雲深不知処

姑蘇の町から遠く離れた山奥にある、姑蘇藍氏の本拠地。
霧が立ち込めて、まるで仙境の雲海を思わせるような場所。

参考資料

雲深不知処

雲深不知処は、唐の詩人・賈島(かとう)の五言古詩「尋隠者不遇」の一節からとったといわれている。
「尋隠者不遇」は唐詩三百首の一首で、中国では子供向けの本にも掲載されるほど有名な詩。
この詩は、知人の隠者を尋ねたものの会えなかった事を詠じたものである。

原典紹介

尋隠者不遇 （作者：賈島）

松下問童子　　　松下(しょうか)　童子(どうじ)に問えば
言師採薬去　　　言ふ　師は薬(やく)を採りに去れり　
只在此山中　　　只(た)だ此(こ)の山中(さんちゅう)に在(あ)らんも
雲深不知処　　　雲深くして処(ところ)を知らず

（意訳）
山中に隠者を訪ね、松の木の下に居る子供に居場所を聞くと、薬草を採りに出かけたと言う。
きっとこの山中にいるに違いないが、雲が深くたちこめて行方はわからない。結局会えずに帰ってきた。