Re遺伝子関係
・Re遺伝子
藤川・ノエル両氏によって発表された遺伝子。オリジナルリリィの超人的能力の根源であり、特に再生医療分野への応用を期待されていた。
・グラフト技術
Re遺伝子を、後天的に人間に組み込むことで能力の向上を図ったもの。仕組みが接ぎ木(グラフト)になぞらえて命名された。Re遺伝子の適合率は決して高いとは言えず、定着しなかった場合は細胞そのものが分解してしまう危険性を孕んでいる。しかしながら、適合すれば身体能力だけでなく、自己治癒力や感覚器官の鋭敏化なども向上するため、イルアディ条約が破棄されたのちに各国はこぞって実験を進めた。
この技術によって、Re遺伝子を植え付けられた人間を”グラフトマン”と呼ぶ。
・特別指定回収因子
通称「マルトク」オリジナルリリィに発現した、所謂特殊能力のことを指す。
FLORAの最終目標は、コントロール可能なオリジナルリリィと同等の能力をもつリリィを生み出すことにあるため、この能力が発現したリリィは監視対象となる。
リリィシリーズ
Re遺伝子を組み込んだ細胞から人間を造ることで、完全な適合率と更なる能力強化を図った結果誕生した生命。ノエル博士主導の下おこなわれたリリィプロジェクトの一段階目の到達点である。オリジナルリリィの遺伝子を核としているため、厳密には全ての個体がオリジナルリリィのクローンと言える。また、肉体年齢は16歳相当の状態まで培養されてから誕生する。リリィ自体の細胞分裂の速さと、培養システムの補助によって、およそ1年で誕生を迎える。
人間はおろか、グラフトマンをも凌ぐ身体能力をもっている一方、細胞の新陳代謝が異常なスピードで繰り返されるため、生体として誕生してからおおよそ3年が経過したあたりから、脳や神経系の一部を除く体組織の崩壊が発生する。
個体としての活動期間は短いものの、崩壊しない脳などを基に再度リリィを造ることで、経験値や特性などをある程度次世代に継承させることができ、このサイクルを守り続ける事がリリィプロジェクトの重要なポイントである。なお、既に存在するリリィの体組織を用いて培養する場合、1ヶ月~2ヶ月程度で動ける状態まで到達する。
各個体の能力値によって、ある程度分類がなされており、作戦時はこの分類(型)に応じた役割が与えられる。また、リリィの武器となるRe兵器についても、この型それぞれに適応したタイプが開発されている。前世代までにどのような型として活動していたかによって、同じ型のリリィであっても、能力値に差が出ることがある。
■基本型
・キ型
強襲型。戦闘時においては主に白兵戦などの直接攻撃の役割を果たす。筋肉量や骨格などに優位性がみられることが多く、呼吸器系も発達している。
・ソ型
狙撃型。戦闘時においては銃火器を用いた攻撃の役割を果たす。視力や情報処理能力に優れている。また、偏差射撃を用いる場面も多いことから、物体との距離・角度・物体の移動速度などを感知する能力も高い。
一方で、比較的近距離での射撃戦を展開することも多いため、キ型ほどまではいかないまでも、ある程度の肉体強度も要求される。
・サ型
索敵・支援型。戦闘時においては索敵や攻撃支援を行うことが多い。視力、聴力、嗅覚など情報収集能力や、その処理能力が高い。また、チーム行動時は、対象を常に観測し続け、そのデータを味方に転送する役割も果たす。
■上級型
・シ型
指揮官型。基本型それぞれの能力を一定以上のレベルで備え、且つ作戦行動時に合理的な指示を下せる者が認定される。能力もそうだが、チームをまとめられるリーダーシップや一定のカリスマ性が求められる。
シ型がチームに入る場合、そのシ型リリィが特に基本型のどの能力値が高いのかによって、他のメンバーを選定することが多い。
■特殊型
・カ型
回収型。戦闘不能になったリリィの回収を主に担当する。また、出撃時のサポートもおこなう。飛行ユニットの操作が熟達していることが条件となり、更に回収後のリリィが再度戦線に赴く際の応急処置もおこなうことから、医療方面の知識も備えていなければならない。
・特カ型
死亡したリリィの脳組織回収のためだけ運用される型。この型のリリィはすべてガーベラ隊へ編入される。通称は「トッカ」。
・ツ型
通信型。基本的に実戦に投入するには能力的に満たないリリィの系統が所属している。中には、能力は非常に高いものの戦闘に対する忌避反応が過度に高い者なども在籍している。
そのため、ツ型というだけで他のリリィから格下に見られるということもしばしばである。
グラフト
