メモリー

Last-modified: 2024-04-19 (金) 19:52:26

本編

小説文(未更新)

太陽の光が窓から、読んでいた本を照らした。ふと顔をあげると、もう辺りは随分と明るくなっていた。村の人たちが朝の挨拶を交わす声が聞こえる。それはアリアに朝が来たことを知らせるには十分だった。 

「…また朝まで本読んじゃった……。」 

 辞書3、4冊分ほどの厚さがある魔法の教本を買ってから4日。彼女はやっと今、その三分の一を読み終えたところだ。字が細かくびっしりと並んでいるのにも関わらず、読むのは苦でないらしい。アリアは読書が趣味だからだ。台所へと向かいながら、アリアはさっきまで読んでいた教本の内容を思い出していた。 

「えーっと、まずは日常に魔法を取り入れてみることが大切…。ふ、フライパンよ浮けっ!!」 

 アリアがフライパンに勢いよく指を指す。だが、フライパンはびくともしない。アリアは何度も「フライパンよ!!」と叫んだが、フライパンはカタカタと微妙に揺れただけ。 

「はぁ…。私やっぱり向いてないのかな、浮遊魔法…。」 

 対象物を浮かせることが出来たり、高い高いジャンプが出来たりする魔法を纏めて浮遊魔法と言う。こういう共通魔法には得意不得意があるのだが、アリアは納得いかないらしい。だからこうしていつも練習しているのである。 

「アリアちゃーーん!!」 

「は、はい!なんですか?」 

 誰かに呼ばれ、家の窓から顔を出す。お隣さんだ。アリアに用があるらしい。 

「今日お向かいさんが雑草抜きの当番だったんだけど、熱出しちゃったみたいなのよ。私今手が離せないから、アリアちゃんお願いしてもいいかしら」 

 なるほど、熱か。それなら後でお見舞いに行こう。アリアはそう思って快く返事をした。


 朝とはいえ、体を動かしていると少し暑い。二週間ごとに当番制で行われている雑草抜きだが、この季節だとまだ伸びが遅く感じる。真夏になれば雑草もぐんぐん伸びるから、抜くのが大変になるのだ。 

「そろそろ終わりにしようかな…!んーーっはぁー!」 

 アリアが伸びをすると、遠くにフラフラと歩く人の影が見えた。その人は今にも倒れそうで。 

「え……?」 

──────────  

 ふら、とエアリーは自分の体が蹌踉めくのを感じた。足を動かすのも限界らしい、今にも倒れてしまいそうだ。 

「ッ…、魔法…を、使い過ぎた、か…?」 

 視界も何だかぼんやりする。やっとここまで来れたというのに…。エアリーはそんなことを思った。 

「ー~っ…まずい、な……力が、もう…」 

「えっ…!?…っあ、えと、だ、大丈夫ですかっ!?」 

 倒れる寸前、誰かの声を聞いた気がした。やけに焦っているようだ。敵が追ってきたのかとか、誰かの助けなのかとか、そういうことを考えられるほど頭は回らない。 

「…っ」 

「ちょっ…!?」 

──────────  

 ふっと意識を失ったその人を、アリアは慌てて支える。 

「き、傷だらけ…。でも私、治癒魔法得意じゃ……。」 

 いや、そんなことを言っている場合ではない。見た感じ超重傷、放っておくなんてもってのほかだ。 

「……っ」 

 アリアが治癒魔法を使うと、傷は塞がった。だが、すぐにまた開いてしまう。これでは意味がない。見たこともない位痛々しい傷を見て、アリアの心もズキズキと痛む。 

「魔法は駄目でも、ちょっとした手当なら出来るかも…。兎に角、私の家に…!」 

アリアがゆっくりとその人を背負う。人を運ぶには慣れていないが、上手く動かない足も、この人が負った怪我とは比にならない。


──────────  

「……ぅ…ん、んん…?」 

 エアリーが目を覚ます。木で出来た天井…見たことがない。どうやら国の付近からは逃げることができたらしい。 

「……包帯はこれでいいのかな、やっぱりメイジーさんに治癒魔法特訓してもらわないと…。うん、苦手なことから目を背けちゃダメだもんね…!」 

「………?」 

 わずかに離れたところから声が聞こえる。頭を動かしてその方向を向くと、茶色く長い髪が目に入った。 

「あっ、目を覚ましましたか!す、すぐ起き上がらない方がいいですよ、安静にしていてくださいね」 

 言われた通り起き上がらずに声の主の方を見る。少し慌てたような姿から察するに、先程倒れた際に居合わせていた少女だろう。 

「貴殿、は……?」 

「すみません、名乗るのが先でしたね…。」 

 エアリーがゆっくりと体を起こすと、少女は近くの椅子に腰を下ろした。 

「私はアリア、えっと…ここは国から少し離れた村です。すみません、貴方が近くで倒れてしまっていたので、連れてきてしまいました…。治癒魔法を上手く使えれば傷を治せたかもしれませんが、応急処置的なことしか出来なくて…」 

