【破邪の洞窟】

Last-modified: 2023-08-05 (土) 05:07:29

ダイの大冒険

【ドラゴンクエスト ダイの大冒険】に登場する洞窟。新アニメ62話のサブタイトルでもある。
階層が深くなるほど強力な破邪、つまり邪悪なる力を破る呪文や、破邪の力を増幅する秘法が収められているという。
洞窟は延々と地下に続いており、その全貌を把握している者はいないため、魔界に繋がっていると予想する人もいる。
 
人間に破邪の力を授けるため「人間の【神】」によって作られたとも伝わる。
テラン王の持っていた古文書によると、力の足らない者が不相応な呪文や秘法を手に入れてしまうのを防ぐため、敢えて攻略困難な迷宮とし、深さに応じた強さの魔物が出るようになっているらしい。
 
破邪の洞窟や秘法の設定はダイの大冒険オリジナルだが、発想や構造は当時の新作であるトルネコ1の【不思議のダンジョン】に近いものがある。
棲息地の設定と無関係に下に行くほど強いモンスターが出てくる、長くいると地震が起こり床が抜け強制的にフロア移動、一定以上降りると労に対して得られるものはほとんどなくなる≒「やりこみ」になるといった点が共通している。
やりこみならぬ修行のため潜ったアバンは、食料を持ちこむ必要があり、後半になるにつれ恐ろしい罠が襲ってくるとも語っており、腹減り管理と罠も不思議のダンジョンシリーズの名物要素である。
設定された目標は一定の階層にあるが、ダンジョン自体の深さは未知数(無限に続く)という果ての無さも同じ。ちなみにトルネコ1での攻略目標は27階、そして99階以降は無限に99階が続く。
ドラクエのゲーム関連作品として積極的にゲーム的な要素を取り入れていたダイの大冒険なので、ドラクエの外伝であるトルネコ1についても取り入れようと考えたのかもしれない。
なお、原作者の【三条陸】もトルネコをプレイしており、チュンソフト公式の早ときキャンペーンのクリアー認定証は2742番であったことを単行本20巻でコメントしている。
当時このキャンペーンは先着順で3000名までしか認定されなかったため、原作のみの担当とはいえ週間連載を抱える身でよく入り込めたものである。
 
劇中では、大魔王との決戦に備え【レオナ】が破邪呪文【ミナカトール】を習得するために【マァム】【メルル】【フローラ】と共に攻略に挑んでいる。
魔王軍に捕らえられた【クロコダイン】【ヒュンケル】の処刑が始まる前に作戦を決行するには往復20時間で片をつけねばならないというフローラの見立てのもと、ミナカトールのある地下25階を目指した。
19階の時点で10時間が経過してしまい、強い邪気の影響で【リレミト】が使えないことを踏まえ「片道10時間以内でなければ諦めて引き返す」という事前の計画どおり撤退を考えるフローラに、レオナは「ミナカトールを習得し、それで邪気を払えばリレミトで脱出できる」と提案(1つには、4人が床の崩壊で転落してしまっていることから、どのみち時間内に脱出方法が見つかる保証が無かったことも理由である)。そのまま【モンスターハウス】状態の25階を見事に突破して、狙い通りミナカトール(他メンバーがマァム・フローラ・メルルなので不完全だが)で邪気を払い、フローラのリレミトで脱出した。
 
さて、破邪の洞窟の出番はこれでおしまいではない。
なんと当時死んだと思われていた【アバン】も同時期この洞窟に挑んでおり、地下150階にまで到達していた。
彼はそこで【破邪の秘法】を発見し、のちのち【バーン】との戦いで大いに活躍することになる。
なお、アバンは外の世界の状況を全く知らないままひたすら潜っていたので、レオナ達のミナカトールによる破邪の力を察知できなければ決戦に間に合わなかった可能性もあった。
作中では特に触れられなかったが、アバンがこの洞窟からの脱出にどのような手段を用いたのかも気になるところ。彼ならリレミトくらい使えると思われ、また破邪の秘法まで習得しているずば抜けた破邪力の持ち主でもあるので、レオナたちと同じようにミナカトール、ないしは【マホカトール】で洞窟の邪気を払った後にそれを唱えたと考えるのが自然な解釈か。
 