Re遺伝子の制御が不安定なグラフトマンが、集団的に運用されることによってオリジナルリリィが持っていた感応力が適応された結果、Re遺伝子が活性化し暴走したもの。再生能力が際限なく繰り返され、周囲の物体を有機物・無機物関係なく取り込んでしまう状態となる。
生体組織にダメージを与えるためには、同じくRe遺伝子を持つ者が必要。
警戒尺度
グラフトの危険度を示す尺度。1~5までの5段階が設定されている。
レベル1:非戦闘要員のリリィ、またはRe遺伝子応用兵器を用いれば人間でも対処可能。
レベル2:クラスC以上のリリィであれば単体で対処が可能。
レベル3:クラスB以上のリリィであれば単体で対処が可能。小隊単位での対応が推奨される。
レベル4:クラスA以上のリリィであれば単体で対処が可能。複数小隊での連携にて対処する。
レベル5:クラスA以上のリリィ複数で対応する。出現時には特別対策本部が設置される。
戦闘忌避個体
人間社会にとって致命的な損害を与える恐れのある個体が指定される。
・No.1
・No.2
リリィシリーズ、グラフトを含め確認されている中で最もオリジナルリリィに近づいたとされる存在。
Re遺伝子が持つ感応力により引き寄せられ、FLORA本部を襲撃。リリィ部隊の4割近くを戦闘不能にする被害を与えるが、統制部隊の戦線投入後は攻め手を欠き行方を晦ます。2年後、オペレーション・ブラックアウトにより囮として設立されたレニャイア支部を襲撃。アドニス隊などと激戦を繰り広げ、右腕を失うなどダメージを負うも、同支部を完全に壊滅させる。戦闘能力を大きく落とした後「空飛ぶ歌姫」作戦により意図的に引き寄せを実行したアングレカム隊を追跡途中、瓦島北東の翠月海海上にてローウェン隊の集中砲火を受け撃破される。
・No.3
・No.4
・No.5
オリジナルリリィの超速再生能力が発現したグラフト。素体となったグラフトマンが、生物非生物を問わず侵食したことから、攻撃手段はミサイルや荷電粒子砲など多岐にわたる。また、超速再生を活かして自らの身体を巻き込んで爆発を起こすなどの攻撃を行う。
高い火力と超速再生を活かして、カメリア隊を全滅に追い込み、アイリス隊によって一時活動停止に追い込まれるも再生、カルゴンの悲劇と呼ばれる事態を引き起こした。
シャロン隊によって再度活動を停止させられ、現在は再生能力の研究のためにFLORA本部にて冷凍保存されている。
戦役・作戦等(年代順)
桜花戦争
シタン共和国がデーバーク連邦に対して起こした侵略戦争。十二ヵ国戦争で領土を大きく削られたシタン共和国が、デーバーク連邦に割譲された地域の人々が迫害を受けているとして軍事介入し勃発した。グラフトマン部隊を動員したシタン共和国側が開戦から僅か1週間でデーバーク連邦の首都を陥落させたことで終結。デーバーク連邦の抗戦派は北方に逃れて別政権を樹立した。結果として、グラフト技術が軍事利用できることを全世界に証明してしまい、国際秩序は乱れていくことになる。
春先に起きた戦争で、桜が開花してから散るまでの間に終結したことからこの名前が付いた。
オペレーション リライト
瓦島防衛戦
オペレーション ブラックアウト
戦闘忌避個体No.2の襲撃を受け、同個体を撃破するために立てられた計画。FLORA本部がある瓦島を戦場とせず、且つ本部と同等レベルの戦闘力を発揮できる支部を創設し、そこで対象を撃滅するというのが当初の計画であった。
度重なるシミュレーションの結果、支部自体を大きな爆弾と見立てることでNo.2と心中する形で無力化を狙い、それでも対象を撃破できない場合はダメージを負ったNo.2に対しローウェン隊の最大火力でもって攻撃を加えるという方針に決定した。この時点で新規創設されるレニャイア支部は捨て駒とすることとなったが、この内容は表向きには秘匿され、あくまでも当初の計画通り遂行されるように通達されていた。
・「空飛ぶ歌姫」作戦
オペレーションブラックアウトの一環として立案された作戦。戦闘忌避個体No.2がRe遺伝子の感応力を辿って攻撃目標を把握しているという特性を逆手に取り、アングレカム隊の強力な感応力を疑似餌のように用い、攻撃対象を誘導させる作戦。
この作戦は主にFLORA本部をNo.2攻撃対象から逸らすことと、非常に強力ではあるが展開や移動に時間のかかるローウェン隊の大型兵器を確実にNo.2とぶつけることが主目的となり、オペレーションブラックアウトにおいて重要な作戦となった。
作戦名はアングレカム隊を大型飛行ユニットによって輸送するという過程からとっている。
・レニャイア支部防衛戦
