【アバン】

Last-modified: 2024-02-26 (月) 00:40:46

勇者アバンのパーティ
【アバン】―【ロカ】【レイラ】【マトリフ】【ブロキーナ】

ダイの大冒険

【ドラゴンクエスト ダイの大冒険】に登場する、主要人物の一人。勇者アバンという呼称は新アニメ61話のサブタイトルでもある。
フルネームはアバン=デ=ジニュアール3世。
作中で唯一家名入りのフルネームが判明している人物でもある。
名前の由来はフランス語で「前の」を意味する「avant」で、ダイ達より前の代の勇者、のニュアンスである。
フルネームの由来はミニ四駆のアバンテJrから。
終盤では勇者であるダイに対して、アバンにはキャラクター説明で『大勇者』の肩書がついていた。
 
旧アニメでの声優は田中秀幸で、同作のナレーションや【キルバーン】役も兼任していた。
また、「アバン・愛のテーマ」という彼の名を冠したテーマ曲も作られており、名曲と名高い。
新アニメの声優は櫻井孝宏(DQ11Sの【ホメロス】役)。旧アニメを意識してか、次回予告も担当している。
 
15年前の戦いでその当時世界を恐怖に陥れていた魔王【ハドラー】を倒した【勇者】で、主人公である【ダイ】と、【ポップ】【マァム】【ヒュンケル】の師。
他にほんの少しの期間だが、【レオナ】にも教えを授けている。アバンとレオナが二人でバーンパレスの先遣調査を行い、フェザーの譲渡をした際に、アバン本人がきっぱり「私の弟子ーー」と言っているのだが、コミックス冒頭のキャラクター紹介ページでは、その後に出た巻も含め、終始、ダイが『アバンの最後の弟子。』と紹介されていた、
彼らからは主に「先生」「アバン先生」と呼ばれている。
 
外見は黒縁の伊達眼鏡をかけた細身の優男で、水色の長髪を中世の貴族や音楽家が被っていた鬘のような豪華な巻き髪に整えている。
服装は金モールの肩章と金ボタンで飾った軍服風の真っ赤な詰襟スーツとド派手。
にこやかで口調は常に丁寧語、「ベリーベリーグッド」「バッドですねえ」など変なカタカナ語を織り混ぜて剽軽に振る舞う姿は、ともすれば戦士というより芸人か何かのようだが、勇者としての実力は確かなもの。
原作者である【三条陸】によれば「強そうに見えない」「うさんくさい」というのがキャラ造形コンセプトで、髪型や長い名前や伊達眼鏡など珍妙もしくは弱そうな印象を与えるパーツを多く配置し「本当にこんな人についていって強くなれるの?」と思わせ、実はすごい人だったとギャップを与える狙いがあったことが語られている。
また人物像のモデルは、当時の【ドラゴンボール】担当編集者でフリーザのモデルとも言われる近藤裕。三条陸曰く「近藤さんはハードな言葉を笑って投げつけるようなところもあるので、アバンのモデルとして最適でした」とのこと。
 
武芸百般で【グランドクルス】のような【闘気】を操る技の他にも、様々な武器に応用できる独自の戦闘術「アバン流殺法」を編み出している。設定だけでも剣・槍・斧・弓・鎖(鞭系)・牙(拳に付ける武器)に対応した殺法があり、それぞれの武器で地・海・空の技や、奥義【アバンストラッシュ】を使える。但し本編中で自身が使って見せたのは剣と槍、弟子たち(ダイとヒュンケル)に直接指導したのは剣のみである。
一応マァムには武術を教えており、後の彼女が武闘家になる際の下地になったと思われる。
また、呪文の知識も深く、【マホカトール】などに代表される破邪系を中心に、【メラゾーマ】【モシャス】等の高位呪文も扱うことができる。
さらに【魔弾銃】【ゴールドフェザー】【シルバーフェザー】などのマジックアイテムの開発も得意とし、戦略・知略にも長け、統率力もカリスマ性もあり、洞察力も高いまさに器用万能の人である。
 
