「///い、いや、ちょっと女と会う約束をしてよ、さすがにこの格好じゃまずいとおもってな」
クレイン 「そういうことなら、リグレ家専属の仕立て屋がいるからそれを呼ぼう」
ディーク 「おいおい、そこまでしなくてもよ・・・」
クレイン 「いや、どうせなら徹底した方がいいよ。それにしても、ディークも隅に置けないな」
ディーク 「からかうなって」

―仕立て屋を呼んだクレインは、ディークのためにオーダーのスーツを仕立てる。
ディーク 「なんか柄じゃねぇな、こんなご大層な服はよ・・・」
クレイン 「そんなことない、とても似合うよ」
ディーク 「代金立て替えてもらってすまないな、少しずつ返す」
クレイン 「いいよ、ぼくからのプレゼントだ」
ディーク 「そんなわけにはいかねえよ、スーツ、靴その他全部で3万G以上したはずだぞ」
クレイン 「いいんだ、ぼくからせめてもの気持ちさ。君達傭兵団には本当に感謝しているんだ。
なんせ、このリグレ家でまともに働いてくれるのは、エルクと君の傭兵団だけだからね・・・」
ディーク (ぼっちゃん、笑顔が暗いぜ・・・)
クレイン 「それに、少なくとも使途不明金に500万G使うよりは、よっぽど有意義さ・・・」
ディーク (ぼっちゃん、笑顔がさらに暗くなってるぜ・・・)
クレイン 「だから、受取って欲しいんだ」
ディーク 「そこまでいうのならいただくぜ。ありがとうよ、ぼっちゃん」
23 名前: 潔白の証明 2nd Season [sage] 投稿日: 2008/10/03(金) 17:03:24 ID:XGewFWrL
―3日後の朝、兄弟家リンの部屋
リン   「服は・・これでOK。下着も可愛いのを・・・って、何考えてんのよ、私は!!今日はそんなことまで考える必要は・・・
いや、本当のお洒落は下着からって言うし、それに何があるかわからないから一応下着だって吟味しなくちゃね。
あくまでも一応よ、一応。」
エイリーク「リン・・・さっきから何を言っているのですか?」
リン   「あ、姉さん、これから支度しなくちゃいけないから、朝食はいらないって台所に言っておいてくれない」
エイリーク「それは構いませんが・・・どこかに行くのですか?」
リン   「うん、ちょっとね」
エイリーク「わかりました、伝えておきます・・・・・・」
リン   「うん、どうしたの?」
エイリーク「いえ、なんでもありません」
エイリーク(あんなブラジャー、私には一生つける機会は無いのでしょうね・・・涙)

―兄弟家リビング ミカヤ・シグルド・エリウッド・ロイ等、年寄りと真面目組は既に起きている。
エイリーク「おはようございます。姉上、今日リンは出かけるらしく、その支度に時間がかかるので朝食は必要ないそうです」
エリンシア「あら、そう」
シグルド 「朝食を採らないのは感心しないな。支度と言ってもそこまでかかるわけではないのだろう?」
エイリーク「どうでしょうか?相当念入りでしたから。下着まで吟味していましたし」
ミカヤ・エリンシア「!!!」
ミカヤ  「エリンシア」
エリンシア「はい!ロイちゃん、悪いけどお鍋見てて」
ロイ   「う、うん」