オペレーションブラックアウトの主たる戦闘。防衛戦とは名ばかりで、No.2との戦闘ではほぼ間違いなく陥落するというシミュレーション結果のもとおこなわれている。統制部隊、クラスA、クラスBから合計15部隊が戦闘に参加したが大半の部隊が壊滅または戦線離脱、レニャイヤ支部自体も破壊された。しかしながら、戦闘忌避個体No.2に大きなダメージを与えることには成功し、続く翠月海海戦でのNo.2撃破に繋がった。
・翠月海海戦
オペレーションブラックアウトにおける最後の戦闘。レニャイヤ支部防衛戦で負傷したNo.2をアングレカム隊が誘導、ローウェン隊が展開する翠月海で会敵。戦闘の経過は、十分な準備を整えていたローウェン隊が火力で押し切る形になり、一方的な戦いとなった。結果としてNo.2は完全に沈黙。遺体は研究材料としてFLORA本部に回収された。なお、戦闘の舞台となった翠月海という名称は、三日月形に形成された巨大な環礁に由来する。
・ガルバリウム作戦
計画のみ。翠月海での迎撃作戦が失敗し、防衛ラインが突破された場合に発動される作戦として立案された。瓦島への上陸を防ぐための水際作戦であり、防衛システム"アイギス"の制御範囲を通常のRe兵器まで拡張させることで、最も効果的な組織的抵抗を最後まで遂行できるようにしたもの。
シムルル攻囲戦
人類解放戦線の拠点シムルルを、リリィ主力部隊により攻撃した包囲・殲滅戦。これにより解放の勢力は大きく衰えることになり、以後FLORAに対する大規模な反攻作戦を実施することができなくなっていく。
また、統制部隊を除くリリィシリーズが対人間戦闘に従事した数少ない事例となり、作戦に参加したリリィへのメディカルチェックは念入りにおこわれた。
この背景には、本来対人間を想定していないリリィをあえて戦線に投入することで、オリジナルリリィへの覚醒のトリガーとする狙いも含んでいる。とはいえ、FLORA上層部も成功の可能性は高いとは思っておらず、あくまで可能性のひとつを潰していったに過ぎない。
カルゴンの戦い
油田地帯カルゴンでおこなわれた戦闘。瞬間的に肉体を再生できる戦闘忌避個体No.5に対して、カメリア隊をあたらせたことに端を発する。No.5のもつ再生能力と、誘導兵器を主とする火力によりリリィ側は劣勢となり、カメリア隊は壊滅、その後クラスAのアイリス隊をはじめ複数の部隊が逐次投入されるも多数の死傷者を出し、最終的には当時クラスBであったシャロン隊の活躍により辛うじて対象を収容することができた。
民間人、リリィ問わず多くの死傷者が発生、カルゴンの油田は壊滅的被害を受けたことなどから世間では"カルゴンの悲劇"と呼ばれている。
持続化ツール
文字通り、世界を存続させるために取り決められた手順の総称。全世界連合に加盟している首脳クラスのみしか知り得ない情報である。
・朱染めの天秤
グラフトを人類の共通の敵とすることにより、人類同士の戦争を抑止する。
グラフト側の勢力を一定範囲内で維持し続けることで、恒久的に人類の天敵を作り出し、不安や不満を全てグラフトに対し向けるように世論を誘導する。結果的に人類自身での争いを減らすことで、人類種が永く繁栄できるように画策されたものである。
しかしながら、グラフトと人類の一部が結びついてリリィを中心とした新秩序に反抗している現状から、このツールは健全に機能している状態とは言えない。
・安らぎの揺り籠
リリィシリーズを安定して供給し、グラフト等に対抗し得る手段を得るために策定された持続化ツール。このツールを基に、基本的なリリィシリーズの運用方針は決められている。
一方、新秩序を維持したい各国首脳と思惑と、オリジナルリリィを再現して世界のパワーバランスを覆したいFLORAの一部派閥それぞれが異なる目的のために協力している歪な構造を孕んでいる。
条約など
・藤川提言
・イルアディ条約
Re兵器
Re遺伝子を応用した兵器で、リリィのシリーズが運用することを前提に開発されている。
キ型用ユニット
白兵戦を主とするキ型リリィ用のユニット。機動力を確保しつつ、ハードな使用に耐えられる強度が求められるユニットである。
ガネーシャ系統
最初期に研究が開始された系統。後にキ型専用ユニットとして使用される。
■キ-001 エオガネーシャ
試作ユニット。Re兵器の中で最も早くから研究が開始されていたタイプで、全てのRe兵器の基になっているモデル。後述のガネーシャ命名時に、便宜的にエオガネーシャと命名された。固定兵装は搭載しておらず、あくまでリリィとの神経接続を検証するために設計された。機械式アーム2本を神経接続により動かすことができるが、戦闘に耐える強度は持ち合わせていない。
□キ-002 ガネーシャ
