スコーチドアース調査書

Last-modified: 2024-01-20 (土) 20:44:51

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スコーチドアースの調査書

記録の時系列では2番目に当たる。
全く違う環境や、古生物の範囲を飛び出したARK生物、
この中に最初から放り込まれた人と他のARKからやってきたものの違いなど、
アイランドより踏み込んだ内容となっている。
※このページには全文を記載しています。また、バージョンや訳法等により、現行の分と違う部分がある場合があります。

 

登場人物、記録の内容

長いので折りたたんであります。

 
ヘレナ・ウォーカーの記録
番号内容
ヘレナ
#1なぜよりによって砂漠なんかを選んだのか?厳密に言えば「選んで」などいない。あの装置をどうやって動かしたか、自分にもよくわからない。かつて私が住んでいた島の宇宙ステーションのようなものが、突然ホログラムでいくつも表示し、選択をうながされたのだ。ああ、なぜボタンに触れてしまったのだ!その時のホログラムは果てしなく続く砂漠を映し出していた。その結果、私はここにいる。そういう向こう見ずなところは、いかにも私らしい。まあ、この機会を幸運ととらえて、最大限に利用しよう。とにかく熱射病には注意しよう…(公式訳)
#2狩りの腕がかなり鈍っていた。昔は狩りのエキスパートだったなんて口が裂けても言えないが、単に石で虫を潰す作業から卒業したと思っていたのだ。少なくとも私の努力は完全に報われた。予想どおり、この巨大な緑の昆虫たちは、飲むのに適した水を背中にたくわえている。そのことを神に感謝しよう!しかし、赤いやつを最初に殺さなくてよかった。あいつらは水でなく原油をたくわえていた。喉がいくら乾いても油を飲む訳にはいかない。もし赤が最初だったら、その時点であきらめていただろう。だがいずれ水はなくなるかもしれない。移動は今でも徒歩だ。仲間も見つからない。アテナに会いたい…(公式訳)
#3ツキが回ってきたようだ!今日また生存者達の集団とばったり遭遇した。しかも驚いたことに、彼らは友好的だった!どういう風の吹き回しかは分からないが、最近は幸運続きだ。私をこの忌々しい砂漠に送り込んだことに対して、宇宙の意志が埋め合わせをしているのかもしれない。砂漠のキャラバンである彼らは、両手を広げて私を歓迎してくれた。彼らが乗り物にしているのは、非常に魅力的な生物だった。おそらく恐竜の一種だが、ラクダとも生物学的なつながりがあるように思える。しかし不思議な生き物だ!あれだけ奇妙奇天烈だったあの島にも、こんなのはいなかった。彼らをじっくり観察してみたいが… まずは一眠りしてからだ。砂漠で命懸けの暮らしをしてきたせいで、体中が悲鳴を上げている。(公式訳)
#4あの島ではなくこのステーションに最初にたどり着いていたら、ここの生態系が自然の産物だとは1秒足りとも思わなかっただろう。例えばモレラトプスだ。彼らはケラトプスとモレラドンとラクダの交配種だが、最も奇妙なのは、背中のこぶに栓をさせば、清潔な飲料水を入手できるという点だ。味はまるで小便のようだが、安全かつ彼らの体にダメージを与えることもない。全くとんでもない生物だ!遺伝子操作が行われたのは間違いない。まあ、今更驚くことでもない。まずは事実を認めて、次は理由を突き止めるべきだろう。この新たな観点からここの生物達を研究すれば、答えは得られるはずだ。(公式訳)
#5キャラバンの人々がエンドレスデューンズと呼んでいる場所を見せて貰った。それはこの地域を全方位から囲んでいる荒涼とした砂の海だった。実際はこの砂漠にも果てはあるのだろうが、無限と呼びたがるのも頷ける。地平線の果てまで続いていて、それはもちろん人工的な投射映像だと思われる。しかしそこは巨大な砂漠「ミミズ」の生息地でもあり、彼らの縄張りに足を踏み入れたものは全て飲み込んでしまう。最初は笑い飛ばしていたが、後に電車くらい大きな化物が砂の中から飛び出し、野生のモレラトプスを貪り食う姿を目撃した。あれに気付かれることなく歩く方法を身につけるしかなさそうだ…(公式訳)
#6あのデスワームというとんでもない生物にも、役割があることが分かった。彼らは自然の障壁なのだ。もしこの地が自然界を模倣した宇宙ステーションなら、その中にいる野生生物と人間も、自然に存在するように見せかけなければならない。以前の島には海があり、それが成り立っていた。だがこの砂漠では、海の代わりにデスワームがいる。餌が少ない環境では、大量の栄養を必要とする捕食動物の大部分は、長くは持たずに死に絶えてしまう。しかしここは人工的な世界であり、デスワームに餌を与えるのも、死んだら補充するのも、宇宙ステーションの管理者の思いのままだ。少し考えすぎかもしれないが、その可能性は十分ありうる。(公式訳)
#7ここまでの事実をおさらいしよう。あの島と同じく、この砂漠も自然環境を装った宇宙ステーションだ。遺伝子操作によってつくられた危険な生物が多数、そして必死で生き延びようとする人類が少数存在している。この環境は、人工的な領域と自然の障壁によって意図的に作られている。他の宇宙ステーションも同様であることが予想され、壮大なスケールで実施されている何らかの奇妙な実験であると考えられる。つまり、各ステーションは条件の異なる試験体として… 続きは後にしよう。キャラバンの1人がたった今大慌てで戻ってきた。信じ難い話だが、岩が生きているなどと言っている。(公式訳)
#8雪山をうろつくティラノサウルスが不条理の極みだと思っていた日々が懐かしい。昨日までなら、それが当たり前のことだった。あの斥候が雄弁に語った通りに、岩が生きていた。生きていて、巨大な二足歩行のゴーレムの姿をしていて、非常に攻撃的だった。それが襲ってきたとき、他の人と同様に吹き飛ばされ、その瞬間、私は死をを覚悟した。だがその時、もっと不条理なことが起きた。稲妻がゴーレムに直撃したのだが、それは空から降ってきたわけじゃなかった。血まみれのドラゴンの口から発せられたものだったのだ。それからはもうよく覚えていない。そのあとは恐怖と本能にほとんど支配されていて、それは私が行きのこる助けとはなったが、私は再び一人になってしまった。(編集者訳。公式訳はなぜかアイランドのものが参照されている?)
#9今思い出したが、あのドラゴンにはライダーがいた!いや、2本脚で立っていれば、正確にはワイバーンだ。とにかく、私は生きるために戦い、その意味を探し続ける。ライダーは見つからないように上手く隠れていたが、あれはメイ・インだったか?判らない。彼女が生きていたかどうかも知らない。この砂漠ではその可能性は低い。しかし、あれだけの生物を飼い慣らしている様が彼女と重なるのは確かだ。彼女が私を見守ってくれていると空想してもいいだろう?実際、私たちは友達だった… よね?こういう時に友達がいればよかったな。
#10違う意味で最高の友達を見つけた。この小さな毛玉を私は連れて行くことにした。彼女はRenoplla amplexusという種だ。小さくて愛らしい草食動物で、私の知る限り、テイムしても役立つことはない。それでも彼女を放っておくことができなかった。ゴーレムやワイバーンとのいざこざで、自然の摂理に手を出さないという私の唯一の科学的信念はどこへ行ってしまったのだろうか?夜に彼女を抱いていれば凍えることもないし、そのおどけた仕草などは癒しになっている。そろそろ名前を付けてあげようかとも思っている。
#11レノピラが役立つとは夢にも思わなかった。今朝、彼女が興奮した様子で跳び回っていて、落ち着かせようとなだめていたら、直後に雨が降り始めた。偶然だと思ったが、その後も飲み水を確保しようと外出していた時、彼女の様子が変だったため、念のためシェルターを確保した。その数分後に小雨は嵐に変わった。この因果関係を結論付けるにはまだ証拠が足りない。しかし、彼女に天候予知能力があるとすればありがたい。何の捻りもないけど、レーダーという名前はどうだろう?
#122日前に高地を探す決断をしておいて良かった。そうでなければ、この開拓地を見つけることはなかった。自分の決断が幸運を招いたのはこれで2度目だ。こんな幸運に頼ってばかりいるわけにはいかない。しばらくはここで過ごしながら、次に向けて準備を整えよう。幸い、村人たちは労働の対価として物資と寝床を提供してくれる。これもまた幸運で、当たり前だと思わないようにしよう。島では、ロックウェルの名前で楽ができたが、ここでの私はただの見知らぬ人間だ。全員が私を信頼して手を貸してくれるわけではない。自分の力で生き延びなければならない。
#13ある意味、一人で生きる方が楽なのかもしれない。少なくとも、これほどの手作業を強いられることはなかった。ああ、身体中が痛い!レーダーみたいに愛嬌があれば、こんな重労働をせずに済んだのかもしれない。今や村全体が彼女の虜だ。ふわふわのお姫様のように甘やかされている。ロックウェルだったらこの事態を許さないだろう。学者にはそれ相応の礼儀を持って接しろと怒鳴り散らすだろう。彼が元気であることを願っている。この謎が解明された暁には、この島から抜け出す方法が分かり、昔のように2人でお茶でも飲みながら話し合えればいいな。(公式訳)
#14最後に発砲したのはいつだったか頭では思い出せないが、身体は良く覚えている。師匠は、私が射程圏内にいても脅威ではないと言っていた。私は平和主義者ではない。死と暴力は生きることの一部で、自然の摂理だ。それでも銃には少しばかり違和感がある。人を撃つという行為は間違っていると本能的に感じる。島ではあのニューレギオンさえ撃つことができなかった。しかし、そうも言っていられない。村の住民は私を歓迎し、許容してくれている。彼らのためには訓練をしなければならない。(公式訳)
#15想像より早く私の射撃技術を披露することになるかもしれない。狩猟チームがこちらへ巨大カマキリの群れが向かっていると報告してきた。そう、巨大カマキリ。直接見たわけではないが、村人たちの間ではこの話題で持ち切りだ。彼らによると、この昆虫たちは武器や道具を巧みに扱う小さな手を持っているらしい。正気とは思えない話だが、巨大カマキリという時点で、もはや現実離れしている。せめて食人の風習がないことを祈る。戦いを挑もうとする人間はいないし、今から逃げるにしても遅すぎる。通り過ぎてくれればいいが…(公式訳)
#16カマキリがこの村を通過するとは根拠のない私の希望であり、皆が翌朝を迎えることができないと考えていただろう。あれだけの訓練を重ねたが、ライフルはいつもより重く、震える手の中にあるそれは違和感しかなかった。彼は接近してきたが、幸い来訪者は他にもいた。接近するカマキリに上空から炎や電撃が降ってくると、村人たちは喜びの歓声を上げた。名前を叫ぶ者もいた。「ワリ・アル・アスワド」。黒のローブで身を隠したそのライダーは、大喝采に応えることはなかった。迅速かつ効率的に、そのワイバーンの小隊はカマキリの群れを一掃した。ワリ・アル・アスワド… 何としても会いたい。感謝を伝えたい。(公式訳)
#17問いかける人によって、ワリ・アル・アスワドは何者かという答えは変わる。村人の中には、困った時に現れる天からの守護者であると信じ、信仰に結び付けている人もいる。ワリがこの星の生命体でないと確信している者さえいる。私に信仰心はない。私は経験したことしか信じない。つまり直接会うまでワリについて言えることは何もない。この村の親切、特にモレラトプスと物資を譲ってくれたことは忘れない。しかし私がここに来たのは、答えを見つけるためなのだ。(公式訳)
