各種書物の編纂期

Last-modified: 2015-01-28 (水) 15:04:24

日本の神話体系も参照。
 
 
 
756 :名前が無い程度の能力:2008/12/13(土) 04:23:23 ID:qpS0dFIU0
>>734
中世史、特に室町政治史をやるのであれば、むしろ『記紀』の事は深く関心を持ってほしいけどなぁ。
 
例えば足利義満が、あの聖徳太子が書いたという触れ込みの『未来記』(偽書)を割と本気で信じてたという話は有名だし。
例にも挙げていた義教が六代将軍に決まったのは石清水八幡宮(祭神は応神天皇=軍神)の神託によるものだし。
少し遡るが南北朝時代の北畠親房が書いた『神皇正統記』は、記述をわざわざ神代の部分から始めている。
鎌倉時代頃から各地の寺社では盛んに縁起の編纂が始まる(諏訪や春日なんかもそうだ)けど、これに出てくる仏様の垂迹は殆どが記紀の神様なんだよね。
そして知っての通り、伊勢神道や吉田神道や両部神道のような今日で言うところの「神道」の基礎になった宗教が生まれてくるのも、中世以降なわけだ。
 
これは見方を変えれば、中世ほど「記紀」が政治的注目を集めた時代も無い、という証左と言えるじゃないだろうか。
まぁ『日本書紀』はともかく、『古事記』に関しては当時まだまだ「参考書」扱いで、本格的に注目され出すのは本居宣長を待たなきゃいけないんだけど。
 
ただ、民衆レベルの信仰では確かに記紀神話はさほど大きな影響力を持たなかったという点は俺も同意する。
伊勢や出雲に庶民が参詣し始めるのは、江戸時代も半ば過ぎてからだし。それにしたって『東海道中膝栗毛』に見られるような観光目的だから。
 
少し前にも出ていたけど「お稲荷さん」とか「八幡さん」という呼称が広く残っているように、どこそこの神社を指す時は神様の名前じゃなくて「神社そのもの」の名前で呼ぶ事が多いだろ?
名前が気にされる神様といえば、菅原道真とか平将門とか、そういう歴史上に実際いた人物が神格化された場合が殆どだと思う。まあ「住吉さん」みたいな例外も、あるにはあるけど。
で、神社には大体ご利益というものが設定されていて、例えば稲荷社なら大抵は商売繁盛なんかがご利益とされている。
でも『記紀』には、この神様を拝むとこんなご利益が得られます、なんて事は何処にも書いてない。
確かに神様の名前自体は『記紀』から採ってある場合が多いけど、そこに祀られてるのが何処のどんな神様なのかは、どうもあまり気にされないんだな。
問題としては、とにかくそこ(=神社)に行ってお賽銭入れてパンパン拝めば加護が得られるという、構造もしくは機能が重要なわけだ。
 
つまり何が言いたいかというと、博麗神社のあり方って実はすごく日本的な信仰形態を表してるんじゃね?っていう話。
 
 
757 :名前が無い程度の能力:2008/12/13(土) 08:10:01 ID:rby7kAAA0
記紀についてだけど、確かに統一王権による国家神話編纂という点では重大事だが
規模は違えど同様の事はそれ以前からずっと行われて来てるんだけどね
 
日本の本当に原初の信仰というのは磐座信仰や神体山信仰といった素朴な
自然崇拝であって、時代が下るにつれて諏訪や宇佐のような地方の豪族が
この自然崇拝と自らの部族の祖先崇拝を統合して神話を形成し、その地方の
最重要信仰と位置付けるようになった
 
大和朝廷がやったこともこれと同様ではないかというのが大方の歴史家の見解
つまり各地の地方豪族の神話や信仰と、天皇一族の神話や信仰を統合して、
この国の公式神話とした
 
記紀とそれ以前の神話形成の違いはとにかく規模の違い、これに尽きる
地方の神話が地方限定のものであるのに対し、記紀は日本国公式の神話体系で、
だからこそ日本史で必ず言及されるわけだ
 
 
758 :名前が無い程度の能力:2008/12/13(土) 08:14:21 ID:rby7kAAA0
>>756
記紀は神話(+歴史)の書物であって、細かい祭祀についての書物じゃないからな
祭祀については各々の神社に口伝なり書物なりで伝わってる
日本の神社は、「神社=賽銭入れてパンパン」で片づくようなものでは決してないよ
一般民衆の事と限定して考えても、祭神について何も考えず賽銭放り込んで
パンパン拝んで終わりだっかというと、とてもそうは思えないな
何か願を掛けるために参拝するような大きな神社は大抵、その祭神の属性に基づく
御利益が期待されてるわけだからね
 
