近衛鉄心直虎

Last-modified: 2016-08-20 (土) 18:46:06

近衛鉄心直虎

種族人間のーいめーじ
性別^
年齢26^
身長5尺(≒152cm)^
体重14貫(≒52kg)^
スリーサイズB.W.Hうすい.ほそい.それなり^

中期~

はるか東からやって来たもののふ.
小さな体に大きな篭手を装備している.

小国の君主の近衛として仕えていたが
天下太平となりお役御免となる.
君主を守り切った彼女は自分を必要とする場所を探せと命じられ旅に出ることにした.

彼女の本来の腕はすでに失われており
不思議な力で動く篭手がそのかわり.
すでに彼女の腕となっており基本的に外さない
(顔には出さないが着脱する際にかなり痛む).
あまり細かい動きが出来ないので身支度を誰かに任せることが多いのが悩みである.
(一応足でいろいろ出来るよう訓練している)

この篭手は実は数ある神器のうちの一つとのこと.
両の腕を合わせることで装甲が盾のようになり
守ることにおいては無類の強さを発揮する.
盾には太陽の紋章が刻まれており守護者の印であるようだ.

姫を守った際の褒美として君主より借り受けておりいつか返す約束をしている.

現在はとある世界で魔王の側近なるものをやっている

竜の旦那さんもできてそれなりに幸せだそうである
結婚後の名前は 鉄芯直虎=シウニコト

詳細

篭手について

神世の時代,鍛冶の巨神鬼が鍛え使用した篭手.
銘を神鬼の名からとり天目一箇(てんもくいっこ)。

気を通じたものにも効果は及び,治癒とはいえないほどの高速再生効果を与える.
その効果は両断された胴が,された端からそのままくっつくほど
切り落とした足などもそのまま一瞬で生える.
致命傷を受けた際は自動発動する.

またあらゆる害意を無効化する効果がある.

世界のどこかに兜,胴,足甲,剣も存在するようだ.

全て揃えた際には元の権能【変化の無視】を獲得するに至ると言われ
そうなればいかなる要素であろうと彼女を滅することは不可能になるだろう

祝詞メモ
・我は盾.万象を護る鉄の盾なり

・我は剣.万象を裁つ緋鉄の剣なり

・我は鍛鉄の神,天目一箇(あまのめひとつ).我が体は鉄,我が血潮は火.神威を持って悪鬼羅刹を討ち倒さん.

戯書

・甘い物,おにぎりが好き.意外に大食い,酒豪.
 酒に強いのは腕の効力に寄るところが大きいようだ.

・趣味…釣り,狩り.茶

・料理の腕は微妙
 だったが結婚後猛特訓しマスターした

・カナヅチ

・魔王ヘキサの食客+門番>近衛にジョブチェンジ

・暇なときは魔王城城門上に待機している模様

・エルリッヒに専用冥土服を作るので着てくれと言われている.

・一応領主.ある程度の禄もある.

・戦時中,罪もない人をくびり殺したことがあり,そのことがトラウマ.
 抱きしめたり,手で人をつかむ(掌で頭を撫でるなど)ということに恐怖を覚える.
 (抱える,引っかけるといった行為,また戦闘中などの時は我慢出来るようだ)
 ある程度克服した模様 

・血液型はA型

いつもの夢

私はあまり夢を見ない.見るとするといつも同じ夢だ―――

 あの頃の私はただ,使命感のみで兵になった.一騎当千でも何でも無いただの一般兵.強いて変わったところをあげるなら私がまだ幼く,そして…女であったと言うことぐらいだろう.もっとも,その頃の私は長かった髪を切っていたので周りのものが気付いていたかははなはだ怪しいが…

 兵には自ら志願した.このときは武家の生まれだとか,男として育てられたと言うことは関係なかった.周りは止めたが,全て無視した.ただ,私は強くなりたかったのだ.この世の不条理から皆を護れるように.母のように強くありたいとそう願った.…願ったはずだ.

