【ちょっと不思議のダンジョン】

Last-modified: 2024-03-05 (火) 06:47:40

トルネコ1

【不思議のダンジョン】の近くにあるダンジョン。
ちなみに、ゲーム内の【王様】の台詞や【取扱説明書】では「ちょっと不思議ダンジョン」となっているが、【公式ガイドブック】の方では「ちょっと不思議ダンジョン」表記になっており、世間ではこの名前で普及しているようだ。
王様に対し、村に出店とダンジョン挑戦の許可をもらいにいくと、まずはここに行けと言われ、地下10階にある【王様の宝石箱】を取ってくるというテストを受けることになる。
王様が語るところによれば、若い頃は自身もトルネコのように冒険好きな性格で自らこのダンジョンに挑戦したことがあったらしく、その際に落としてしまったもののようだ。
なぜそんな邪魔にしかならないものを持って冒険に行ったのかは謎だが。後にもっと邪魔な物を毎回大量によこしてくるも現れたが。
 
要はチュートリアルダンジョンであり、ここを突破することで不思議のダンジョンに挑戦可能になる。
ルールは不思議のダンジョンと同じだが、出現するモンスターやアイテムが少なく、罠も深層にしか出ない。
武器や盾が呪われていることは絶対に無く、指輪は一切登場しない。【モンスターハウス】も発生しないようだ。
  
またアイテムを拾う度に説明が出たり、階層を進む度にアドバイスが聞けたりと、簡単かつ親切になっている。
この辺りは「ちょっと」の名の通りなのだが、拾う度の説明なんかは慣れてくるとちょっと鬱陶しい。
ちなみに階層を進む度に表示されるチュートリアルには「十字キー」というキーワードが度々使われているが、SFCのコントローラの十字部分の公式名称は厳密には「十字キー」ではなく「十字ボタン」だったりする。
これは「十字ボタン」が任天堂により商標登録されていて使えない語句だからであり、苦肉の策として「十字キー」という語句を用いている。FF4イージータイプなど「十字キー」という語句を使っているゲームは他にもある。
 
クリアした場合、その時持っていたアイテムは全て無くなる他、再挑戦することはできなくなる。
20回失敗すると救済措置として次から【はぐれメタルのけん】【はぐれメタルのたて】を貸してもらえる。
30回失敗するとクリアしなくても努力を認められ、不思議のダンジョンへ行けるようになる。
落とし物の宝石箱を回収しなくて良いのか王様、という気がしないでもないが、不思議のダンジョンに必要なのは何度やられても諦めない根気なので、それはそれで良いのだろう。
 
なお、このダンジョンの10階は少々特殊である。と言っても難易度や構造の話ではない。
まず、背景と曲が通常の【土のダンジョン】ではなく【氷のダンジョン】になっている。最深階ということで神秘的なイメージのある階層を選んだのだろう。
また、地下10階建てだが、10階にある階段は最初から上り階段である。もし宝石箱を拾わないまま階段を上ると9階に辿り着くが、9階は下り階段のままである。宝石箱を持っている時のみ、9階以上の階段も上りに変化するという仕組みになっている。
【行きはよいよい 帰りはこわい。】の謳い文句の通り、通常帰り道にはアイテムが落ちていないのだが、この「宝石箱を拾わないで上った時の9階」には普通にアイテムが落ちている。
他のダンジョンやその後のシリーズでは行き止まりの階には階段が無いか、もしくは無限に同じ階が続くようになっているので、珍しい構造といえる。
ちなみに10階で【地震】を起こすと、また10階に辿り着く。どういう構造なのだろうか。
 
「不思議」及び「もっと」も含めての共通事項として、ダンジョンには視界の概念が存在し、ダンジョンの部屋や通路のどの位置にいるかでトルネコの視界の範囲が変化する。大部屋・小部屋の場合は部屋全体が見渡せるが、通路の場合はトルネコの周囲1マス分(よりちょっと狭い範囲)しか見えなくなる。モンスターやアイテムの存在が見えるかどうかが変わるのみで、ダンジョンそのものの形状自体は視界の状態に関わらず把握可能である。
 
余談だが、開発中はこのダンジョンの構想は無かったようである。それどころか、もっと不思議のダンジョンしかなく、不思議のダンジョンすらも無かった。
しかし当時のローグライクゲームの知名度の低さから難しすぎるとの声が大きく、まずはルールに慣れる必要があると考えたようだ。
救済措置に関しても、さすがに30回もやればルールには慣れてくれるだろうということだろうか。
後のシリーズでも、ゲーム開始時には様々な形での初心者用ダンジョンが用意されており、シリーズファンはそのようなダンジョンを「ちょっと不思議」と呼んだりしている。