Pyraminx BLD / ピラミンクス 目隠し 解法
このページではピラミンクスを目隠しで揃えるための解法を解説します。
1からBLD解法を作ったのは初めてなので、不明瞭な点などあるかもしれません。
もし、誤り・疑問・提案などありましたら、遠慮なく意見箱に書き込んでください。
- 崩れ方による難度の変化を小さく
- 覚える手順を少なく
- 実行中になるべく頭を使わない
上記の3点を目標に作られた解法です。そのために、効率を多少犠牲にしています。*1
分析がやや面倒ですし、エッジの解法が理解しにくいかもしれません。
ただピラミンクスなだけあって暗記量は少ないので、実践的な難しさは3x3x3より下がります。(個人的には、3x3x3の30~40%くらいの難易度に感じます)
目隠しキュービストへの第一歩として、まずピラミンクスに挑戦してみるのはいかがでしょうか。
人間やめたような気分になれて結構楽しいですよ。
始める前に
ピラミンクスの配色は、D面=青、F面=黄色、R面=緑、L面=赤 とします。
回転記号とパーツの名前は図のように設定します。
コーナーとセンターを揃える
分析・記憶
コーナーとセンターの1つ1つの状態を、それぞれ3つに分類して記憶します。
「1」…… 右120度回転で揃う
「2」…… 左120度回転で揃う
「0」…… すでに揃っている
コーナーは、接しているセンターと色が合っている状態を「揃っている」とします。
センターは、完成時と向きが同じであれば「揃っている」とします。
数字を覚える順番も、実際に揃える順番も自由です。
今回は、
L,B,U,R のコーナー → L,B,U,R のセンター
の順で分析・記憶します。
1つ例を見てみましょう。
この図の場合、記憶するのは 01221012 です。
実行
コーナーは特に気をつけることはありません。好きに回して下さい。
センターを揃える際は、以下の手順を用います。
U,R以外のセンターを揃えたいときは持ち替えるか手順を変えるかしてください。
① RUR'URUR'U
② RU'R'U'RU'R'U'
③ (R U)x5
④ (R U')x5
⑤ (R' U)x5
⑥ (R' U')x5
エッジを揃える
エッジパーツに図のように名前をあてはめます。
今後、
図の「あ」で水色になっている位置そのもののことは、単に "「あ」" と呼びます。
完成時に「あ」の位置にあるべきエッジパーツのことを、"「あ」のエッジ" と呼びます。
今回の配色では、エッジの色は以下のようになります。
「あ」のエッジ = 赤と緑
「い」のエッジ = 緑と黄
「う」のエッジ = 黄と赤
「え」のエッジ = 赤と青
「お」のエッジ = 青と緑
「か」のエッジ = 黄と青
エッジの位置を揃える
分析・記憶
「か」を起点として、エッジパーツのループを覚えます。
例を見てみましょう。
図では「か」には「あ」のエッジがあるため、ループの最初は「あ」です。
「あ」には「い」のエッジがあるため、ループの次の文字は「い」です。
「い」には「か」のエッジがあるため、ここでループは終了し、覚える文字列は「あい」になります。
「か」の位置に正しいエッジが入っている場合、起点は自由です。
図では「か」に正しいエッジが入っているため、適当に「あ」を起点に選びます。ループの最初は「あ」になります。
「あ」には「い」のエッジがあるため、ループの次の文字は「い」です。
「い」には「う」のエッジがあるため、ループの次の文字は「う」です。
「う」には「あ」のエッジがあるため、ループの次の文字は「あ」です。
「あ」には最初に入れた「か」のエッジがあるため、ここでループは終了し、覚える文字列は「あいうあ」になります。
ループが2つある場合は、そのまま繋げます
「い」「あえあ」→「いあえあ」
実行
3点交換を繰り返してエッジの位置を揃えます。
以下の2つの手順を用います。
- 交換手順1 U R U' R'
- 交換手順2 R U R' U'
交換手順1は「あい」、交換手順2は「いあ」の手順です。
実際の流れは以下の通りです。
1. 揃えたい2つのエッジを「あい」または「いあ」の形にセットアップする。
2. 交換手順1または交換手順2を行う。
3. セットアップを戻す。
4. 1~3をエッジの位置が全て揃うまで繰り返す。
ただし、セットアップには U,U',B,B' のみを使います。
(そうしないとエッジの反転の有無が変わってしまいます)
例を見てみましょう。
「あお」
U B で「あお」を「いあ」の形にセットアップした後に交換手順2を行い、最後にB' U' でセットアップを戻します。
よって、手順は以下のようになります。
U B (R U R' U') B' U'
全パターンの手順(例)は以下の通りです。
「あい」= 交換手順1
「いあ」= 交換手順2
「あう」= U (交換手順2) U'
「あえ」= U B' (交換手順2) B U'
「あお」= U B (交換手順2) B' U'
「いう」= U' (交換手順1) U
「いえ」= B' (交換手順2) B
「いお」= B (交換手順2) B'
「うあ」= U (交換手順1) U'
「うい」= U' (交換手順2) U
「うえ」= U' B' (交換手順2) B U