 
アバンが得意とするマホカトールも破邪の洞窟15階で習得できる呪文である。1階では【トラマナ】が入手できる事も分かっているが、レオナは洞窟に挑む以前からトラマナを習得していたため、無視した。

他にも各階ごとになにがしかの呪文が入手できるようになっているが、レオナ達は時間がないためミナカトール以外の呪文はすべて無視し、アバン曰く50階以降はさしたる呪文もないとの事。
アバンの知る限りではミナカトール以上の破邪呪文も無かった様だ。復活後の彼が習得していた【リリルーラ】は16階~50階までのどこかで入手した呪文なのだろうか。
25階から50階までの25階層分で、他にも(作中では登場しなかったが)希少な呪文をいろいろと覚えていそうである。
 
出現モンスターは1階に【スライム】、19階に【さまようよろい】【ゴーレム】など。前述のように、挑戦者の力量を計るため深くなるほど強くなっていく。
ミナカトールがある25階では、色こそ不明だが【シルバーデビル】系統、【ギガンテス】系統といった強敵が出現していた。芸の細かいことに、これはトルネコシリーズの同階層で出てくるモンスターと同じだったりする。
スライムが1階に出現するのは、「最初はスライム」というDQのほとんどの作品に当てはまるお約束を描いたものでもあり、遭遇したレオナも「まずは基本ね!」と気合いを入れ直していた。
 
宝箱もあり、レオナ達が探索した範囲でも多数発見していたが、【ひのきのぼう】やお金が合計216ゴールド、更にはほとんどが【ひとくいばこ】だった様で碌な物はなかった。
ひとくいばこはともかく、神が破邪呪文を授けるために作った試練の迷宮になぜ木の棒やら小銭があるのかは謎。もとから罠として置かれていたにしても中身があまりに中途半端だが…。
あるいは、アバンが【ミエールの眼鏡】を手に入れた事からして、潜りやすい上層部は取り尽くされてるだけで、下層部にはまだ見ぬお宝が眠っているかもしれない。
見つけ出すならアバンより深く、最低でも150階より下に潜らなければならないが。
 
また、少なくとも25階までの宝箱はアバンにも無視されていたか、開けても中身を持っていかなかった事になる。
深層に挑むに当たって棒や小銭などお荷物にしかならないし、マホカトール習得時に既に一回潜っているので、上層階の宝箱にはろくなものがないことを既に知っていたのだろう。
いつ手に入れたかは不明だが、【ミエールの眼鏡】を得て以降なら罠の宝箱を見抜いて無視できたのかもしれない。
修行の為に潜ったアバンと、地下25階を目指して降りる事が第一のレオナ達では降りていくルートが違っていたとも考えられる。
もしくは、それこそトルネコのダンジョンのように、宝箱の配置や中身が自動的に変化・復活・生成するようになってでもいるのか。
 
星ドラでは2019年のコラボで登場し、アバンが到達した150階よりも先から250階まで潜ることができる。
ボスとして、イメージイラストに登場していたドラゴンをモデルにした破邪の淵竜が出現する。
 
新アニメでは、25階のモンスター達が明確な色で表され、更に奥底は魔界と繋がっている可能性が指摘された。

DQMSL

2020年のダイの大冒険コラボのステージとして登場。
「破邪のギガンテス」や【アバンのしるし】などが手に入ったが、2022年に再びコラボした際にはこれらの報酬の入手方法が新規ステージに統合される形で廃止されてしまった(ボスラッシュの「破邪の洞窟 深部」だけは残された)。