ソース別画質徹底向上

Last-modified: 2009-02-09 (月) 18:11:11

一番の画質向上策はソース別にコーデックを変える事

さて、他のページでは各コーデック別に様々なテストをしていきましたが、徹底的な画質の向上を狙いました時に一番の特効薬は何か?それはズバリ一言で「ソース別にコーデックを選ぶ」と言えるでしょう。それでは、どんなソースにはどんなコーデックが向いているのか?それをこのページで説明してまいります。
ここでご紹介していますXvid、Motion-JPEGは全てffmpegでのエンコードを前提に、WMVは全てWindowsMediaEncorderでのエンコードを前提に書かれています。各エンコード方法に関しましてはそれぞれのエンコードページへ飛んでください。

実写と2Dアニメ(TVアニメ等)は大きく違う

さて、ではまずこれらの説明から行ってまいります。ここでは映画、ドラマ、バラエティー、スポーツなどを実写、TVアニメ等をアニメと呼ぶことにします。

実写とアニメではその描画方法が大きく違ってきます。アニメは最近でこそ色数が増え、中には3DCGを使ったものがありますが、それでも実写に使われるような色数にはまだまだ遠いというのも現実です。その他、アニメが実写と明らかに違うのは、余程作者の意図で背景を見せたい・・などがない限りは背景にまで目を見張らずともいいという事です。一方の実写に関しましては撮影しますカメラの向上に合わせて、非常に多くの色を扱うようになりました。その為、一般的に「画質がいい」といわれているコーデックやエンコード方法を使った場合、それが裏目に出ますことも少なくありません。それでは、実写とアニメ、それぞれに分けて説明を行っていきましょう。

【実写】ドラマ、バラエティーがソースの場合

さて、最も厄介なのがこれらのソースです。映画は実は結構圧縮をしやすいものではありますのですが、ドラマとバラエティーは、画質向上という面では非常に厄介な存在になります。その原因としまして、無駄に色数が多い上に出てくるオブジェクト(人物、背景、アイテム)の数も多いという現実があります。ただし、色がある一定で保たれている時代劇などに関しましては、それなりに画質を簡単に上げることができます。

・~500kbpsの場合
さて、ここまでくらいのビットレートであれば、選びますコーデックは一つしかありません。WMVです。WMVの場合、低ビットレート下では色数を勝手に均一化して圧縮をしてくれますため、後は下限と上限のビットレートさえきちんと配分してあげれば簡単に容量を抑えて画質の向上が見込めます。

・500kbps~1000kbpsの場合
恐らくこの付近のビットレートを設定されるという事は容量よりも、より画質にバランスを取りました方だと思われますため、ここではXvid、またはWMVをチョイスしますのがベストです。
特にずっと動きっぱなしで色数も多く、画面が頻繁に動いてしまうドラマなどがソースでした場合にWMVは効果テキメンです。逆に動きが少ないバラエティー番組(笑点など)ではXvidが綺麗にいく可能性があります。

【実写】映画がソースの場合

さて、上でも少し触れましたが、実は映画はアクションシーンさえ上手く調整してあげれば綺麗にいきます。・・・といいますのも、映画を作りますうえで必ず設定されている『トーン』があるからです。手元にあります映画をざっとでいいですので見てみてください。必ずどの映画も同じような色調で描かれているのが分かると思います。ホラーでしたら黒っぽい色(ダークトーン)や、戦争映画でしたらグレーっぽい色(グレイッシュトーン)、その他、恋愛モノでは温かみのあります色(ブライトトーン)等、必ずその映画ごとにトーンが決められています。その為、色の差が少ないために気にしますのが色数ではなく色調になります。後はブロックノイズさえ防げましたら画質向上に繋がるわけです。

・~500kbpsの場合
この場合には上のバラエティー等と同じく、基本的に容量と画質のバランスを保ちますため、WMVが最もベストなチョイスになります。また、WMVはこういった同じ色調を保ち続けるというエンコードに強いため、ブロックノイズを抑えながら上手く色調を保ってくれます。

・500kbps~850kbpsの場合
この近辺のビットレートも基本WMVがベストチョイスになります。細部まで綺麗にエンコードしてくれます上、容量も思いのほか減らしてくれますため、一役買ってくれるでしょう。

