14-20-4

Last-modified: 2008-10-19 (日) 13:59:23

14-20-3

191 名前: 潔白の証明 2nd Season [sage] 投稿日: 2008/10/16(木) 20:11:33 ID:XYhia/Gc

潔白の証明 2nd Season  第4章 潔白の証明
―ある日、ディークに対する取材の申し込みが来た。承諾したディークは約束の時間に喫茶「しっこく」へ向かった。
しっこく 「この菓子を食べられよ」
ディーク 「それで、アンタが記者さんか?」
ルーテ  「記者ではありませんが取材の申し込みをしたものです。稀代の天才魔道士ルーテと申します」
ディーク 「ああ、よろしくな」
ディーク (自分で自分のこと天才って言ったよな?変な奴に関わっちまったみてえだな。
しかし顔は可愛いよな・・・、肌も綺麗だしおれ好み・・・じゃねえ!!)
ルーテ  「・・・どうしました?」
ディーク 「なななな何でもねえ、で、取材したいことって何だ?(茶をすする)」
ルーテ  「はい、実はディークさんには少女を愛する気持ちと葛藤を伺いたいのです」
ディーク 「ブフゥーーーーーー!!」
しっこく 「台布巾を使われよ」
ディーク 「す、すまない(テーブルを拭く)。おい、お前急に何言いやがる!?」
ルーテ  「私は同人作家としても優秀なのですが、新作は少女と大人の禁断の恋がテーマにする予定です。
しかし、いかんせんその辺の男性心理がわからないので誰かに聞くしかありません。
そして、ちょうどこの記事に、ディークさんが少女愛好趣味があると出ていましたので伺おうとおもったかぎりです」
ディーク 「だー、その新聞(FETV発行 詳しくは第3章へ)は嘘っぱちだ、おれはロリコンじゃねえええええ!!」
ルーテ  「この記事だけではありません、優秀な私の推測ではディークさんはやはり少女愛好趣味を持っています」
ディーク 「なにを根拠に!!?」
ルーテ  「15項目48種類の回答が用意できますが」
ディーク 「そんなにあるんかい!!?」
ルーテ  「しかし、これもあくまで推測に過ぎません、そこで1つ実験にお付き合いいただきたいのです」
ディーク 「実験?」
ルーテ  「はい、まずはこれをご覧下さい」

―ルーテはポケットから取り出したものをテーブルにおいた。一見大きめのデジタル腕時計のようだが、時間を示してはおらず、かわりに上下二つの画面があり、側面に幾つかのボタンがついている。
ルーテ  「これは私の発明品、愛情チェッカー君です」
ディーク 「お前さん、発明もやるのか?」
ルーテ  「私、優秀ですから」
ディーク 「わかったわかった、で、なんだこれは?」
ルーテ  「簡単に言うと、『AさんはBさんに対し、どんな愛情を抱いているか』をチェックするものです」
ディーク 「ああ?そんなことできるのか?」
ルーテ  「はいまずは試してみましょう。あそこにいる客を見てください(買い物帰りのエリンシアとエリウッドを指差す)。
あのお2人は姉弟で、エリンシアさんとエリウッドさんといいます。では・・・えい」

