SCP-090-LCOP

Last-modified: 2025-04-22 (火) 22:45:05

アイテム番号:SCP-090-LCOP


メタタイトル:あの頃を、再び


オブジェクトクラス:Thaumiel


画像:images (6).jpeg


特別収容プロトコル:SCP-090-LCOPはサイト-107の指定の貴重物収容ロッカーに収容してください。SCP-090-LCOPを05-0もしくはトーマス博士の許可なく使用することは固く禁じられています。また、SCP-090-LCOPが収容されているロッカーの周辺には最低3人の警備員を配置し、トーマス博士のオフィスにSCP-090-LCOPのダミーを設置し、クリアランスレベル3未満の職員にはダミーがSCP-090-LCOPだと周知させておいてください。SCP-090-LCOPの存在の暴露及び、性質の暴露は財団に間接的な危害を加える危険性があるので、暴露者は即座に終了されます。1時間おきに赤外線レーザでSCP-090-LCOPに何も異常がないことを確認してください。


説明:SCP-090-LCOPは財団のために作成された意図的にタイムリープすることが可能な現実改変能力が皆無な標準的腕時計です。SCP-090-LCOPは未来条約で得たSCP-086-LCOPを高度加工技術士数名、SCP-089-LCOP-1数十名を用いて加工されたSCP-089-LCOPの内容物にしたアノマリーです。現時点でSCP-090-LCOPは一個しかなく、また、未来の世界の知識で理論上、少量の生産は可能(SCP-090-LCOPは高度な技術面以外にも原材料の入手の困難さなどが上げられています。)なことがわかっています。

SCP-090-LCOPは腕時計の針を現時点での時間の前の時間に動かすことで活性化します。SCP-090-LCOPの針を未来の時間に動かしたとしても過去のその時間にタイムリープすることが実験で確認済みです。一度SCP-090-LCOPを使用した場合、過去から未来へ移動することは不可能なことが知られており、SCP-090-LCOPを実験後から回収するためには実験対象(財団に5年以上勤務しているクリアランスレベル3以上の職員)を過去の資料から発見そして保護したうえで回収の手順(詳しくはプロトコル・アブンダンティアを参照)を行います。


プロコル・アブンダンティア:注意/命の危険に関わる実験を行う場合は必ずDクラス職員を使用してください。実験対象はSCP-090-LCOPを使用する際必ず指示者であるトーマス博士に指定された日時に設定してください。トーマス博士もまた、指定する日時を最大1年前までにしてください。SCP-090-LCOPを使用後に指示と異なる行動をすることは固く禁じられています。これらを破った場合、規約違反とみなされ即座に終了(SCP-090-LCOPの使用後の違反者は遠隔の電気ショックで即座に終了)されます。

実験対象がSCP-090-LCOPを使用し、指定の日時に移動できたことを確認したら現実干渉を受け付けないスマートフォン及び通信機器でトーマス博士に報告してください。トーマス博士の指示が出されるまで基本的には自由行動をしてはなりません。実験対象には必ずSCP-000を常備させてください。トーマス博士が指示を出した場合、それを忠実に実行してください。なお、任務中はなるべく人・動物と接しないでください。以下はSCP-090-LCOPの実験記録です。


実験記録090-LCOP-1

実験対象:ノア職員(クリアランスレベル3)指示内容:サイト-45の監視カメラの視野範囲内での10秒の巻き戻し結果:中止
実験対象:ガイア職員(クリアランスレベル3)指示内容:サイト-000の監視カメラの視野範囲内での2日の巻き戻し(携帯食料をもたせるものとする)結果:中止
実験対象:D-2783-3指示内容:一日前に巻き戻り、D-190とのコンタクト結果:中止
実験対象:D-000指示内容:[編集済み]結果:[編集済み]

D-000に関する情報が一切無く、存在していないと呼称する方が有力でしょう。またどのような経緯でD-000を用いた実験が行われていたかは不明です。


音声記録090-LCOP-ノア職員:サイト-45の監視カメラの視野範囲以内で

<記録開始>

トーマス博士:これからSCP-090-LCOPの実験を行う。プロコル・アブンダンティアは理解したか?

ノア職員:はい..理解しています。はぁ..これで13回目ですよ?

トーマス博士:では、SCP-090-LCOPを使用してくれ。

ノア職員:了解しました。

カチッカチッ(針を10秒前にセットした。)

トーマス博士:ん?ノア職員ちゃんと手順通りにしたか?

ノア職員:はい..もうそろそろ良いんじゃないですか?

トーマス博士:おかしいな...あああ職員、監視カメラで15秒前の映像を写してくれ。

あああ職員:これが監視カメラの15秒前の映像です。

トーマス博士:どれどれ...?15秒前にもいるではないか。

あああ職員:というか、ノア職員はずっと前からそこにいましたよ?トーマス博士。

トーマス博士:(約3秒間の沈黙)あぁ、そうだった。(オフィスに飾ってある掛け時計の時間を確認)もうこんな時間か。早く実験をしなければ。

トーマス博士:ノア職員、聞こえているか?

