キッティング
例えば会社で使用するパソコンを100台用意しなければならないとしましょう。
方針の1つとして、100台すべてのパソコンすべてで手動で行うという選択肢があります。
以下は設定内容例
- ミニセットアップ(Mini-setup)を終わらせる
- IP、ホスト名などを設定する
- 各種アプリケーションをインストール・設定する
このような、パソコンなどの各種設定・インストールなどを事前に行い、すぐに業務で使用できる状態にする作業の事を「キッティング」と言います。
※サーバー機器やネットワーク機器であっても同様にキッティングと言います。
端末展開
キッティングした端末を配布・設置予定の場所へ配置する事を「端末展開」と言います。
ただ、キッティングした端末は100台もあれば、各部署への配布・設置なども計画を立てなければうまくいきません。
そのため、事前に入念な計画を練って、業務への影響が極力少なくなるようにするのが通常です。
マスタ(雛型)端末
端末展開する台数は少なければ少ないほどキッティングも展開の調整も楽にはなりますが、企業レベルで行う場合はそんなに甘くはありません。
数台の場合もあれば、1000台規模の展開も行うことがあります。
普通に考えれば、1000台のキッティングをすべて1からやるとなると膨大な作業工数がかかりますし、必ず作業ミスが発生します。
手動キッティングは正直地獄なので、大量展開を行う際はマスタイメージというものを作成する方法が一般的です。
※1台あたりにかかる工数を計算してみるとどれほどの規模になるか想像できるかと思います。
基本的な考えとしては、以下のようになります。
- 1台のパソコン(マスタ端末という)で一通りのキッティングを行う
- マスタ端末のイメージング(データ化)を行う
- 出来上がったイメージを別のPC(1台または複数台)に複製する
- 複製してできたPCで後処理を行う
このマスタ端末をイメージ化するツールの事をsysprep(シスプレップ)と言います。
「シスプレップをかける」「シスプレップを実行する」などと言います。
イメージの取得(キャプチャ)
マスタ端末を作成しsysprepを行った後は、マスタ端末をイメージデータとして取得します。
取得したイメージは「マスタ(雛型)イメージ」などと言います。
マスタイメージの取得は様々な方法がありますが、例えば以下のソフトウェアを使用して取得します。
- Microsoft DISMツール
- ArcServe Backup
- FUJITSU DatacloningWizard
- FUJITSU SystemcastWizard
- 富士通 瞬快
- Acronis Backup
- Symantec Ghost
この中だと、Ghostを使用するプロジェクトが多いイメージがあります。
※個人的にはAcronisシリーズの方がおすすめですが...
他にも、ハードディスクをクローニングする専用の機器を用いる場合もあります。
複製
マスタイメージをソフトウェアで取得した場合の複製は主に、取得に使用したツールで行います。
これは、それぞれのソフトウェアで対応するイメージの形式(拡張子)が異なるためです。
例えばDISMツールだとwim形式でイメージが保存されますが、Acronis Backupではtibという形式で保存されます。
wim形式はオープンな仕様となっているのか、他のソフトウェアでも対応しているものがあります。
どのツールを使用するかは、様々な環境を検案して、長く使えて信頼のおけるものを選定しましょう。
最後に
以上が端末展開の大まかな流れです。
実際はもっと細かく注意しなければならないことが多く、マスタイメージの作成を誤ると、全ての端末で再設定を行う必要があります。
手順書を作成して、実施する内容に誤りが無いかを確認して作業する事をおすすめします。