―リンの部屋
リン   「服も髪型もOK、ちょっと早いけどそろそろ出かけ」
ミカヤ  「リン!」
エリンシア「リンちゃん!」
リン   「わ!!急に入ってこないでよ!!」
ミカヤ  「いい、リン、男なんていくらでもいるんだからね。ラスとケントだけが男じゃないのよ」
エリンシア「そうよ、リンちゃんはとっても可愛くて優しい子なんだから、すぐに素敵な殿方があなたを好きになってくれるわ」
リン   「えっと、話が見えないんだけど?」
ミカヤ  「だから希望を捨てちゃいけないわ、いくら相手がいるからってレズに走っちゃ絶対にダメなの!!」
エリンシア「前にもいったでしょ、女の子はね、腰の細さとかおっぱいの柔らかさとか、そんなモノに興奮してはいけないのよ」
リン   「ちょ、なんで私の相手が女の子って決め付けるのよ!?」
ミカヤ  「下着まで吟味ってことはホテルで<ダキュン>なんでしょ!?
ラスとケントに振られた今、あなたがそんなことできる相手は女の子しかいないわ」
エリンシア「ダメよリンちゃん、女の子の体はね、男の子に触れられて、男の子に愛されるから意味があるのよ」
リン   「だーーー今日の相手は男の人です!」
ミカヤ  「男装プレイ!?」
エリンシア「マニアック・・・マニアックすぎるわ」
リン   「違ーーーう!!相手は正真正銘の男、混じりッ気なしのオスよ!!」
マルス・ヘクトル・リーフ「ええーーーーー!?」
リン   「どこから沸いた、そこの3人!?」
ヘクトル 「おいおい、どこの物好きだよ」
マルス  「そもそもレズで野生児な姉さんにラス・ケントと2人もイケメンが集まっただけでも奇跡なんだ。
それなのに、振られた後また男ができるなんて絶対にありえないよ」
リーフ  「相手はおっぱい星人と見たね、ほら、姉さん乳『だけ』は一級品だから」
リン   「あんた達・・・帰ってきたら絶対に殺す」
ミカヤ  「は!?ひょっとして、その男、リンを騙して風俗に売る気なんじゃ・・・」
エリンシア「ありえますわ・・・リンちゃんが失恋中ということを調べて、甘い言葉で誘い込むのですね」
リン   「だーかーらーそんなんじゃないの、この間ちょっとお世話になったからそのお礼がしたいだけよ。
それにそもそも私はラスにもケントにも振られていません!!」
ヘクトル 「いや、もう諦めた方がいいと思うぜ」
マルス  「レズってる現場見られたらねぇ・・・(注)」注:「潔白の証明」参照
リーフ  「現実を見ることも大切だよ」
リン   「あれは誤解だって言ってるでしょ!!ああ、もう、付き合いきれないから出るわ、夜までには帰ります!!」
マルス  (さて尾行の準備を・・・)
リン   「言っておくけど・・・尾行は無駄よ。半径800メートル以内だったら楽勝で見つけられるからね」
マルス  「く・・・野生の勘と嗅覚は伊達じゃないか」
リン   「行ってきます」
24 名前: 潔白の証明 2nd Season [sage] 投稿日: 2008/10/03(金) 17:04:45 ID:XGewFWrL
―エレブ公園
ディーク 「悪い、待たせたか?」
リン   「いえ、私もいま来たところです」
ディーク 「そ、そうか・・・(ちくしょう、こうやって着飾ってもやっぱりいい女だ)」
リン   「ディークさん、とても素敵ですよ」
ディーク 「そ、そうか。柄じゃねえんだがな」
リン   「逞しいから、お洒落な格好しても似合いますよ」
ディーク 「ありがとうよ。ああ、その・・・お前も・・・すごく似合ってるぜ・・・綺麗だ」
リン   「え、あ、ありがとうございます。この服、お気に入りなんです」
ディーク (な、なんか出だしからいい雰囲気じゃねえか、こ、これは期待していいのか?)
リン   「えっと、行きたいところありますか?無いのなら私に任せてください。色々考えてあるんです」
ディーク 「そうか、じゃあ任せるぜ」
リン   「早速、行きま・・・きゃあ(つまずく)」
ディーク 「おっと(リンをかかえこむ)」
リン   「あ、ありがとうございます」
ディーク 「気をつけたほうがいいぜ」
リン   「また助けられちゃいましたね・・・あ・・・///」

―ディークの手は見事、リンの胸を掴んでいた。
ディーク 「わわわわ悪い、すまない///」
リン   「助けてくれたんだから仕方ないですよ///さあ、いきましょう」
ディーク (や、柔らかかった・・・こりゃ相当な巨乳だ・・・これが、これが大人の女の、成熟した体の感触か・・・感動だ)
リン   「どうしました?」
ディーク 「いや、何でもねえ、早速案内してくれ」

―リンが選んだデートコースは美術館→高級喫茶店→映画館(純愛モノ)と、はっきり言ってリンには似合わない場所ばかりだった。
ちなみに、リンは美術館では画家の名前を10回間違え、喫茶店では紅茶をこぼし、
映画館では一度ディークに起こされたにもかかわらず二度寝してしまった。
マルスが知ったら大爆笑必至である。