#18この砂漠で生き抜くための心構えや装備は以前とは比べ物にならない。モレラトプスに大量の水を確保させ、レーダーは天候を教えてくれる。唯一の恐怖は、巨大な捕食者たち。それと巨大なゴーレムだ。自画自賛になるが、ここまで自分が築き上げたものには感心する。それないに時間も掛かった。もう何年も甘い物は口にしていないが、その方がダイエットには良い。でもやっぱり甘い物が恋しい。チョコレートをもう一度味わうためには…(公式訳)
#19探索に数週間を要したが、ついにワリ・アル・アスワドを見つけた。近付いていることは分かっていた、でも今朝閃電岩層を見つけた時はそれを確信した。さらに午後には数頭のワイバーンと共にいる1人のライダーを発見した。ライダーは私のことをはっきり見ていた。なぜならその直後にワイバーンたちが私の頭上を旋回し始めたからだ。私は手を振って、大声であいさつをした。念のため、メイ・インの名前も叫んでおいた。しかし、返事はなく、そのまま飛んで行ってしまった。ワリは社交的とは言えないようだが、このままあきらめる私ではない。(公式訳)
#20ああ、ワリが過酷な山を住処にしているとなぜ気付かなかった!昨日、ワイバーンたちが頂上に降りたのを目撃した。そこから発った様子もない。面倒だがあそこに住処があるのだろう… 山洞は私のモレラトプスには狭すぎるので、置いて行くしかなかった。私が戻らなければ勝手に逃げてくれるだろう。登り始めたのはいいが、想像以上に厳しい道のりになりそうだ。これだけ登っても腹筋が割れなかったら、キレるかもしない!!!(公式訳)
#21山頂に辿り着いた時、私がどのような歓迎を望んでいたかは覚えていないが、少なくとも笑い声ではなかった。しかし私が全身の力を抜き、この山に対するあらゆる暴言を吐きだした瞬間、彼女の笑い声が私の耳に鳴り響いた。ぼんやりとした老女の声だった。ワリ・アル・アスワドは断じて守護天使ではなかった。彼女はこの哀れな場所を神がいかに見捨てたのかという見解を一蹴した。この件について私が振れない限り、彼女はなんでも私の質問に答える気があるようだ。とは言え、それは奇妙に感じられた。彼女に対して慎重になるべきだ。(公式訳)
#22どうやら私からワリを見つけたのではないみたいだ。彼女が私を見つけたのだ。ポータルの入口ではそれなりの驚きを体験したが、どうやら出口にも同様の現象が発生していたようだ。ワリによると、ワイバーンからそれを見つけられたのは容易で、その後私を尾行していたらしい。彼女がタイミング良く表れたのは偶然でも何でもなかったのだ。オベリスクやその守護者、あるいはこの砂漠が宇宙ステーションであることを話した時も、それほど驚いているようには見えなかった。私よりもこの世界を熟知しているのか、もしくはそれ以上の驚きを体験しているのだろうか?(公式訳)
#23空を飛ぶことが恋しかった。雲の上から見る日の出ほど美しいものはない。ワリがワイバーンの乗り方を教えてくれるようになったのは、会話が込み入りすぎた時に逃げるためだろう。だけどそれでいいんだ。見た目は異なるが、ワイバーンに乗るのはアルゲンタヴィスに乗るのと同様に快適だ。サドルがなくても気にならない。そのように設計されているのだろう。遺伝子操作によるものだろうと、彼らが壮大な生物であることに変わりはない。危険を伴うが、いつか野生のワイバーンを観察したい。そんな機会を逃すことは私にはできない。(公式訳)
#24私がワイバーンを乗りこなせることを証明した結果、ワリはこの地域の見回りに同行させてくれた。私が知る限り、ワリはこの場所で長い時間を過ごしている。おそらくロックウェルよりも長い。全ての村や遺跡の歴史を知っている。南東の方角に大きな街があったようだが、いつしか消滅したらしい。細かい部分については未だに語ってくれないが、詮索を続けようと思う。その点でレーダーの存在は心強い。この毛玉が近くにいるときはワリの機嫌も良い。彼女が一緒にいてくれて良かった。(公式訳)
#25ワリから自然について勉強する時間を与えられたことは感謝しているが、彼女はそんな私を面白がっているだけのようにも思える。「誰も読まないようなものを何時間も書いて何が楽しい?」とも言われた。正直、返す言葉が思い浮かばない。確かに私の調査書は誰にも読まれないだろう。この場所に閉じ込められている限り、出版する術はない。書き始めた当初は、自然に対する愛がそこにはあった。今はどうだろう?もうこれは、私の存在意義なのだ。記すことによって、私が私でいられるのだ。(公式訳)
#26先日信じられないことが起こった!ワリが砂漠でさまよう人影を見つけたのだが、それは何とあのエドモンド・ロックウェルだった!知人との再会に私は思わず泣き出しそうになった。ロックウェルは私がネルヴァに捕らわれていると聞きつけ、私を解放するように、彼と交渉するつもりだったようだ。そして洞窟に入ると、ここへたどり着いたらしい。私のためにわざわざそこまでしてくれるなんて、何て優しい人なのだろう!奇妙なことに、私のポータルが開く直前、ワリは彼女の縄張りから遠く離れたところでポータルが開くのを見たと言っている。おそらくそれはロックウェルのポータルだ。しかしワリが現場に到着するのが遅すぎたため、すでにロックウェルの痕跡は消えていた。ポータルは時間と空間を越えた移動を可能にするというのがロックウェルの立てた仮説だが、今私が一緒にいる人達を見れば、それに賛成せざるを得ない。(公式訳)
#27ロックウェルを見つけて以来、ワリはとても静かになった。2人の時間を与えてくれているのだろう。とは言え、私たちがネルヴァの野心について話をしていたとき、彼女は興味深いことを言っていた。「この地を征服することは、この地が許さない」そう言っていた。彼女曰く、南東の大都市はオベリスクによって滅ぼされたということしか語らなかった。憶測の域は出ないが、考えがいのある情報だ。このステーションの管理者が人類の行いを監視していて、真相に近付きすぎたものは罰せられるのだろうか?各ステーションがより大きな実験の各試験体だとして、人類の進歩が「リセット」されているという考え方は決して飛躍ではないと思う。そうだとしたら余りにも末恐ろしい。ゾッとする。(公式訳)
#28ロックウェルはいつ眠っているのだろうか。夜中に目を覚ますと、彼は火の灯りで奇妙な鉄の欠片を観察していた。どこかのトライブが土産として贈ったものだろうが、見覚えのあるアーティファクトも持っていた。私はそれをワリに見せるように言った。そして彼女はそれがここの唯一の守護者であると言った。彼女の知識からすれば、以前にオベリスクを起動したことがあると聞いても驚きはしなかった。それどころか、彼女はあの獣を倒した経験もあるようだ!守護者のアーティファクトを持っていれば、どうやらいつでもこの地を離れられるらしい。そろそろここともお別れだ。ワリと会えないのは寂しいが、ロックウェルもそれを望んでいる。(公式訳)
#29私たちを「コントロールセンター」まで連れ戻してくれるトランスポーターは、山のさらに南にある廃墟と化した所にある。南東の街同様、ワリはオベリスクによって破壊されたと思っている。私も情報が無いわけではないので、それ以上の詮索はしなかった。ワリはその廃墟の話だけは口を割らない。南東の街に連れて行ってもらったときも必死で頼み込んだが、現地に着いても彼女は何もせずただ遠くを見つめているだけだった。わざわざ彼女の機嫌を損ねる必要はないだろう。これまでの彼女の貢献に敬意を表し、別の道を歩むことにしよう。(公式訳)
#30廃墟を通り抜けプラットフォームに無事に着いた私たちを見届けると、ワリは去って行った。あれだけ世話になっていたから、彼女がいなくなるのは悲しかった。お互い笑顔で別れられたのが唯一の救いだ。もちろんレーダーも同じだ。彼女を連れて行くことができないので、ワリに託すことにした。2人なら上手くいくだろう。ああ、また「ワリ」と書いてしまった。しかも2回も!クセというものはどうしようもない。ワリは彼女の本名じゃない。分かっていたのに、彼女はそれを訂正することはなかった。少なくとも今までは。とにかく、幸運を祈っている、ライア。あなたに出会えて本当によかった。(公式訳)
エドモンド・ロックウェルの記録
番号内容
ロックウェル
#1一体何なんだ!いくら考えても、あの祭壇で見つけた機械の正体が分からない。また混乱してきた。ここにかつて私の助手をしていた、あの眼鏡をかけた神経質がいれば… 名前は何だったかな… ジェラルド?ジェラーデ?運が悪い連中から頂戴した機器をいじるのが好きだったあいつだ。奴がここにいればよかった。いい奴だった。そう言えば、初めて「ARK」という言葉に触れたのも、奴が拾ったその手のガラクタの内部にそれが刻まれているのを見つけたときだった。だが奴はコンプソグナトゥスにやられたのは残念だった。あのような優れた助手がいたら、こんな荒涼とした砂漠に来ることもなかっただろう… いや、こんな調子ではだめだ。ロックウェル、弱音を吐くな!与えられた機会を最大限に利用するんだ。(PS4公式訳)
#2さてと!灼熱地獄から避難できる場所を見つけたことだし、この日陰の休息所を拠点にして、我が探検の目的を明確にしよう。意味もなくたださまよっていては、ジェラルドと同じ運命を辿るのが落ちだ。まず地元の部族を見つけよう。もちろん物資と乗り物を手に入れるためだ。次に、祭壇の壁を覆っていたあの奇妙な金属について調べる必要がある。軽く調査しただけで、あれに驚異的な可能性が秘められていることが分かった。だがこの地でも見つけられるだろうか?(PS4公式訳)
#3砂漠ほど自分の死を意識せざるを得ない場所はない。私が屈強な若者であれば、この砂漠で一人何年も生き抜くことができたかもしれない。私はかつて、空のフラスコ瓶とお気に入りのパイプのみでベンガルトラをやり過ごしたことがある。この間に合わせの槍があれば、怖いものなしだったはずだ!しかし、年を重ねるにつれこの忌々しく無慈悲な太陽が体力を奪い続けていることを実感する。日に日に移動できる距離が短くなっている。どれだけ原始的であろうと、一日も早く文明を見つけなければならない。しっかりとした道具と物資がなければ、この冒険も長くは続かない。(PS4公式訳)
#4ヒャッフー!人間の痕跡をついに見つけたぞ!今日の午後、最近つけられたばかりの足跡が遠くへ続いているのを発見した。人のものと大型の家畜と思わるものが混在していた。誰の足跡かは分からないし、彼らの文明度も不明だが、贅沢はいえない。救世主がいただけでもありがたいと思わなければ。体力が戻り次第、正体不明の足跡を全力で追いかけよう。素晴らしき紳士にして学者のサー・エドモンド・ロックウェルの物語を、今日ここで終わらせる訳にはいかない!(PS4公式訳)
#5救済、汝の名はプロフェッツ・レストなり! 適切に食事をし、日陰でしばらく休むと、間に合わせの砦はその名に全く相応しくない場所に思えた。だが砂丘の向こうに立つ壁を最初に見たとき、それはまるで黄金郷のように私の目に映った。私は偶然の発見をただ感謝した。ここに来て出会った住人はほんのわずかだが、彼らは食べ物と休む場所、そして身体を拭くための濡れた布(貴重な水をそんな風に使うとは、よっぽど気前がいいのだろう!)を提供してくれた。どうやら友好的な部族のようだ。しかし彼らの服装には首をひねりたくなる。あのローブは機能よりも儀式的な意味合いを重視したものか?(PS4公式訳)