 アリアと名乗った少女は申し訳なさそうに少し微笑む。エアリーは自分の手元を見て、包帯が巻かれていることに気がついた。 

「…倒、れた…?あぁ、そうか、我は…」 

「……。すまない、名乗って…いなかったな。我はエアリーだ。貴殿……アリアと言ったな。助けてくれて感謝する…」 

 アリアは少し照れくさそうにしている。彼女の後ろをちらっと見てみると、沢山の本が棚に詰められていた。なるほど、背表紙を見たところ魔法の教本が多い。相当な努力家なのだろう。 

「それにしてもエアリーさんそれ…酷い傷ですよね。私の知り合いに医者をやっている方がいるんです。お手伝いしますので、行ってみませんか?」 

「…すまない、頼ませてもらう……」

本編メモ1

ユラギ「メイジーは特に隠すことじゃなければグレイスには普通に話すと思ってる。」 

メイジー「……アリアじゃないか。また練習のし過ぎで捻挫でもしたのか?」
「(隣にいるエアリーを見て)…随分とボロボロな患者だな。まあ色々と聞く前に傷を治してしまおう。そこに座ってくれ」
エアリー「…」(診察用の椅子に座る)
グレイス「……ヘロシェニシクシェ…」(酷い傷…)(小声)
メイジー「俺はメイジー、この森でちょっとした診療所のようなものをさせてもらってる。お前の名前は?」
エアリー「…エアリー、だ。」
メイジー「エアリー、だな。アリアとは知り合いなのか?村の人は全員顔見知りの気でいたが…」
アリア「村の近くで倒れていたんです。それで、私の家まで運んでからここに…。」
メイジー「なるほど…」
「グレイス、シクシェサシェへアサマニンヌミクウスクイ、トルチェレシレスエジェダ・リュ?
(傷が開かないようにする薬、もってきてくれるか?)」
グレイス「(コク)…」
(頷き、薬棚から塗るやつ(?)と飲むやつ(?)を取り出す)
「ん…」(メイジーの元へ持って行き、渡す)
メイジー「ズィーティ。」(ありがとう。)
「…じゃあ傷は治すが…。治りをよくするために一旦これを体に塗る。あと、これを飲んでくれ。治癒魔法っていっても信用しきらない方がいいからな」 

アリア「メイジーさんいっつも治癒魔法使ってるのに……。」
メイジー「便利だからな。」
グレイス「((薬一錠と一緒に)水が入ったコップをエアリーに渡す)」
エアリー「…ああ……」(受け取り、(気持ち的に)安易にそれを飲む)  

アリア「私、錠剤苦手なんですよね…。エアリーさんは凄いです」
メイジー「じゃあ次塗り薬やるから、そこに寝そべってくれるか?」
「大分染みるかもしれないな。いや、染みるな。」
アリア「想像しただけでも痛いです……。」
エアリー「絶対染みるだろうな。」
(…傷口に染みる痛み等、もう覚えて居ないくらい慣れてしまったが…) 

メイジー「染み……なかったみたいだな。何よりだ。」
エアリー「…染みたは染みたが。痛みに慣れているものでな」
「見ての通りのこんな重症でも、正直態々痛いとは思わない。」
(まぁ別にこれぐらいは言ってもいいか…と思ってる)
アリア「……(辛い思いをしたのかなと思っている)」
メイジー「(ぽう…と魔法を使う)まあ、傷はない方がいい。…はい、治ったぞ。もう大丈夫だ」
エアリー「感謝する。」 

アリア「お話聞かせて欲しいです。どうしてあんなところで─」
???「あれぇ?逃げてきたの~?」(上から声がする)(屋根だからねぇ)
エアリー「………聞き覚えのある声だな___だが生憎、記憶が曖昧で貴殿のことを思い出せない。名乗って頂けるか」
???「こっちこっち~。今屋根の上にいるんだよぉ、顔見て話そ?」
メイジー「…はぁ、屋根の上に登るなと毎回言っているのに…。」
エアリー「……。外へ出ろと言うことか…」
((多分)レイラの顔が見えるであろうところへ行く)
「流石に屋根は登らないぞ…」 