リン   「ええっと、次はですね・・・」
ディーク 「なあ・・・お前さん、無理してねえか?」
リン   「え!?べ、別に無理なんか・・・」
ディーク 「気取ったところばっか選んでよ、そういうの慣れてないだろ?」
リン   「・・・あの・・・実は・・・そうなんです。私、女の子らしいこととかお洒落な場所に縁がなかったので・・・」
ディーク 「だったら無理する必要はねえよ。おれもそっちの方が気が楽だ」
リン   「そうですか?」
ディーク 「言葉も気を使わなくていい、『さん』づけもいらないって」
リン   「・・・そう・・・うん、ありがとう、ディーク」

―そう言ったリンから自然と出た笑顔に、ディークは見とれた。
ディーク 「・・・・・・/////」
リン   「どうしたの?」
ディーク 「いや、なんでもねえ。・・・あの、よ、もし良ければ次の場所はおれが決めていいか?」
リン   「え、どこどこ?もちろんいいわよ」
ディーク 「じゃあついてきてくれ」

―ディークが案内した場所、それは小高い丘の上に設けられた小さな公園、そこからサカの草原が一望できる。
リン   「うわーすごーい。こんな場所が会ったなんて知らなかった」
ディーク 「部下に天馬騎士がいてな、そいつに教えてもらったんだ。あんな気取った場所より、よっぽどいいだろ?」
リン   「うん、素敵な場所をありがとう、ディーク」

―風になびき、優しい笑顔をするリンに、再びディークは見とれた。
ディーク (なんて美しい笑顔だ、本当にいい女だよなあ・・・これは、『好きだ』って言った方がいいのか・・・
いや、会ってまだ3日だし、だがこのチャンスを逃せば・・・
ええい、当たって砕けろだ、行け、ディーク!!)
ディーク 「リン!!(リンの肩を掴む)」
リン   「え、なに、どうしたの急に!?」
ディーク 「お、おれは、お前が・・・」
???? 「あ、リン!」
25 名前: 潔白の証明 2nd Season [sage] 投稿日: 2008/10/03(金) 17:07:02 ID:XGewFWrL
―ディークが今にも想いを告げようとした瞬間、3人の少女が現れた。
リン   「フロリーナ、それにニノにレベッカじゃない、どうしてここに?」
ニノ   「フロリーナが連れてきてくれたんだよ」
フロリーナ「ここ、天馬騎士の間ではいい景色が観られるって評判なの」
レベッカ 「ねえねえそれよりそこにいる人誰?リンの彼氏?」
リン   「ち、違うわよ、お世話になったからお礼をしてるだけ。あ、ディークこの3人はフロリーナにレベッカにニノ、私の友達よ」
ディーク 「中学生にしか見えねえが、随分歳の離れた友達がいるんだな)」
リン   「この人はディーク。この間、私を危ないところから助けてくれたの」
ディーク 「ディークだ、よろしくな」
フロリーナ「ああああああの、そそそそその、よ・・・よろ・・・」
リン   「無理しなくてもいいわよ。ごめんねディーク、この子男の人が苦手なの」
ディーク 「ああ、かまわねえよ」
レベッカ 「それにしてもリンすごーい、こんな大人の男の人と付き合ってるなんて」
リン   「もう、だから違うって言ってるでしょ。ディークに失礼よ」
ディーク 「いや、別におれは・・・」
ニノ   「へへ、じゃあ月曜になったらリンのクラスの女の子達に話しちゃおっか」
リン   「こら、やめなさい」
ディーク 「クラス?」
リン   「私とフロリーナは同じクラスで、ニノとレベッカはひとつ下の学年なんですよ」
ディーク 「リンと同じクラスって・・・みんな大学生なのか?それとも専門学校か何かとか?」
レベッカ 「ちがいますよ、私達はれっきとした中学生です」
ディーク 「だよな・・・それで同じクラスってことは・・・リン、お前学校の先生だったのか?」
リン   「何言ってるのよ、私も生徒よ」
ディーク 「へ?」
リン   「あ、もしかしてディーク、私のこと20歳くらいだと思ってたでしょ?」
ディーク 「ち、違うのか?」
リン   「もう、私は『15歳』の中学三年生です」
ディーク 「じゅ、じゅうごさいーーーー!!?」
リン   「本当に勘違いしてたのね・・・はぁ、私と会う人ってどうして皆間違えるんだろう、私の年齢」
ディーク 「15・・・15・・・15・・・」
リン   「この間なんか25に間違えられたのよ・・・あーあ、老けてみられるのって損ね・・・」
ディーク 「15・・・15の夜・・・盗んだ飛竜で走り出す・・・」
リン   「まあいいわ、ねえディーク、せっかくだから次は5人で遊びに行かない?」
ディーク 「15・・・ちっちゃな頃から悪ガキで、15でロードと呼ばれたよ・・・」
リン   「ディーク?」
ディーク 「う・・・・うぉぉぉぉぉぉ(その場から全力で離脱)」
リン   「ちょっと、どこへ行くのよ、ディーク!?」

