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Last-modified: 2023-07-21 (金) 14:31:46

はじめに

このチャートは、状況再現及び「レイディバグ」というバグ技を使用します。

一般的なRTAとは違い、バグ技によって「エンディングムービーの乱数を引く」ことを目的としています。乱数はフレーム単位で変化することが知られていて、長らくその再現方法が確立されていませんでした。しかし、近年、地道な調査の末に「誤差1秒程度以内の精度でエンディングムービーの乱数を引く」ことができる方法を発見しました。いくら状況再現とはいってもボタンを押しっぱなしで乱数を固定できるわけではなく、タイマーを目安に目押し、あるいはBGMを目安に耳押しをすることが必要となるため、一般的なRTAにおける記録狙い並の試行回数と修練が要求されます。とはいえ、最終入力まで2分程度のRTAなのでタイパは良いと思います。なお、その性質上競技性はゼロに等しいです。

プレイ環境

純正SFC本体・ROM、コントローラーは「ホリ ファイティングコマンダー」(連射機能付き)を使用。連射機能は状況再現に必要で、他のコントローラーでの連射速度の違いの検証は行っていないのでご了承ください。ちなみに、状況再現を用いない場合は通常のコントローラーでもレイディバグからエンディングムービーの乱数を引くことは可能です。エンディングムービーにつながる乱数は何パターンもあるので、純粋な運勝負も楽しむことができます(楽しいかどうかはさておき)。

チャートの流れ

状況再現1状況再現2
ゲーム開始~パイコー2抜けレイディバグ発生

状況再現は性質の違う再現を2種類使います。

状況再現1(敵避け再現)

状況再現1は、いわゆる「敵避け再現」と呼ばれるもので、敵避けが困難であるロマサガ1RTAにおいてはポピュラーな状況再現です。乱数を初期化させた状態から行動を固定することで敵NPCの動きを再現する方法です。基本的には「セーブ→リセット→ロード」の流れでこれを行いますが、今回は究極にタイムを短縮するため、ゲームスタート時の初期乱数を参照して敵NPCの動きを再現しました。つまり、途中でセーブを入れてリセットもしませんし、固定できなかった時点でやり直しとなるオワタ式です。表のとおり、ゲーム開始から2回目のパイレーツコーストを抜けるまで続く「連続再現」となります。乱数が動く部分など細かい解説は後述します。

状況再現2(マップ再現)

状況再現2は、レイディバグの結果を固定する状況再現です。ここでいう結果とは「エンディングムービーの乱数を引く」ことではなく、その前段階となる「マップに戻る乱数を引く」ことです。この再現を成功させることで、前述したタイマー目押し・BGM耳押しによるエンディングムービーの乱数を引くことが可能になります。便宜上、状況再現2を以降「マップ再現」と呼びます(エンディングムービーの乱数を引く状況再現ではないのでややこしい)。

 

以上の「敵避け再現」と「マップ再現」をこなし、「誤差1秒程度以内の精度でエンディングムービーの乱数を引く」というのがこのチャート流れになります。

練習方針

チャートとはいっても「敵避け再現」を文字のみで説明するのは難しいので、実際に完走した動画を参考にして文章とのすり合わせを行ってください。なお、同じ条件・操作であっても本体によっては初期乱数が異なっている場合があるため、再現結果も異なる可能性があります。何度やっても再現できない場合は、独自に「敵避け再現」を組んでしまったほうが早いかもしれません。「マップ再現」についても、別の配信者が成功しているのを確認してはいますが、すべての本体で再現できるとは言い切れません。複数のプラットフォームをお持ちの方がいたら是非とも検証をお願いします。

 

状況再現1(敵避け再現)

「敵避け再現」とは言ってますが、実際には表示されるNPCすべての動きを再現することになります。とりわけ、この手法が用いられる目的が敵を避けることに使うことが多いためにこのように呼んでいます。表示されるNPCすべての動きを再現することにはなりますが、消費乱数が一致している場合は少し動きが違っていても同じ結果が再現されることも確認しています。つまり、操作をミスったとしてもリカバリーできる可能性はゼロではありません。まあ、高々2分程度のRTAなので最初からやり直してもダメージは少ないと思いますが。

