自作コーナー/自作CO2強制添加機

Last-modified: 2021-08-07 (土) 22:01:48

自作CO2強制添加機とは?

設計図
ショップなどで売っている拡散機は、粒子の非常に細かいエアストーンや
外部ろ過の排出ホースにTジョイントを利用して付加する物、非常に細かい流出口の
シートを通過させるタイプの物、筒の中にCO2を溜め込んで自然に解けるのを待つと
言った物が主流だと思われます。
これらは、大きなCO2の泡を非常に細かい穴を通過させる事で細かな泡に変化させ
表面積を稼ぎ水溶性を上げる…と言った商品なのですが弱点として
必ず溶けずに水上まで達してしまう泡が存在します、つまり出したCO2を
100%溶かしきれていないのです、非効率的ですね…。
そこで『熱帯魚工作箱のmizuwarabi』氏によって考案されたこのミキサーを紹介します。
どういった物かというと色々とあるミキサーの良い所取りをして
ほぼ100%に近い溶解率を叩き出したと言う画期的自作物です。

 

特徴として

  • ほぼ100%に近い溶解率を誇る。
  • メンテナンス間隔が他のミキサーと比べ非常に長い。
  • 見ていて楽しい。

などが上げられます。
短点としては、

  • 中学生程度の工作技術を要求される。
  • 一定の排水力がある物(外部濾過装置や水流ポンプなど)が必要。
  • どうしてもある程度の大きさが必要の為目立つ。
  • ヘタすると急な溶解率上昇により水槽内部が酸欠に陥る。

などが上げられます。

 

水草水槽やCO2を大量に必要とする水草を植えておられる方は、ぜひお試しください。

材料

※アクリルパイプの直径サイズ=A>B>C

  • アクリルパイプA(メインパイプ)
    溶解を行うメインパイプ、Bパイプの3倍ほどあればよい。
  • アクリルパイプB(サプパイプ)
    排水ポンプからのホースと適合する細さの物。
  • アクリルパイプC(サイフォンパイプ)
    かなり細くても良い。
    エアホースが抜けない程度の筒でよい。
  • アクリル板
    メインパイプの片方をふさぐ物なのでその程度の大きさでよい。
  • 材質溶解型接着剤
    上記がアクリルでない場合は、使う素材に合わせた接着剤を選ぶ事。
  • ホットボンド
    上記接着剤だけでも良いがちょっとした力で剥がれる場合もあるためこれで補強する。
  • バーナー
    ガスコンロやライターでも代用できる、むしろそれほど火力を必要としない。
  • 吸盤

作り方

  • 設計図
    設計図
  • Aのパイプを用意する
    材料表でのアクリルパイプAがこれになる。
    他のB,C,D,Eを突っ込んでも支障がなさそうであればパイプである必要はなく、小さな箱などでもよい。
    ちなみに参考にしたサイト様は、お菓子の箱やフィルムケースなどで作っていた…
    パイプを使った場合、片方をふさぐ必要があるため板を丸く切断し、ふたをする。
    丸く切る道具がない場合…四角に切ってパイプを重ねてマジックなどで線を引き、8角形ぐらいに角を落としてヤスリで削るという方法もある
    そしてAパイプのだいたい真ん中あたりにBパイプを突っ込める穴、そして
    AパイプのフタにC,D,Eパイプを突っ込める穴をあける。
    Bの穴の位置は中央付近であればよいが、加工の難易度とAパイプの長さが比例する。
    あまりにもAパイプが短いとBパイプ加工が相当難しくなるので上の写真を参考に調整したい。
    Aパイプフタに開ける3つの穴の位置関係だがCの穴はBパイプとつながる関係で端によってもよいが真ん中にはしておきたい。
    DとEの穴は…ぶっちゃけどこでもよいので小型化するなら△の位置関係、構造がわかりずらいなら
    設計図のように直線状に並べて開けてもよい。
  • C,D,Eパイプを用意する&パイプの曲げ方
    材料表でのアクリルパイプCにあたる。
    エアホースをつなぐ細めのプラパイプなどでよい、というかプラパイプでないと加工が大変だと思われる。
    プラパイプをきれいに曲げる方法は、パイプの片方を適当なテープでふさぎ、中に塩を入れる。
    この時に何度かトントン…と硬い場所で衝撃を与えることで中の隙間をなくしてしっかりと塩を敷き詰めること。
    塩で中身が埋まったら反対をテープでとめる、その後曲げるあたりをライターなどで回しながら最初は
    遠くから温めていって、柔らかくなったら曲げる。
    濡れたぞうきんや水があるとすぐに冷却できるので流し場でやるのが好ましい。
    固まったらテープをはがして塩を取る、固まって取れない場合は水で流せばそのうち溶けてなくなります。
    • Cパイプ
      パイプの2~3倍程度の円を描いて曲げる、長さは後で調整するので長めにカットすること。
    • Dパイプ
      1,5~2Cmぐらいでよい、ここにCO2ホースをつなぐ。
      Aパイプフタの内側と面を合わせて接着剤で接続する。
    • Eパイプ
      パイプの2~3倍程度の円を描いて「J」の形に曲げる。
      Aパイプフタに中側から長いほうをフタに差し込み、短い側がフタと2~3mm離れたあたりで接着剤で固定する。
      多少フタと短い側の距離が長くなってもそれほど問題ではないのでそこまで神経質になる必要はない。
      外に出た長い側は、Dパイプと同じ長さでカットしてしまう。
      こちらは極論、フタの外側ぴったりでカットしても問題はない、適当に…
  • Bパイプを用意する
    材料表でのアクリルパイプBにあたる。
    ポンプのホースが刺さる程度の太さが好ましいがあまり太すぎると水流がありすぎて
    ミキサーの真下に水流で穴が開きかねない…内径9~12mmあたりでよいと思われる。
    ちょっとこのパイプの加工は難しいので注意が必要です。
    • 設計図のBパイプの絵を上から順番に説明すると…
      上側にろ過フィルター排水パイプの先や水中ポンプの排水の先を接続する。
      2~3cmほどまっすぐにしておき、面取りしておくとパイプ接続がやりやすいだろう。
    • すこしへこんでいる部分はライターなどを遠くから当てて柔らかくし、ドライバーなどを
      押しつけてパイプの半分ぐらいまでへこませる。
      火を近づけすぎると焦げたり気泡ができるので落ち着いてやること。
    • へこました所のすぐ下にCパイプを差し込む穴をあける。
      一番へこんでいる部分からへこみかけた一番外枠までの間であればよい。
      • 上から水を押し込むとこのへこみ付近で水圧が上昇する。
        そしてまた広がるので水圧が元に戻ろうとする…のだが、この戻ろうとするあたりに
        水圧が上がってる場所より水圧が低い、または空洞があると水圧が元に戻ろうとするときの力でそちらに引っ張られる。
        つまりここら辺の構造はディヒューザーと同じことをしてると思ってもらえば分かりやすいか…
    • 開けた穴より少し下あたりをパイプの外形の2~3倍で曲げる。
      曲げた先をAパイプの中央付近に開けた穴に差し込むのでCを差し込む穴から曲げるまでの距離は
      Aパイプ中央穴からAパイプフタ+フタにL字のCパイプを差し込んでその先をBパイプ穴に接続…より長い必要がある。
  • A,B,Cパイプを接続する
    まず、仮組をして切断箇所をマーキングすると失敗が少ない。
    BとCの接続箇所だが設計図を見てもらうとわかりやすいが斜めに切断する方がよい。
    斜めに切断した箇所の根元側をBの内径に合わせて固定する感じにする。
    この時、Cのカーブの外側に斜めカットの先端側が来るように切断すること。
    AとCの接続箇所はフタの内側のツラでカットする。
    AとBもAの内側のツラでカットする、円柱に差し込んでいるので多少Bを内側に出した方が固定がしやすい。
    最終確認だが、Bの長い側とAの長い側が水平になるようにした方が見栄えがいい…
    位置取りが確認できたらすべての接続箇所に接着剤を塗って接続、再度隙間を埋める感じで上からも
    接着剤を塗って補強しておく、強度面に問題がある場合は硬質パテやホットボンドなので補強しておこう。
  • 最終仕上げ
    Aパイプの一番上と一番下にインシュロックやホットボンドなどで吸盤を固定したらひとまず完成です。
  • 試運転
    設計図
    設計図
    接着剤が乾いたのを確認できたら試運転をする。
    Bのパイプに水中ポンプの排水側を接続する、勢いがありすぎる場合は途中に勢いを弱める物をかますこと。
    写真には写っていないが写真の物はシャワーパイプの先端に接続されている。
    DのパイプにCO2ホースを接続する。
    逆流防止弁を接続するのを忘れずに…
    …以上である、Eには何もささなくてもよい。
     
