データ
| ひらがな | せいざ |
| カタカナ | セイザ |
| 英語 | Constellation |
概要
恒星の配置を人間が想像上の生物や器具、事物などに見立て、それぞれに名称を与えて天球を区分したものを指す概念。
これは古代から天球を把握・整理するために用いられてきた区分法であり、天文学だけでなく占星術にも利用されている。
特に黄道上に並ぶ黄道十二星座は星占いで広く知られている。
オリオン座やおうし座などと呼ばれるものがその代表例であり、恒星の位置関係を視覚的・象徴的に理解するための体系である。
ルーツ
元来、数千年前の中東、特にメソポタミア地方において、夜通し羊の番をする羊飼いたちが時間を過ごすため、星空に人物や動物の姿を見いだした事が起源とされる。
この素朴な発想は、その後各地へ広まり、とりわけ古代ギリシャにおいて神話や伝承と結び付けられ体系化されていった。
さらに、古代ギリシャの学者や天文学者によって星の配置が整理・記録され、今日に伝わる星座の基本的な形が確立されたのである。
ミもフタもない話
北半球から観測出来る星座の多くは、古代ギリシャに星座という体系的概念が伝来した時点で、既に「この位置にはこの星座がある」と定義が確立していたものである。
一方で、「何故その星座がその名称で呼ばれているのか」という由来や背景に関する知識は、その時点で既に大部分が失われていた。
その結果、現在知られている古代ギリシャ星座神話の多くは、本来の成立事情を反映したものではなく、後世になって補足的に創作・整理された解釈である場合が多い。
しかもそれらの神話の成立時期は、一般に想像されがちな古典期よりも後であり、場合によってはヘレニズム時代以降に形成されたものも含まれる。
中世イスラム圏の学者の中には、「何故古代ギリシャ人は天球上の重要な位置に、蟹座のような不可解な名称の星座を配置したのか」と疑問を呈する者もいたが、実際にはその命名の起源は古代ギリシャ以前、すなわちメソポタミア文明にまで遡る。
従って、古代ギリシャ人自身も星座名の由来について十分な説明を持たず、既存の体系を受け継いだに過ぎなかったのである。
制定経緯
紀元前4世紀頃、数学者・天文学者エウドクソスが天動説に基づく天文学的記述を著し、その内容を基に紀元前3世紀の詩人アラトスが叙事詩『ファイノメナ』を著作したが、アラトス自身は天文学の専門家ではなく、主として星座の配置や神話的解釈を詩的に伝えた人物である。
その後、紀元前2世紀頃の天文学者ヒッパルコスがアラトスの記述に含まれていた天文学的誤りを批判・修正し、観測に基づく星の位置整理を進め、これらの成果を踏まえて2世紀の天文学者プトレマイオス(クラウディオス・プトレマイオス)が『アルマゲスト』において48の星座を体系的に整理・記録した。
これらは後世に「トレミーの48星座」と呼ばれ、アルゴ船座が後に4分割された例を除き、基本的に全て現代の星座体系に受け継がれている。
また、この時代には黄道十二宮も既に確立しており、かつて蠍座の一部と見なされていた天秤座も独立した星座として認識されていた。
一般に星座やギリシャ神話は古代ギリシャ最盛期に成立したという印象を持たれがちであるが、実際には北半球で観測可能な星座名が体系的に記録され、星座とギリシャ神話が強く結び付けられたのは、古代ギリシャ衰退期からヘレニズム時代、さらにローマが地中海世界の中心となった時代にかけてである。
何故88個なのか?