なおカール王国に仕えていた頃からカールした髪型が特徴だった彼だが、メガンテから生存したときの描写ではストレートになっている。つまり彼の特徴的な髪型は癖毛ではなく、自ら巻いているということになる。
ちなみに、最終回での一コマでは口髭を蓄えていたが、その鬚までカールさせていた。
 
根は明るい性格でネタがあると笑いを取らずにいられない面があるものの、傑出した自分の力は平和な世界では害であると身を隠したり、実力的に敵わない相手には自己犠牲的な攻撃手段を取ることも厭わなかったり、不足した実力を補うため数か月間ただ一人で補給もせず己が身を鍛え続けたりなど、良くも悪くも勇者、あるいは英雄らしい自己犠牲の精神に囚われている感は否めない。
現に、宿敵であるハドラーを倒そうとした手段は【無刀陣】といい【メガンテ】といい、いずれも己が身を傷つけることが前提、危険性の高い攻撃手段ばかりである。【凍れる時間の秘法】を使用した時も自分も巻き込まれる可能性を上げ、実際危惧した通り自身も封印された。
また、同じくメガンテを仕掛けたポップ、バーンパレス内部突入時に一人で後方の守りを引き受けたヒュンケル、そして最後に一人姿を消したダイと、その自己犠牲精神は後に使徒達にも引き継がれているともいえる。
ただ、ダイ達後進に比べるとその精神性には明確な違いもあり、「必要な場合はあえて身を引く」「本来の感情を抑えて冷徹に振る舞うこともできる」という部分はやはり経験を積んだ勇者だけありダイ達より遥かに手慣れている。
特にモシャスでキルバーンに化けた際は、真逆の人格のキルバーンを冷徹に演じて見せ、数百年の付き合いがあるミストバーンをほとんど完璧に騙してのけるという地味だがとんでもない離れ業をやっている。
 
ジニュアール家については、本編では「学者の家系」以上の詳細は作中では明らかになっておらず、アバン以外の関係者も一切登場していない。
しかし、少なくとも【竜の騎士】のような戦うことを使命とした一族でないのは確実である。なおジニュアール家については後述の「勇者アバン」で掘り下げられている。
また使用呪文の系統から、おそらく本人の素養は【賢者】であり活動の結果が勇者であった(勇者の称号が後からついてきた)。
つまりアバンがハドラーを倒し勇者となったのは運命的な何かがあったわけではなく、あくまで彼が「そうしたい」と思った結果だと言えるだろう。
これも作中終盤に語られる「勇者は何人いてもいい」というダイの思いを示す一端なのかもしれない。
そして、「勇気ある者としての勇者」の一人でもある。

勇者時代(勇者アバンと獄炎の魔王)

【カール王国】の学者の家系の出身で、文武両道の人物。【ジニュアールI世】の孫で、祖父が良かれと思って様々な天変地異を言い当てたが為に周囲から気味悪がられていた。
城から抜け出し、モンスターに襲われていた【フローラ】を助けたことをきっかけに【カール騎士団】への推薦を受けたものの、前述の生い立ちを理由に他人と距離を置いており、それを見かねたロカに手を差し伸べられた。
本来は真面目な人間ではあるが、フローラには有事の際に全ての力を振るい助けることを誓い、それまでは伊達眼鏡を付けて訓練をサボって調理場で女の子に調理の指南をしていたりと、先述の剽軽な性格を演じていた。博識で弁がたち顔立ちも整っているためモテモテだった。
 
後にハドラーがカール王国を攻めてきた際にはその知恵と力を駆使して退けることに成功する。
だが倒せるまでの力には至っていないことを悟り、騎士団長にして友人の【ロカ】と共に旅立つことを決める。
以後の冒険譚は外伝「勇者アバンと獄炎の魔王」にて語られている。
同作で【ネイル村】に立ち寄った際は「初めて来た村では全員に話しかけるのが主義」と発言しており、世間話を通じて情報収集に努めている。言うまでもないが、ゲームで新しい土地を訪れてNPC全員に話しかけるプレイヤーの様子を反映したものだろう。