レイラ「っふふ、久しぶりぃNo3。ワタシはレイラ。……覚えてるぅ?」
アリア「レイラさん…?お知り合いなんですか?えと、No3って…」
エアリー「………あぁ、その名を聞いて思い出した。レイラ…まさか此処に居るなんてな」
「…それと。我はエアリーだ。今はその名で呼ばないでくれ」
レイラ「ごめんごめんw…あ、そっちの子ははじめましてだねぇ~!ワタシはレイラ、よろしくねぇ?」
アリア「は、はい……。よろしくお願いします」


ディープ「レイラ…様?」(外へ出てきて)
レイラ「あっめんだこちゃあん♡起きてきたんだねぇ?」
メイジー「あまり無理するなよ…」
アリア「あれ、そちらのお方は?」
ディープ「私はディープです。君、は…えっと……アリア様…でしたね」
アリア「あ、えと…はじめましてディープさん!」
レイラ「めん…ディープちゃんはワタシと一緒に住んでるんだぁ。ふふ、可愛いでしょお?」
アリア「え、あ、えっと」
エアリー「…あぁ、まあ…可愛い、な」(ディープの方を一度見て)
ディープ「れ、レイラ様!そんなことより、その…降りて来て頂けませんか…?」
レイラ「はいは~い!(スタッと屋根から降りる)」 

ユラギ「(めんだこちゃんがレイラに態々降りて来てなんて言うのは、手繋いだりハグしたりとかしたい時しかない。っていう…()」
kaho「すっっき」 

ディープ「…(そっとレイラの手に手を伸ばし、勝手に握る)」
レイラ「っふふ、調子はどーぉ?」
ディープ「メイジーさんのお陰で、体調は治りました、もう大丈夫ですよ(にこ)」
(何か入れたかったら入れてください)
エアリー「……仲が良いのは構わないが、少し話を聞かせてもらえるか、レイラ」"
21:11 kaho "(途中のとこ)
メイジー「それは悪かったな。」
(戻って) 

レイラ「ん~?なにぃ、何が聞きたいのぉ?」
エアリー「先程も言ったが、“彼処”での記憶が曖昧なんだ。貴殿の知る限り、軽く説明して貰えるか」
レイラ「……んおけ、まあここじゃワタシ安らげないしウチにおいで~。メイジーも来る?」
メイジー「…今は患者も来てないしな。ああ、行く」
グレイス「テニケシェ、ラック・ト?」(メイジー、私も?)」
メイジー「そうだな、レイラに飯でも作ってもらおう。」
レイラ「え、なに~?しょうがないなぁ、作ってあげるかぁ」
ディープ「!…朝はゆっくり食べられなかったし、私レイラ様のご飯食べたいです!」
アリア「あ、あの……私もお邪魔していいですか…?その、エアリーさんの言ってることとか、気になっちゃって」
レイラ「エアリーがいいならワタシは歓迎だけどぉ?」
エアリー「我は構わないが…」
アリア「ありがとうございます…!」
レイラ「じゃあ行こっかぁ!」 

エアリー「…二人で住んでるにしては少し大きくないか?」
ディープ「そうですか?」
グレイス「…(来たことあるから慣れてそう)」
メイジー「お邪魔します…。」
レイラ「どうぞ座ってぇ~!」 

アリア「え、えっと……教えてもらってもいいですか?エアリーさんが何であそこで倒れちゃったのかとか……No3?とか…」
エアリー「ふむ。…一応言おう。」
「何も無かったと言う気はないが、貴殿に話す様なことでもない。それでも構わないのか?」
アリア「…色々聞いちゃった以上、私にも出来ること、あるかなって…」
エアリー「……そうか。」
「なら良いだろう、話そう。」
「率直に言えば、我は■国の研究所から逃げてきた“ロボット”だ。」(敢えて被検体、のところは言わない)
アリア「ろ、ぼっと…!!え、研究所から逃げてきたって…?」
エアリー「その名の通り我はロボットだ。身体は人間だがな。」
「彼処…研究所は皆(みな)が思っている様な良い場所ではない。」
アリア「えっでも、研究所の人工魔法を持ってる人が、村に何人も……。」
レイラ「うーんと、研究所って色々と複雑なんだよねぇ」
エアリー「研究所であったこと、今起こっていることはレイラの方が知っているだろう。」
「我は幹部の情報と、少しばかりの自分のことしか覚えていない。押し付ける様で悪いが、出来る限りの説明を頼むぞ、レイラ。」
レイラ「んおけー、じゃあちょぉっと長くなるかもだけど話すよぉ~」
アリア「お願いします」 