―ルーテが愛情チェッカー君を腕にはめ、エリンシアたちに向けてボタンを押す。すると、ピピピと音がなり、
上画面に【エリンシア】→【エリウッド】 下画面に<家 族>と文字が表示された。
ディーク 「何だ!?」
ルーテ  「結果が出ました。エリンシアさんはエリウッドさんに対し、家族愛を抱いています」
ディーク 「どういうことだ?」
ルーテ  「上画面の【A】→【B】これは『AのBに対する気持ち』を表します。そして<・・・>の部分が抱いている愛情の種類です」
ディーク 「・・・なるほどな。でも、本当にそんな機械でわかるのか?」
ルーテ  「もう少し試してみましょうか。外に出ましょう」
ディーク 「マスター、勘定」
しっこく 「また来られよ」
192 名前: 潔白の証明 2nd Season [sage] 投稿日: 2008/10/16(木) 20:12:28 ID:XYhia/Gc
―喫茶店の外に出る二人、すると向こうにエルトシャンとラケシスが歩いていた。
ルーテ  「えい」
ピピピ・・・【ラケシス】→【エルトシャン】 <性 愛>
ルーテ  「性愛とは性的興奮や欲情を指します」
ディーク 「ちょっとまて、あの2人って兄妹じゃないのか!?」
ルーテ  「もう少し試してみましょう・・・えい」
ピピピ・・・【ビラク】→【ロシェ】 <性 愛>
ディーク 「おい、男同士だったぞ、今の」
ルーテ  「えい」
ピピピ・・・【ニーナ】→【ハーディン】 < 無 >
ルーテ  「これは何の愛情も抱いていないということですね、嫌っているかなんとも思っていないかのどっちかです」
ディーク 「夫婦じゃないのか、あの2人は夫婦じゃないのか!!?」
ルーテ  「愛情チェッカー君の機能を理解していただけましたか」
ディーク 「おい・・・本当にそれ正しいのか?」
ルーテ  「ちなみに愛情の種類は以下の10種類に分けられます」
<家 族>・・・家族に対する愛情、熟年夫婦にも現れる場合もある
<忠 誠>・・・主君と従者の情
<師 弟>・・・師と弟子、先生と生徒の絆
<友 情>・・・同性同士、異性同士問わずの友情
<協 力>・・・仕事上のパートナーなどへの信頼
<純 愛>・・・プラトニックな恋愛感情
<性 愛>・・・欲情、性的興奮、早い話が「ハァハァ」
<慈 愛>・・・上記以外の人間に対する優しさやいたわりの気持ち
<同 情>・・・人を可哀相と思う気持ち
< 無 >・・・愛情を抱いていない
ルーテ  「それで実験ですが、まずあなたにこの愛情チェッカー君をつけてもらいます。
そして、あなたが少女と出会って持った感情をこの機械が示し、記録しますので、その結果を分析します」
ディーク 「・・・それで少女に対して<純愛>や<性愛>ばかり示したらおれはロリコンということか。ということは逆に・・・」
ルーテ  「はい、それ以外のものを示したらあなたは潔白ということになります」
ディーク 「『潔白の証明』ということか」
ルーテ  「いかがですか、協力していただけますか?」
ディーク 「・・・いいだろう、おれも今の状況にはうんざりしてたんだ。そうやっていっそはっきりと示してくれた方がせいせいするぜ」
ルーテ  「たとえそれが少女愛好趣味を示すとしてもですか?」
ディーク 「安心しろ、おれはロリコンじゃねえ」
ルーテ  「それでは、この愛情チェッカー君をあなた用に調整します」

―ルーテは鞄から巨大な機械を取り、愛情チェッカー君とつないだ。
ディーク 「・・・おい、その機械、どう見ても鞄よりでかいんだが・・・」
ルーテ  「私、優秀ですから」
ディーク 「答えになってねえ」
ルーテ  「吸盤になっていますので、これをあなたの頭に貼ります。背が届かないのでかがんでください」
ディーク 「ほらよ(かがむ)」
ルーテ  「つぎにこちらを腕に、こっちは胸に・・・」

―ディークの体のあちこちに色々とくっつけるルーテ。その過程で何回も彼女の顔がアップになったり、体のあちこちを触られることとなったディークは・・・
ディーク 「//////」
ルーテ  「どうしました?」
ディーク 「な、何でもねえよ!!」
ルーテ  「・・・はい、これで調整が終わりました。あとは愛情チェッカー君を腕に巻いておけばオートでチェックと記録を行ってくれます。
機械は完全防水、防火仕様なので常に巻いていて構いません、2日後に判定を行いましょう」
ディーク 「だが、そう都合よく少女なんかに出会えるか?」
ルーテ  「大丈夫です、こういう話になった以上数々の少女イベントがあなたに起こるはずです。そうしないと話が進みません」
ディーク 「・・・身も蓋もねえな」
ルーテ  「では、二日後に」
ディーク 「これでおれの潔白が証明され・・・ん?」
ピピピ・・・【ディーク】→【ルーテ】 <性 愛>
ルーテ  「・・・どうやらその可能性は低いようですが」
ディーク 「う、うるせえ/////!!」
ルーテ  「(去っていくディークを見ながら)・・・これでファーストフェイズ完了です」
193 名前: 潔白の証明 2nd Season [sage] 投稿日: 2008/10/16(木) 20:13:00 ID:XYhia/Gc
―リグレ家
ディーク 「見てろよ・・・おれがロリコンでないことを絶対に証明してやる・・・」
クレイン 「ディーク、調子はどうだい?」
ディーク 「あ、ああ・・・なんともねえよ」
クレイン 「最近はつかれることが多かっただろう。そろそろ休暇をとったらどうだい?」
ディーク 「主が働いているのに従者が休むわけにはいかねえよ」
クレイン 「ディーク、僕たちは家族なんだ。そんな気遣いは無用だといつも言っているだろう」
ディーク 「そうはいってもなあ・・・」
クレイン 「とりあえず、今日は送り迎えは必要ないし、警備も他のものにやってもらうからゆっくり休むんだ。訓練も禁止、いいね。」

