【ジキド】

Last-modified: 2024-04-29 (月) 17:04:13

アベル伝説

CV:森功至
アニメ【ドラゴンクエスト~勇者アベル伝説~】に登場する人物。ジキド将軍。
中盤の16話から登場した【大魔王バラモス】の手下の幹部で、血色が良くなった代わりに触角を失ったナメック星人のような外見をしている。
【ムーア】と同じく、外界に出るときは【死せる水】を浸した頭部プロテクターを着けて顔を守っていたが、アベルに破壊されて以降は身につけていない。
 
もとは親衛隊員の一人。
親衛隊長【ジャーク】将軍の部下だったが、ジャークが失態を犯しバラモスに粛清された際に上官の偽証を告発する気概を示したため、親衛隊長の位を示す太刀と将軍の地位を与えられる。
魔法と剣技の両方に長ける魔法戦士で、その強さはバラモス配下の中でもトップクラスの実力者。
 
所謂叩き上げの将軍なわけだが、やっぱり俗物なのか権力を得た途端に傲慢な態度が目に付くように。
それ故に仲間からの評判はすこぶる悪いようで、他の幹部クラスからは煙たがられている。
特に事あるごとに糾弾してくるバラモス側近のムーアとは反りが合わず、互いに反目し合っている。
己の目的のためならば手段を選ばない極めて利己的な性格であり、部下を自身の目的を達成するための駒程度にしか考えず、利用価値が無くなった途端に敵諸共始末しようとするなど、その気性は残忍そのもの。
一方で親衛隊時代からの直属の部下であった【シルバーデビル】に単独で作戦を任せたり、【シーザーオライオン】に多大な支援を行うなど古参配下には信頼を寄せている描写もある。
 
実は【エスターク人】の末裔であり、強大な力(後述)を持っているのだが、やはり祖先には劣るのか、バラモスに戦いを挑んだ【ルドルフ将軍】が力を解放した際には怯む様子を見せた。
しかし、まだまだ未熟だった序盤の【アベル】は(喉が弱点と知り、【いのちのいし】に助けられたとは言え)単独でルドルフを倒していたが、その後更に強くなったアベルとその仲間達を圧倒的な実力差で捻じ伏せていたのはジキドであり、この辺りのパワーバランスがいまいち謎である。
辻褄を合わせるならば、アベル戦でのルドルフは復活直後で本領発揮できないDQ4の【エスターク】状態だったというのが妥当なところか。
 
アベルたちと初めて剣を交えたのは、亡霊の島【ラーのかがみ】を手に入れたアベルを襲撃した時。アベルたちを圧倒し、最後に【メラゾーマ】で船ごと焼き払ったかのように見えたが、【ヤナック】【リレミト】で脱出して命は助かっていた。
その後は【ストークの神殿】で再対峙するが、アベルの能力に気づいたバラモスによって引き上げられる。
そして【赤き珠の島】上空で3度目の対決。依然としてアベルを圧倒したが、彼の危機を目の当たりにした【ティアラ】が感情に任せて【水竜】を召喚してしまったことで勝負はまたしてもお預けとなった。この戦いで頭部のプロテクターを損傷し失っている。
 
このように、幾度となくアベル一行を窮地に追い込む強大な敵として描かれていたが、中盤辺りからは以下のように失態が目立ってきた。

  • 呪いの兜を被せた【オルテガ】を差し向けてアベル殺害を図るも、正気に戻ったオルテガの捨て身の攻撃で右腕を失う
  • 傲慢な態度が災いしてムーアら他の幹部から一斉にバッシングされる
  • 【宝石モンスター】【ドラゴンライダー】)を許可無く持ち出して殺させたことでバラモスを怒らせる

これらのことで(自業自得だというのに)己の力が認められない苛立ちから次第にバラモスへ不満を募らせていき、大胆にも裏切りを画策。バラモスを出し抜いて自分が【伝説の竜】の生き血を飲んで不老不死になる事を画策し、彼を倒す事を決意する。
【デイジィ】の弟で人間不信になっていた【トビー】を手下にしてティアラ一行をスパイさせ【聖杯】を奪い取らせようとする傍ら、自身はバラモスの力の源である死せる水の力を自らの体内に吸収しパワーアップ。
そして【青き珠の島】がエスターク城に接触した際のどさくさに紛れて【竜の天秤】を盗み出し、ティアラを人質にとりアベルから【聖剣】【青き珠】も奪い、手中に収めていた【赤き珠】と合わせて竜の天秤を発動させる。
さらにアベルたちと戦う様子を見て役立たずと判断したトビーを呆気なく殺害し、ティアラを誘拐して竜の眠る【アリアハン】へ連行。アリアハンを街ごと滅ぼすと脅したり、ティアラの母【マルチナ】を人質にとって竜を召喚させようとするなど次々と卑劣な手段をとる。
そこへ助けに現れたアベルたちと再戦し、ティアラをかばった【ドドンガ】を殺害。しかし経験を積んだアベルと、弟を殺され怒れるデイジィに対しては劣勢になり、頼りの呪文も【ヤナック】【マホトーン】に封じられ、2人の連携攻撃には歯が立たずにやられてしまう。
その後、ティアラが竜の召喚を行った後も重傷を負いながらも立ち上がり、その生き血への並々ならぬ執念を見せつけるが、現場へ駆け付けたバラモスによって粛清され、焼きつくされるという惨めな最期を迎えた。
 
中盤以降の見事なまでのヘタレっぷりは、打ち切りとそれに伴う終盤のストーリーの改変の影響かと推測できる。
それを裏付けるのが当時発売されていた【カードダス】の最終弾である(第一部放映終了~第二部制作決定直後に販売され、第一部での設定がそのまま使用されている)。
その内のある一枚で「フ…エスターク人になど産まれていなければ、このオレ様は…」と、自らの出自になにか否定的なニュアンスを持っている様子が描かれていたが、第二部で実際に描かれたジキドは古代エスタークの再興を目論むという真逆の理念、メタ的には話にまとめやすいシンプルな背景の持ち主となっていた。
 
ただし、オルテガ、トビー、ドドンガを殺害するなど敵としてはかなり活躍しており、バラモスを裏切った中ではドドンガのような善玉とも異なる生粋の悪役だったため、異常なまでの存在感を放っていた。
メインキャラ2人の親族の仇でもあり、その活躍っぷりは敵幹部キャラの見本とも言えるだろう。

戦力

初登場時は剣術でアベルを圧倒、【モコモコ】を一蹴、デイジィの剣を素手でへし折り、ヤナックの【ベギラゴン】の直撃を受けても怯むだけのダメージしか受けず、さらには自身の【メラゾーマ】【亡霊の島】ごと吹き飛ばすなど圧倒的な力を見せた。
 
しかし中盤以降はその力を活かすわけでもなく、アベル達の成長も相まってもはや当初のような圧倒的な実力差は無くなっていた。
【イオナズン】も使えるようだが、上述のように魔法を封じられていたので使えなかった。
飛翔能力もヤナック同様の魔法によるものらしく、魔法を封じられた直後に地面へと墜落した。