神獣ヤマタノオロチ降臨

トトノ

――ひぃ……ひぃ……。
酒甕、持ってきましたぁ……。

山ン本五郎左衛門

おうトトノ嬢、よくやってくれた！
この酒甕はオロチ対策の要だからな、
大事に運んでくれて助かるぜ。

レーヴ

あれが、神獣ヤマタノオロチなんですね……。
伝承によれば、東の国を守護した
最強の神獣だったのだとか……。

フローガ

離れていても、周囲の魔力が震えているのが分かります。
こんな強力な神獣、見たことないですよ……。

山ン本五郎左衛門

ああ、だがそれも暴走しちまえば終いさ。
さぱっと俺たちで、その伝説を終わらせてやろうぜ。

トトノ

ただ、問題は神の威光ですよ。
酒甕を持ったまま転移させられたら、
さすがに何度もここに戻ってくるのは、その、体力が。

ホムラ

……地道に皆で運ぶか？

山ン本五郎左衛門

いや、そこは気にしなくていい。
酒甕を持ってるトトノ嬢に、
ヤツは神の威光の力を及ぼせないはずだ。

あいつ、自分が酒に弱いことをよく知ってるからな。
絶対に自分からは触れようとしないはずだぜ。

トトノ

でも、近くに置かれると呑んじゃうんですね……。
なんだか親しみが持てるような……。

山ン本五郎左衛門

そういうわけだから、
トトノ嬢は酒甕に隠れながら、
ひぃこら戦場まで酒を運んでくれ。

トトノ

うっ……はぁ……。
自分で言い出したことですから、
最後までやり遂げましょう。

ただ、本当に重いので運べる数にも限度があります。
王子、慎重に扱ってくださいね……？

山ン本五郎左衛門

よっしゃ、それじゃあヤマタノオロチ討伐を始めるか！
王子、封印しかできなかった俺たちを、
その実力で超えていきな！！

NPCのトトノは倒されても
★の評価には影響しません。
　
　
　
　　　　　　（1/2）

NPCトトノが持つトークンは、
ヤマタノオロチ付近の台座上にある
専用マスに配置することで
効果を発揮します。
　
　　　　　　（2/2）

ヤマタノオロチから攻撃を
受けると「毒」状態になり、
一定時間継続ダメージを受けます。
毒によるダメージは、女神の加護や
攻撃の無効化の影響を受けませんが、
状態異常に対するユニット能力で、
軽減や回復、無効化が可能です。

チッ……まずいぞ王子！
ヤマタノオロチが魔力を集め始めた！

なに！？　何がおきるんですか！？

ヤツの封印に、大妖怪たる俺の
妖力が根こそぎ必要だった最大の原因だ！

ヤマタノオロチは魔力を練り上げて、
周囲一帯を薙ぎ払う力を持ってやがるんだよ！！

た、対策はあんのか！？

速攻で！　できるだけ早くぶち倒せ！！

い、いつも通りってことだな！
王子、とにかく急がねぇとヤバイぞ！！

……王子、兵を退かせろ！！

な、何ですかこの魔力！
強大すぎて揺らぎの感知すらできませんよ！

こいつは出直すしかない！
ヤマタノオロチの魔力の直撃なんざ、
人が耐えられるもんじゃねェ！！

トトノ

――ヤマタノオロチ、動きが鈍りました！

山ン本五郎左衛門

よっしゃ、王子そいつをぶった斬れ！！
伝説を終わらせるのがテメェの仕事だッ！！

王子

…………ッ！！

ホムラ

す、すげぇ……あのヤマタノオロチを、
あの山ン本五郎左衛門と一緒に討伐しちまったぜ……。

山ン本五郎左衛門

英雄王は何でもできるヤバイヤツだったが……。
へへっ、王子、
テメェは不可能を可能にするヤバイヤツだな！

俺ァあいつのしっぽを
ぶった斬るのが精一杯だったからなァ。

ホムラ

神獣のしっぽを、
単騎でぶった斬るのもどうかしてるぜ……。

山ン本五郎左衛門

ともあれ、これでこの辺りの集落も安全だ。
手伝ってくれてホントに感謝してるぜ。

さぁ獲物を倒したんだ、
戦利品をがっつり持っていきな！

トトノ

い、良いんでしょうか……。
一応東の国を守護していた存在ですが……。

山ン本五郎左衛門

こいつも、形を変えて未来を守れるなら本望だろうさ。
鱗でも牙でも有効利用してやろうぜ。

ミスリア

そういうことなら！
ミスリアちゃんの出番だー！

キャラット

あっ、待って待って！
僕も手伝うからー！！

アンナ

……それでは、そろそろ王国へ帰還しましょうか。
王子、神獣ヤマタノオロチ討伐、お疲れ様でした！

山ン本五郎左衛門

――王子、今回はホントに助かったぜ。
俺ひとりじゃァどうにもならなかったからなァ。

ソラス

まったく、突然姿を見せるからびっくりしましたよ。
封印される時、何て言ったか覚えてます？

山ン本五郎左衛門

千年戦争で頑張りすぎたし、
軽く一万年くらいヤマタノオロチと
昼寝してくるわ、だったか？

ソラス

それが千年弱で目を覚ますんですから、
もう本当に慌てましたとも……。

山ン本五郎左衛門

わりぃわりぃ。
だが俺も、そう簡単に封印を
解かせるつもりはなかったんだぜ？

フローガ

おそらく、魔王との戦いの余波で、
封印を守っていた巨石に影響が出たのでしょうね……。

ソラス

で、この後はどうするつもりですか？
また東の国で妖怪たちを束ねて、悪さを働くなら――

山ン本五郎左衛門

待て待て！　俺がまるで悪ガキだったみてぇじゃねぇか！

ソラス

英雄王に喧嘩売りに来たの、忘れてませんからね？
まぁ、その後酒の趣味があうからって、
すぐに仲間になっていたのも覚えていますけど……。

山ン本五郎左衛門

ハッハ！　あん時ァ楽しかったなぁ……。
あいつの子孫が生きてるんだから、
また手を貸してやるのも悪くはないが……。

いや、せっかく久々に目が覚めたんだ。
しばらく諸国漫遊でもしてから、
自分の行先でも決めるとしようかな。

ソラス

（と言いつつ、すごい王子くんの方見てますね。
めちゃくちゃ気に入ったんじゃないですか？）

トゥアン

（こいつ、喧嘩強いヤツと酒に強いヤツ大好きだからな。
なんだかんだ言ってすぐ戻ってくるんじゃないか？）

ミスリア

――あのー、そろそろ入っていーい？
王子の武具ができたんだけどー？

山ン本五郎左衛門

おっ、ヤマタノオロチの鱗を武具にしたのか？
現代の鍛冶職人もやるじゃねぇか！

ミスリア

へっへー。
鎧と刀、両方打ってみたよー。

キャラット

めちゃくちゃ加工が大変だったけどね……。
さすがは伝説の神獣だよ。

ミスリア

ところで、この武具名前がないんだけど……。
ザエモンっち、何かいい名前ない？

山ン本五郎左衛門

ん？　おぉ？
そうだなぁ……じゃあ東の国の伝承にあやかって――

――神刀・天羽々斬。
こいつでどうだ？

ミスリア

おぉ、異国の響きだ……！　かっこいい！

キャラット

じゃあ王子、天羽々斬を装備する時には、
称号を『遠呂智を断つ者』に変えてね！

山ン本五郎左衛門

よぉし、それじゃ俺は旅に出るぜ。
また会った時には、酒でも呑み交わそうな、王子！