モルゲンレーテ

Last-modified: 2022-09-21 (水) 00:40:02


私は知りたいのです。ここがどこなのか、扉の先が本当は何なのか。

                  -モルゲンレーテ


一人称:私
二人称:貴方、~さん
基本的に敬語。固い。

Morgenröte
モルゲンレーテ
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性別
年齢23

名前:モルゲンレーテ
年齢:23
性別:女
身長:172cm
入社日:DAY1
バディ:「オーロラ」




好きなもの:本(ジャンルは問わない)、食事

嫌いなもの:苦手な物:聞いてないことをひけらかしてくる人、神、宗教関連

趣味:読書、たまに日記を書いている




裏路地出身の女性。基本的に真顔、抑揚のない声で話す。誰とでも臆さず話し、気になることがあれば相手によっては詰め寄る場合も。幼い頃には顔を合わせた子どもに泣かれたこともある。
元Z社職員。幻想体“辺獄”により魂を取られ死亡した。その影響とみられる特徴がいくつか体に現れている。転生の目的は「最後の答えを聞けていないから」。
恐ろしい胃袋の持ち主でもあり、常人離れした量の食事をとる姿が何度か目撃されている。




記録:はじまり

本を読んでいた。
道端に乱雑に落ちているもの、ゴミの山から出てきたシミまみれのもの、少し遠出した時にあった、何冊かまとめて紐で括られ、“歩道”と呼ばれる道の端に置かれているもの。
“知らない”ことが嫌だった。生まれに不満があるわけではないが、それに甘えて知恵を放棄することが気に入らなかった。だって知らないことが多すぎる。私は自分の名前さえ知らなかった。今日の食べ物もままならない中、2割も読めない文字の羅列を探す日々だった。

文字の羅列の5割が読めるようになった頃、ときどき人にそれを教えるようになった。黒い髪に黒い目、瓜二つの少年と少女……おそらく“双子”とよばれるもの……が、数日に一度私の元を訪れた。きっかけは、私がカビかけのパンを少年に分けたことだったように思う。
「10分でできる!フライパン料理」「■■協会下事務所活動報告」「■■■辞典」「ウサギとカメ」「悩めるお父さんへ 家族との付き合い方」「翼に就職するための10ヶ条」……半分しか読めない私が本から得た、今思えば間違っていたかもしれない知識を、彼らが欲しがるものを少しずつ探って伝えた。何かを知っていれば、それだけ選択肢が増えるはずだから。彼らは毎日生傷を増やしていたから。

文字の羅列の7割が読めるようになった頃、双子の訪問はパタリと止んだ。行方は分からないが、きっと今も2人で生きている気がする。私が教えたことは彼らの役に立っただろうか。
私は変わらず本を探し続けた。さすがに空腹に耐えかねて、読み終えた中で比較的マシな保存状態の本を売って金に替え、その金で買ったサンドイッチは美味しかった。

読めない文字がほとんどなくなった頃、彼らは訪れた。
いつもよりザワついた朝、外に出た。だって知らなかったから。
薄汚れた裏路地のなかでいっとう綺麗な白を保つ集団が、後ろに子どもを引き連れて歩いていた。異様な光景だった。
その集団の1番前を歩く……男?が、ふと私の方を見やった。そのまま体をこちらに向け、近づいてくる。
私はそれをじっと見ていた。だって知らなかったから。

「おはよう。お嬢さん、今おひとりで暮らしてるのかな?」

掛けられた声に、私はただ頷いた。だって知らなかったから。
知らなかったのだ、彼らのことなんて何一つ。




記録:白翔会について

白翔会(びゃくしょうかい)
都市に拠点を置く慈善団体。不定期に裏路地の身寄りのない子どもを保護し、都市相応の食事や教育を与えた。
表向きは上記の通りだが、その実態は“白夜”を信仰する宗教団体。“白夜”が指すものが自然現象のそれなのか、はたまた別のものなのかは今となっては定かではない。子どもらの養育の資金源も謎のままである。
白翔会の目的は“さる日に神の意思の元に天国へと行くこと”。さる日とは、日が沈まぬ白夜が都市に起こる日のことを指していると考察される。都市の位置を見るに本来ならありえない現象だが、白翔会の信者たちはそれを信じて疑わなかったという。
子どもらを保護した理由は“裏切り者を生み出すため”だとある関係者が述べている。その中でも身寄りのない裏路地の子どもを選んだのは“死んでも捜されないから”。
教育を経て社会的な人間らしさを獲得した子どもに白翔会の信者を殺させ、その魂を天国へ導くといったものである。
しかし、“さる日”の後、調査に立ち入ったフィクサーからは“白翔会の連中も子どもも全員死んでる、たぶん殺し合った”との報告を受けている。
また、近隣の住民からは「白翔会の保護施設から髪の白い女の子が一人だけ血まみれで施設から出てきた」との目撃情報を受けている。

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