【紅薔薇姫】

Last-modified: 2025-10-31 (金) 10:01:54

SF1

実際のゲームに登場しない没キャラクター
【アセルス】編の初期案に存在した人物で、設定原案を担当した【生田美和】氏のブログにて語られている
【闇の迷宮】を脱出した後のアセルスの前に現れる、【白薔薇姫】に瓜二つの容姿の女性とされ
正体は【オルロワージュ】が白薔薇姫の面影から創りだした新しい【妖魔】
生まれたばかりのため、まっさらな心で言われたとおりにしか行動できない人形のような存在とされる。
アセルスは彼女に白薔薇の面影を見出しつつも、大きく違うその内面に葛藤を抱くという展開が想定されていたようだ。
 
見方を変えれば、(没設定ではあるものの)【妖魔の君】レベルになると製造するような感覚で新しい妖魔を生み出せるというなかなかとんでもない設定が明かされたことになる。
生命さえ作るも消すも本人の気の向くままに可能となれば、妖魔の君としてほぼ無限の寿命を持つオルロワージュが退屈するのも頷ける。


実際の製品版では彼女に代わるポジションに【赤カブ】が割り当てられており、名前は【紅姫】に受け継がれた。
【サガフロンティア裏解体真書】のインタビューにて【河津秋敏】氏が赤カブを配置した件について語っている。

赤カブが闇の迷宮にいた理由

その理由は「オルロワージュを怒らせたからあそこにいた」……といった訳でもなく、
「赤カブが余っちゃっててどこかに配置しなきゃいけなかったから」というなんとも現実的なものである。
河津氏は赤カブが嫌われてしまったことについて、後に「それは赤カブの罪ではなく、あそこに赤カブをおいた自分の罪なんです。赤カブも可愛いがってあげて欲しいものです」と語っている。

ちなみに攻略本の執筆を担当した【スタジオベントスタッフ】の間では「赤カブは9番目の【寵姫】」というこじつけ説が出ており、「名前に色が入っている」「花札で"かぶ"といえば9」*1というのがその理由とされていた。
それを知った河津氏は「そのネタを4ヶ月前に聞いていれば青オイチョってキャラクターも出せたのに」*2と悔しがっていた。

原案担当の生田氏は紅薔薇姫が赤カブにすげ変わったことに一時期ショックを受け、先輩に泣きついたら「生田さん、わかってないなあ。この方が絶対、白薔薇姫への愛が深まるよ」と説得されたとのこと。
その後は吹っ切れたのか「赤カブ、もしかしたら針の城の中庭にこっそり植わってたりするかもしれませんね」とコメントを残している。


なお、プレイヤー視点で見れば、白薔薇姫の姿と性能をそっくり受け継いだ2Pカラーのようなキャラが加わった場合、人によってはゲーム的には「こちらでもいいじゃん」となってアセルスに感情移入がし難かった可能性もある。
実際のゲームでは白薔薇と似ても似つかない性能的にも扱いづらい【モンスター】の赤カブが加わることで、アセルスの「君が白薔薇の代わり? フッ、フハハハ」に共感できてしまう構図となり、ある意味説得力が出ているとも言える。


*1 花札を使ったゲーム「おいちょかぶ」では、合計の下一桁が「9」になることを「カブ」と呼び、最も強い手とされている。
*2 「おいちょかぶ」で「カブ」に次いで強い下一桁「8」の手を「オイチョ」といい、ゲーム名の由来でもある。語源はそれぞれポルトガル語で「8」を意味する「oito(オイト)」、「末端」を意味する「cabo(カブ)」。