正式採用された初のキ型専用ユニット。2本の機械式アームを付与することができるユニットで、リリィ本体の腕と合わせて4本の腕での戦闘が可能となっている。リリィの背中から専用の針を神経接続して装着するため、装着時は痛みを感じる。シンプルな構造故に拡張性があり、派生型が多く作られた。
固定武装:ブレード×2
□キ-002A ガネーシャⅡ型
ガネーシャを基に、射撃戦を想定して兵装を変更したタイプ。
固定武装:7.62mm機関銃×2
□キ-002B ガネーシャⅢ型
リリィのごとの戦闘スタイルの違いに対応するため、固定武装を排しバックパックに個々の装備をマウントできるように改良したタイプ。汎用性の高さが利点であり、ガネーシャの中では最も多くの数が生産された。現在は退役したユニットではあるが、新兵訓練用としてある程度の数を保有している。
固定武装:なし
選択武装:ブレード、7.62mm機関銃
□キ-002C ガネーシャIV型
アームの強度、出力を向上させたモデル。重量増加に伴うリリィ側への負担はあるものの、ある程度重い武器でも使用可能となった。
固定武装:なし
選択武装:ブレード、7.62mm機関銃、ネイルハンマー
□キ-P002A ガネーシャ水中試験型
完全な水中利用を前提に開発された試作型。
固定武装:なし
□キ-P002B ガネーシャ鎖鋸試験型
対グラフト戦闘において、チェーンソーの有用性を確認するために、両アーム先端にチェーンソーを固定武装としてマウントしたもの。
固定武装:チェーンソー×2
■キ-003 シヴァ
ガネーシャをベースに、より乱戦に対応するべくヘッドギアに第三の目となるカメラアイを装着したもの。カメラアイはリリィの脳とリンクしているため、使用者は視野角が大きく増大したような感覚で扱うことができる。また、素体となったガネーシャにはなかった固定武装を最低限ではあるが追加しており、バックパックのマウント容量も増加している。
固定武装:飛び出し式ショートブレード×2
選択武装:ブレード、7.62mm機関銃、ネイルハンマー、チェーンソー
□キ-003A シヴァⅡ型
キ型の弱点である、飛行能力を持たないが故に縦方向への動きに弱いことへの対策として、アーム手首部にワイヤーアンカー射出機構を取り付けたタイプ。建物へ固定することでの移動や、対象に固定することで肉薄攻撃に持ち込んだりと運用方法は様々。
固定武装:飛び出し式ショートブレード×2、ワイヤーアンカー×2
選択武装:ブレード、7.62mm機関銃、ネイルハンマー、チェーンソー
□キ-003B シヴァⅢ型
Ⅱ型に導入されたワイヤーアンカーは、実力のあるキ型リリィからは好評だったものの、戦闘に慣れていない者にとっては扱いにくい機構であった。そのため、それを排除し、散弾発射筒と発煙弾発射筒に置き換える改造が施された。
おもにクラスBやクラスCのリリィが運用することを想定している。
固定武装:飛び出し式ショートブレード×2、散弾発射筒×1、発煙弾発射筒×1
選択武装:ブレード、7.62mm機関銃、ネイルハンマー、チェーンソー
■キ-011 インドラ
〇一五号(ストレリチア隊/26周)専用ユニット。シヴァをベースに電撃よる攻撃を付与したタイプ。単純な攻撃力の増強に加え、電気によるショックは反逆したリリィの捕縛時に可能な限り損傷させずに制圧することを可能にしている。電気を発生させるためにジェネレーターを強化しており、全備重量は基となったシヴァより増加しているが、使用者はキ型の中でも周回を重ねているリリィを想定しているため高い筋力で補える計算になっている。
武装に関しては対リリィまたは対人間を意識しており、短機関や電極射出管(スタンガン)の搭載などの変更点がある。また、ワイヤーアンカー・ブレードには高圧電流を通せるように設計されているため、戦術に幅を持たせることができるようになっている。また、〇一五号の意向によりブレード格納位置が背部バックパックから腰部ベルトに変更されている。
固定武装:飛び出し式電磁ショートブレード×2、放電機能付きワイヤーアンカー×2、電極射出管×4
選択武装:電磁ブレード、7.62mm機関銃、9mm短機関銃、チェーンソー
□キ-011-WS インドラ軽量化タイプ
〇一五号(ストレリチア隊/26周)の意向により、徹底した軽量化を施したカスタムユニット。対リリィ用のカスタムであり、先手をとって対象に電流を通すことで、相手ユニットのシステムダウンを積極的に狙っていく戦法に特化している。装甲のオミット、アーム素材の変更などによって防御力は大きく落ちているものの強度には問題ない。更に固定兵装を減らし、消費電力を抑えることでジェネレーターの小型化にも成功している。いわばインドラの高機動型である。