ゲーム開始

まず、Aボタンの連射をONにします(押してる間連射する設定)。「エンディングムービーの乱数を引く」段階までこの設定のままにしておきます。

番号操作結果
1リセット乱数の初期化
2*1・上1Aニューゲーム選択・主人公ホーク選択
3下1A・A連射名前入力「い」・以降そのままでムービーへ

オープニングムービー明け~パイレーツコースト入り

ムービー中は手を離しても大丈夫ですが、終わる数秒前にはY入力の準備をしておきましょう。Yを長押ししておいて、ムービー明けにメニューが開く際の暗転でBを長押し、メニューが閉じる際の暗転でXを長押ししてサンゴ海を抜けてワールドマップ・パイレーツコーストという流れです。なぜこのような面倒な手順を踏むかというと、「1.ムービー明けX連射だと以降の再現がずれる(連射タイミングぶれ)」「2.X長押しだと入力を受け付けずサンゴ海を抜けられない」という事情から、入力を受け付けるY長押し・Bで即キャンセル・X長押しとせざるを得ませんでした。ちなみに、マップ上では「敵避け再現」に影響する乱数は動かないので、「なにかボタンを長押しておいて固定する」みたいな意識はしなくて大丈夫です。「なるべく早く選択する」程度で。

番号操作結果
1Y・B・X(すべて長押し)メニュー開・閉・サンゴ海抜け
2上1Aパイレーツコースト選択

パイレーツコースト1

奥の部屋にいるブッチャーに話しかけてフラグを立てるのが目的になります。移動経路と十字キーの方向などは先ほどの動画を参考にしてください。

船の乗り降りにA連射を使うので「連射タイミングぶれ」が発生することがあります。発生した場合は以降の再現がすべてずれますので始めからやり直すことになります。これについては対処法が見つかっていませんのでご了承ください。体感1/2~1/3で発生します。

ブッチャーの会話はA連射で飛ばしますが、2回目の選択音が鳴ったら下を長押しして再度話しかけないように注意してください。

番号操作結果
1右長押ししながらA連射下船
2右1左1上長押し館前で無駄に歩いて乱数調整
3A連射・下長押しブッチャーの会話・会話が終わったら帰路へ
4左長押ししながらA連射乗船

パイレーツコースト2

基本は1とそんなに変わりません。ただし、船をつける位置などは変わっていて船の速度だと調整が難しいと思うので修練が必要かもしれません。ブッチャーの会話は1と違い選択肢がないので、A連射で話しかけた瞬間に下を長押ししておいて大丈夫です。

番号操作結果
1右長押ししながらA連射下船
2右1左1上長押し館前で無駄に歩いて乱数調整
3A連射しながら下長押しブッチャーの会話・会話が終わったら帰路へ
4左長押ししながらA連射乗船

「敵避け再現」は以上になります。文章の理解と動画との整合、操作の修練すべて必要になると思います。

 

レイディバグ

さて「敵避け再現」が終わったので少しホッとしつつもRTAなのでコマンドの速度は落とせません。なる早でレイディバグを起こしていきます。10回目のウェイプの会話で「マップ再現」の準備をすることになりますので、何回出入りしたかを数えるか、動画を参考にしてBGMで今何回目か察しても大丈夫です。

番号操作結果
1上1Aアロン島選択
2上1A・A連射ウェイプ選択・ウェイプ出入り(1-9回)

レイディバグの原理は未だによくわかっていません。いわゆる「64階層バグ」に近いものだと認識していますが、とりあえず、パルプンテの如く様々なことが起きます。様々の対象は、ロマサガの世界中で起こる各種イベントやアイテム・セリフ・キャラクター・画面の色調などで、複合的に変更が行われ、まるで地獄の様相を呈することもしばしば。冒頭でも記述したとおり、「複合的に何かが起こる」乱数がフレーム単位で動き、ボタンひとつでも違う結果を得られます。多くの場合は、その後操作不能になります。一瞬だけバグるのではなく、バグり続けるのも特徴の一つです。