 
759 :名前が無い程度の能力:2008/12/13(土) 11:27:45 ID:v.dZ1hC.0
>>758
我らが紅白は祭神については知らないんだが
作法についてはきっちり伝承してるみたいだ
「境界にある神社」、「幻想郷一の桜の名所」、「妖怪も人間も和すところ」と場所にも特徴がある
諏訪と似たような構造なんだろうな
 
そういや狸がよくお参りに来るんだっけ
 
 
760 :名前が無い程度の能力:2008/12/13(土) 12:15:49 ID:WbrKKhIk0
>>756
俺なんかは歴史的な教養がほぼ皆無なのでそういうアプローチができるのはうらやま。
真面目に歴史の授業受けときゃよかったなぁと今更ながらに後悔。
 
>>757
そういや風土記も古事記も日本書紀もおおよそ8世紀に記されてるわけだけど(むしろ風土記のほうが遅い?)
それまでに各神話や風土が口伝で伝わってたとするとこの時期に一斉に編纂されたのはなんでなんだろね。
文字の伝達はもうちょっと早かったような気もするが、光圀公みたいな人がいたんだろうか。
 
まぁ、どちらにせよ記紀が大和朝廷視点で編纂されたのに対して風土記も地域視点で編纂されているんだろうし。
たぶん双方に「自分の所をより良く見せたい」みたいな願望はあったと思うからどっちが正しい系譜とも言えんわなぁ。
むしろそれぞれの人物や話を比定して見比べてみると面白そうだわねー。労力が凄まじそうだからアレだけど。
 
>>759
我らが紅白は自分が祀ってる神も知らないとかマジか。
てっきりプレイヤー側にぼかしてあるからわからないだけで、紅白自身はどんな神なのか理解してると思ってたんだが。
あとついでに狸kwsk。
 
しかしあれだね神社でパンパンとかなんかそこはかとなくエry
 
 
761 :名前が無い程度の能力:2008/12/13(土) 12:36:17 ID:14U5Oh.I0
>>760
香霖堂で信仰が欲しい言っておきながら神社の神様よく知らない宣言してる
そういや霖之助は分霊を薦めていたが結局あの後「浅間さま」を勧請したのだろうか
してないだろうなあ
 
 
763 :名前が無い程度の能力:2008/12/13(土) 12:48:52 ID:El7qChEw0
幻想郷の中の神社は博麗だけじゃなかったっけ
だとしたら外から勧請するしかないけどどうすんだろ
それとも神棚や祠はあるってオチなのか?
 
とここまで書いて霊夢が神様を呼び出す能力を持っている事を思い出した
コノハナサクヤヒメを呼び出せるかは知らないけど
 
 
764 :名前が無い程度の能力:2008/12/13(土) 12:53:37 ID:v.dZ1hC.0
作中の話を聞いてる限りじゃかなり凄い流派っぽいんだよな
いったいどれだけの作法が伝承されてんだろ
 
>>760
香霖堂ほかで言われてる
博麗神社の賽銭箱には狸のお賽銭(木の葉と石)しか無いんだとか
最近にもどこかで「うちの神社には狸しか来ない」と言っていた
 
 
765 :名前が無い程度の能力:2008/12/13(土) 12:54:33 ID:f0Mc2uDI0
>>760
一斉に編纂されたというか、氏族や地域ごとの神話を一まとめにしようとしたのがこの時期なんじゃないかね。
んで、古事記の編纂者が稗田阿礼だったり藤原不比等だったりするわけで。
 
 
766 :名前が無い程度の能力:2008/12/13(土) 13:27:18 ID:WbrKKhIk0
>>761-764
そーなのかー。わりと初耳だった。
いきなりメディアミクサーし始めたから全部に追い付けてないぜOTL
しかし神社に狸とはまた奥が深いな。
 
 
>>765
まぁ、なんらかの切っ掛けはあったとは思うけど為政者かそれに近いところから号令かかったのかのぉ。
それとも記紀が成立したのに対抗して風土記を編んだんだろうか。
 
 
767 :名前が無い程度の能力:2008/12/13(土) 13:50:20 ID:WcKKC1cQ0
>>766
風土記の編纂は奈良の始めあたりの713年、元明天皇の詔による官撰の地誌で、諸国の庁が編纂したもんだ。
為政者側の働きかけもなにも、出自からして中央からの詔勅だよ。