―クレインが去った後、腕の機械が反応を示した。
ピピピ・・・【ディーク】→【クレイン】 <忠 誠>
ディーク 「やっぱりぼっちゃんほどには割り切れねえよなあ・・・」

―訓練場
ディーク 「お、真面目にやっているようだな」
ワード  「兄貴、丁度よかった」
ロット  「ちょっと教えて欲しいところがあるんです。訓練に付き合ってもらえませんか」
ディーク 「悪いがぼっちゃんから今日は休むよう言われた、訓練も禁止だそうだ。明日でいいか」
ロット  「構いません。そうですね、兄貴は最近働きすぎでしたからゆっくり休んでください。その分おれ達が働きますので」
ワード  「いつまでも兄貴に頼っているわけにはいかねえしな」
ディーク 「ったく、ヒヨっ子のくせに生意気言いやがって」

―言葉とは裏腹に弟分たちの成長に頼もしさを感じているディーク。
ピピピ・・・【ディーク】→【ワード】 <師 弟>
ピピピ・・・【ディーク】→【ロット】 <師 弟>
ディーク 「ま、こうなるわな」

―訓練場をあとにしたディークは、腕に巻いた愛情チェッカー君に目をやった。
ディーク (今迄からするに、どうやらこの機械は正確に感情を読み取れるみたいだな)
シャニー 「あ、たいちょー、依頼された仕事、無事終わったよー」
ディーク 「よくやった、これならイリアに戻れる日も近そうだな」
シャニー 「えへへ」
ディーク (今までの流れならこいつも<師弟>になるはずだが・・・)
ピピピ・・・【ディーク】→【シャニー】 <性 愛>
ディーク (そうだよな、そう都合よくいかねえよな・・・)
シャニー 「あれ、どうしたの、急に頭抱えちゃって?具合悪いの?」

―翌日、その日もクレインに休むよう言われたディークは町を散歩していた。
ディーク 「まったくぼっちゃんも心配性なんだからよ・・・ま、今回に限っちゃ都合がよかったか」
サラ   「あ、ロリコンだ」
ディーク 「サササササササササラ!!」
サラ   「どう、あれから何人の少女に欲情したの?」
ディーク 「1人も欲情しておらん!!」
サラ   「そんなこと言って・・・今もあたしにツンツンされたくてしかたないくせに」
ディーク 「んなこたねえよ」
サラ   「ツン」
ディーク 「はおっ!!」
サラ   「あははははは、おもしろーい」
ディーク 「このガキ・・・」
サラ   「ごめんなさい、今日は用事があるから遊んであげられないの。またねロリコンさん」
ディーク 「もう十分に弄んでるだろうが!!・・・まったく正真正銘の悪魔だな、あのガキは」
ピピピ・・・【ディーク】→【サラ】 <性 愛>
ディーク 「だけどそんな悪魔に感じているおれって一体・・・orz」
194 名前: 潔白の証明 2nd Season [sage] 投稿日: 2008/10/16(木) 20:13:45 ID:XYhia/Gc
―その後も何故かリーン、ユミナ、マリア、マリーシアなどの少女達とドキドキイベントがあるディーク。そして愛情チェッカー君は尽く<性 愛>を示していた。
失意のまま、彼がリグレ家に戻ると・・・
ディーク 「ルーテの言ったとおりだ。今日に限ってやたら少女達とからみがありやがる・・・」
クラリーネ「あら、丁度よかったですわ。ディーク、わたしの友人が来ているのです。あなたを紹介しますから応接室に来なさい」
ディーク (嬢ちゃんの友達っていうと・・・)