#6プロフェッツ・レストは要塞というよりはむしろ、飛び地や修道院といった趣がある。名前からしてそういうものだろう、そうに違いない。奇妙に思えるかもしれないが、ここの原住民はARKのオベリスクを中心とした原始的な宗教を作っていた。彼らは一日に三回、そのたびに異なるオベリスクに向かって祈りをささげる。その服には赤、緑、青の星が描かれている。青いオベリスクは、近くにあるために特別視されているようだ。彼らは彼らの信仰するもの(原文では迷信)について魅力的なまでに無知であるために、私が遭遇したことのある最も野蛮な宗教とは大きく違う。また、プロフェッツ・レストは医者を必要としており、私は物資を必要としている。(編集者訳)
#7プロフェッツ・レストがなぜあれほど水に対して気前がいいのか分かった。庭の端にある井戸は、地元の人間が「水脈」(地中から無限に湧き出てくる水)と呼んでいるものの上に直接建てられている。この存在はちょっとした奇跡だ。だがあの祭殿で私が目にしたものに比べたら「ちょっとした」という形容詞がしっくりくる。ARKは、この島がそうであったように星の中を漂っているのだろう。途方もない発想だ!そんなことがあり得るのか、私には知る由もないが、あの素晴らしい金属鉱石が鍵になっているはずだ。それだけは間違いない。(PS4公式訳)
#8修道院の医者として私の仕事の多くは取るに足らないものだ。時折、負傷した守衛がやって来るが、熱中症や軽い病気などの治療が多くを占めている。このため、プロフェッツがオベリスクについて知っている程度のことを学ぶ時間が十分にあった。彼らは、文字通り信仰の柱となることについて驚くほど無知である。オベリスクが起動可能な装置であることも知らない。言わずもがな、起動させた経験もない。アーティファクトについては多少の理解があるようだが、どちらにせよ私は探究を続けていくしかない。(PS4公式訳)
#9信じられぬ。この偶像崇拝の間抜けどもは、判断力のすべてを盲目な献身と入れ替えでもしたのか?息苦しいほどの暑さの中で何年も過ごすうちに頭が狂ってしまったのか?私はようやく修道院の聖域を見ることを許されたが、この原始人どものあがめる祭壇の上に安置されていたのは、私が島の地下で見つけたのと同じような、輝くアーティファクトだったのだ。だが、このうすら馬鹿どもはそれを利用するでもなく、研究することもせず、代わりに祈るばかりだ!このアーティファクトの正しい価値は、ここにいるヌケサクどもになどわかるまい!神聖な遺物だと?まったくだな!(編集者訳)
#10時間は掛かったが、ようやく1人で生きるための十分な物資と道具が集まった。これらをラクダのような獣に乗せるのは骨の折れる作業だった。しかし何より大変だったのはアーティファクトを盗むことだ。内部は常に見張られている。私は守衛たちの交代時間を注意深く観察し、誰の飲み物にクスリを入れるべきかを見極めた。その後も迅速かつ抜け目なくことを進めた。そうしなければ、朝の祈りにやってきた司祭に気付かれてしまう。彼らが気付く頃にはもう手遅れだ!サー・エドモンド・ロックウェルはいつも敵の一歩先を行く。それも単なる一歩ではない。奴らの手が届かないほどの大きな一歩だ!(PS4公式訳)
#11プロフェッツ・レストを発ってから数日経つが、どうやら尾行されていないようだ。予想通り、彼らは私が最も近くにある青のオベリスクを目指すと踏んでいるのだろう。残念ながら私が目指すのは緑のオベリスクだ。単細胞の狂信者どもを出し抜くのは容易い。私はお前たちのはるか先を行くぞ!邪魔者がいなくなったところで、少し腰を落ち着けて、奴らの聖なる遺跡とやらについてしっかり調査をしておく必要がある。使われている材料が星明りの祭壇の金属鉱石との類似性について、とても興味がある。(PS4公式訳)
#12オベリスクは私が想像していたよりも強くアーティファクトに反応している。島にある各オベリスクからこのような反応を引き出すためには8つのアーティファクトが必要だ。3つでは足りない。つまり、ARKが私のために用意した恐ろしい獣を召喚する前に、洞窟探検はこれ以上しなくても良いということだ。あとはあの獣だ。私の若さとお気に入りのパイプをもってしても、ミスター・ネルヴァが戦ったようなドラゴンに勝てる見込みはない。1人ではなおさら。相棒が必要だが、適任者はいるだろうか?(PS4公式訳)
#13原住民たちと接触するため、北に引き返すことにした。もちろんリスクを伴うのは分かっている。オベリスクを崇拝するカルトの息が掛かった粗野な連中がどれだけ待ち受けているだろうか。しかし、私の知る限り、人がいることが確定している唯一の地なのだ。力を貸してもらうための対価はあまり持ち合わせていないが、少なくとも1つのARKのトライブとなら交渉する機会はあるだろう。気付けば何年もこの島の外交を担ってきた。私は経験豊富で雄弁な交渉者だ!原住民と同盟を結ぶくらい朝飯前だ。(PS4公式訳)
#14何という不運だろう!私の優れた方向感覚のおかげで現地の開拓地にだどり着くことができたのに、そこを訪れたのは私が最初ではなかった。バーニングフェニックス一派は略奪集団で、私が到着した時には、貯蔵庫から物資を略奪したり、居住者たちを奴隷化していたのだった。当然、その無法者たちは私の姿を確認すると、貴重品などを奪っていった。悪党め!日記だけは死守したが、他はほとんど盗られてしまった。最悪だ!武闘派のトライブを見つける必要がある。これを良い機会と捉えるべきだろう。(PS4公式訳)
#15頭の固い野蛮人どもめ!礼儀正しく紳士的に何度も頭を下げたのに、リーダーに会わせてくれない。愚かな未開人ならともかく、集団の長ならまだ話が通じると思ったのだが… それと、周囲から聞こえるこの泣き声はどうにかならないのか!これではまったく集中できない。囚人達の半分はここやあそこを怪我したと嘆き、残りの半分は意味もなき絶えずわめいている。まあいい。私が怪我人を看てやれば、この耳障りな騒ぎも少しは収まるだろう。(PS4公式訳)
#16ついに静かで落ち着ける場所を手に入れた!傭兵達により私は個室へ移された。移動の理由を教えてくれなかったが、治療中に彼らの視線を感じることが何度かあったので、おそらく私の医療技術に目をつけたのだろう。この地では医者が必要とされているようだが、そのことは驚くには当たらない。ここも他の場所と同じということか。それならそれで構わない。医者としての私の技量は衛生兵の域を超えないが、自分の立場が有利になるなら、与えられた役割を演じ続けよう。(PS4公式訳)
#17何日もかけて移動した末、ようやくバーニングフェニックスの集落に到着した。かつての仲間達は奴隷小屋に連れて行かれたが、私は部族長の面前に立たされた。その昔栄華を誇ったタタール帝国の話を聞いたことはあったものの、彼らの地に足を踏み入れたことはなかった。ただ、どこからどう見ても、部族長のティムールは伝説のカーンに生き写しだった。威厳ととっつきやすさを兼ね備えた彼は、革と骨でできた王座に腰掛けたまま、苛立った様子で私に問いを投げかけた。彼は私の知性と紳士的な立ち振る舞いに感銘を受けたようだ。はっきりとそう口にしなかったものの、それは明らかだった。なぜなら彼は独房ではなく、こぢんまりとした個人用の寝室を私にあてがったからだ。(PS4公式訳)
#18ティムールが医者を求めた理由をずっと考えている。彼はいたって健康そうだし、私がここに来て以来、患者という患者を見ていない。まあ、これ以上考えても仕方がない!ティムールには妻がいて、妻は子供を育てている。血に飢えた侵入者でさえ、恋に落ちることはある。あるいは少なくとも、家族を求める。私自身は女性を守り、子を授けることを求められなかったので、少し変わっているのかもしれない。出産の時に子供や妻を失うリスクに耐えられそうにない。そしてそうなった場合、私はすぐさま後を追うだろう。(PS4公式訳)
#19ナスリンと彼女の夫は全く異なる人間だ。彼女は小さな花のように控え目で、というよりは、妊娠がそうさせているのかもしれない。今も自分のタイミングが適切だったのかは判断しかねる。数週間後に、ティムールは医者を必要としないのかもしれない。しかし、準備する間もなく馴染みのない状況に立たされる可能性もあるのだ。私が置かれている困難な状況は置いておくとして、この一連の出来事をとても興味深く思っている。ARKで次世代にバトンを渡す可能性については思ってもみなかった。しかし、考えてみればこれは自然なことだ。その他の動物と同様に、人類にも生殖本能はある。それが種を維持させる唯一の方法だ。(PS4公式訳)
#20ロックウェルよ、お前はもう一度成し遂げたのだ!母子ともに無事で、ティムールは父となったことを誇り、私の頭はまだ肩にくっついたままだ。それこそが私がティムールの祝いの宴の主賓でさえあった理由だ。バーニングフェニックスの余興の血みどろの協議は楽しかったとは言えないが、食事は美味しかった。私はティムールにオベリスクやアーティファクト、それらによって手に入る莫大な力についてささやくことで、一時的な信頼を得られることも確信していた。それらについての考えた行動に移るまでには時間がかかるかもしれないが、注意しておけば、私は彼を無意識のうちに将軍に変えることさえできるかもしれない。(編集者訳)
#21サー・エドモンド・ロックウェルは、またしても説得に成功した!不運なキャラバンや村々を破滅させているバーニングフェニックスに対して、我慢の限界が来た私は、ティムールにオベリスクの守護者を相手に力試ししてはどうかと持ち掛けた。確かに不安はある。ティムールはミスター・ネルヴァのようなリーダーではないし、彼の敗北は私の敗北を意味する。それでも他に選択肢はなく、成功の対価はそのリスクを補って余りある。オベリスク、星明りの祭壇、それにあの貴重な鉱石があれば、私が科学者、紳士、探検家であった歴史を刻むための礎となるだろう。(PS4公式訳)
#22見つけたぞ!ついに見つけた!祭壇にあった謎めいた鉱石と同じサンプルだ!あの恐ろしい獣が保護していたのだろう。ティムールと彼の残虐性には感謝しなければならない!彼がワイバーンの背から飛んだ時はもう駄目だと思ったが、あいつはあの化物の角を掴み、眼を執拗に抉った。あれほど残忍で効果的な蛮行は見たことない。もちろん、この戦いで多くの仲間を失った。だがこれも想定内だ。進歩は犠牲を伴い、彼らがそれを認識していなくても、彼らの死によって人類は未来に進むことができるのだ。(PS4公式訳)
#23この鉱石は本当に特別だ!凍えるような砂漠の夜でも触れば温かいし、まるで心臓があるように脈を打っている。私が知っているどの天然素材より軽くて丈夫だ。このような物質から何を作ることができるのだろう… 名前でも考えるべきだろうか。何が良いだろう?ロックウェリウム?エドモニウム?残念ながら、今は他にやるべきことがある。ティムールとバーニングフェニックスは役割を果たした。いつまでも甘えているわけにはいかない。偉大な戦士に求めていたものを渡す時が来たようだ。(PS4公式訳)
