【ミーティア&チャゴス婚約秘話】

Last-modified: 2021-06-13 (日) 05:43:04

DQ8

馬姫こと【ミーティア】に生まれる前から約束した許婚がいるという事実は、ストーリーの中盤に知ることができる。
しかし、その経緯についてはミーティア本人や父親である【トロデ】から説明を受けることのないままストーリーは進行する。
 
そして、いざその許婚である【チャゴス】のいる【サザンビーク】に着いたとき、宿屋にいるおばさん(完全なモブ)に話しかければ

*「なぜ チャゴス王子とミーティア姫の 結婚が
  ふたりの生まれる前から 決まっているか
  知ってるかい?

という形で唐突に説明を受けることになる。
ちなみにこの経緯を説明してくれるキャラは、全編を通してこの人だけである。
 
以下にほぼ全文を記載する。

*「昔 チャゴス王子の おじいさまが
  まだ王子だったころ 身分をかくして
  諸国漫遊の旅に 出ておられたんだよ。
*「旅の途中 おじいさまは トロデーン国
  姫様と恋に落ちるんだけど サザンビーク
  トロデーンは 当時は犬猿の仲でさ。
*「ひきはなされた ふたりは最後に
  将来 自分たちの子供を 結婚させようと
  約束をかわし 別れたんだけど……。
*「残念なことに おじいさまの子供も
  トロデーンの姫様の子も 男ばっかでさ。
  ふたりとも約束をはたせず 亡くなってね。

このまま下に続くが、長すぎるし区切りもいいので、いったんここで間を入れる。

*「それから子の代になり おじいさまの
  息子のクラビウス王は 亡きおじいさまの
  願いを かなえてあげようとなさったんだ。
*「自分たちの子供を 結婚させることで
  親同士が はたせなかった約束を
  はたそうって トロデ王に申し出たのさ。
*「トロデ王も 子供の結婚に賛成し
  やがてクラビウス王には チャゴス王子が
  トロデ王には ミーティア姫ができてね。
*「祖父母同士の はたせなかった約束が
  晴れて孫の代で かなうってわけさ。
  長話につきあってくれて ありがとね。

なお、上記の話し方だと代替わり前に当事者達は亡くなったように聞こえるが、ミーティアの話によると小さいころまでは彼女の祖母は生きていたらしく、少し矛盾している。
地理的に遠い他国の話なので、しかたがないのかもしれないが。
 
しかし、なぜこんな大事な設定を完全な一般人からしか聞けないようにしたのかは謎。
もしかしたら聞かなかったプレイヤーもいるかもしれない。

3DS版

さすがに聞き逃してしまうプレイヤーが多かったのか、エンディングで【アルゴンリング】を渡した際、クラビウス王から同じような話を聞ける。

余談

一見すると美談のようだが、チャゴスの人格がアレなせいで全く逆の状況となっている。
サブタイトルの「呪われし姫君」の「呪い」とは、「馬の姿になる呪い」と「チャゴスとの婚約」のダブルミーニングと解釈することさえ可能である。
内容の悲惨さでは、むしろ後者の方がメインかもしれない。
実際、ミーティア自身も「チャゴスと結婚するくらいなら馬のままの方が良かった」とまで言い放っている。
しかも、その元凶が魔族ではなく、実の父親なのだから皮肉なものである。
そして、EDにおいて両方の呪いが無事に解けて、大団円となるわけである。
 
EDにおいては何かしらの形でチャゴスとの結婚が破談にされてしまうが、EDルートの中には代わりに主人公と結婚する事もある。
そうなった場合、主人公の父はサザンビーク王の兄であり、主人公はこの約束をした当人の孫でもあるため、
主人公とミーティアの結婚でも、サザンビーク王の父とトロデの母の約束は孫の代で果たされたことには変わりがない。
 
なお、自分の意志を無視して生まれた時から結婚する相手が決められていると言うのは傍迷惑な話に聞こえるかもしれないが、
中世の王侯貴族にとっての婚姻は、国や貴族同士のつながりを強める最大の方法であり、国・家のために結婚するのは『貴き血筋に生まれついた者の義務』といっても過言ではないものだった。そこに個人の私情を挟んで拒否する余地などなかったのである。
また逆に、王族と結婚した相手には通常王位継承権が与えられ、王位につく可能性もある。
(なお、11での主人公の父親【アーウィン】や、未遂ではあるが【主人公(DQ1)】などがこれに当たる)
【ラインハット太后】【ガンディーノ皇太后】など、王族と結婚して大きな権力を振るった存在もいる。
こういった事例を見ても、王族は感情だけで結婚出来るものではないと言うのがわかるだろう。
男系王族の力が強い国では、女系王族の婚姻が親によって決められるなどと言う事は珍しい事ではない。
身分違いの恋がロマンある物語として持て囃されるのは、それ自体が滅多にないことであるからに他ならない。
(その点、王子の地位を捨てて失踪した主人公の父・【エルトリオ】には若干ならざる問題があるといえる)
 
ただ、逆に言うと、政略によって結婚を破談にすると言うのも珍しくはない。
特にトロデーン側にとっては、チャゴスのようなダメ王子にトロデーンの王位継承権を与えるのは当然大きな問題があり、これを理由に婚約関係を破棄すると言うのは理にかなった行為である。
(特に、トロデーン側はチャゴスが王者の儀式で不正を行ったと知っているので、なおの事である)
一方で【主人公(DQ8)】は暗黒神をも倒してトロデーン滅亡の危機を招いた呪いを解いたほどの力と功績を持った強大な戦士(トロデ自身も「アスカンタくらいなら攻め落とせる」と評している)で、それをただの近衛兵という役職ではなく婚姻で自国に引き入れる事が出来るなら、王族の結婚として何一つ問題はないと言えるだろう。
ミーティア自身の想いも叶う訳で、親としても祝福できる選択である。