―リビングにはリリーナ、フィル、レベッカといずれも10代前半の美少女達がお茶を飲みながら談笑している。
ディーク (そうだよな、嬢ちゃんの友達なんだから当たり前だよな・・・)
クラリーネ「皆さん、我が家の使用人ディークですわ」
ディーク 「ディ、ディークだ・・・よろしく頼む」
クラリーネ「本職は傭兵ですし、一応我が家で最も腕が立ちますから皆さんのご希望に添えると思いますわ」
ディーク 「希望?」
フィル  「はじめまして、フィルと申します。高名な傭兵であるあなたに剣を教えてもらいたいのです」
リリーナ 「リリーナです。私は魔道士なのですが、最低限の体術は習っておきたいので、少し私に教えてもらえませんか」
レベッカ 「私のこと覚えてます?この間リンと一緒にいたレベッカです。私、弓をやるんですけど直接攻撃に弱いので、回避がうまくなりたいんです」
クラリーネ「ということですわ。お兄様の許可は得ていますから、少し皆さんに訓練をつけてあげなさい」
ディーク 「・・・・・・」

―クラリーネの命令とあれば断るわけにもいかないディークは、美少女達に色々と教えることになった。
そこでもやれ「弾みでスカートがめくれた」だの「転びそうなところを抱きかかえたら、手の位置が胸だった」など、
なぜかやたらとドキドキイベントに遭遇してしまうディーク。
そして彼女達に対する愛情チェッカー君の表示は・・・言うまでもないだろう。
その日の夜、ディークは自室で絶望に打ちひしがれていた。
ディーク (ちきしょう・・・嬢ちゃん以外の少女には尽く<性愛>を示しやがる。このままじゃロリコンは確定だ、なんとかしねえと・・・・)

―翌日、再び町を散歩するディーク。目的は大人の女とのからみである。
ディーク (大人の女との絡みはないか?そいつに対しても<純愛>や<性愛>が示せればロリコンで無いことが証明できるんだが・・・)

―たとえ大人の女に反応を示しても、少女に<性愛>を示している以上、それは「見境がない」ということであって「ロリコンでない」ということにはならない。
しかし、追い詰められて少々冷静さを欠いていたディークには、そのような考えは浮かばなかった。
そして、そんなディークに早速大人の女から声がかかった。
ソーニャ 「あら素敵なお兄さん。私、あなたに一目ぼれしちゃったみたい。ねえ、これから私といいことしない?」
ディーク (おいおい、胡散臭いにも程があるだろ。こんなのに引っかかる男がいるわけねえって)
ソーニャ 「ねえ、どう?」
ディーク 「いいぜ、どこに行く?」
ディーク (だが、おれはあえて引っかかる!!こんな色っぽい大人の女の反応を見れば、おれがロリコンじゃないことが一発で証明される)
ソーニャ 「まあ、嬉しい」
ソーニャ (ふふふ・・・私の魅力に勝てる男なんていないのよ。骨抜きにしてエーギルを吸い取ってやるわ)

―ソーニャはテレパシーで物陰にいるウルスラと会話する。
ソーニャ (ウルスラ、この男のエーギルはどう?)
ウルスラ (かなり高いレベルを計測しております)
ソーニャ (そう、それなら私の誘惑魔法(テンプテーション)で骨抜きにするから、その後一気に奪うのよ)
ウルスラ (お任せ下さい)

―ソーニャはディークに抱きついた。
ソーニャ 「あなたって本当に素敵」
ソーニャ (誘惑魔法、発動)
ディーク 「抱きつくなって」
ディーク (計測、開始)
ソーニャ 「ねえ、もう私我慢できないの、ホテル・・・行かない?」
ソーニャ (さあ、骨抜きになりなさい!!)
ディーク 「おいおいまだ昼間だぜ」
ディーク (さあ、<性愛>を示せ!!)
ソーニャ 「焦らさないで」
ディーク 「焦るなって」
ソーニャ・ディーク(さあ!!)
195 名前: 潔白の証明 2nd Season [sage] 投稿日: 2008/10/16(木) 20:14:29 ID:XYhia/Gc
―お互いの思惑のもと、数分間抱き合う2人だったが・・・
ウルスラ (ソーニャ様、エーギルが奪えません)
ソーニャ (何ですって!?私の誘惑魔法が効かないっていうの!!?)
ピピピ・・・【ディーク】→【ソーニャ】 < 無 >
ディーク (何だって!?こんな色っぽい女に誘惑されて何にも感じてないだと!!?)
ソーニャ 「あの・・・ええっと・・・」
ディーク 「その・・・なんだ・・・」
ソーニャ 「ごめん、私急用思い出したの」
ディーク 「奇遇だな、おれもだ」
ソーニャ 「じゃ、じゃあね、また会いましょう」
ディーク 「そ、そうだな・・・」
ソーニャ 「おほほほほほほ」
ディーク 「あはははははは」