#24ティムールに哀れみを。勝利に浮かれるあまり、最大の脅威が迫っていることに奴は全く気づいていなかった。今その身体は、自分が倒した獣の切断された頭部の下敷きになっている。両目は腫れ上がり、開いた口からは血が流れ落ちている。少なくとも、私の記憶ではそうだ。私は自分の手柄に酔いしれることなく、バーニングフェニックスの戦士達の最初の一団が毒入りのごちそうに倒れると、すかさずその場を去り夜の闇に消えた。アーティファクトとエドモニウムを手にして。悪党どもには天罰が下ったのだ!私のような紳士的な学者に相応しいもてなしを怠ったせいだ。彼らがいなくなり、この砂漠の未来は明るくなった。(PS4公式訳)
#25バーニングフェニックスの野営地から首尾よく立ち去ったが、手持ちの物資を確認する暇はなかった。狩りをして補給しなければならない。だが一向に構わない!かつて私はセレンゲティの平原で、突進してくるサイを打ち倒した。あの頃の元気はもうないかもしれないが、野営地から持ち出したこの武器があれば、何とかなるはずだ。友好的な部族に遭遇したら、すぐに武器を情報と交換することも考えたが、弾薬を数発自分のためにとっておくのもいいだろう。(PS4公式訳)
#26使える器具は限られていたが、エドモニウムの初期実験を何とか行うことができた。私の知見に基づけば、一般的な溶鉱炉ではエドモニウムの鉱石を溶かしてインゴットにするのは不可能だ。おそらく金属結合の度合いが強すぎて、融点が通常の金属よりも高くなっているのだろう。もっと本格的な実験のためには、研究所のような施設を作らなければならない。しかしサンプルの量が少ないため、後先を考えず実験に没頭する訳にもいかない… くそっ!この件についてはまたあとで考えよう。ぐずぐずしていると、砂嵐に巻き込まれる恐れがある。(PS4公式訳)
#27忌々しい天気だ!砂嵐のせいで馬とはぐれてしまった。しかも空が晴れると、あの裏切り者のミス・ウォーカーと再会する羽目になってしまった。私に会えてどれほどうれしかったのか、彼女はあらゆる嘘をまきちらした。だがあの女の本性など全部お見通しだ。彼女の狙いは間違いなく私のエドモニウムだ。手っ取り早く私を殺して奪おうとしないのは、私の知恵がなければその活用方法が分からないからだ。ミス・ウォーカー、それならこちらにも考えがある!しばらくは温厚な老科学者を演じさせてもらおう。しかしお前にだまされることは二度とない!(PS4公式訳)
#28自分に先を見通す力があったことに感謝しよう。ミス・ウォーカーがあの島で囚われの身になったとき、私は自身の存在を隠した。だから彼女は、私が彼女の裏切りを知らないと信じ込んでいる。それを巧みに利用して、私はあの詐欺師を逆にだましてやった!彼女に連れ添ういかめしく口うるさい女は、また別の問題だ。あいつは鋭く疑念に満ちた視線で、こちらを睨んでいることがよくある。ティムールと同じ方法で対処してやってもいいが、彼女はティムールより用心深いかもしれない。ひとまずできるだけ上手く私の本性を偽ることに集中しよう。(PS4公式訳)
#29私はミス・ウォーカーを買いかぶっていたのかもしれない。エドモニウム鉱石については、特に考えもなく黙認していたが、彼女が関心があるのは私が持っているアーティファクトだ。もっと早く気付くべきだったが、彼女の専門は生物学だ。エドモニウムの特性など彼女には理解できないだろう。この事実に少し安心したよ。ミス・ウォーカーが私を出し抜こうと企んでいたとしても、彼女が狙っているものは的外れだ。エドモニウムの研究に細心の注意を払っている限り、遅れをとることはない。(PS4公式訳)
#30怖そうな目つきでにらんでくるあの「ワリ・アル・アスワド」という女とは、早くおさらばしたい。向こうもそう思っているはずだ。彼女は「星明りの祭壇」へと続くARKの入口まで我々を送り届けてくれたが、別れの手土産はそれだけだった。「砂漠の魔女」がいなくなれば、ミス・ウォーカーと私にとって状況は好転するだろう。ミス・ウォーカーはエドモニウムに秘められた力に全く気づいていない。そして島で彼女が行った策略について、私が何も知らないと信じ込んでいるようだ。彼女がおもちゃや骨とう品で今後も遊びたいなら続けるがいい。暇だったら手伝ってやってもいい。ひとまず彼女の目と鼻の先で、宇宙で最も素晴らしい物質の秘密を、私が解き明かしてやろう!(PS4公式訳)
ジョン・ダケイヤの記録
番号内容
ダケイヤ
#1古い習慣は抜けないものだ。俺自身がその証拠だ。素っ裸で腕に何か分からないものを埋め込まれた状態で目覚めたその数週間後には、銃口を人に向けながら盗みを働いていた。ここはテキサスでもアリゾナでもないが、俺は同じジョン・ダケイヤだ。なぜだか分からないが落ち着かない。好きでやっていたわけではないが、以前はこんな人生を気にも留めなかった。気付いたらやっていた。少なくともそう言い聞かせていた。もう深く考えるな。おそらく俺はそういう人間なのだ。(公式訳)
#2銃で脅して無理矢理小銭を奪うより、平和的に情報を共有するほうがいい場合もある。俺の新たな仲間の中には、それが分かってない連中がいる。特にひどいのがブロンディーだ。あいつは引鉄から指を離せないんだ。そして岩のように頑固だからなおさら始末が悪い。「ブロンディー」と呼ばれることにすら腹を立てているが、あいつの本名を発音するのが俺達にとってどれほど困難か、自覚がないようだ。もしブロンディーに全部任せていたら、あの狩人から南東にいる集団について聞き出すことはできなかった。彼らが獲物の皮よりもっといいものを持っていることを期待したい。(公式訳)
#3信じられないくらい簡単だった。第一ここには警護の者がほとんどいないし、もしいたとしても、銃弾の代わりに優しい微笑みで歓迎してくれるような連中だ。普通に歩いて中に入るだけでよかった。集落は予想を遥かに超える大きさだ。守りは薄いが、その規模には感動した。住人はみんなで協力し合って、小さな楽園の建設にいそしんでいる。まぁそう長くは続かないが… この場所について訊くと、彼らは口をそろえて「ライア」と呼ばれるリーダーの功績を称える。俺の仲間は散り散りになって、物資のありかを探し回っている。だが俺にはその「ライア」という謎の女性のことが気になった。果たしてどんな人物だろうか…(公式訳)
#4何が俺をこの砂漠に導いたのかは分からない。故郷では、祖先の魂によるものだと言うだろう。あるいは神のお導きだと言う人もいる。何であろうと、あの女と話をした後では、受けた恩恵を無駄にしていると思う。ここに俺の過去はない。ここでは賞金首ではないし、俺にとりつく悪霊もいない。なりたいと思う男になれる。だから、今日決断しよう。ここにいる人々から奪うことはできない。彼らに必要なのは保護となり、俺が彼らを守る。そのうち保安官と呼ばれるかもしれない。(公式訳)
#5ブロンディーは俺の決断に賛同できなかった。そして俺は話し合いが苦手だから、銃に頼るしかなかった。それ以降は、皆が今後の方針を理解してくれた。ライアの説得は簡単だった。彼女は集落の警護がお世辞にも良いものではないこと、そしてもし私が厄介者ならすでに問題が起こっていることを理解していた。ライアの言うことなら人々は耳を傾ける。彼女を見ていれば明らかだ。しかしこのような無法地帯では、言葉だけでは上手くいかないときもある。私達の間に協力関係が築かれるまで、時間はかからなかった。さて、ここの兵士で銃が使えるものはどれだけいるのだろうか?(公式訳)
#6親父が俺に狩りを教えていたときにどんな気持ちでいたのか、今なら分かる。トライブを去る前から俺は目を合わせなくなっていた。それでも彼が同じことを何度も何度も繰り返し言ってくれたことに感謝している。親父は内心イライラしていたのだろうが、表には微塵も出さなかった。あのような忍耐強さを真似るのはラクじゃない。ここの奴らの半分は信じられないくらい未熟で、残りの半分は銃よりも槍を好むような人間だ。成長が見られないわけではないが、そのスピードは驚くほど遅い。ライアが時々様子を見に訪れるが、幸いなことに覘く程度だ。これはこれで気が散るのでやり辛い。(公式訳)
#7俺の寄せ集め連中に、今日初めて試練が訪れた。村から西に数キロ行ったところで、数人が巨大なトカゲに遭遇した。そして1人は助けを求めて何とか帰って来た。幸運にも、他のメンバーたちも身を隠すことがきたようで全員無事だったが、フランス人の1人はやっちまった!あいつはあの化物を撃てば、撃ち返されることを忘れていたようだ。あいつの腕から棘を引きはがすのに大分苦労したぜ。俺達が拠点に戻ると、人々から「ありがとう」と言われた。俺の人生でこれだけ感謝された日は他にない。正直、なんと言い返せばいいか俺には分からなかった…(公式訳)
#8ここの住民は俺に守られたいが、俺のことは好きではないみたいだ。それはどうでもいい。しかし、俺に愛想を求めるなら殿下に言え。ライアは殿下と呼ばれるのを嫌がる。自分がお高く止まっているみたいに聞こえるらしい。だがそれも事実だ。ここに来るまで、彼女は手にマメを作ったことがなかったと言う。もちろん、それだけではない。あの塔についてもそうだ。あらゆる場所にいる人々があの塔に祈りを捧げていながら、彼女はそれを強制しているわけではない。彼らが彼女に従いたいだけなのだ。まるで目に見えない王冠でも着けているようだ。善し悪しの判断はしかねるが…(公式訳)
#9俺の寄せ集め連中がようやく纏まりそうだ。脚を誤射したり、ユタラプトルに怯えて漏らしちまってから丸1週間が経つ。久しぶりにまともな睡眠が取れるだろう。望みが多すぎるかもしれない。毎日、ノスティは少し大きくなり、解決すべき問題も増える一方だ。例えば、先日の巨大虫だ。川を数キロ北上した所で大きなつるはしを持ってやがった。年寄りたちから聞かされた神話を除いて、あんなものを使う生物は聞いたことがない。極めて不自然だ。(公式訳)
#10昨日、街の外で何かが水道管を損壊させた。技師が修理に向かうと、カマキリの大群に襲われた。俺達はそれらを追い払いに行ったが、もう手遅れだった。馬鹿みたいなことを言っているように聞こえるが、俺達をおびき寄せるために故意に水道管を狙ったと思う。まるで大きなフクロウとコヨーテの童話のようだ。フクロウは大きく強面だったが、より危険なのはコヨーテだ。コヨーテは賢く、人間や化物を騙し、全員が奴に怯えていた。所詮童話だと思っていたが、ここには強烈な教訓が含まれている。(公式訳)
#11ライアは、俺の部下が行っている予防措置に反対するのではないかと危惧していたが、どうやら俺は以前より門戸を広げている。上から目線で話すことはやめようと思う。先日、2人で取り留めもない話をした。「今後の作戦」以外で彼女と話すのは初めてだった。お互い少し疲れていたのだろう。俺と違い、彼女は尊敬されること、責任を負うことに慣れている。しかし、何かを管理する者は、全員から時間と注目を求められる。この場所は、俺も含め全員にとって困難なものだが、今のところは何とか踏ん張っている。この先のことは分からないが、俺は立ち止まるつもりはない。(公式訳)
#12このようなことはいつかは起きると理解していた。砦が大きくなるほど、ライアの価値は高まる。そして高価なものはどうなるか?そう、盗まれるのだ。確かにあのように彼女を拉致するのは悪くない手段だ。だが相手を間違えたと言わざるを得ない。動物の群れに彼女を押し込もうとしていた奴らの大半はライフルで始末した。逃走を始めた残りの敵は仲間に任せた。1人は投降してきたが、俺の答えは決まっていた。俺の街であのような愚行を行った者に、これっぽっちの情けも与えるつもりはない。(公式訳)
