ダイの大冒険
【アバン】が【破邪の洞窟】の深部で発見した秘術。新アニメ75話のサブタイトルでもある。
【ミナカトール】と同じく邪悪な力に対抗するための秘術だが、これは呪文そのものではなく、他の呪文とセットで使用して「呪文の破邪力を最大限に増幅・強化する」というものである。
ゲーム作品で例えるなら、【魔力かくせい】【暴走魔法陣】のような呪文を強化する特技といった感じである。
アバンは輝石を組み込んだアイテム【ゴールドフェザー】を媒体として使用しているが、媒体が必ず必要なのか、必要としても他のものでもいいのか、詳細は不明。
そもそも輝石はアバンにしか作れない代物なので、それが必須アイテムであるとすると、仮に他の者が習得に成功しても実際には使用不可能な術となってしまう。よって、少なくとも輝石が必須であるということはないだろう。
この秘法を併用した呪文は、破邪のメカニズムに則って悪しき力を打ち破る力が極大化され、その強さは桁外れである。
- 毒沼やバリアを無効化する程度の【トラマナ】を強化し、一撃で【キルバーン】の【◇の9(ダイヤ・ナイン)】を無効化するほどになる。
◇の9の炎は、並の【ヒャダルコ】ではあっさり弾かれ、ポップでさえ勢いを抑えるのがやっとである。 - 鍵のかかった扉を開く【アバカム】を強化し、バーンパレスの正門の扉を開錠。この扉はバーンの超魔力で封じられて数百年は開かれる事が無かった。
まさに常識を超えた強力無比な力を引き出すが、他の呪文とセットの為、使い手の発想に大きく依存する所がある。
同時に、破邪という力の性質ゆえ、仮に魔軍の誰かがアバンに変身・変装してもこの秘法まで真似する事は不可能で、アバンがアバンである事の証にもなる。
アバンは、自身の力をひけらかさず、むしろ「能ある鷹は爪を隠す」かのごとく他者に見せないが、仲間を異様に強化するその性質は【バーン】をもってしても「自身の知らないタイプの力を持つ最も厄介な男」と評された。
そんな彼が、「他の呪文をアシストする奥義」を得たことは、まさにピッタリだったと言えるだろう。
また、連載誌の性格ゆえに戦闘シーンが必然的に比重を占める本作において、直接の戦い以外に用いる「旅の呪文」の存在感をここぞとばかりに引き立て、DQらしさを出す重要な要素にもなっている。
なお、公式「パーフェクトブック」の呪文・必殺技大事典には記載されておらず、のちの「オフィシャルファンブック」の同事典にも追加されなかった。