作中では、アイリス隊との二度目の戦闘時から使用されている。
固定武装:放電機能付きワイヤーアンカー×2、電極発射管×2
選択武装:電磁ブレード、9mm短機関銃
アトラナート系統
■キ-006 アトラナート
ガネーシャ系統のコンセプトを一部受け継いだ派生系統であり、4本のアームを使用できるように開発されたユニット。アーム単体の耐久力は先発のシヴァに劣り、操作性も複雑になっているが、ガネーシャ系統よりも更に高度な作戦行動を可能とし、乱戦時の対応力も高いことから、実力の高いリリィを中心に支持されているユニットである。
リリィ自身の両腕と合わせ腕が6本となるため、リリィ単体である程度の弾幕を張ることもできる代物ではあるが、ネイルハンマー等の重量武器はパワー不足により使用することができない。
固定武装:飛び出し式ショートブレード×2
選択武装:ブレード、7.62mm機関銃
□キ-006A アトラナート改
カメラアイを6つ設けたヘッドギアを採用し、広範囲の視界を確保したユニット。乱戦時の対応能力が各段に向上しているが、大量の視覚データを処理しなければならないため、問題なく使用できる者は前世代までにサ型を経験した者など一部の者に限られる。
固定武装:飛び出し式ショートブレード×2
選択武装:ブレード、7.62mm機関銃
■キ-017 アトラナート・メルト
節足動物などに見られる対外消化の機構を参考に開発されたユニット。装着者は主にグラフトの生体組織を回収したり、有機質の組織を機能不全に陥らせたりする任務を与えられる。扱いは原型機のアトラナート改よりも難しく、全リリィ中でも数名程度しか使用していない。
消化液は攻撃用の射出カプセル、組織回収用のアンカー付射出カプセルなどによって対象へ射出され、先端の針によって対象へ注入される。
この消化液は濃度を調節することができ、また殺菌作用が非常に高い。そのため高濃度のものは攻撃用、低濃度のものは医療用などに転用ができる。作中では、グラフトの甲皮を溶かす際は高濃度のものを散布し、傷口の消毒には低濃度のものを塗布するなどの応用が見られた。
固定武装:消化液射出・散布システム「グレイ・ウィーバー」×1、飛び出し式ショートブレード×2
選択武装:ブレード、7.62mm機関銃
セクメト系統
キ型ユニットの集大成として、各キ型ユニットの技術をつぎ込んで開発された甲冑型ユニット。貴重且つシステムが複雑であるため、クラスA以上のみにしか支給されない。
◾︎キ-022 セクメト
全身をくまなく装甲で覆った甲冑型ユニット。防御力は他のユニットに比べても卓越しており、キ型ユニットの1つの到達点と言われている。ただし、ユニットの主目的がリリィの身体能力を大幅に強化する、というものであるため、戦闘能力の向上においては使用者の力量が大きく関わってくる。
特殊な兵装として、腕部と装着しているブレードに超高熱を加えて殺傷力を高めるシステムが導入されている。しかし、腕部に超高熱を加えた場合、使用者自身の身体組織も損傷するため、使用時には激痛を伴う。
固定武装:飛び出し式ショートブレード×2、超高熱発生システム
選択武装:ブレード、7.62mm機関銃
◽︎キ-022A セクメト制式採用型
実戦では使用に耐えないと判断された腕部の超高熱発生システムをオミットし、余剰エネルギーでレーザー射撃が可能な銃剣を装備し汎用性を高めた制式採用機。
固定武装:超高熱発生システム内蔵飛び出し式ショートブレード×2
選択武装:ブレード、エネルギー式銃剣「レオン」
◽︎キ-022A 〇六一号(シャロン隊/9周)専用セクメト
腕部の超高熱発生システムを再搭載、レオンのレーザー射撃機能をオミットし、〇六一号の稀有な"力の流れを読む能力"を最大限に発揮できるよう調整された専用OSを搭載したパーソナルカスタム機。
固定武装:飛び出し式ショートブレード×2 超高熱発生システム
選択武装:エネルギー式銃剣「レオン」実弾搭載改造型
ソ型ユニット
主に銃器などを用いた火力支援のためのユニット。前線で戦闘をおこなう場合や、長距離狙撃をおこなう場合など、多岐にわたる用途に対してユニットが細分化されている。
アルテミス系統
機関銃を中心とした火器を運用するためのユニットとして製作された。比較的早期から開発されていたため、基となったエオガネーシャとの共通点が多い。一方、ソ型リリィ自体の数が揃わなかったためにロールアウト自体は遅れた。結果としてアルテミス専用装備として火器を開発する猶予ができたため、ユニットとしての完成度は高い。