#13あの女はなんて図々しいんだ!あいつの命を救ったばかりなのに「丸腰」の誘拐犯を始末したことについて説教をしてきた。感謝の欠片も見えやしない。他にどうすれば良かった?空き部屋を与えて、休ませてやれば良かったか?解放してやり、俺達は甘ちゃんだと言いふらしてもらえば良かったのか?俺のやり方が気に入らないなら、自分の身は自分で守ればいいと言ってやった。だが言ったことを後悔している。これから彼女に射撃を週3で教えなければならない。いつになったら覚えるんだ。彼女は5歩先の牛のケツにでさえ命中させることができないぞ。(公式訳)
#14私の弟子は、史上初めて射撃ができるエジプト巫女になるだろう。数ヶ月を要したが、ライアの辛抱強さには頭が上がらない。少し厳しくしすぎたかもしれない。弱肉強食の世界で信仰や伝統を貫くことは簡単じゃない。巨大トカゲに背後から急襲されて以来、私でさえできなくなってしまったことだ。レッスン中のある時、彼女が女神を構成する善悪について教えてくれた。彼女の真意とは違っているだろうが、私は彼女こそが女神だと思った。彼女が善で私が悪、そうやってお互いを確認し合っている。(公式訳)
#15ノスティでどれだけの時間を過ごしたかは分からないが、いまだに寝付きが悪い。夜空を見ながら自然に眠りに落ちるまでゴロゴロしている。ルッソ・ギャングの一員だったころは同じ場所で寝た記憶がない。そうやって生きていくものだと思っていた。ドク・ルッソのようにワイルドに、そして自由に。彼のように銃弾を浴びて死ぬんだろうと思っていた。残りの仲間と共に世界に置いて行かれるよりマシだと思った。ドクは今の私を認識できないだろう。私はもう彼が読むことや射撃を教えた「子分」ではない。どちらにせよ、彼がここにいたら、私は彼を殺すだろう。(公式訳)
#16カマキリどもが戻って来ることは予想していたが、こういう形は望んでいなかった。村の両側から同時にやってきた。どんな狼の群れよりも組織化された動きで。人間のように協調していた。奴らとの戦いは半日ほど続いた。もちろん無傷ではすまなかった。このような襲撃が頻繁に起きれば、我々にとって危機的な状況だ。私は人選を選りすぐり、奴らを追跡することにした。少なくとも住処だけでも突き止める必要がある。(公式訳)
#17俺達は暫くこいつらの動きを探っていた。俺達を襲撃するためだけに、はるばるやって来たとは到底思えない。奴らが賢いことは知っているので、何か別の意図があるに違いない。しかし、もし人間を殺すためだけに存在するのだとしたら、奴らを全滅させるしか道はない。言うだけなら簡単だ。奴らの数は尋常ではない。俺は生物の専門ではないが、群れをなして行動するカマキリなど聞いたことがない、この狂った場所ではそんな常識も通用しない。とにかく、何かの策を講じる必要がある。1匹ずつ始末していても埒が明かない。(公式訳)
#18サシャを同行させておいて正解だった。彼女は1ヶ月前にノスティに現れたロシア人だ。でも彼女は銃の扱い方をすでに心得ていた。グルといる場所で習得したと言っていた。聞いたことはないが、そこではあらゆる種類を習得できるらしい。例えば、ダイナマイトより強力な爆弾の作り方なんかを。カマキリたちが潜伏している洞窟には硫黄が充満している。サシャの爆弾を然る場所に設置すれば、奴らを一掃することができる… 奴らの餌になるのだけはゴメンだ。さぁキャプテン、仕事の時間ですぜ!(公式訳)
#19どうやって町に戻ったかは思い出せないが、あの洞窟のことなら記憶に残っている。カマキリ達は我々の侵入を許さなかった。奴らを全滅させる前に、こちらは味方の半分を失った。だが「全滅」だと思ったのは勘違いだった。勝利を祝っていると、残っていた1匹が不意に襲ってきた。俺は呆然とするサシャの体を押して逃がしたが、危うく俺自身が串刺しになるところだった。体が回復するまで、ライアは俺を外に逃がしてくれないようだ。言うことを聞かないなら、ベッドに縛りつけるとまで言われた。彼女が側にいてくれなければ、俺はおそらく今頃頭がおかしくなっていただろう。最初に目覚めたときも、ここにいたのは彼女だった。その顔を見て、俺はただ幸せを感じた。(公式訳)
#20俺はいつからこの想いを抱えていたのだろう?初めからそうだったのかもしれない。そしてやっと受け止められたのだろう。ライアは美しい。美しい女性はこれまでにも見てきたが、こんな気持ちになったのは初めてだ。どこにいても、誰に対してもこんな気持ちになったことはない。あの部屋から出られなくなった時に俺達の間に起きたことは、その場の勢いなんかじゃない。少なくとも俺はそう願う。唯一確かなのは、今となってはここに定住してもいいとさえ思っているということだ。(公式訳)
#21再び改名した方がいいのかもしれない。割と気に入っていた名前だ。俺はドク・ルッソの仲間になって1週間程経った時からジョンと名乗り始めた。どっちみちダケイヤと呼ぶ人間はいなかったから、自分で付けた名前なら呼んでもらえると思っていた。それも一つの理由だが、もう少し深く考えてみると、ダケイヤと言う少年はもういないんだ。ジョン・ダケイヤという無法者はもはやいない。だから違う名前を付けるのが理にかなっている。しかし、それでは人々を混乱させてしまう。おそらく面倒がられるだろう。まあ、エジプト語訛りの響きも気に入っている。(公式訳)
#22ここしばらく平穏が続き、楽しく暮らしていた。しかし、それも5日前に狩猟隊が行方不明になるまでの話だ。結果的に彼らは遺体となって戻ってきた。彼らのキャンプを隈なく調査したが、犯人の手がかりはなにもない。動物の痕跡はそれほど残ってないし、あったとしている俺達が知っている類の生物のそれではない。至る所に焼け焦げた跡がある。噂に聞いていた炎を噴出する新兵器だろうか?誰であろうと、この罪の償いはしてもらう。(公式訳)
#23今朝、ついに犯人を追い詰めた。とんだ暴れん坊だった。コウモリのような羽根、トカゲのような頭を持ち、口から火を吐き出すような奴だ。こんな奴は今まで見たことも聞いたこともなかった。幸運だったのは、頭に十分な銃弾を撃ち込めば死なない生物はいないということだ。仲間の1人はそれをワイバーンと呼んでいたが、見るのは初めてだったらしい。街の全員が伝説上の生物だと思っている。どこからやって来たのか?偶然この場所に通りかかったのか?俺にはそうは思えない。嫌な予感がする…(公式訳)
#24最近になってワイバーンの目撃情報が後を絶たない。奴らは全方位に火を噴けるだけではない。電撃や酸を吐き出すものさえいる。それに加えて、奴らの行動は奇妙だ。ハトホルとは無関係のサシャにも聞いてみたが、彼女も同じ意見だった。これでは気が休まらない。これとカマキリの件を考えると、この場所は俺達を消し去りたいように見える。だが、そうはさせない。辺境の民を去らせることなどあってはならない。それでも、ライアと話す必要がある。あの塔が危険なら、彼女はそれを崇拝するべきではない。(公式訳)
#25彼女に期待したのがそもそもの間違いだ。ライアは長い間、その信仰を守ってきた。今さらワイバーン数頭を処理したからといって、彼女を変えられるわけがなかった。交渉の相手が俺だったとしても… しかしあきらめたわけではない。ワイバーンだろうと、カマキリだろうと、巨塔だろうと、この街に、彼女に、危害は加えさせない。彼女のグループには特段の護衛を付ける。彼女がそれを受け入れるかは関係ない。彼女は拒むだろう… それどころか、この先の数日間は俺は星を見ながら眠ることになるかもしれない。それでもいい。これを長い目で見た投資と考えよう。(公式訳)
#26あれほど用心していたのに、予期せぬことが起きてしまった。昨日、塔が光りはじめたと同時に嵐のような稲妻を巻き起こした。俺は猫に乗り、急いでライアを探しに行った。しばらくすると、まるでノスティ全土を飲み込もうとするかのように地面が崩壊しはじめた。平常心でいるよう努めながら、ライアを乗せて逃げていると、猫が倒壊した建物を飛び越えようとして地面に飲み込まれていった。何とか生き延びたものの、残ったのは2人だけだった。逃げている途中、岸壁に掴まるサシャを見つけだが、俺にはどうすることもできなかった。俺達が唯一の生存者だ。(公式訳)
#27口下手じゃなければよかった。これだけのことが起きた後で、ライアに何を言うべきか分からない。彼女の心の痛みは計り知れないのに、俺にできることは何もない。変わってあげられたらどれだけ楽かと思う。今は、とにかく生きることに集中しよう。基本に戻るんだ。水を探して、食料を調達して、寝床を確保する。彼女に残されたのは、俺とあの歯並びの悪い猫しかいない。俺がしっかりしなくては。どうにかしてこの苦境を乗り越えてやる。(公式訳)
#28今のところ順調だ。猫が生物たちを遠ざけてくれているので、弾薬も節約できた。物資も十分。近い将来、我々は安全で安心できる環境を手にするだろう。どれくらい「近い」か?それは分からない。俺達は大工に向いてないし、あの猫たちよりも使える巨大で強力な生物はいくらでもいる。結局は、新たな仲間を探す必要があるんだ。ノスティは砂漠の中で最大の居住地だったが、それ以外にも街は存在しているはずだ。あるハンターグループが西の方で建物群を目にしたという噂も耳にする。調査を始めるにはいい場所のように思う。(公式訳)
#29何もかも地獄に落ちろ!これまで全て上手くいっていたのに… これまで完璧だった。しかしあの町を探索したからこうなったんだ。何という馬鹿げた決断だ!噂が間違っていた訳ではない。建造物は本当にある。しかし今にも崩れ落ちそうな廃墟だ。建物の半分は砂に埋まっていて、ここに来る途中襲ってきたワイバーン達の住みかになっていた。奴らの攻撃を何とか逃れ、この巨大な円形の建物に俺達は避難したが、ワイバーンは周回しながら、ずっとこちらの隙をうかがっている。ほぼ1週間分の物資が手元にあるが、それが無くなる前に奴らがこちらへの興味を失ってくれることを願おう。(公式訳)
#30ワイバーンがまだいる。俺達に執着しているんだ。そんなに俺がお望みなら、いいだろう。1人で奴らを相手にするほど無謀ではないが、少なくともライアに協力を仰ぐことはできる。状況が悪化した場合は、逃げるための良い機会になる。ライア、もしそうなったとしても俺を責めないでくれ。君は俺が望む以上のものをくれた。それに、君はまだ世界を変えられる。俺1人のものに留めておくのは勿体無いんだよ。俺自身が持つ才能はたった1つだ。その才能とやらを使って、あの醜い巨大トカゲどもを地獄へと一緒に引きずり込んでやろうじゃないか!(公式訳)
ライアの記録
番号内容
ライア
#1これだけ遠く離れた場所から見ても、巨大なオベリスクの美しさは際立っている。まるで太陽神の光が実体化されたようだ。私達の野営地をオベリスクのすぐ側に築くことを望んだが、敵の目を引くという理由で他の者達から反対された。だが少なくともこれだけ近ければ、オベリスクの影と、その下の流れる川の恩恵を受けることができる。飲み水にも困らない。ハトホルに祈るとき、私はいつもオベリスクと向き合う。仲間達の疑いの視線を感じるが、私の信念は揺るがない。なぜならその信念がなければ、水と資源が豊富なこの地にたどり着いていないからだ。ここが理想的な居住地であるという点に関しては、皆の意見は一致している。我々がどこにいようとも、神は見守ってくれている。私には分かる。(公式訳)