―ディークは走った。
走るディークの目には、洪水のごとく涙が流れていた。
ディーク 「嘘だ、嘘だ、リンが、あの顔とあの体で15歳だなんて、嘘だぁぁぁ!!(号泣)」

―ディークは行く当ても無く走った。
クラリーネ「あら、ディーク。丁度良かったですわ、買い物をしたので荷物を・・・」
ディーク 「うわぁぁぁぁぁぁん(号泣)」
クラリーネ「ちょっとディーク、主である私を無視するんですの!?」
ディーク 「本気だったんだ、本気であのリンディスって女が好きだったんだぁぁぁぁぁ」

―ディークはさらに走った。
喜びの絶頂から絶望の底へと突き落とされた彼は、ただただ走るしかなかったのだ。
ルトガー 「向こうから来るのはディークか。ふ、丁度いい、長年の決着を今、ここでつけようじゃないか(剣を抜く)」
ディーク 「うわぁぁぁぁぁぁん(号泣)」
ルトガー 「・・・走り去っていった・・・なんだ、あいつは?」
ディーク 「でも、リンは15だったんだ・・・20どころか18にも満たねえ子供だったんだぁぁぁぁぁ」

―力尽き果てたディークはフラフラと歩いた・・・奇しくもそこは、リンとディークが出会い、彼が喜びに狂った場所であった。
ディーク 「リンは15歳・・・おれは15のガキに・・・本気で惚れて・・・つまり、おれは・・・おれは・・・」

―ディークは膝を地面につき、プラトーンのごとく天を仰いで叫んだ。
ディーク 「『 ロ リ コ ン 』だったんだぁぁぁぁぁぁぁ」
26 名前: 潔白の証明 2nd Season [sage] 投稿日: 2008/10/03(金) 17:10:37 ID:XGewFWrL
―リグレ家
ディーク 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
クレイン 「・・・えっと・・・部屋の隅で体育座りしながらうつむいているんだけど・・・ディークはどうしたんだい?」
ワード  「さぁ・・・帰ってきてからずっとあんなですよ」
ロット  「何を聞いても答えてくれませんし、おそらくは彼女に振られたのかと・・・」
クレイン 「そうか・・・早く元気になって欲しいね」
ディーク (惚れた相手は15歳惚れた相手は15歳惚れた相手は15歳惚れた相手は15歳惚れた相手は15歳)
シャニー 「たいちょーお帰りー。デートど・・・ふがふが」
ロット  「(手でシャニーの口をふさぐ)今はそのことに触れるな」
ディーク (おれはロリコンだおれはロリコンだおれはロリコンだおれはロリコンだおれはロリコンだ)
ワード  「と、とにかく、今はデートには触れずにそっとしてあげてください。シャニーもいいな」
シャニー 「はーい」
クレイン 「そうだね、今はそっとしてあ」
パント  「ディーク、そんな格好してどうしたんだい?誰か意中の女性とデートでもしてたのかい。
あれ、それにしては帰ってくるのが早いね、君も『大人』なんだからもっと『色々なこと』して楽しんできていいんだよ」
ルイーズ 「でもディークが愛した女性ですから、きっと『大人の魅力に溢れた』素敵な方なんでしょうね」
ディーク 「うわぁぁぁぁぁぁぁぁん(号泣)」
クレイン 「父上、母上、仕事しないのならせめて真面目に働いている人間を潰さないで下さい、あと空気読んで下さい」

―ディークがロリコンでないことを証明できる日は来るのか?

続き14-20-2