・850~1500kbpsの場合
基本的に余程昔の映画でありません限りは16:9、またはそれ以上のアスペクト比で出来ていますため、上下に黒帯を入れることになり、結果的にMPEG4ではこの付近までビットレートを上げることができます。ここまでビットレートを上げる事になると、恐らく細部まできちんとディティールを出したい方だと思われますため、Xvidをチョイスします。特に1000Kbpsを超えたXvidは色のトーンをほぼ落とす事無く細部まできちんと表現してくれます。

・3200kbpsの場合
恐らくこれを設定されますのは容量無視の方だと思われますため、基本的には3200kbps固定でMotion-JPEGしかありません。他のページでも取り上げていますが、このビットレートで出しました映画はZENで見る限り、ほぼ非圧縮の状態と同じような印象を受けます。逆に人間の目が確認できるかどうかまでのディティールがでますため、ここぞという取って置きの映画には向いています。また、Motion-JPEGでは画面の引っ掛かりがありませんため、そこもポイントです。

【実写】環境ムービーがソースの場合

例として『素敵な宇宙船、地球号』等、環境番組では色調が毎回変わります上、ディティールが求められますソースでもあります。その為、XvidやWMVなど、ディティールを崩しますものはご法度とも言われています。これらがソースでした場合には、素直に3200kbpsのMotion-JPEGをチョイスしかありません。

【実写】スポーツ番組がソースの場合

スポーツ番組は基本的に高ビットレートMotion-JPEGを使いません限り、絶対にブロックノイズを排除することは出来ないものだということを前提にしなければなりません。特にバイク等、車のレース番組や、競馬等の番組、サッカー中継などでは高ビットレートMotion-JPEGでも厳しい状態になります。

・~850kbpsの場合
この場合、WMVしか選択の余地はありません。特にXvid、DivXは画質向上という点では非常に難が出ます。それでもブロックノイズを完全に取り払うことは難しいのも現状ですが、850kbps近辺であればそれなりにブロックノイズを目立たなくさせてくれます。特に車の色以外はグレーの道しか写りませんようなレース番組の場合にはこれが更に効果を出してくれます。もしもこれ以上のディティールとブロックノイズの排除を狙いますのであれば、3200kbpsのMotion-JPEGを選択してしまうのがベストです。

【アニメ】TVアニメの場合

基本的にアニメはMPEG4の基本であります『前の画像と次の画像はほぼ同じ』が最も通用しますソースです。そのため、少ないビットレートでも十分な画質を保持してくれます。ただし、アニメで最も気をつけなくてはなりませんのが、画面のひっかかりです。特にTVアニメは動くところと静止しているところがハッキリと出てしまいますため、静止している場面にあわせて高めのビットレートを設定していた場合、動きの激しいところで突然画面がひっかかって肝心のクライマックスを見逃してしまうなんてこともあります。

・~500kbpsの場合
ここはXvidしか画質向上という点では選択肢がありません。特にディティール作りが実写向けに作られていますWMVはこれが裏目に出ます。ただし、容量削減という方向ではWMVはベストチョイスになります。基本的にAVIコンテナはVBRが許可されていません。そのため、Xvidを使います場合にはCBRのみとなり、結果的に画質の向上とともに容量も上がってしまうからです。

・500kbps~1000kbpsの場合
ここも画質向上という点ではXvid一択になります。最近のデジタル製作されましたアニメはこんなにビットレートを上げましてもそれほど画質の向上は見られませんが、一部例外として、ノイズ混じりの昔のTVアニメがソースでした場合には、ビットレートを上げます事で大幅な画質の向上が見られます。

・1000kbps~の場合
ここもXvidになります。通常、これ以上のビットレートをアニメにつぎ込むのは、何か特別な目的がある方になります。背景がメインの作品や、実写とアニメーションが混在するような作品、アクションが大半を占めるような作品、または余程ソース自体のノイズが酷いものである場合などです。

【アニメ】クレイアニメ、3DCGアニメの場合

クレイアニメも3DCGアニメも扱う色の数は一般的なTVアニメ等と比べても相当な多さになります。ただし、ポイントとして『色の数は多いが一つ一つのディティールが甘い』というものがあります。

・~500kbpsの場合
クレイアニメの場合、少ないディティールに色数を詰め込めますXvidが綺麗にいくことがあります。また、アクションの多い3DCGアニメでした場合にはブロックノイズ対策としてWMVが綺麗にいくことがあります。

・500kbps~1000kbpsの場合
クレイアニメ、3DCGアニメ共にここではXvidが活躍してくれます。どうしてもブロックノイズを排除したい方向であれば、若干色を落とされてしまいますがWMVをチョイスしますのもありかもしれません。