 その母上は私をかばって死んだ.私が…栗鼠をみたいと言ったから.少しいつもと違う道.猿面と蛇のような男.…二人の野党だった.
 警告も脅しもなく私たちは襲われた.死んでいれば文句も拒否もないだろうと.なんと頭が悪くタチも悪い方法だろうか.

 最初に狙われたのは私だった.だが,母上が私と野党の間に割って入った.…今でも私の胸には深い袈裟斬りの傷跡が残っている.母上が間に入らなければ即死だっただろう.身ぐるみをはがされたが,着物などは斬ってからでは使い物にならないだろうに.頭の悪い奴らだ.だが,こともあろうに奴らはそれだけで止まらなかった.私はまだ幼すぎたために見向きもされなかったが……やつらは××した母上を××していた.楽しそうに.そのときの奴らの顔は死んでも忘れない… 

 私は翌日発見された.よくもまあ生きていたものだと我ながら思う.私に折り重なった母上の体が流れ出る血を止めていたのかもしれない.冷めていく母の体温を感じるのはとてもつらかったが…私はまた母上に助けられてしまった.私は三月生死の境をさまよい,目が覚める頃には意志は固まっていた.

 母上は『弱き人たちを守れる人になりなさい』といつも言っていた.その通り母上は私を守った.兵となった私は奮起した.母上の意志を引き継ぎ,母上に守ってもらった命で弱きもの達を守るのだと….
 私は日に日に強くなっていった.私の働きはめざましく,召し上げられるまでそうは時間はかからなかった.私が同年代の女だったからか,姫の近衛として呼ばれることも多くなった.

 程なくして,外遊のための遠出を狙われ,姫は野党に襲われた.数は数多.数いた従者達も火隧と奇襲で皆倒れ,残ったのは姫と私だけであった.
 もしかしたら私は死神か何かなのかもしれない.
 私は死力を尽くし戦ったが数には勝てなかった.私の左腕は砕け,右腕は宙を舞い,私は地を舐めた.

 私は…弱かった.強くなった気でいただけだった.私は何も守れない.朦朧とする私の視線は宙をさまよい…それを見つけた.猿と蛇.
 不思議と心の内から力がわいたように思う.ぼやけた視界がはっきりとする.私はすでに私のものではなくなった右腕―――律儀にまだ刀を放さないその右腕を咥えると,奴らの中をかいくぐり…その刀を猿の顔に突き立てた.

 私の気に圧されたのか,気付けば群がっていた奴らは誰もいなくなっていた.
 火隧による火の粉が舞う血だまりの中,私は笑っていた.それが出血によるショック性のものなのか,姫を守り切った安堵か,それとも他の何かのためなのかはわからないが….
 途切れそうな意識の中,私は傷口を燃える牛車に押しつけた.流石にこれ以上の出血はまずいだろう.肉の焼けるにおいが鼻につくが気にしない.目に入るのは死体の山と立ちすくむ姫の顔.よほど怖かったのだろう,その顔は引きつっていた.「**っ,ば**の」.姫の呟きはよく聞き取れなかった.

 どうやって帰ったのかは覚えていない.姫も共にもどっていたことから担がれて連れ帰られたのかもしれない.そうであったとするのなら近衛として恥ずかしい限りだ.もっとも,そのときの私はすでに近衛と呼べるものかも怪しいが.

 帰った私の落ち込みようは,それは甚だしいものであったそうだ.それもそうだろう,私の右腕は落とされ,左腕は使い物にならない.…腕がなくてはまともに戦えまい.私は兵として,近衛として終わってしまった.今の私には何も守れない.…だからこの"腕"の申し出を受けたとき,私は二つ返事で了承した.

 この腕の逸話は何度も聞いていた.曰く『不思議な力で動く.けして壊れず,そのものに全てを守護する力を与える』と.また護ることが出来るなら.力が得られるのならば…私に断る理由はなかった.
 しかし,それには大変な苦痛を伴った.骨と肉に直接黒鉄を打ち込み固定する.激しい異物感と発熱.ぴくりとも動かない両腕.重すぎて引きずることもままならない.
 なくした両の腕が"コレ"は"違う"と叫ぶ.
 