 

状況再現2(マップ再現)

それでは、連射機能によって「レイディバグの結果」を固定します。しかし、連射機能による状況再現は「敵避け再現」でもあったように「連射タイミングぶれ」が発生します。もちろん「マップ再現」も例外ではなく、50%くらいの確率で想定と違う結果になります。ちなみに「マップ再現」が失敗した場合はウェイプ10回目の会話後のブラックアウトのまま「ピロリロリーン」という効果音とともに操作不能になります。

ただし「マップ再現」についてはこの50%の確率を10%以下に抑制できる方法を発見しました。この技は特に命名などはしてないですが、10回目の会話の特定のタイミングで十字キーのいずれかの方向を長押しします。このときA連射は押しっぱなしです。これだけで高確率で「マップ再現」を起こすことが出来ます。

なぜこうなるかはもちろんわかっていませんが、パイレーツコースト2のブッチャーに話しかける際に同じような操作状況があります。その操作の結果として、ブッチャーの会話が終わった後もA連射しているにも関わらず、後から入力した十字キーの方向に進みます。つまりA連射のタイミングに干渉していることになり、乱数決定的には「なにかボタンが押されている」という状態のみに絞られるので特定の結果が再現されやすくなるのではと考えています。もちろん推測ですが。

レイディバグ(ウェイプ出入り10回目)

具体的な十字キーの入力タイミングとしては、「ここはだめだ!ゴドンゴにまわろう」の吹き出しが表示されたのを見てから入力する感じです。こればかりは実際に操作して感覚を掴んでもらうしかないと思いますが、慣れてくるとほぼ失敗しなくなります。

番号操作結果
1A連射長押し+十字キー長押しマップに戻る(ウェイプ入り10回目)
 

タイマー目押しorBGM耳押し

最後の工程になります。このマップに戻る再現が成功した時点で「レイディバグの乱数禍」の世界に飛び込んだと思ってください。普段のマップと見た目は全く変わりませんが、さっきと違い裏ではレイディバグの乱数が回り続けています。

それでは、あとは「エンディングムービーの乱数を引く」だけのゲームです。目を瞑ってナブラを押したり、ビートマニアの音符でPERFECT評価を出せる人なら得意かもしれませんが、意外とBGMに目安はつけづらいのでタイマー目押しがおすすめです。タイマーの目安としては「マップ再現から3.7秒後」となります。その3.7秒の間に、アロン島に戻り、Aの連射を解除(通常の連射なしの設定に戻す)して、ウェイプにカーソルをあわせておく必要があります。A連射を解除しないとタイミングは合っていても、違う結果になってしまうので注意してください。

「マップ再現から3.7秒後」はなかなか数えづらいと思うので、経過タイムの話をすると、このチャートは「敵避け再現」をゲーム開始から連続的に使用している関係でここまでのタイムのぶれは大体1秒以内に抑えることが出来ます。つまり、当たりの乱数の生息タイムの予想がつきます。ホットゾーンは2:09-2:10の1秒間です。自分のそれまでの操作的に前ぶれか後ろぶれかを考えて調節するといいと思います。

番号操作結果
1アロン島選択
2A連射の解除-
3上1・A長押しウェイプ選択・エンディングへ

以上が状況再現及びレイディバグを使用したロマサガ1RTAのチャートになります。想定タイムは、エンディングクレジット後のタイトルロゴが表示された時点で6:45くらいです。タイマーストップのタイミングは配信サイトごとに異なったりするのでお気をつけください。個人的にはロゴ表示ではなくBGM終了時点とかでいい気もしてますが。

それでは、いままでありがとよ、レイディラック!

 

参考資料


*1 セーブデータがある場合は上1A