    CO2を出して排水ポンプを稼働させ、写真のように垂直に立てた形が完成形となる。
    ちょっとの間眺めてほしいのだが以下のような動きをしていれば成功です。
  • Dパイプから入ってきたCO2はディヒューザーの要領でCパイプに吸い込まれてBパイプに入ります。
  • Bパイプには上から水が流れてくるので太くて水が流れやすい下側へと流れ、Aに出ていきます。
    この時、ディヒューザー効果でCから来たCO2はかなり細かくバラバラにされます。
  • Aに出てきた水流は中でクルクル回りながら下に排出されます。
    この時、かなり細かくなったCO2は流れに乗って排出されますが、溶けきれなくなって大きくなった
    CO2は浮力の関係でA筒の上に上がります。
    写真でBの排出先に見える気泡がまさに中でクルクル回ってるCO2の気泡ですね。
  • Aの上に溜まったCO2はDから入ってくる新しいCO2と混ざりながら再度Cに吸い込まれていきます。
    つまりこの時点でエンドレスクルクル状態になります。
    大きな気泡が外に排出されるときは排水の出力が強すぎます、調整してください。
  • 溶けきれなかったCO2や水に溶けにくいその他の気体がちょっとずつ中に溜まります。
    それがEパイプの一定の高さに達するとサイフォンの法則で自動で外に排出されます。
    この自動排出機構がちゃんと動くか念のためにCO2を多めに出してわざと排出させてみてください。
    「ボコボコ・・・」と排出されてクルクルループが再度開始されれば成功です。
     
    カウンターのサイズにもよるでしょうが…まぁまぁCO2を出してもほとんど溶けてしまいます。
    ディヒューザー構造で細かくバラバラにしてA筒で複雑な水流で混ぜ合わさり、溶けきれなくて上に上がっても
    再度溶けるまでひたすらクルクル回ります…見ていて楽しいですよw
    排出側から出ていくCO2なんてほんと目に見えるかどうかのレベルのサイズです。
    写真のものでも1秒3滴でもほぼ溶けきってしまいます。
    サイフォンで排出されるのなんて数時間に1度程度…まず間違いなくCO2ではないでしょう。
    このようにびっくりするほど効率よくCO2を溶かすことができます。
    なので運用最初は溶かしすぎに注意が必要です。
    T次ジョイントやガラスパイプのシート押し出し式のようなCO2垂れ流しタイプとは溶ける量が全然違います。
    それらと同じ量入れるともしかすると…魚が水面でパクパクして酸欠状態を示すかもしれません…
    最初は少なめから試すことをお勧めします。
 

編集者:Sufiasu

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