 一月,寝所から出ることも出来ない.身の回りの全てを侍女に任せる日々.
 三月,指先がぴくりと動いた.この腕を自分の腕のように感じる奇妙な感覚.いつしか幻肢はなくなっていた.
 六月.引きずりながらでも動けるようになってきた.不思議と重くない.
 …そして,一年.私は元のように動けるまでになっていた.

 戻った私に並び立つものは誰もいなかった.腕の力も大きかっただろう,私は手厚く迎え入れられた.戦の先陣から,主君の近衛,時には他のものにはまかせずらい重大な任務まで,私への期待は大きかった.
 そして…私はそれに応えるよう一騎当千の働きをした.私が動けばそれだけ被害が減る.弱きものを護ることが出来る.いつしか私は"黒鉄の守護者"だとか呼ばれるようになっていた.
 いい気がしなかったと言えばウソになる.

 それから何年たったか,私の国は安定を迎えていた.戦がなくなった訳ではないが,周囲の強国と同盟を結び,時には拮抗し,その数は目に見えて減っていった.おそらく,この拮抗状態には私の存在も大きかったように思う.これは自惚れなどではなく厳然たる事実としてだ.
 …私の両肩には,私の両腕でつかめるものよりも,目に映るものよりもはるかに大きなものが重くのしかかっていた.

 …その日,任された任務は砦の建設だった.…ただの砦ではない.『同盟国』との緩衝地帯への建設.隣国に同盟破棄の動きがあるとの噂があったのだ.戦が起こらないに越したことはないが,噂を捨て置くことは出来ない.そのための準備だった.
 この任務は周りに露呈してはならない.噂が本当ならば開戦の絶好の口実になるし,逆ならば相手方に不信感を与えるからだ.やはり火種になりかねない.

 ただ,その日はいやな予感がした.得てして,そういうときの予感は当たるものだ.
 夜営中―――油断だったのかもしれない,火をたいていた,それを不審に思った者がいたのだろう.一人の人影が通り過ぎた.気づいたときには私の部下がすで人影を切っていた.判断が冷静で頭の切れる,優秀な男だ.

 それは敵の斥候…などということはなかった.ただの領民.事前の調査では発見されなかった集落.あるはずの無いことだった.
 人影は一つ二つではなく…そこからは…虐殺だった.止めることは出来なかった.…いや,止めたとしても最終的にやることは変わらなかっただろう.
 人の口に戸は立てられない.怪しい集団の噂は隣国にも届き.それは大きな火種になりかねない.

 次々と斬り殺されていく人々.折り重なる死体.私は呆然と見つめることしか出来なかった.部下の一人が集落に火を放つ.
 明るくなったそこにいたのは,娘を護るように抱きしめたまま倒れる母親.斬られていたが…二人共まだ息があった.私はそっと二人を起こし傷口を見る.肺まで達する刀傷…一目見てわかる…コレは…助からない―――.

 血を吐きながら娘を呼ぶ母親と必死にしがみつく娘.二人共,もうろくに目が見えていないのだろう.手探りで互いの安否を確かめ合う.
 …血反吐を吐き苦しむ二人を見て…私は…その二人を…
ひと思いに握りつぶした.

 不条理から弱き者達を護りたかった.そのために強くなりたかった.…いや,私は強くなった.私は護る力を手に入れた.…だが,いったい,私は―――
何を護ってきたのだろうか?
これでは,私自身が不条理のようで―――
あのとき姫はなんと言ったのだったか―――

私は,そこから先をあまり覚えていない.ただがむしゃらに戦い.そして気付けば太平となっていた.私の力は必要なくなった.それはとてもいいことだ.私は皆を護ったのだ.

私は―――気付かない