Atari

Last-modified: 2026-04-18 (土) 22:08:10

データ

ひらがなあたり
カタカナアタリ

概要

アーケードゲーム、家庭用ゲーム、ホビーパソコンの三分野全てで成功を収めた唯一の企業である。
コンピュータゲームを一大産業へと育て上げ、その後の市場の発展と共に歩んだ存在であった。
アタリの歴史は、1972年6月27日、ノーラン・ブッシュネルとテッド・ダブニーによって始まった。
囲碁用語から名付けられたアタリは、創業間もなく開発したアーケードゲーム『PONG』の大ヒットにより急成長を遂げ、コンピュータゲームという新たなビジネス分野を切り開いた。
その人気は生産が追い付かないほどであり、ゲームセンターブームを巻き起こした。
しかし、この急激な変化の中で共同経営者のダブニーは退社し、アタリはブッシュネルの単独経営体制となる。
1976年、アタリは初のROMカセット交換式ゲーム機『Atari 2600』の開発に着手するが、莫大な資金が必要であったため、映画会社のワーナー・コミュニケーションズに2800万ドルで買収される事を選択した。
これによりAtari 2600の開発資金は確保されたものの、ブッシュネルは後にこの売却を後悔したと言われている。
1977年に発売されたAtari 2600は当初苦戦を強いられたが、1980年のタイトーからのライセンス移植作『スペースインベーダー』の大ヒットにより状況は一変する。
このキラーソフトによってAtari 2600はアメリカの家庭用ゲーム市場をほぼ独占し、アタリはワーナーグループの稼ぎ頭となった。
同時期には、アタリの許可なくAtari 2600用ソフトを開発・販売するサードパーティが登場し始め、訴訟を経て最終的にロイヤリティ契約を結ぶ形でゲーム業界初のサードパーティ制度が確立された。
Atari 2600は最終的に1500万台以上を売り上げる大成功を収める。
しかし、この隆盛の裏で問題が深刻化していた。
ワーナー傘下に入って以降、創業者ブッシュネルは経営方針の違いから追放され、アタリの自由な社風は失われ、利益至上主義的な経営が推し進められた。
アーケード部門は軽視され、家庭用部門では広告費拡大による開発部門へのしわ寄せや、ゲームを一人で作らせる非効率な開発体制が継続された。
さらに、1982年からは競合他社の台頭により市場環境が悪化する。
ホビーパソコン分野ではコモドール64、ゲーム機市場ではコレコビジョンが登場し、アタリの独占状態が崩れた。
急遽投入された後継機Atari 5200も失敗に終わる。
また、人気タイトルであれば低品質でも売れるという誤った認識から、『パックマン』の低品質な移植や、短期間で開発された『E.T.』の失敗作を大量生産した。
加えて、野放し状態だったサードパーティによる粗製濫造も深刻化し、ユーザーの信頼は失墜した。
こうした要因が重なり、1983年にアメリカのゲーム市場は崩壊し、「アタリショック」と呼ばれる事態を招いた。
アタリショック後、ワーナーは経営不振に陥ったアタリを立て直す余裕を失い、1984年7月にアタリをアーケードゲーム部門の『アタリゲームズ』と家庭用ゲーム・パソコン部門の『アタリコープ』の二社に分割し、アタリコープを売却することを決定した。
アタリゲームズはワーナーグループに残ったが、後にナムコを経て再びワーナーの手に戻り、社名変更や売却を繰り返す。
テンゲン設立による家庭用ゲーム市場への参入も試みたが、任天堂との確執やテトリスの著作権裁判敗訴により再度経営が悪化した。
最終的に、2009年のミッドウェイゲームズ倒産に伴い、その権利は提携関係にあったワーナーブラザーズが取得したが、現在アタリゲームズブランドは復活していない。
一方、アタリコープはコモドールの創業者であったジャック・トラミエルに買収され、新たなスタートを切る。
1985年に発売したホビーパソコン『Atari ST』は音楽制作やゲーム分野で成功を収めたが、家庭用ゲーム機事業(Atari 7800、Atari Lynx、Atari Jaguar)は任天堂セガとの競争に埋没し、パソコン事業もPC/AT互換機やMacintoshの台頭により衰退した。
1996年にはハードディスクメーカーのJTSに吸収合併され、企業としては消滅する。
その後、アタリコープの権利はハズブロを経て、2001年にフランスのゲーム会社『インフォグラム』の手に渡った。
インフォグラムはアタリブランドを積極的に活用し、2003年にはグループ企業のほとんどを「アタリ」と改名。
そして2009年にはインフォグラム本社も『Atari SA』へと社名を変更し、2代目アタリとして現在に至る。
Atari SAは経営面で苦戦を強いられながらも、Atari VCSなどの新ハード開発や過去タイトルのオムニバス発売など、アタリブランドでの活動を続けている。

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