―お互い渇いた笑いを交わしながら、別れる2人
ソーニャ 「ショックだわ・・・私の魅力に抗える男が存在するなんて」
ディーク 「ショックだぜ・・・あんな色っぽい女をどうとも思えないなんて」
ソーニャ・ディーク 「ハア~~~~~~~」

―溜息をつきながら歩いているディーク、すると同じように溜息をつきながら歩いている女性に出くわした。彼女も相当深刻そうである。
ディーク 「セシリアじゃないか。どうした、暗い顔して?」
セシリア 「あ、パント先生のところの・・・。ちょっとね、仕事で失敗しちゃったの」
ディーク 「教師と魔道研究者を兼任しているんだったか。おれみたいなしがない傭兵からは想像もつかない大変な仕事なんだろうな」
セシリア 「そんなことない、あなたの方がよっぽど立派よ。この間だって新聞にでていたじゃない」
ディーク 「あれはおれの手柄じゃないさ」
セシリア 「謙遜しなくてもいいわよ。それに比べて私は最低ね、パント先生が残してくれた功績を全部無駄にしちゃった・・・」
ディーク 「・・・」
セシリア 「はじめはパント先生の跡を継げるって舞い上がっていたけど・・・ダメだった。私なんかが・・・やっていいことじゃなかったみたい・・・」

―セシリアの瞳には涙が浮かんでいた。
セシリア 「ご、ごめんなさい、こんな愚痴聞かされたら迷惑よね。それに大人が泣くなんてみっともないわ」
ディーク 「無理するなって。他人に愚痴って心が軽くなるならそれでいいじゃねえか。
それに大人にだって苦しみや悲しみはあるんだ、だから泣くことだってすこしも恥ずかしいことじゃねえ。
だから好きなだけ愚痴ればいいし泣けばいい、おれでよければいくらでも付き合うぜ」
セシリア 「ディーク・・・」

―セシリアはディークに抱きつき、彼の胸に顔をうずめた。
セシリア 「ごめんなさい、でも・・・その・・・しばらくの間だけ・・・あなたの胸を貸して」

―ここでディークははたと気づく。
「失意の女性を励ます」→「抱きつかれる」これは明らかにフラグではないのか?ディークがもう一言二言甘い言葉をかければ口説けるかもしれない。
そして「セシリアさんじゅうななさい」という言葉があるように、セシリアは少女とは程遠い大人の女性である。
ディーク (こ、これはチャンスじゃないのか?だが、相手の弱みに付け込むなんて最低じゃねえか。いつからおれはそんな下衆になった!!?)
セシリア 「ねえ・・・お願い」
ディーク (だが・・・おれも限界なんだ・・・ロリコンじゃないってことを証明しないとおれは・・・すまない、セシリア!!)

―ディークはセシリアの頭を抱いてこう言った。
ディーク 「あんたみたいな美人の頼みを断れるわけがねえだろ、おれの胸でよければ好きなだけ使いな」
セシリア 「ありがとう・・・う・・・うう・・・うわああああ・・・・」
ディーク (すまねえ、すまねえ、セシリア・・・)

―ディークの胸の中で大泣きするセシリア、数分間経っても一向に泣き止む気配はない。
ディーク (そろそろいいか・・・ここで<純愛>か<性愛>を示せれば、おれの潔白が証明される・・・さあ、どうだ・・・南無三!!)
196 名前: 潔白の証明 2nd Season [sage] 投稿日: 2008/10/16(木) 20:16:05 ID:XYhia/Gc
―ディークは愛情チェッカー君の表示を見た。
ピピピ・・・【ディーク】→【セシリア】 <同 情>
ディーク 「ぐ・・・ううう・・・うぉぉぉぉ・・・」
セシリア 「やだ・・・あなたまで泣くことないのに・・・」
ディーク 「そうじゃねえ・・グス・・・そうじゃねえんだよ・・・うう・・・」
セシリア 「もう・・・ううう・・・」

―抱き合いながら涙するディークとセシリア。傍から見れば「グッバイマイラブ~♪」と唄いだしたくなる光景だが、内情は全く違うものだった。
レイヴァン「・・・あの2人は何をやっているのだ?」
プリシラ 「きっと恋人同士が別れを惜しんでいるのでしょう。愛し合っている2人が離れなければならない運命は悲しいものですね。
でもご安心下さい、プリシラは未来永劫兄さまのもとを離れませんから」
レイヴァン(いや、お前はそろそろ離れてくれ)