■ソ-003 アルテミス
取り回しの良い銃火器を中心に、実戦において既に性能が証明されているシステムで構築されたソ型ユニットの傑作シリーズ。このアルテミスで得たデータは様々なRe兵器に利用されている。
唯一、アルテミス用としてキュパリッシ3連装汎用誘導弾発射管が開発され搭載されている。
固定武装:キュパリッシ3連装汎用誘導弾発射管×2、信号弾発射管×1
選択武装:7.62mm機関銃、9mm短機関銃、ブレード
◽︎ソ-003A アルテミスⅡ型
アルテミスを再設計し、本格的な火力支援機として開発されたユニット。カルラ等飛行ユニットの技術も盛り込まれており、Re兵器の中でも特に成功したユニットである。
単体でも十分な火力を持たせるために重武装となっているが、一方で機動力の大幅な低下が懸念された。そのため、飛行ユニットで用いられていたスラスターを小型化し、移動時の補助として使用する設計がなされている。
加えて、原型機の火力不足を補うために新たな火器が多数開発され、制式採用に至っている。
固定武装:エラポスレールガン×2、キュパリッシ3連装汎用誘導弾発射管×2、信号弾発射管×1
選択武装:カリスト無反動砲、アルカス狙撃ライフル、7.62mm機関銃、9mm短機関銃、ブレード
ヤシマ系統
アルテミス系統は扱いやすく、ある程度の機動力を確保したまま作戦遂行ができる一方、徐々にグラフトが巨大化していく中ではやや火力不足と思われる部分も露呈し始めた。こうした問題を解決すべく、機動性を犠牲にしても射撃の出力を上げたモデルの開発が望まれたため作られたユニットである。
なお、ユニット名の「ヤシマ」は厳密には荷電粒子砲そのものの名前である。
■ソ-008 ヤシマ
荷電粒子砲を搭載した狙撃用ユニット。威力、精度共に高いが、エネルギー充填用のジェネレーターを個別で輸送しなくてはならないため、機動力は大幅に低下する。ジェネレーターは1人で持ち運べないため、クラスCを輸送補助として随伴させることで対応している。
機構としては主となる荷電粒子砲、射撃サポートのための各種センサー類とジェネレーターに分かれる。そのため、ユニットというよりは純粋な狙撃兵器としての側面が強い。
固定武装:一式ヤシマ荷電粒子砲×1
□ソ-008A ヤシマⅡ型
ヤシマの「リリィ単独で運用できない」という問題点を解決するため、4本の脚を設けて荷電粒子砲を動かすという、移動砲台のような構想の元制作されたユニット。
結果として、当初の目的であったヤシマの単独運用という目的は達成したものの、ユニット自体が大型化してしまったため、稼働するために必要なエネルギーが増えている。更に大型化によって隠密性が低下し、敵の攻撃に晒されるリスクが高まったことから、運用にあたって護衛が必要となってしまった。
総合すると、自軍が制空権を確保している状態でないと使用することができないため、ほとんどが対グラフト戦ではなく、拠点攻撃または防衛の任務に就くことになる。
固定武装:一式ヤシマ荷電粒子砲×1
◽︎ソ-008A ヤシマⅢ型
Ⅱ型の反省から、ヤシマ自体に対空性能を付与することで、完全な単独運用を実現しようとしたユニット。
求められた性能には及ばずながら、ある程度の対空砲火が可能となっている。とは言うものの、機動力の低さは如何ともし難く、ユニットコストが高い割に損耗率も高くなるであろうことが予想されたため、先行配備された数機をもって生産は打ち切られた。
固定武装:一式ヤシマ荷電粒子砲×1、ミサイル発射管×2、12.7mm自動対空機銃システム×2
ゴヴニュ系統
■ソ-027 ゴヴニュ
ヤシマⅡ、Ⅲ型のノウハウを生かして開発されたユニット。多種多様な火器を格納しておくためのコンテナ部分とそれを運用するためのマニュピレーターで構成された、重火器をリリィ単体で運用するためのユニット。
ユニット重量が嵩むため、昆虫のように6本の移動用脚部が備えられている。ユニット自体がAIによる自立行動をできるようになっており、リリィと分離した後も独立して作戦行動を遂行できる。
■ソ-031 ゴヴニュ・ケヒト
サ型用ユニット
索敵、支援を主目的としたユニット。飛行ユニットの開発と同時期に計画が持ち上がったため、飛行ユニットを基本形としているのが特徴。
カルラ系統
制式採用された初の飛行ユニット。索敵用としてレーダー等の測定機器や支援用としての火器を搭載しているのが特徴。
■サ-003 カルラ
索敵機能と味方の支援機能を兼ね備え、且つ飛行能力も付与されている汎用ユニット。火力ではソ型ユニットほどではないものの、運用上必要十分である。
