2025年8月12日から近鉄の名古屋エリア(名古屋輸送統括部管内)のワンマン運転列車で車両の「ワンマン」表記を省略し始めたようです。
近年の行先表示幕更新でワンマン表記を省略し始めた路線(道明寺線、御所線)やワンマン運転開始時から表記がない線区(けいはんな線、吉野線末端区間)もありますが、従来表記があった名古屋エリアで現在ワンマン運転が行われている湯の山線、鈴鹿線と名古屋、山田、鳥羽、志摩線系統(通称伊勢志摩ワンマン)で一斉に表記の省略が始まり、編成によって表記方法が異なることから今のところ以下のような対応が行われています。(写真は特記以外2025年8月12日撮影)
普通賢島行き3981列車 RC02(志摩横山～鵜方間にて)
12日朝の時点で湯の山線や鈴鹿線で表記省略の目撃情報があり、私もライブカメラで志摩線列車を見たところいつもと違う様子を察知したので早速撮影に。
まず「三十三銀行ラッピングトレイン」の1201系RC02は正面左側窓内の折りたたみ式のワンマン表示(通称ワンマン行灯)が折りたたまれていました。
1201系はワンマン運転対応改造当初は全編成が「普通」の上に「ワンマン」の文字が入った行先表示幕を使用していましたが、後年になってRC02、06～10の6編成はワンマン行灯を装備したことでそれ以来幕は通常の普通幕を使用しています。
目撃情報によると湯の山線、鈴鹿線もこのタイプの編成は同じく折りたたまれているようです。
(2024年11月5日撮影)
従来はワンマン行灯はこのように展開して使用されており、車掌乗務の列車では折りたたむ方法をとっていました。
なお、行灯といっても約10年ほど前に視認性を向上(黒色ベースから緑色ベースに変更)してからは内部から灯りで照らす仕様ではなくなっていました。
普通伊勢中川行き4180列車 RC02(志摩神明～鵜方間にて)
先ほどの折り返し列車で、ク1302側もやはり折りたたんだ状態ですね。
私の地元の志摩線では普通列車は全列車ワンマン運転かつワンマン運転される回送列車であっても行灯は展開していたことから折りたたんで普通列車として走る姿はかなり新鮮で、あたかも車掌乗務かのような錯覚まで起こしてしまいそうです(笑)
普通賢島行き4081列車 VC32(鵜方～志摩神明間にて)
次の普通列車で1230系VC32がやってきました。
1230系はA更新が行われた近鉄1230系VC32の記事で触れたように吸盤とフックを設置し、そこに紙のワンマン表示を引っ掛ける仕様で2年近く運用されていましたが、12日の朝には吸盤ごと撤去されていたようです。
これによりパッと見の外観は他のA更新施工済みのVVVF車と区別がつかないものとなりました。
ちなみに最近A更新出場した南大阪線系統の6419系Mi19では「普通」の上に「ワンマン」を併記する表示幕を踏襲したLED表示(英語対応)が用意され、他の編成が幕更新によりワンマン表記が省略される中8月12日現在でも道明寺線などでその表示が使用されています。
普通賢島行き4181列車 RC03(志摩横山～鵜方間にて)
1時間後の普通列車は1201系ですが前日の8月11日まで「ワンマン」を併記した幕を使用し続けていたグループで、かつ個人的にお気に入りの編成であるRC03でした。
12日からは使用する表示コマを変更する形で通常の普通幕が表示されるようになり、湯の山線、鈴鹿線にも同様のグループの編成があるため同じ対応が行われているようです。
普通伊勢中川行き4380列車 RC03(鵜方にて)
所用で鵜方から4380列車に乗車しました。
この編成といえばワンマン併記幕というイメージが染み付いていたので、賢島行きはもちろんのこと車掌乗務列車がある伊勢中川行きでも個人的に違和感を覚えます^^;
普通伊勢中川行き4680列車 VC59(鵜方にて)
夕方に鵜方駅に戻ってきてちょうど4680列車が来る頃だったので建物の隙間から確認。
VC59はワンマン改造当初は併記幕を使用していたものの行灯を追設した編成なのでやはり折りたたまれていました。
ちなみにこの編成が行灯折りたたみ状態で志摩線を走行したのは今年3月のマーダーミステリーツアー「線路の果ての晩餐会in伊勢志摩」開催に伴う貸切列車以来かと思います。
普通伊勢中川行き4780列車 VC69(志摩神明～鵜方間にて)
こちらも1259系ですがワンマン改造時から行灯を使用していたVC69です。
すっかり用無しとなってしまったワンマン行灯ですが、もしも今後撤去されるのであれば折りたたんでワンマン運転列車に充当されるのは今の時期しか見られない貴重な姿になるかもしれないですね。
普通賢島行き4583列車 VC67(鵜方～志摩神明間にて)
ラッピング列車の「とばしまメモリー」は近鉄のテレフォンセンターに問い合わせると運用を教えてくれるのでお気に入りの「なみの章」がやって来るらしい4583列車と折り返し4782列車も撮影することに。
普通伊勢中川行き4782列車 VC67(志摩神明～鵜方間にて)
以上のようにこの日は名古屋エリアではワンマン表記が突如完全消滅するという大きな節目の日でしたが、大阪エリアでは先述したMi19がLED表示ながらワンマン表記を行っていたり、生駒線や田原本線は今のところ変化なくワンマン表記幕を使用しているようです。
表記省略の理由は分かりませんが、個人的には仕様統一化という観点よりも(近鉄は仕様統一が苦手な会社なので)ワンマン運転が当たり前になりつつあるという時代の流れが関係していそうな気がします。
近鉄全線でワンマン表記が完全消滅する日もそう遠くないのかもしれませんね。