#2建築作業は順調に進んでいる。我々の中に建築家はいないが、それぞれが与えられた役割を果たすべく、自身を順応させている。ギリシャの広い肩幅と豪快な笑い声の裏には、明晰な頭脳が隠れている。私が彼を説得した結果、彼は岩を引きずるのをやめ、計画を練ることを覚えた。すると作業は一層はかどるようになった。アミールは庭園の開設に専念できるようになり、そこに居場所を見出したようだ。私は私で、組織のまとまりと士気の維持に努めている。もっと何かできればと悔やむこともあるが、巫女が持つ多くの才能の中に肉体労働は含まれていない。午前中ですでに息が切れることもよくある。他のみんなから足手まといに思われていないか心配だ。(公式訳)
#3ルクソールにいた頃は、政治に関わらないようにしていた。巫女達の中には「アマンの司祭」になる者もいるが、私にそんな野心はなかった。私欲は自分のためにも他人のためにもならない。待っているのは苦しみだけだ。だから今日ギリシャから「リーダー」と呼ばれたとき、私は驚いた。そのような地位を自分から求めたことはないし、ギリシャ以外の誰かから公式に任命された訳でもない。ただ自然とそうなっていのだ。この名誉をどう受け止めればいいのか分からないが、もしこれがハトホルの意志なら、私にできる限りのことをして人々を導いていこう。(公式訳)
#4慌しい数ヶ月が過ぎ、私達の集落は急激に成長した。住みかと仲間を求めて、放浪者達が大勢ここにやってきた。私は全力で彼らを迎え入れた。思いやりを持って接すれば、ほとんどの者は勤労と忠誠でそれに応え、共同体の一員になってくれるのだ。だが私はここで油断するほど愚かではない。人の心に二面性があるのは分かっている。ハトホルは慈悲を、そしてセクメトは破壊をもたらす。この集落が大きくなれば、その分邪悪な者達に狙われやすくなる。ギリシャは軍を組織しようと奮闘しているが、まだ満足のいくものはできていない。ひとまず警戒を強めておこう。そして神が私達に真の戦士を遣わせてくれることを祈ろう。(公式訳)
#5時間はかかったものの、神は私の願いを聞いてくれた。少なくとも私はそう信じている。しかしダケイヤ隊長は、「真の戦士」として私が抱いていた理想像とは少し違っていた。ダケイヤはぶっきらぼうで上品さの欠片もなく、概して怒りっぽい性格だ。彼が私に提案したあの意味不明な呼び名をやめて、彼の役職を「隊長」にすると決めたときは、一日中機嫌が悪く、近寄り難い雰囲気だった。しかし彼は結果を出し続けている。あるいは私がそう聞いているだけかもしれないが、暇を見つけて、彼の働き振りを一度自分の目で観察してみよう。(公式訳)
#6ダケイヤ隊長は、大音量とともに火を吹く武器の使い方を兵士達に教えている。あれにはどうしても慣れないが、その破壊力は絶大だ。人間の体などひとたまりもないだろう。しかしダケイヤ隊長は、まるで木剣のような気軽さであの武器を扱う。訓練中の兵士達の間を平然と歩き、ぼんやりとした顔をしながら手にした武器をくるくる回したりする。人を死に至らしめる強力な道具を前にして、なぜあれほど冷静でいられるのか?不安に近いものを感じるが、だからこそ彼は私達の集落をここまで守ってきたのだろう。ただし、ダケイヤ隊長のような人物が何人もいたら、それはそれで困る。そしてあの武器を握る日が訪れないことを祈りたい。(公式訳)
#7ハトホルの美と愛について多くの人に共有ができたことはとても喜ばしい。私の日々の祈りは、当初数人の興味を惹く程度だった。だがすぐにその興味は質問へと変わり、質問は参加へと変わった。今や神殿を建てられるほどの人数が集まっている。これだけ熱心な人々に一日中教えを説くことができればどれだけ素晴らしいかと思う。しかし、私には優先すべき仕事がある。未来がしっかりと保証された時、私は再び巫女になることができるかもしれない。今は、私を頼りにする人々が多くいる。その責任を放棄するわけにはいかない。(公式訳)
#8名前というものは興味深い。大きな役割を占めながらも、その人間自身や所属する場所を変えるものではない。こう考えるのは、私達の村の名前について考えたことがなかったからだろう。村も今や大きなってきていて、名前を付けても良い段階に入っている。古代の言葉で「知ること」を意味するノスティという名前が良いのではないか?いずれにせよ、ここの住人たちが選択する名前には必ず次のような意味が含まれるのだろう。「神のご加護の下で私達は生きていると」(公式訳)
#9砂漠の全土に渡って彷徨う者は、ノスティの門の前に現れる。私達に危害を加えない者を送り返すことは、断固として反対だが、人が増えればより食料が必要となる。結果として、ノスティの畑が重要なのだ。幸いにも、ギリシャの設計と私の組織が効果的であることが再び証明される形となった。効率的な灌漑システムを構築しただけでなく、「ガラス」と呼ばれる透明で光沢のある物質を使って作物を保護する構造体を作り上げた。それは毎朝、偉大な宝石のようにアムン・ラーの光と共に輝き、私達の心が1つになれば達成し得ることを美しく思い出させるのだ。(公式訳)
#10我々の尽力と神の恵みにも関わらず、この不可思議な地では悲劇を回避することはできない。昨日のノスティは、またカマキリの襲撃という悲劇に見舞われた。時間を巻き戻すことはできないが、犠牲者と最も近しい関係にあった者達に、私の慰めの気持ちが少しでも届くことを祈ろう。死者全員を墓地に埋葬する余力はない。その代わりに彼らの追悼式を開き、対話を希望する者には個人的に時間を割いた。日々の職務がそれに加わり、私は精神的にも肉体的にもすっかり疲れてしまった。しかし民が苦しんでいるときに、私だけ休んでいる暇などない。(公式訳)
#11以前から私はノスティの貿易交渉を全て担当してきた。その頃の習慣がまだ抜けない。そのせいか、集落の門をくぐるキャラバンや狩人は、皆私の名前を知っている。中には私と直接交渉を望む者もいるが、私自身は別に構わない。彼らとのやりとりはまるで言葉を用いたゲームのようなもので、非常に楽しい。昨日もインゴットの積荷を引いてキャラバンがやってきた。我らが偉大なる隊長は、交渉の場に警護の者を同行させるよう提案したが、気が進まなかった。来客をおびえさせて、取引がご破算になったら、せっかくの商機を逃してしまうことになる。(公式訳)
#12私は間違っていた。それにダケイヤ隊長には一生の借りができた。この恩は誠心誠意返していかなければならない。もちろん、そんなことで彼の無情な行為は許せない。確かにあの商人と名乗る奴らは私を誘拐しようとした悪人だ。しかし、その内1人は降伏していた。あの状況で彼を処刑する必要などなかったはずだ。この過酷な場所では、いつ自分の中の善が消え、悪に支配されてしまうのか、予想もつかない。私にもっと力があれば、血は流さずに済んだだろう。だから私も銃を扱えるよう鍛錬しなければならない。ダケイヤ隊長に協力を仰ごう。(公式訳)
#13少しずつだが、銃の扱いを学んでいる。最初の方の訓練では、反動で武器が手から飛んで行きそうになるほどだったが、今は腕も鍛えられ、照準も合うようになってきた。ダケイヤ隊長の存在はとても心強い。別の場所では不愉快に感じていた沈黙も、ここでは心地良いものになっている。彼は大げさに褒めたり、けなしりすることがない。私がやるべきことにシンプルに集中させてくれる。余計なことを考えなくて済む。私の当初の実力を考えれば、彼はとても寛容だった。私も彼に対してもっと寛容にならないと。(公式訳)
#14古代、穏やかなハトホルは荒々しい戦士であった女神セクメトとして、自身の怒りを人類世界に解放してしまった。しかし、その無慈悲な大虐殺の間も、セクメトの中にハトホルは存在していてハトホルの中にはセクメトが常に存在していた。そしてその怒りが落ち着くと、愛と美の女神が帰ってきた。この女神のように、人類も同じだ。悪意は親切になり得るし、心優しさが凶暴になることもある。ダケイヤ隊長も、彼の過去の行いを見ると、それと何ら変わりない。先日、ハトホルとセクメトの話を聞かせたときは理解していないようだったが、彼が良い行いをする努力をすれば、いつの日か本当の善人になるだろう。(公式訳)
#15理論上、私は有能な射手になった。だがあくまで理論上だ。でも実際はどうだろうか?他の人間の人生を終わらせることが私にできるのか?分からない。このことを考えると恐怖で口がカラカラになる。戦士セクメトの魂は私の中にも存在しているだろうが、自分の中にそれを探せなかった。訓練の中で、瀕死の状態になった獣たちを楽にさせたことはある。これは彼らのためにやったことだが、それでも目からは涙が溢れ、胸が締め付けられる思いだった。このような感情を押し殺す術を学ぶ必要がある。私の人生が掛かっているのだ。(公式訳)
#16努力はしたものの、祖国で入念に学んだ教えや習慣に私は背いてしまった。しかしハトホルの新たな信者達の要求に応えるため、そしてこの砂漠で皆が直面する厳しい環境と戦うために、私は適応を強いられた。例えば、盛大な宴や祭りで神々を称えることは、ここでは資源の無駄になってしまう。勤勉に学ぶ教え子達に、祝祭の喜びを与えることができないのだ。それがとりわけ残念でならない。控え目に何かを祝うことなら許されるかもしれない。村人全員が参加して、士気を高めるのもいいだろう。我らが偉大なる隊長も楽しんでくれるか… まあ、そうなったら奇跡だが。(公式訳)
#17防衛については隊長の判断を信じるが、カマキリへの反撃は正しい選択なのだろうか?彼が村の防衛を疎かにしているとは言わない。むしろその逆で、彼が率いる小隊の戦力が心配だ。心配すべきことはないのは分かっている、彼自身の手で編成されたチームだし、私には他にやるべきことがある。壁や門は修理が必要で、診療所の物資や人々の士気を高めなければならない。絶え間なく続く緊急事態の中を右往左往していて、さすがに痺れが出てきた気がする。とは言え、小休止を挟んだとしても、不安で心が休まることはないだろう。(公式訳)
#18ノスティの人々の出身地は様々で、考え方も十人十色だ。このことが争いの原因になるときもある。数週間前に、自国間の長年にわたる闘争から逃げてきた2人の人間が私のもとにやって来た。そしてつい先日、木製の十字架を崇拝している村人に嫌がらせをした信奉者には、私自ら厳しい罰を与えなければならなかった。ある時には、1人の男がノスティのリーダーの座を賭けて決闘を申し込んできた。しかし、このようにして拳を交えた者たちは、今は西門の修理に尽力してくれている。彼らが力を合わせれば私達は強くなれる。それは神がお互いを分かり合うために、我々をこの地に導いた理由だ。(公式訳)
#19何日間もハトホルの慈悲とセクメトの治癒力を乞うた。そして待ち続けた。この祈りが届くと私は信じた。最初に彼を見たとき、瀕死かすでに死んでいるように見えた。しかし、神々は私の元にジョン・ダケイヤを残してくれた。他にやるべきことがあるのは分かっている。この部屋でこれ以上の時間を浪費している暇はない。それでも、ここから離れることを心が許してくれない。もうこれ以上、自分の気持ちに嘘はつけない…(公式訳)
#20私をここに送ったのはハトホルの意志だ。私は彼女の喜びと慈悲を広めるため、彼女の愛を理解するために存在している。前から分かっていたはずだった。家族を愛していた、司祭たちを愛していた、そしてノスティの人々を愛している。しかし、縛られた感情を紐解いた時、まるで止められない川の流れのように感情が溢れ、本当の意味で「愛」を知らなかったと気付いた。今ならハトホルの教えを具現化できる。遠い世界から現れた戦士、ジョン・ダケイヤに感謝している。そして今、私達は1つになり、この砂漠を楽園に変えよう。(公式訳)