固定武装:7.62mm機関銃、キュパリッシ4連装汎用誘導弾発射管×1、信号弾発射管×1、チャフ・フレア発射管×1
選択武装:なし
エンリル系統
◾︎サ-022 エンリル
◾︎サ-039 バアル
シ型用ユニット
指揮官用に開発されたユニット。
ヤタガラス系統
■シ-001 ヤタガラス
多面的に能力の高いリリィを「シ型」と定義した際に、それらに対して支給するべく開発された汎用高性能ユニット。あらゆる型式のユニットから技術の粋を結集して制作された。
その影響によって、シ型やそれに匹敵する総合能力を有していないものにとっては、ユニット性能が使用者のキャパシティを超えてしまい、動かすことすらままならない。
部隊指揮官を担うリリィが使用することを想定されているため、カスタムしていないサ型の標準ユニットよりも情報収集率が30%向上しているなど、主に戦場で的確な判断を下せるような機能となっている。シヴァシリーズの追加カメラアイ、アルテミスシリーズの火器、カルラシリーズの飛行機能など強力なシステムを盛り込んでいる分、ユニットコストが非常に高い。
固定武装:飛び出し式ショートブレード×2、7.62mm機関銃、キュパリッシ連装汎用誘導弾発射管×1、信号弾発射管×1、チャフ・フレア発射管×1
選択武装:ブレード、エラポスレールガン、アルカス狙撃ライフル、9mm短機関銃
■シ-009 ヤタガラス・セキア
ヤタガラスをベースに、積極的に前線へ出るリリィのために開発されたユニット。あらゆるパターンの戦闘に対応できるよう、火力や機動力に重きを置いている分、装甲は削減されているほか、感応力中継装置を備えており指揮官用ユニットとしてもスケールアップが図られている。
新開発された装備として、ケイローンに採用されているサジタリウスのコンセプトを踏襲した複合兵装システム「アメノミカゲ」が装備されている。
固定武装:飛び出し式ショートブレード×2、防楯付き複合兵装システム「アメノミカゲ」(7.62mmガトリング砲、射出機構付き飛び出し式刺突用短ナイフ×3、ワイヤーアンカー射出システム×1)キュパリッシ連装汎用誘導弾発射管×1、信号弾発射管×1、チャフ・フレア発射管×1、感応力中継装置×1
選択武装:ブレード、エラポスレールガン、アルカス狙撃ライフル、9mm短機関銃
◽︎シ-009-AF カイム
ヤタガラス・セキアをベースとし、感応力をもつ〇三一号(シャロン隊/7周)専用に改造が施された非公式ユニット。躑躅ヶ崎博士が直接改造したユニットであり、感応力中継装置を増幅装置に置き換え、OSを専用のものに書き換えている。更に、〇三一号の意向で日本刀が装備されている。
固定武装:飛び出し式ショートブレード×2、防楯付き複合兵装システム「アメノミカゲ」(7.62mmガトリング砲、射出機構付き飛び出し式刺突用短ナイフ×3、ワイヤーアンカー射出システム×1)キュパリッシ連装汎用誘導弾発射管×1、信号弾発射管×1、チャフ・フレア発射管×1、感応力増幅装置×1
選択武装:日本刀、エラポスレールガン、アルカス狙撃ライフル、9mm短機関銃
アポロン系統
■シ-004 アポロン
指揮官機として、より各隊員への指揮能力を高めたタイプの制作が求められたため開発されたユニット。感応力中継装置が設置され、多数の部隊を1人で指揮できるようになった。
武装はややソ型寄りであり、後方からの火力支援と指揮を主に担当することを想定して設計されている。操作性もヤタガラスシリーズと比べて良好であり、シ型リリィのスタンダードとも言えるユニットである。
固定武装:エラポスレールガン×1、キュパリッシ3連装汎用誘導弾発射管×2、信号弾発射管×1、チャフ・フレア発射管×1
選択武装:ブレード、7.62mm機関銃、アルカス狙撃ライフル、9mm短機関銃
ローウェン隊専用ユニット
ローウェン隊のみに配備される特殊ユニットで、基本的に他のリリィによる使用は考えられていないが、一部の飛行ユニットや艦船ユニットはソ型またはサ型の複数運用によっても使用できるようになっている。
■ロ-001 アイギス
瓦島全体に施された防衛機構や通信機器などを一括管理しているシステムで、便宜上ユニットの通し番号を与えられているものの、厳密にはユニットではない。FLORA設立当初から導入され、度々改良が施されている。代々ローウェン隊の隊長がコアとなり運用することが通例になっている。