ノア職員:はい..

トーマス博士:これからSCP-090-LCOPの実験を行う。プロトコル・アブンダンティアは理解したか?

ノア職員:はい..理解しています。はぁ..これで14回目ですよ?


<記録中止>

ノア職員の指摘から実験の途中で実験が中止。その後の実験対象のガイア職員、D-090-3からもトーマス博士の異常性を指摘され、実験は失敗に終わりました。


インタビュー記録090-LCOP-ノア職員

インタビュー対象:ノア職員

インタビュアー:ドン博士

<記録開始>

ドン博士:あなたは何故実験の中止を望んだのか教えてください。

ノア職員:同じことが何度も繰り返される、それが苦痛だったんですよ。おそらく16回くらいはやったんですよ?

ドン博士:同じこと、とは具体的に教えてください。

ノア職員:SCP-090-LCOPを使用しているのにトーマス博士側は何回も同じ命令をしてくるんです。まるで行動を設定されたNPCの用に。

ドン博士:トーマス博士は実験を一回しかやっていないと供述していますが。

ノア職員:(3秒間の沈黙)これを見てください。(ノア職員の所有物であるノートパソコンの画面をドン博士に見せようとする)

ドン博士:(ノートパソコン内の監視カメラの映像を認識し)確かに16回は実験を行っていますね。しかし何故..

ノア職員:自分にもわかりません。

ドン博士:SCP-090-LCOPの新たな性質か、他のオブジェクトの性質の可能性もあるので実験記録をもとに調査してみますね。異常性の報告感謝します。

ノア職員:いえいえ(苦笑い)


<記録終了>

その後のインタビューにより、ガイア職員・14回、D-2783-3・27回、の実験が行われていたことが明らかになりました。
トーマス博士とのインタビューの末、当時の実験では小型のスクラントン現実錨を装備していたことが明らかになりました。


補遺1
我々は実験をする際に所持しているSCP-000がトーマス博士の異常性の元凶ではないかと推測し、以下はプロトコル・アブンダンティアの内容に基づいたSCP-000ではなく別の現実移送の性質を持ったオブジェクトを常備した実験記録です。


実験記録090-LCOP-2

実験対象:D-11289指示内容:サイト-00の監視カメラの視野範囲内での10秒の巻き戻し結果:(補遺3を参照してください)
実験対象:D-9592指示内容:トーマス博士の目の前での5分の巻き戻し結果:(補遺3を参照してください)
実験対象:D-3810指示内容:サイト-45の監視カメラの視野範囲内での2日前の巻き戻し(携帯食料を保持しているものとする)結果:(補遺3を参照してください)
実験対象:D-0000指示内容:[編集済み]結果:[編集済み]

D-0000に関する情報が一切無く、存在していないと呼称する方が有力でしょう。またどのような経緯でD-0000を用いた実験が行われていたかは不明です。


補遺2
2013/2/13/13:03
放棄されたサイト-98の地下収容施設の監視カメラに153人もの(財団の人材ではないのは確かだが、Dクラス職員の服装に酷似している服装を身にまとっている)人形実体が突如として出現、平均9日で死亡、死亡してから推定平均2日5時間39分後に完全に消失したことが人形実体の消失後から約3日後にメンテナンスのために映像化した監視カメラの映像内で確認されました。


補遺3
実験対象のD-11289、D-9592、D-3810が同様に以下の状況に直面しました。
・実験対象がSCP-090-LCOPを使用する
・使用後、実験対象は指定された時間前の実験対象(以降、SCP-090-LCOP-Aと呼称)と遭遇(なお、実験を行う前に必ずSCP-090-LCOP-Aが00000人、出現しては消失することが確認済みです)
・その後、実験対象は無事帰還(また、帰還した実験対象の成長速度は一般人の1.37倍になりヒューム値を計測したところ、2.4hmでした)


音声記録090-LCOP-D-11289

<記録開始>

トーマス博士:では実験を...ん?

D-11289:どうしたんだ?博..(博士が見ている方向に目を向ける)うわぁ!俺!?

SCP-090-LCOP-A-1~8:(D-11289を目視し)うわぁ!俺!?

トーマス博士:(受話器を手に取り)エージェント・ジョーンズ、至急応援を頼む。うむ、侵入者だ。

[編集済み]


<記録中止>

SCP-090-LCOP-A-8~000がほぼ同時にD-11289の周辺約2mに出現しました。また、出現したSCP-090-LCOP-Aは同じ反応を振る舞いました。その後10秒間における混沌の末、完全に消失しました。


追記:今後のSCP-090-LCOPを用いた実験は論理委員会による見解により、中止されました。