レイラ「研究所の初めの目的は、『人類の更なる進化』。魔物のように魔法を使えるようになれば、生活の安全はさらに保証されるよねぇ。まあアリアちゃんみたいに元から魔法を使える人もいたけど~」
アリア「はい、それは聞いたことがあります。その時は凄いなぁって思ってたんですけど…」
レイラ「人工魔法自体は悪くないんだよねぇ。体の弱い人には受け止めきれないっていうか、適正はあったけど、ちゃんとその対策も取れてた」
レイラ「でもね、研究所のメンバーの中にある思想を持ってた人がいてねぇ。……アリアちゃん、神様って知ってるかなぁ?」
アリア「はい、御伽噺の中でよく見ます…!素晴らしいキャラクターですよね」
レイラ「ぶっぶー!さぁてエアリーに問題だよぉ!神様ってなあに?」
エアリー「___…生まれつき魔法を持って生まれた子……所謂、昔で言う“神の子”、だな」
アリア「ど、どういうことですか…?」
レイラ「神の子の中でいっちばあん偉かったのが神様ってこと!」
メイジー「実在するってことだな」
アリア「えっ…!?」
ディープ「まあ…要するに、私、そしてアリアさんは神様…ぃゃ…“神の子”、と言う訳ですね」
エアリー「そう言うことになるな。」
アリア「神の子の中で一番偉いのが神様…。それと研究所はどのような関係が?」
レイラ「昔のお話なんだけどぉ、神様って色んなところを統治してたから、神様の席が空いたときに次の神様が必要になったんだよねぇ。ほとんどの神の子が争って、強いやつが神様だーってなったの」
アリア「そんな…」
レイラ「まあそのあと色々あって神様が決まったんだけどぉ、暫くしたらいなくなっちゃったんだよねぇ」
「その後はみんな神様のことなんて忘れたように暮らして、神様は御伽噺の中の存在になったんだぁ」
エアリー「…さて、此処からが本題だ。話を戻して、“研究者の中にある思想を持った人が居た”話をしようか。」
アリア「は、はい…!もう頭がパンクしそうですけど…」
レイラ「その人はねぇ、もう一回神様を作りたいって思ったの」
エアリー「“神様の居る国”が余程居心地が良かったのかどうかは分からないが、其奴らは“神の子”の増幅に尽力した。それが人工魔法だ。」
レイラ「ワタシは母親がその思想を持った奴についてっちゃってねぇ~。ワタシも神の子を増やす実験に協力してたんだよぉ」
エアリー「確か我もそうだった筈だ。ロボット…そう、被検体としてな。」
アリア「ひ、被験体…」
エアリー「“痛みに慣れている”、と言ったろう。その為だ。」
アリア「……っ」


エアリー「また此処に戻って来るとはな…」
レイラ「エアリーは身を隠した方がいいよねぇ。研究者はそこらじゅうにいるから気をつけなよぉ~?」 

kaho「(正直レイラは研究者たちに見逃されてそう、セリーが幹部にいるし)」 

アリア「酷い…酷いじゃ、ないですか……!!居心地がよかったなんて、そんな自分達の欲で……」 

ユラギ「やばい自分が基本何も感じないから返事が思い付かない(」
kaho「???「よくわからない」」
「本編セリフじゃ、ない」
ユラギ「まふゆ()」
kaho「さすが」
ユラギ「本当に思い付かないどうしよう(((((」
kaho」じゃあちょっとセリフ変えるかアリア」
ユラギ「すまねぇ…」 

アリア「…自分から聞きたいって言っといて、傷ついてちゃ仕方ないですよね」
「エアリーさんは、研究所が嫌になって逃げ出してきたんですか?」
エアリー「…嫌、と言うか……外に出て見たくなったんだ。」
アリア「外に……。」 

kaho「(尚逆にアリアはずっと森の中だったので国に行ってみたかった)」
ユラギ「窓から見える星が綺麗で、外はこう言うものが沢山あるんだろうかと考えて逃げてきたエアリー」
kaho「境遇真逆ね」
ユラギ「ネ」