「うお」= U' B (交換手順2) B' U
「えあ」= U B' (交換手順1) B U'
「えい」= B' (交換手順1) B
「えう」= U' B' (交換手順1) B U
「えお」= B U B (交換手順1) B' U' B'
「おあ」= U B (交換手順1) B' U'
「おい」= B (交換手順1) B'
「おう」= U' B (交換手順1) B' U
「おえ」= B U B (交換手順2) B' U' B'
エッジの反転を修正する
反転エッジの処理は、必ずループの処理より先に行ってください。
分析・記憶
反転しているエッジの位置を覚えます。
反転の有無は、以下の条件で判断します。
エッジの位置が「あ~お」の場合
- U回転とB回転のみを使ってエッジの位置を正しくした時、向きが合わないなら反転あり。
- 「か」のエッジについては、「あ」に合わせたときにD面の色が左を向いているなら反転あり。
エッジの位置が「か」の場合
- 「あ~お」にあるエッジの反転が奇数個なら反転あり。
「い」…「お」のエッジがある。U' B' で「お」に合わせると向きが合っている → 反転なし
「う」…「う」のエッジがある。位置は合っているが、向きは合っていない → 反転あり
「え」…「い」のエッジがある。B' U で「い」に合わせると向きが合わない → 反転あり
「お」…「あ」のエッジがある。B で「あ」に合わせると向きが合っている → 反転なし
「か」…「え」のエッジがある。「あ~お」にあるエッジの反転は3つ(奇数) → 反転あり
反転しているエッジの位置は「あうえか」となります。
慣れないうちは実際に回して確認してもいいと思います。スクランブルを崩さないよう注意してください。
実行
以下の手順で処理します。反転エッジの位置に応じて、持ち替えやセットアップを行ってください。
①「いう」 R U' R' U - R' L R L'
②「あいうか」U L' U L - R U' B U' B' R'
③「あいうえおか」(L U R')x3
実践デモ
最後に、全ての段階を通した例を示します。
スクランブル:LU'RL'UR'UR'r'b'
分析・記憶
コーナー・インナー 01010021
エッジループ 「おいあうえあ」
反転エッジの位置 「あうえお」
実行
反転エッジの処理は、必ずループの処理より先に行ってください。
それ以外の順序は自由です。
- コーナー
(0101)
b r - センター
(00)(21)
(U R')x5 - エッジ反転
「あうえお」
F面とL面の間の辺が手前下に来るよう持ち替えてから
U L' U L - R U' B U' B' R' - エッジ位置
「おい」
B (U R U' R') B'
「あう」
U (R U R' U') U'
「えあ」
U B' (U R U' R') B U'
補足
ここは別に読まなくてもまったく問題ありません。
むしろ読むとややこしくなるんじゃないかと心配だったり。
コーナーとセンターの8桁を覚える際、2桁ごとに区切って3進数→10進数と変換することで情報量を半分にできます(0~8の数字4桁)。
上の解説ではエッジの反転はその「位置」を覚えましたが、反転したエッジの「名前」を覚えても構いません。例えば最後の通し例では「あいうえ」となります。
こうする場合、反転エッジの処理はループの処理より後に行ってください。
エッジ解法の効率を上げる方法として、
1. U や U' をセットアップ含む時に交換手順とキャンセルを発生させる。
2. 「えお」= L B' L' B や 「おえ」= B' L B L' 等の手順を利用する。
等が考えられます。
実際、私は以下のような手順を使っています。
「あい」= U R U' R'
「あう」= U R U R' U
「あえ」= B L B' L'
「あお」= B L B L' B
「いあ」= R U R' U'
「いう」= R U' R' U
「いえ」= B' (R U R' U') B
「いお」= B (R U R' U') B'
「うあ」= U' R U' R' U'
「うい」= U' R U R'
「うえ」= B' (U' R U' R' U') B
「うお」= B (U' R U' R' U') B'
「えあ」= L B L' B'
「えい」= B' (U R U' R') B
「えう」= B' (U R U R' U) B
「えお」= L B' L' B
「おあ」= B' L B' L' B'
「おい」= B (U R U' R') B'
「おう」= B (U R U R' U) B'
「おえ」= B' L B L'
「あうおあ」のような「か」を含まない3点ループは、B U B'U' のような手順で揃えても問題ありません。
また、「いえあう」に対して B'U'B U(「いえあい」) を行い 「いう」に短縮するようなこともできます。
要するに、B,B',U,U' による3点交換はエッジ反転の有無を変えないため、3点以上のループでは「か」を含まない部分に対して自由に使えるということです。
B系とU系以外でも、エッジ反転の有無を変えない手順ならば(RUR'URUR'Uなど)使用可能です。