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【御堂 綱紀】であることを辞めてしまったひとりの青年の「目覚め」。
3周目ルート(敗北エンド) の始まり。
【天界の男】に差し向けられた【生まれし苦悩】との戦いに敗れ、それがエメラルドヴィジョンの集中する【プロヴィデンス】で行われたことで、綱紀に仕込まれていた【クィススタティアム】の因子が強制的に目覚めさせられる。
それまではエメラルドヴィジョンの使い方が設計者である天界の男の想定と違っていたことに加えて、本人のいうこの暗示が重なった結果覚醒しなかった。
これを以って、彼は「御堂綱紀という人格を偽りのものである」と認識するようになり、クィススタティアムからの使命である【連接領域】への【ミヤコ市】の完全な接合へと動くことになり、綱紀としての人格だった頃に守ろうとしていた結界を自らの手で破壊することになるのだった。
象徴的な描写として、このシーン以降の彼は京言葉を使わなくなっていること・一人称が「自分」から「オレ」へ変わっていることなどが挙げられる。
そんな様子を見た、プロヴィデンスの【監視者】?は呆れていた。
そしてミヤコ市に戻った彼の運命は・・・
一連の会話
御堂綱紀:
ミヤコ市を守る。この言葉が俺に魔法を掛けていた。
何を守るべきか、今ようやく分かった。
ミヤコ市へ戻り、為すべきことを為そう。
監視員:
また一つ、つまんない世界が増えるのね。
御堂綱紀:
何か言ったか?
監視員:
私は監視者。見てるだけでーす。
管理官:
みどう つなのり! どこへ行っていたの?
また、天界へ?
御堂綱紀:
お前には関係のないことだ。
管理官:
な、何があったの。まるで別人だわ。
御堂雅綱:
綱紀!
御堂正子:
綱紀さん!
御堂綱紀:
綱紀? そいつはもう死んだ。お前たちに
騙され、御堂の名前の呪縛に本来の姿を
見失っていた男は、オレが消し去った。
御堂雅綱:
何を言い出すんや、綱紀。
御堂正子:
綱紀さん—— あなたは真実を知りはったんやね。
それでも、綱紀さん、あなたは御堂綱紀なんよ。
御堂倫子:
綱にい! なんでお母様が泣いて
はるん。綱にい、何したん!
御堂綱紀:
倫子、お前に兄などいない。赤の他人を
兄を呼んで慕ってきた、お前も哀れだな。
御堂倫子:
綱にい、どないしたん?
なんでそんなこと言うの!
御堂綱紀:
お前たちに恨み言を言うつもりは無い。
お前たちの知る御堂綱紀は死んだ。
それだけのことだ。
御堂雅綱:
綱紀!
御堂正子:
綱紀さん!
御堂倫子:
綱にい!
御堂綱紀:
この結界の中心点。この場所を解放すれば、
この世界は連接世界へ向かって解き放たれる。
オレも、この身に負わされた定めから抜け出せる!