―しばらくするとセシリアは落ち着きを取り戻し、ディークに礼を言って去っていった。しかし、ディークの涙がとまることはなかった。
リン   「ディーク、どうしたのよ?」
ディーク 「リ、リン・・・」
リン   「あなたが泣くなんてよっぽどのことよね・・・どうしたの?」
ディーク 「な、何でもねえよ、気にするな」
リン   「でも、とても辛そうだったわよ・・・ねえ、何があったか私に話してみてよ」
ディーク 「いや、でもよ・・・」
リン   「遠慮しないで、私たち友達でしょ、ね」

―リンがディークの手を握る。すると・・・
ピピピ・・・【ディーク】→【リンディス】 <性 愛>
ディーク 「チキショオォォォォォォォ!!!(大泣きしながらその場を走り去る)」
リン   「ちょっと、どこ行くのよ、ディークーーーー!!」

―約束の二日が経ったので、ディークはルーテの研究室兼創作部屋を訪ねた。
ルーテ  「・・・結論から言います。ディークさん、あなたは少女愛好趣味、つまりはロリコンです」
ディーク 「そそそそそそそそ、そんなはずはねえ!!!!!」
ルーテ  「記録では12~16歳の相手にはことごとく<性愛>を示しています。対して20歳以上の女性には<純愛>すらありません。
この結果ではロリコン以外に考えられないと思うのですが」
ディーク 「その機械がおかしいって可能性があるだろ!!!」
ルーテ  「とするとクレインに対する<忠誠>やワードロットに対する<師弟>もおかしいことになりますね」
ディーク 「う・・・」
ルーテ  「つまり、機械は正常に動いていたということです、それはあなたもお分かりだと思うのですが」
ディーク 「ぐ・・・」
ルーテ  「では、あなたが少女愛好趣味だということが客観的に証明されたところで、いくつかお話を・・・」
ディーク 「う・・・う、うわあああああああああああああん」
ルーテ  「これでセカンドフェイズ完了ですね。私の仕事は終わったので、あとはあの人のやり方しだいですか・・・」
197 名前: 潔白の証明 2nd Season [sage] 投稿日: 2008/10/16(木) 20:18:05 ID:XYhia/Gc
―冷酷なる事実を突きつけられ、研究室を走り去るディーク。すでに心身ともにボロボロの彼は、あてもなくフラフラと歩いていた。
ディーク 「おれはロリコンおれはロリコンおれはロリコン・・・だめだ・・・もう・・・おれは・・・」
???? 「・・・そこのお方、お困りですかな」
ディーク 「・・・誰だ?」

―ディークを呼んだ者は一体何者か?はたしてディークに救いはあるのか?今度こそ終章へ続く。

おまけ 「俺があいつであいつはこいつ」の作者の方、ネタをお借りします
リーフ  「今すぐ、今すぐ僕とディークさんの体を入れ替えるんだ!!」
ユンヌ  「ちょ、急に何よ?」
リーフ  「だって、あの人美味しすぎるよ、美人なお姉さんとの絡みありまくりでさあ・・・。
ルイーズさんとお風呂に入り、レイリアさんに寄りかかられ、ソーニャさんには誘惑されてるし。
セシリアさんなんて完全なフラグ成立じゃないか!!
それなのに何にも感じてないってもったいなさすぎる!!どうしてそんな人にフラグがたちまくって、お姉さん大好きな僕には何のフラグも立たないの!?」
ユンヌ  「フラグなんてそんなもんよ、現に女に興味ないアイクがフラグ王なんだから」
リーフ  「だから入れ替わるんだよ、そうすれば僕はお姉さんとフラグが立ってウハウハ、ディークさんは遠慮なく少女にハアハア、両方とも幸せじゃないか」
ユンヌ  「少女?」
リーフ  「ナンナ・ミランダ・サラは全員14歳以下の貧乳少女、まさにロリコン好みの逸材じゃないか!!だけど15歳の僕と入れ替わればハアハアしたって無問題」
ユンヌ  「いや、ハアハア自体に問題がある気が・・・ってあたしが言えた事じゃないか」
リーフ  「ああもう、ロリコンにさえお姉さんフラグが立っているのに、何で僕の周りには胸も色気もない子供しかいないんだー!!?理不尽だよ!!」
ユンヌ  「志村ー後ろ後ろ」
リーフ  「え?」
ナンナ・ミランダ・サラ「胸も色気もない子供でーす」
リーフ  「・・・・・・どうぞ(自らの体を差し出す)」
ユンヌ  「逃げるのは無駄とわかって覚悟決めたのね」