はじめに
ひび割れ幅が0.2mm以上1mm以下の時に使われる工法。
JIS指定がある(JIS A 6024)。
クラックの幅は一律でないため狭いところと広いところで低粘度、中粘度を使い分けなければいけない。また、ひび割れにどのくらい入ったかどうかを外見から判断することが難しいため、熟練を要する工法。
共通事項
- 適用範囲
本施工計画書は、コンクリート打放し仕上げ外壁、モルタル塗り仕上げ外壁、タイル張り仕上げ外壁及び塗り仕上げ外壁の樹脂注入工法を行う工事に適用する。
- 適用図書
施工は下記の仕様書及び設計図に基づいて行う。
- 本工事の建築設計図書及び特記仕様書
- 現場説明書、現場説明事項、質疑回答書及び追加変更指示書
- 国土交通省大臣官房官庁営繕部監修
公共建築工事標準仕様書(平成25年版) - 国土交通省大臣官房官庁営繕部監修
公共建築改修工事標準仕様書(建築工事編)(平成25年版) - 北海道建設部監修営繕工事記録写真撮影要領(平成21年版)
- 疑義、変更
本施工計画書に記載なき事項や、記載事項の質疑変更に関しては監督員・監理技術者・工事担当者と協議の上、承諾を得て施工する。
施工手順(自動式)
- 補修範囲の確認、調査
- ひび割れ状況を確認する。
図面以外に問題となるひび割れが確認された時は、補修範囲を監督職員と協議の上決定する。 - 確認は目視及びクラックスケール等による。
- 補修範囲の決定後、チョーク等により明示する。
- ひび割れ状況を確認する。
- 材料確認
- 注入工法の種類は、次により、適用は特記による。特記がなければ自動式低圧エポキシ樹脂注入工法とする。
- 自動式低圧エポキシ樹脂注入工法
最近の流行といってはなんだが、自動式注入器でエポキシを注入していくので、職人の腕に左右されにくい。 - 手動式エポキシ樹脂注入工法
手動式注入器でエポキシを注入していくので、職人の腕に左右されやすい。 - 機械式エポキシ樹脂注入工法
機械式注入器でエポキシを注入していくので、職人の腕に左右されやすい。
- 樹脂注入工法に使用するエポキシ樹脂は、JIS A 6024(建築補修用注入エポキシ樹脂)による低粘度形又は中粘度形とし、適用は特記による。
注意:粘性は製造所の仕様によっても変わるので、監督職人に確認する。 - 仮止めシール材等は、エポキシ樹脂製造所の指定する製品とし、既存及び新規塗膜に支障のないものとする。
- 清掃
- ひび割れ部に沿って幅50mmの汚れを除去し、清掃する。
清掃は状況により、ケレン、ブラシ、エアブロアー等で行う。
- ひび割れ部に沿って幅50mmの汚れを除去し、清掃する。
- 注入間隔確認
- 注入間隔は、特記による。特記がなければ200mm~300mm間隔とし、マーキングを行う。
- 仮止めシール材塗布
- 仮止めシール材は、製造所の仕様により、2成分形の場合は、主材と硬化剤を正確に計量し、均一になるまで混練りする。
- ひび割れ部に沿って仮止めシール材をパテへら等で幅30mm、厚さ2mm程度にシールする。
なお、裏面に注入材料が漏れる恐れのある場合は、監督職員と協議し、裏面に仮止めシール材を行うか又は裏面より流出しない粘度の注入材を使用する。
注意:裏側に流出しない粘度=ひび割れ全面に渡って接合していないことになるので、なるべく裏面処理はシール材で行ったほうが良い。
- 注入器、台座取付
- 注入器具又は台座をひび割れが中心にくるようにして、仮止めシール材等で取り付ける。
- 計量、混練り
- エポキシ樹脂の注入量は、特記による。
エポキシ樹脂注入材料は、製造所の仕様により、主剤と硬化剤を正確に計量し、均一になるまで混練りする。
- エポキシ樹脂の注入量は、特記による。
- 注入器具取付
- 混練りしたエポキシ樹脂を注入器具に入れ、ゴム、バネ、空気圧等により、注入圧を0.4N/mm2以下として注入する。
- 注入チェック
- 注入時は、台座やシール部からの漏れをチェックし、注入器具内のエポキシ樹脂の減量状態を確認して、足りない場合は補充する。
なお、注入完了後は、注入器具を取り付けたまま硬化養生をする。
- 注入時は、台座やシール部からの漏れをチェックし、注入器具内のエポキシ樹脂の減量状態を確認して、足りない場合は補充する。
- 撤去、清掃
- エポキシ樹脂注入材の硬化を見計らい仮止めシール材及び注入器具を適切な方法で撤去し、清掃を行う。
使用工具
| 測定 | リボンロッド |
| クラックスケール | |
| コンベックス | |
| 清掃 | ケレンへら |
| デッキブラシ | |
| ワイヤブラシ | |
| エアブロアー | |
| 施工 | パテへら |
| ハケ | |
| ミキサー | |
| 他製造所指定工具 注入器具、台座等 |
樹脂注入工法材料(自動式)
| アサヒボンド | |||
| コニシ | |||
| アルファ工業 | |||
| 横浜ゴム |
工事写真
| 工種 | 内容 | 備考 |
| 外壁改修 | ひび割れ計測状況 | クラックスケール、スケール等によりひび割れの幅、長さを測定。 建物1面につき1箇所程度。 |
| ひび割れ箇所確認 | チョークによって示したひび割れを全箇所において撮影。 位置、幅、長さがわかるように示す。 | |
| 使用材料確認 | ||
| 補修部清掃状況 | ||