Blog/A更新が行われた近鉄1230系VC32

Last-modified: 2023-08-19 (土) 21:10:30

2023年8月18日から近鉄1230系VC32が高安検修センターでの車両リニューアル工事1回目(以下、以前の呼称である"A更新"を使用)を終えて営業運転に復帰しました。
復帰翌日に見に行って来ましたので先月紹介した1620系VG23のA更新とは異なる変更点を中心に紹介します。(写真は特記以外2023年8月19日撮影)

VG23に続く形でVC32が「― お客さまの安全・安心に向けて ― 車内防犯カメラを全車に設置します(PDF)」で発表された車内防犯カメラ新設、非常通話装置増設、先頭転落防止ほろ新設の2編成目の施工編成となり、山田線などのワンマン運転対応車両では初の施工編成の登場となりました。

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A更新前のVC32(2023年2月4日撮影)

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A更新後のVC32

VC32は1989年製の日立GTO-VVVFインバータ制御車で、やはり今回制御装置の換装は行われず走行音も従前と変わらないものとなっています。

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VC32は初期のVVVF車にみられる車体形状で、床の厚みが直後に製造が開始された1233系以降の車両とは異なるため裾部分の長さが短くなっています。
また、いわゆる「前パン」形態で先頭転落防止ほろ新設や灯具類の移設が行われたのもモ1232が初なのでVG23とは少し違う印象を受けました。

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ク1332の前面下部に連結時に転落防止の注意喚起音声を流すスピーカーが新設されており、VG23のク1723の場合はA更新前の時点で既に設置されていたという点が異なります。
この他高安を出場後明星検車区にて貫通幌が赤色からグレーのものに交換されたようです。

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行先表示器もやはりフルカラーLED化されましたが、山田線などのワンマン運転時は普通の普通表示(笑)となるようです。

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VC32は比較的初期にワンマン改造されたため、A更新前は「普通」の上に「ワンマン」と書かれた幕を使用していましたが、A更新出場して運用開始する前に明星検車区にて前面窓内にワンマン表示が取り付けられました。
位置は比較的後期にワンマン改造されたグループが折り畳み式のワンマン表示を掲出する位置と同じですが、吸盤によりフックを設置し、そこに紙製の「ワンマン」表示と白紙を引っ掛けてワンマン運転時は「ワンマン」を外側に引っ掛けて表示、ツーマン運転時は白紙を外側に引っ掛けるという初の形態が誕生しました。

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しかし走行中に乗務員室内に入った風によって落ちるのを目撃したのであまり良い掲出方法とは言えないような気がします(笑)

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車内でも1233系以降の車両とは異なり天井照明があるラインにスピーカーが設置されているため、A更新により間接照明化と併せてスピーカー部分が平らになりましたが位置は変更されませんでした。

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乗務員室直後には連結時に運賃箱を収納するスペースがあります。
比較的後期にワンマン改造されたグループではパイプ構成ですが、この編成では化粧板仕上げとなっており、この部分は乗務員室仕切りと同じ柄の化粧板に張り替えられました。

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扉開閉の様子です。
戸閉装置も1233系以降のものとは異なり、今回のA更新では多少静音化されたようですが装置そのものは変わっていないように思います。
盲導鈴や扉開閉予告ランプ、扉上の液晶表示装置が準備工事のみで機能していないのはVG23と同様ですね。

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今回地元を走るワンマン運転車両が更新されたので個人的に嬉しく思います。
VC32は既に車齢34年ですが今後の活躍も楽しみですね。