#21最近のノスティは喜びに満ちており、やっぱりお祭りでも開こうかと思う。何せ祝うべきことが沢山ある。カマキリの脅威がなくなって、偵察隊は北部への開拓に向かうようになった。そこで、彼らは裂けた地中になだれ込む大量の黒い油を発見した。このおかげで新たな素晴らしい道具も製作し、祭りの1つや2ついくらでもできるほど、貯蔵庫は物資で溢れている。ダケイヤは反対するだろう。彼は極端な心配性だが、私なら彼を説得できる気がする。いつの日か、その心配と責任が消え、歌と踊りに代わることを願っている。(公式訳)
#22シューの風の力を利用すべく、ギリシャのチームは羽根付きの風変わりな塔を建てている。その様子を見ながら、私達が今まで成し遂げてきたことに私は驚嘆した。何もない荒野から出発したノスティは、短期間で本物の街へと発展したのだ。偉大なるファラオ達ですら、その偉業をうらやむだろう。砂嵐と怪物達の存在はあるものの、砂漠の脅威は日々消えつつある。犠牲者の数も、人々の苦しみも、どんどん少なくなっている。おそらくいつの日か、脅威は完全に消え去るだろう。その日が来れば、これまで耐え忍んできた苦難と犠牲は全て報われる。(公式訳)
#23この数日の間、偉大なオベリスクの光が今までに見たことがないリズムと強度で点滅している。夜に見ると一際美しく、心地良い光景だ。星空に向けて歌を唄っているようにも見える。これも神の思し召しなのだろう。ハトホルが私達を祝福してくれているのだ。祝祭を催すわけにもいかないので、代わりに特別な儀式と祈りを日没後に行うことにした。今のところこの試みは上手くいっていて、全員がそれぞれの信仰心や活力を新たにしている。この光の祭典はいつまで続くのだろうか?(公式訳)
#24脅威がそこら中に潜んいる中で、信仰を持たないジョンはどのように現状と向き合っているのだろうか。彼は安全が保障されている場所でも、武器を傍に置いて眠ることをやめようとしない。オベリスクが危険だと突然言い出すのも頷ける。私には信仰があるし、ジョンのことも信用している。あの飛行トカゲから私達を守ってくれると信じている。オベリスクは脅威でないと信じている。そして彼の考え方さえも許容できると信じている。しかし、この件に関しては彼からの歩みよりも必要だと思う。オベリスクのことになると、周りが見えなくなりすぎている。(公式訳)
#25一体何がいけなかったの?あらゆる試練と苦難の中でも、ハトホルやアムン・ラー、全ての神々への信仰は失わなかった。それどころか、教えを広め、祭壇を作り、彼らを祭る式典もとり行った。なぜだ?!なぜオベリスクは空を明るく灯し、私の新たな家に破滅を送り込んだ?なぜ神々は大地をバラバラに引き裂き、私が作り上げた物や仲間を地の底に叩き付けた?私が何をしたと言うのだ?ジョンがいなければ、こんな質問もできなかった。最後の行動として、私を見捨てた神々に救済を乞いながら死んでいたはずだ。(公式訳)
#26亡くなった人々のことで胸が一杯だ。生徒たちの笑顔が見える、学ぶ意欲を見せている。ギリシャの笑い声が聞こえる、愉快に大笑いしている。ジョンの忠誠なる部下の差し出す手が見える、そして彼女は暗闇の中に消えて行った。ジョンは自分を責めないようにと言ってくれる。あれは予期せぬ出来事だったと。しかし、彼らを破滅へ導いたのは、破戒の権化を崇拝させたのは私だ。それを導いた私が罪を感じずにはいられない。ジョンのようにどうにかしてこの感情を閉じ込め、今を生きる必要がある。失ったものを引きずり続ければ、今あるものでさえ失ってしまう。もうそんなことはさせない。神でさえ彼を奪うことは許さない。(公式訳)
#27ジョン、どうか私を褒めてほしい。教えられた通りに呼吸をコントロールした。涙が頬を伝っていても、心の中が嫌悪と怒りで爆発しそうでも、照準を合わせ、殺せた。皆殺しにした。あなたまで私を置いていくの?生き延びるべきなのは私じゃなくてあなたよ。あんな化物に殺されるようなあなたじゃない。あなたは強すぎた。あなたがいないと… お願い、戻ってきて。あなたの声が聴きたい。あなたの笑顔が見たい。お願い。お願い。(公式訳)
#28それを見つけたとき、粉々にしてやりたいと思った。あの卵は私の愛する人を奪った憎き化物の元であり、同情する必要のないものだ。しかし、それらが助けになることも知っている。この生物たちを私の奉仕者として育て上げれば、不実な神々でさえ私に手出しはできないはずだ。私は大きなかがり火で、本来母親から与えられるべき温もりを作った。孵化に備えて、最強の獣たちから乳を集めた。それで十分だろう。いや、十分だ。彼らは私が育ててみせる。彼らと共に生き延びる。ジョン、最後の約束よ。私はあなたの分も生きる。(公式訳)
#29あの生物が孵化するときに、丸腰は危険だと思っていたが、今はお互い信頼関係ができている。産まれて最初に目にした生物を親だとして認識するようなことも知っていたが、この場所で私はその当事者になってしまった。私は化物たちの母となった。それならそれでいい。神には見捨てられ、愛も失った。昔のように。ハトホルの最後の痕跡である喜びも平穏もない。セクメトの強さと怒りで心を満たし、後ろには化物たちを引き連れ、腕には武器を持つ。この砂漠に私の怒りを思い知らせてやる。もう二度と私のものを奪わせない。相手が人間だろうと、獣だろうと、神だろうと。(公式訳)
#30ジョン、最後に話して以来色々なことがあった。この世界には信じられないような秘密がある。当初の私ならひれ伏すしかないであろう危険が潜んでいる。だけど私は強くなった。黒いベールで包まれた私を見ても、私だと分かってくれる?今でも人々を救う方法を探し続けている。以前とは異なる方法でね。私はもうただの世話係でもなければ、傷を癒すだけの治療者でもない。無力な人々を守ることや、この呪われた地に隠された真実を求める者を導くことができる。いつの日か、誰かが真実を見つけ、偽りの神に裁きを与えるだろう。その時が来るまで、私の戦いは終わらない。もう後悔はしない、私は前へ進む。(公式訳)
謎の人物の記録

エクスティンクション調査書にまとめて記載しています。

スコーチドアース生物の調査書

生物の調査書にまとめて記載しています。

 

コメント欄

  • ヘレナ#9「今思い出したが、あのドラゴンにはライダーがいた!いや、2本脚で立っていれば、正確にはワイバーンだ。とにかく、私は生きるために戦い、その意味を探し続ける。ライダーは見つからないように上手く隠れていたが、あれはメイ・インだったか?判らない。彼女が生きていたかどうかも知らない。この砂漠ではその可能性は低い。しかし、あれだけの生物を飼い慣らしている様が彼女と重なるのは確かだ。彼女が私を見守ってくれていると空想してもいいだろう?実際、私たちは友達だった… よね?こういう時に友達がいればよかったな。」 -- 2019-08-25 (日) 10:16:44
    • ヘレナ#10「違う意味で最高の友達を見つけた。この小さな毛玉を私は連れて行くことにした。彼女はRenoplla amplexusという種だ。小さくて愛らしい草食動物で、私の知る限り、テイムしても役立つことはない。それでも彼女を放っておくことができなかった。ゴーレムやワイバーンとのいざこざで、自然の摂理に手を出さないという私の唯一の科学的信念はどこへ行ってしまったのだろうか?夜に彼女を抱いていれば凍えることもないし、そのおどけた仕草などは癒しになっている。そろそろ名前を付けてあげようかとも思っている。」 -- 2019-08-25 (日) 10:17:47
    • ヘレナ#11「レノピラが役立つとは夢にも思わなかった。今朝、彼女が興奮した様子で跳び回っていて、落ち着かせようとなだめていたら、直後に雨が降り始めた。偶然だと思ったが、その後も飲み水を確保しようと外出していた時、彼女の様子が変だったため、念のためシェルターを確保した。その数分後に小雨は嵐に変わった。この因果関係を結論付けるにはまだ証拠が足りない。しかし、彼女に天候予知能力があるとすればありがたい。何の捻りもないけど、レーダーという名前はどうだろう?」 -- 2019-08-25 (日) 10:18:42
      • トビネズミ「え…?」 -- 2019-08-25 (日) 16:48:18
    • ヘレナ#12「2日前に高地を探す決断をしておいて良かった。そうでなければ、この開拓地を見つけることはなかった。自分の決断が幸運を招いたのはこれで2度目だ。こんな幸運に頼ってばかりいるわけにはいかない。しばらくはここで過ごしながら、次に向けて準備を整えよう。幸い、村人たちは労働の対価として物資と寝床を提供してくれる。これもまた幸運で、当たり前だと思わないようにしよう。島では、ロックウェルの名前で楽ができたが、ここでの私はただの見知らぬ人間だ。全員が私を信頼して手を貸してくれるわけではない。自分の力で生き延びなければならない。」 -- 2019-08-25 (日) 10:19:19
  • 滅茶苦茶久しぶりにヘレナの書纏めてみました -- 2020-02-19 (水) 23:01:09
    • ヘレナ#13「ある意味、一人で生きる方が楽なのかもしれない。少なくとも、これほどの手作業を強いられることはなかった。ああ、身体中が痛い!レーダーみたいに愛嬌があれば、こんな重労働をせずに済んだのかもしれない。今や村全体が彼女の虜だ。ふわふわのお姫様のように甘やかされている。ロックウェルだったらこの事態を許さないだろう。学者にはそれ相応の礼儀を持って接しろと怒鳴り散らすだろう。彼が元気であることを願っている。この謎が解明された暁には、この島から抜け出す方法が分かり、昔のように2人でお茶でも飲みながら話し合えればいいな。」(PS4 ) -- 2020-02-19 (水) 23:02:23
    • ヘレナ#14「最後に発砲したのはいつだったか頭では思い出せないが、身体は良く覚えている。師匠は、私が射程圏内にいても脅威ではないと言っていた。私は平和主義者ではない。死と暴力は生きることの一部で、自然の摂理だ。それでも銃には少しばかり違和感がある。人を撃つという行為は間違っていると本能的に感じる。島ではあのニューレギオンさえ撃つことができなかった。しかし、そうも言っていられない。村の住民は私を歓迎し、許容してくれている。彼らのためには訓練をしなければならない。」 -- 2020-02-19 (水) 23:03:23
    • ヘレナ#15「想像より早く私の射撃技術を披露することになるかもしれない。狩猟チームがこちらへ巨大カマキリの群れが向かっていると報告してきた。そう、巨大カマキリ。直接見たわけではないが、村人たちの間ではこの話題で持ち切りだ。彼らによると、この昆虫たちは武器や道具を巧みに扱う小さな手を持っているらしい。正気とは思えない話だが、巨大カマキリという時点で、もはや現実離れしている。せめて食人の風習がないことを祈る。戦いを挑もうとする人間はいないし、今から逃げるにしても遅すぎる。通り過ぎてくれればいいが…」 -- 2020-02-19 (水) 23:03:51
