カレン:
すい星は どうなったのかしら・・?
あの 青くかがやいている星は
いったい?
(魂が出現する)
テムの父:
すい星は その力を失った。
あくまの星は 今
宇宙の彼方へ 飛び去ろうと
しているのだ・・・
テム。
あの 暗やみに うかんでいる
青い星が 何だか わかるか?
テム:
あれが ぼくたちの星・・・?
テムの父:
そう。 あれが 我々の星 地球だ。
さばくのオアシスのように 見える
だろう?
カレン:
地球って あんなに きれいだった
のね。
でも ヤミの中に ぽつんと光ってて
なんだか さびしそう・・・
不思議な声: そうよ。
地球は さみしがっている。
(もう一つ魂が出現する)
テム:
かあさんっ!?
テムの母: 地球はね。
何億人という 子供をもった
お母さんなの。
テムは 時々 あたしたちのことを
思い出してくれるし カレンだって
ご両親を想うことがあるでしょう?
地球だって同じ。
子供に 忘れられたら さびしい
ものよ。
テムの父: どうだ? 二人とも?
自分たちの 住んでいた星を 外から
ながめた 気分は?
カレン:
あたしたち まるで
神様に なったみたい・・・
テム:
ロブたちにも 見せてあげたい・・・
いや 世界中の人に この景色を
見せて あげたいよ・・・
テムの父:
人類は いずれ 宇宙へ行く船を
自分たちの力で 作り出す。
そして この 青い地球を
自分たちの目で 見ることになる
だろう。
その時 テムや カレンと
同じように さびしそうな顔をした
地球に 気がついてほしいものだ。
テムの父: ほら。
お前のもっている 世界地図を
よく 見てごらん。
テム:
あっ。
地図の形が 変わり始めてるっ!
(テムの世界の地図が、
日本を中心としたお馴染みの世界地図になる)
テム:
陸地が なんだか 変な形に
なっちゃった。
テムの父:
それが 新しい世界だよ。
カレン:
新しい世界?
テムの父:
これまで 生き物は すい星の力で
誤った進化を 続けてきた。
地球も ひとつの 生命。
同じように 進化し その姿が
変わっていたのさ。
すい星の力が およばなくなった今
世界は 本来の姿に もどったと
いうわけだ。
テム:
父さんも 母さんも どうして
未来のことまで 知ってるの?
テムの父:
私は 肉体を 失ったとき
すべてが見えるようになったのだ。
過去のことも 未来のことも
そして 人類の たどる道もね。
人は こういう体を
神と 呼ぶのかも しれない。
テムの母: とにかく
テムの カレンも これで
ふつうの子供に もどれるのよ。
もう こわい 思いは しなくて
いいの。
カレン:
地球に もどったら あたしたち
はなればなれに なっちゃうの?
テムの父: そうだ・・・
地球も変わるし 人も 歴史も
すべてが 新しい道を歩み始める。
お前たちは たとえ
どこかの 街角で 出会っても
おたがい 気づかないだろう・・・
だが 地球が 光とヤミの戦士を
必要としたとき お前たちは
再び めぐりあうかもしれんな。
さあ すい星の力が 消えないうちに
地球へ 向かいなさい。
テムの母:
二人に すてきな未来が 訪れると
いいわね・・・
(テムの父と母、消える)
カレン: テム・・・
こっちへ きて・・・
そして 顔を よく見せて・・・
しっかりと 心に 焼きつけて
おきたいの。
テムの目も 鼻も 口も
カミの毛も 声も
手のぬくもりも・・・
テム: 心配 しなくていいよ。
ぼくは カレンのことを 必ず
さがしだすからさ。
たとえ 何年 かかっても、
100年かかっても 1000年
かかっても 必ず むかえにいく。
だから 安心して・・・
そして 目を 閉じて・・・・
カレン:
テム・・・・・・
テム:
さあ 行くよ。
地球へ・・・・
カレン:
うん・・・・・
(テムとカレン、シャドウに変身し、地球へ飛び去る)