謎多き(?)事業用車 1900形
1900形は1960年代から在籍する事業用車。
主に1010形からの改造車が多数を占めるほか、国鉄から譲渡された車両も存在する。
牽引車のモヤ1900形、有蓋電動貨車のモワ1910形、無蓋電動貨車のモト1920形、救援車のモエ1930形などたくさんの形式がある。
一時はトラック輸送などへの切り替えで両数を減らしたが、モーダルシフトやカーボンニュートラルなどの思想が広まった影響で、廃車や休車から復活した車両もいるようだ。
形式
- モヤ1900形(モヤ1901~1906)
国鉄では牽引車に分類される車両。気動車や電車、保線用の貨車など様々な車両を牽引するため、双頭連結器を装備する。
現在はモヤ1901,1903号が在籍。主に検査入場車や改造入場車などを牽引する。
また、足回りを従来のものから3000系の廃車発生品に交換している。 - モワ1910形(モワ1911,1912)
側面に大型の引き戸やプレスされた鋼板をもつ有蓋車タイプの電動貨車。自動連結器を装備し、小編成の貨物列車牽引や荷物車代用として使用されていた。
現在はモワ1912号が在籍し、主に信号機や遮断機などの比較的小型の機器や、電車の床下機器などを運んでいる。
足回りは3000系のものと取り換えられている。 - モト1920形(モト1921~1928)
側面にアオリ戸をもつ無蓋車タイプの電動貨車。主に工場や検車区への部品輸送や、駅の大型設備輸送で使われる。その他にも、牽引車代用としても使用される。
古河ユニック製クレーンを搭載した車両や、タダノ製クレーンを搭載してアオリ戸を撤去し、レール輸送車になった車両など、様々なバリエーションが存在する。
奇数車はかね丸国際観光港、鹿ノ森向き、偶数車は電鉄本町向きに運転台がある。
奇数車と偶数車を背中合わせにした2連で運用されることが多いが、レール輸送車はチキ1900形(チキ5500形のかね鉄発注版)を挟む。そのため引き通し管を装備するほか、ユニット間の連結器が自動連結器というのが大きな特徴だ。
現在はモト1923+モト1924(クレーン装備),モト1927+モト1928(レール輸送車)が在籍。足回りは3000系の廃車発生品に交換、高性能化された。
また、モト1923+モト1924は双頭連結器を装備する。 - モエ1930形(モエ1931~1933)
国鉄では救援車に分類される車両。
車内にはジャッキやガスバーナー、枕木、滑車、ウィンチ、投光器などたくさんの資器材が積載されており、重い資器材を運搬する電動ホイストクレーンも設置されている。
また、車両前面には大型照明装置と観音扉が備えられている。
パンタグラフを二基装備し、走行用と電源用で使い分けられているのが特徴。
現在はモエ1931,1933が在籍。足回りは3000系の廃車発生品に交換されている。