情報処理能力が極めて高いリリィと、アイギスに内蔵されているAI「アテナ」によりメインシステムが管理されている。合理性に乏しいリリィと倫理観が希薄なアテナが、お互いのウィークポイントをカバーできるようにと設計されているが、緊急時に意見の相違があった場合はリリィ側が優越されるようにプログラムされている。
アテナ自体は学習のため代々担当リリィのデータを保持しており、そのため度々歴代のローウェン隊隊長を引き合いに出してくることがある。
担当リリィにもかなり負荷がかかるため、平時はアテナ単体でシステムを管理しており、担当リリィは1日あたり約1時間アイギスと接続し、システムメンテナンスをおこなう程度である。
■ロ-007 ガブリエル
洋上防衛の要として開発された艦船型ユニット。一般リリィでも複数名の運用によって運用できるように設計されている。基本的には瓦島本島の防衛任務に使用されるが、フレスベルグと同様に遠方での大規模任務の際に母艦として利用されることもある。そのため、艦内には居住スペースや医療スペースなど、長期間の航行に耐えうる設備が備えられている。
特筆すべき点としては、感応力探知妨害装置が搭載されているところにある。これは戦闘忌避個体No.2の出現により、グラフト側も感応力を用いた戦闘を展開してくるであろう懸念が発生したため、その対抗策として研究されたシステムである。リリィ自体、感応力はヘッドギアを介して受け取っているため、アングレカム隊からの干渉のみ受け付ける設定とすることで、この装置の妨害範囲から逃れている。
武装:デュランダル連装レールガン×3基、20mm機関砲×4、多目的ミサイル発射システム×64+32セル、4連装対グラフトミサイル発射管×2、3連装魚雷発射管×2、6連装デコイ発射管×4、感応力探知妨害装置
■ロ-010 アイテール
■ロ-022 ケイローン
馬の首から下のような形状のユニットと、使用者を覆うパワードスーツ状のユニットが連結したような見た目をしている。大腿部から神経接続する構造上、使用者の両脚を切断する必要があるため、本ユニットを頻繁に運用する可能性があるリリィには大腿部より下を機械化することが推奨されている。
四足歩行による高い踏破能力と、通常ユニットよりも高い攻撃力が特徴。特に右腕にマウントされているパイルバンカーは、大型グラフトに対して有力な攻撃手段になり、ヤシマの陽電子砲などの火器が通用しない対象への切り札的装備でもある。このパイルバンカーは機関銃等との複合兵装となっている。
また、大部隊を編成した際の指揮官用としての運用も想定されているため、通信能力も強化されている。
固定武装:防楯付き複合兵装システム「サジタリウス」(パイルバンカー、7.76mm機関銃、グレネード発射管)×1、12.7mmガトリング砲×1、ミサイル発射管×1、信号弾発射管×1
■ロ-022A ケイローン・アルギュロス
ケイローンの弱点であった、遠距離からの誘導兵器による攻撃に対応するため、アルテミスに採用されていたキュパリッシの改良版を装備したタイプ。更に、アングレカム隊の感応力を中継するためのシステムも備え、指揮官機としての性能が大幅に向上している。
固定武装:防楯付き複合兵装システム「サジタリウス」(パイルバンカー、7.76mm機関銃、グレネード発射管)×1、12.7mmガトリング砲×1、キュパリッシ改3連装長距離誘導弾発射管×2、デコイ発射管×1、感応力中継装置
ガーベラ隊専用ユニット
殉死したリリィの脳組織回収という任務のために特化されたユニット。回収任務はリリィシリーズの持続的運用にとって重要なプロセスであるため、日々改良が加えられている。
■ガ-007 イシュタム
ヒュギエイアを基に開発された個人用のユニット。原型機の医療設備を可能な限り取り除き、脳組織の冷凍保存用カプセルを搭載している。
識別タグの探査能力、飛行能力をさらに高めており、戦場から迅速に回収・撤退することに全ての重きがおかれている。よって戦闘は前提とされておらず、固定武装は搭載していない。
■ガ-024 フレスベルグ
前線基地から離れた場所での大規模戦闘時など、イシュタムの航続距離を超える範囲で殉死者が多く発生することが予想される場合に用いられる、大型飛行母艦。
脳組織の安全な保管・輸送が行えることはもちろん、ガーベラ隊の司令本部としての機能も併せ持つ。
その他兵器
◾︎キュパリッシ3連装汎用誘導弾発射管
各種ユニットや装甲服のハードポイントにマウントすることができる誘導弾発射管で、通常のミサイルのほかに閃光弾・発煙弾・催涙弾などを射出することが可能になっている。
◾︎アルカス狙撃ライフル
ユニット制御システムやリリィの感応力とリンクして、超高精度の狙撃を可能としたライフル。