    • ヘレナ#16「カマキリがこの村を通過するとは根拠のない私の希望であり、皆が翌朝を迎えることができないと考えていただろう。あれだけの訓練を重ねたが、ライフルはいつもより重く、震える手の中にあるそれは違和感しかなかった。彼は接近してきたが、幸い来訪者は他にもいた。接近するカマキリに上空から炎や電撃が降ってくると、村人たちは喜びの歓声を上げた。名前を叫ぶ者もいた。「ワリ・アル・アスワド」。黒のローブで身を隠したそのライダーは、大喝采に応えることはなかった。迅速かつ効率的に、そのワイバーンの小隊はカマキリの群れを一掃した。ワリ・アル・アスワド… 何としても会いたい。感謝を伝えたい。」 -- 2020-02-19 (水) 23:04:20
    • ヘレナ#17「問いかける人によって、ワリ・アル・アスワドは何者かという答えは変わる。村人の中には、困った時に現れる天からの守護者であると信じ、信仰に結び付けている人もいる。ワリがこの星の生命体でないと確信している者さえいる。私に信仰心はない。私は経験したことしか信じない。つまり直接会うまでワリについて言えることは何もない。この村の親切、特にモレラトプスと物資を譲ってくれたことは忘れない。しかし私がここに来たのは、答えを見つけるためなのだ。」 -- 2020-02-19 (水) 23:05:37
    • ヘレナ#18「この砂漠で生き抜くための心構えや装備は以前とは比べ物にならない。モレラトプスに大量の水を確保させ、レーダーは天候を教えてくれる。唯一の恐怖は、巨大な捕食者たち。それと巨大なゴーレムだ。自画自賛になるが、ここまで自分が築き上げたものには感心する。それないに時間も掛かった。もう何年も甘い物は口にしていないが、その方がダイエットには良い。でもやっぱり甘い物が恋しい。チョコレートをもう一度味わうためには…」 -- 2020-02-19 (水) 23:06:43
    • ヘレナ#19「探索に数週間を要したが、ついにワリ・アル・アスワドを見つけた。近付いていることは分かっていた、でも今朝閃電岩層を見つけた時はそれを確信した。さらに午後には数頭のワイバーンと共にいる1人のライダーを発見した。ライダーは私のことをはっきり見ていた。なぜならその直後にワイバーンたちが私の頭上を旋回し始めたからだ。私は手を振って、大声であいさつをした。念のため、メイ・インの名前も叫んでおいた。しかし、返事はなく、そのまま飛んで行ってしまった。ワリは社交的とは言えないようだが、このままあきらめる私ではない。」 -- 2020-02-19 (水) 23:07:26
    • ヘレナ#20「ああ、ワリが過酷な山を住処にしているとなぜ気付かなかった!昨日、ワイバーンたちが頂上に降りたのを目撃した。そこから発った様子もない。面倒だがあそこに住処があるのだろう… 山洞は私のモレラトプスには狭すぎるので、置いて行くしかなかった。私が戻らなければ勝手に逃げてくれるだろう。登り始めたのはいいが、想像以上に厳しい道のりになりそうだ。これだけ登っても腹筋が割れなかったら、キレるかもしない!!!」 -- 2020-02-19 (水) 23:08:01
      • 21以降は後日追記します -- 2020-02-19 (水) 23:08:33
  • 20まで追加しました -- 2020-02-22 (土) 17:17:09
  • ヘレナ#21「山頂に辿り着いた時、私がどのような歓迎を望んでいたかは覚えていないが、少なくとも笑い声ではなかった。しかし私が全身の力を抜き、この山に対するあらゆる暴言を吐きだした瞬間、彼女の笑い声が私の耳に鳴り響いた。ぼんやりとした老女の声だった。ワリ・アル・アスワドは断じて守護天使ではなかった。彼女はこの哀れな場所を神がいかに見捨てたのかという見解を一蹴した。この件について私が振れない限り、彼女はなんでも私の質問に答える気があるようだ。とは言え、それは奇妙に感じられた。彼女に対して慎重になるべきだ。」(以下PS4訳) -- 2020-02-29 (土) 13:20:21
    • ヘレナ#22「どうやら私からワリを見つけたのではないみたいだ。彼女が私を見つけたのだ。ポータルの入口ではそれなりの驚きを体験したが、どうやら出口にも同様の現象が発生していたようだ。ワリによると、ワイバーンからそれを見つけられたのは容易で、その後私を尾行していたらしい。彼女がタイミング良く表れたのは偶然でも何でもなかったのだ。オベリスクやその守護者、あるいはこの砂漠が宇宙ステーションであることを話した時も、それほど驚いているようには見えなかった。私よりもこの世界を熟知しているのか、もしくはそれ以上の驚きを体験しているのだろうか?」 -- 2020-02-29 (土) 13:20:54
    • ヘレナ#23「空を飛ぶことが恋しかった。雲の上から見る日の出ほど美しいものはない。ワリがワイバーンの乗り方を教えてくれるようになったのは、会話が込み入りすぎた時に逃げるためだろう。だけどそれでいいんだ。見た目は異なるが、ワイバーンに乗るのはアルゲンタヴィスに乗るのと同様に快適だ。サドルがなくても気にならない。そのように設計されているのだろう。遺伝子操作によるものだろうと、彼らが壮大な生物であることに変わりはない。危険を伴うが、いつか野生のワイバーンを観察したい。そんな機会を逃すことは私にはできない。」 -- 2020-02-29 (土) 13:21:25
    • ヘレナ#24「私がワイバーンを乗りこなせることを証明した結果、ワリはこの地域の見回りに同行させてくれた。私が知る限り、ワリはこの場所で長い時間を過ごしている。おそらくロックウェルよりも長い。全ての村や遺跡の歴史を知っている。南東の方角に大きな街があったようだが、いつしか消滅したらしい。細かい部分については未だに語ってくれないが、詮索を続けようと思う。その点でレーダーの存在は心強い。この毛玉が近くにいるときはワリの機嫌も良い。彼女が一緒にいてくれて良かった。」 -- 2020-02-29 (土) 13:22:16
    • ヘレナ#25「ワリから自然について勉強する時間を与えられたことは感謝しているが、彼女はそんな私を面白がっているだけのようにも思える。「誰も読まないようなものを何時間も書いて何が楽しい?」とも言われた。正直、返す言葉が思い浮かばない。確かに私の調査書は誰にも読まれないだろう。この場所に閉じ込められている限り、出版する術はない。書き始めた当初は、自然に対する愛がそこにはあった。今はどうだろう?もうこれは、私の存在意義なのだ。記すことによって、私が私でいられるのだ。」 -- 2020-02-29 (土) 13:23:13
      • 26~30は後で追加します -- 2020-02-29 (土) 13:23:45
      • ここまで追加 -- 2020-03-04 (水) 22:49:21
  • ヘレナ#26「先日信じられないことが起こった!ワリが砂漠でさまよう人影を見つけたのだが、それは何とあのエドモンド・ロックウェルだった!知人との再会に私は思わず泣き出しそうになった。ロックウェルは私がネルヴァに捕らわれていると聞きつけ、私を解放するように、彼と交渉するつもりだったようだ。そして洞窟に入ると、ここへたどり着いたらしい。私のためにわざわざそこまでしてくれるなんて、何て優しい人なのだろう!奇妙なことに、私のポータルが開く直前、ワリは彼女の縄張りから遠く離れたところでポータルが開くのを見たと言っている。おそらくそれはロックウェルのポータルだ。しかしワリが現場に到着するのが遅すぎたため、すでにロックウェルの痕跡は消えていた。ポータルは時間と空間を越えた移動を可能にするというのがロックウェルの立てた仮説だが、今私が一緒にいる人達を見れば、それに賛成せざるを得ない。」(以下PS4訳) -- 2020-03-13 (金) 00:21:40
    • ヘレナ#27「ロックウェルを見つけて以来、ワリはとても静かになった。2人の時間を与えてくれているのだろう。とは言え、私たちがネルヴァの野心について話をしていたとき、彼女は興味深いことを言っていた。「この地を征服することは、この地が許さない」そう言っていた。彼女曰く、南東の大都市はオベリスクによって滅ぼされたということしか語らなかった。憶測の域は出ないが、考えがいのある情報だ。このステーションの管理者が人類の行いを監視していて、真相に近付きすぎたものは罰せられるのだろうか?各ステーションがより大きな実験の各試験体だとして、人類の進歩が「リセット」されているという考え方は決して飛躍ではないと思う。そうだとしたら余りにも末恐ろしい。ゾッとする。」 -- 2020-03-13 (金) 00:23:30
    • ヘレナ#28「ロックウェルはいつ眠っているのだろうか。夜中に目を覚ますと、彼は火の灯りで奇妙な鉄の欠片を観察していた。どこかのトライブが土産として贈ったものだろうが、見覚えのあるアーティファクトも持っていた。私はそれをワリに見せるように言った。そして彼女はそれがここの唯一の守護者であると言った。彼女の知識からすれば、以前にオベリスクを起動したことがあると聞いても驚きはしなかった。それどころか、彼女はあの獣を倒した経験もあるようだ!守護者のアーティファクトを持っていれば、どうやらいつでもこの地を離れられるらしい。そろそろここともお別れだ。ワリと会えないのは寂しいが、ロックウェルもそれを望んでいる。」 -- 2020-03-13 (金) 00:24:03
    • ヘレナ#29「私たちを「コントロールセンター」まで連れ戻してくれるトランスポーターは、山のさらに南にある廃墟と化した所にある。南東の街同様、ワリはオベリスクによって破壊されたと思っている。私も情報が無いわけではないので、それ以上の詮索はしなかった。ワリはその廃墟の話だけは口を割らない。南東の街に連れて行ってもらったときも必死で頼み込んだが、現地に着いても彼女は何もせずただ遠くを見つめているだけだった。わざわざ彼女の機嫌を損ねる必要はないだろう。これまでの彼女の貢献に敬意を表し、別の道を歩むことにしよう。」 -- 2020-03-13 (金) 00:24:41
    • ヘレナ#30「廃墟を通り抜けプラットフォームに無事に着いた私たちを見届けると、ワリは去って行った。あれだけ世話になっていたから、彼女がいなくなるのは悲しかった。お互い笑顔で別れられたのが唯一の救いだ。もちろんレーダーも同じだ。彼女を連れて行くことができないので、ワリに託すことにした。2人なら上手くいくだろう。ああ、また「ワリ」と書いてしまった。しかも2回も!クセというものはどうしようもない。ワリは彼女の本名じゃない。分かっていたのに、彼女はそれを訂正することはなかった。少なくとも今までは。とにかく、幸運を祈っている、ライア。あなたに出会えて本当によかった。」 -- 2020-03-13 (金) 00:25:20
      • 焦土のヘレナはこれで終了です。ロックウェル視点と比べてみると面白いかと思います。 -- 2020-03-13 (金) 00:27:52
  • 上記追加しました。 -- 2020-03-15 (日) 10:59:35
  • 生物の調査について、生物の調査書の内容が新しかったのでそちらに誘導する形に修正しています。 -- 2020-10-29 (木) 02:01:11
  • これ普通に恋愛小説として買いたい。 -- 2024-01-20 (土) 20:44:51