1922年(大正11年)、国際天文学連合の国際会議において星座の数が88に定められ、これが世界共通の基準となった。
元々古代ギリシャで体系化された星座は48個だったが、大航海時代以降、南半球の観測が進むにつれて新たな星座が次々と追加され、その数は増加していった。
ギリシャからは見る事の出来なかった天域には既存の神話的星座を配置出来なかったため、観測器具や実在の動物などを題材とした星座が空白を埋める形で作られたのである。
しかし星座制定が流行すると、肉眼ではほとんど確認出来ない暗い恒星や他の星座に属する恒星を無理に流用したもの、さらには王侯貴族や著名人を顕彰する目的の星座まで現れ、無秩序な増加が問題となった。
星座は天球を区分する実用的な役割も担うため、この混乱を収拾する必要が生じ、国際天文学連合が88星座を正式に採用するに至ったのである。
黄道12星座
最も一般に知られているのは黄道12星座であり、これは西洋占星術に用いられ、太陽が一年を通して通過するとされる黄道上の位置を基準に、誕生日によって星座が割り当てられている体系である。
天文学的には黄道は「蛇使い座 / へびつかい座 / Ophiuchus」の一部も通過しているため、これを含めて13星座とする考え方も存在するが、占星術では伝統的に12星座が採用されている。
各星座には対応する星座記号が定められているものの、そのデザインや細部の形状には、使用される媒体や文化的背景によって若干の違いが見られる。
| 星座名 | 誕生日 | 英語 | 12宮 | Unicode |
| 牡羊座 / おひつじ座 | 3月21日~4月19日 | Aries | 白羊宮 | ♈ |
| 牡牛座 / おうし座 | 4月20日~5月20日 | Taurus | 金牛宮 | ♉ |
| 双子座 / ふたご座 | 5月21日~6月20日 | Gemini | 双児宮 | ♊ |
| 蟹座 / かに座 | 6月21日~7月22日 | Cancer | 巨蟹宮 | ♋ |
| 獅子座 / しし座 | 7月23日~8月22日 | Leo | 獅子宮 | ♌ |
| 乙女座 / おとめ座 | 8月23日~9月22日 | Virgo | 処女宮 | ♍ |
| 天秤座 / てんびん座 | 9月23日~10月22日 | Libra | 天秤宮 | ♎ |
| 蠍座 / さそり座 | 10月23日~11月21日 | Scorpio | 天蝎宮 | ♏ |
| 射手座 / いて座 | 11月22日~12月21日 | Sagittarius | 人馬宮 | ♐ |
| 山羊座 / やぎ座 | 12月22日~1月19日 | Capricorn | 磨羯宮 | ♑ |
| 水瓶座 / みずがめ座 | 1月20日~2月18日 | Aquarius | 宝瓶宮 | ♒ |
| 魚座 / うお座 | 2月19日~3月20日 | Pisces | 双魚宮 | ♓ |
蛇使い座の記号は⛎である。
誕生星座とは本来、出生時に太陽が天球上のどの星座の領域に位置していたかを示す概念である。
占星術では太陽だけでなく月や他の惑星の位置も重視されるが、それらを正確に算出するためには誕生年月日に加えて誕生時刻と出生地の情報が必要となる場合が多い。
これらの条件が分かれば、無料で天体配置を調べられるウェブサービスを利用する事が可能であり、特に月の位置に基づく月星座は把握しておく価値がある。
一方、一般に流布している誕生星座は、地球の歳差運動によって黄道と星座の位置関係が長期的に変化しているため、実際の星座位置とは現在およそ30度のずれが生じている。
このずれを補正せず、春分点を基準に黄道を固定的に12等分する方法は西洋占星術で一般的であり、反対に実際の星座配置に基づいて太陽と星座の位置関係を捉える方法は、インド占星術などで多く採用されている。
また、誕生星座の区分方法には、黄道を空間的に12等分する方法と、太陽が黄道上を移動する時間を基準に1年を12等分する方法が存在する。
地球の公転軌道は完全な円ではなく楕円であるため、太陽の見かけの移動速度は一定ではなく、これが両者の差異を生む要因となる。
以上より、誕生星座の決定方法は、基準点の取り方と分割方法の違いによって2×2の計4通りに分類される。
なお、12の区分という点で十二支(十二生肖)と共通性はあるものの、両者の直接的な起源や体系的な関連性は確認されていない。