旅の最中、【マトリフ】【ブロキーナ】の補助を介して凍れる時間の秘法をハドラーにぶつけるが、術が非常に高度だったために失敗、自分も巻き込まれた上に1年程度で解けてしまった。
一応本編開始時のアバンの年齢は31歳となっているが、このためにアバンの肉体年齢と実年齢には1歳ほどズレがあると考えられる。
なお本編終盤の凍れる時間の秘法使用時の回想シーンは17年前と明記されている。バラン編の頃に描かれた『番外編 勇者アバン』をこれに当てはめると、魔王打倒の旅に出たのは母国カール王国の騎士団に在籍していた14歳ごろ、フローラとの出会いはさらに3年前の11歳の頃ということになる。
 
時間停止より解放されてからは改めて修行を重ねてアバン流刀殺法を完成させ、無刀陣からのアバンストラッシュによってハドラーを倒した。
この時わずか16歳(肉体年齢14~15歳?)。非常に若い気がするが、ゲーム本編シリーズの主人公はこれと同じ位の年齢が基本であるため別におかしくはない(確定している範囲ではDQ3勇者16歳、DQ4勇者17歳、DQ6主人公17歳、DQ7主人公16歳、DQ8主人公18歳、DQ11勇者16歳であり、DQ5主人公に至ってはわずか6歳である)。この当時の16歳の設定はDQ3を意識したものだろう。
なお物語開始時のダイ・レオナ・ポップ・マァムの年齢はそれぞれ12・14・15・16歳。
 
ハドラーを倒した後はカール王国に戻ることもなく、勇者育成の旅に出ている。
彼自身、フローラに対して好意があり相思相愛の関係であったが、それはこの時点では叶わないこととなった。
【アバンの書】がカールの図書館にあったということは、一度は帰国していそうなものだが……人伝で母国へ届けて貰ったか、アバンの書をこっそり寄贈してすぐに出て行ったのか。
また、魔王打倒の旅立ちの際にそれまで掛けていた伊達眼鏡をフローラに預けているのだが、これもおそらく返却されていないのだろう。

勇者の家庭教師時代

【じごくのきし】【バルトス】に育てられた戦災孤児であるヒュンケル、共に戦った仲間のロカと【レイラ】の娘であるマァム、そして旅の途中で付いて来たポップを弟子として育てていた。
さらに、【パプニカ王国】の王家からの要請でポップと共に【デルムリン島】を訪れ、ダイの才能を見出して7日で勇者に仕上げる特別(スペシャル)ハードコースというハードな計画を立てた。
宣言通り、【海波斬】習得のために【ドラゴラム】を使う等、非常に手荒い指導も行っている。
 
しかし修行3日目にハドラーが襲来、ダイたちを救うためにメガンテを唱えて消息不明となってしまった。
ちなみにこの展開に対し早くも女性ファンから抗議の手紙が殺到、作者はコミックス2巻で女性ファンのパワーに驚きつつ感動したとコメントしている。作中でもモテていた彼は現実の女性にもモテモテだったようだ。
 
このせいでダイの修業は【空裂斬】の習得を待たずに中途終了してしまい、出来事は物語に大きく関わり、ダイたちを含む他の【アバンの使徒】達に大きな影響を与えた。
 
当初はメガンテの衝撃で跡形もなく散って死亡したと思われていたアバンだったが、実はフローラからアバンのしるしと交換でもらったカールのまもりが身代わりになったことで生存していた。
しかしハドラー戦を通して自分の力不足や背後にいる大魔王【バーン】の存在を知ったアバンは、2人なら自分で道を切り開けると確信、2人の旅立ちの時には敢えて合流せずに密かに見送っている。
そして、自分にしかできないことを極める必要があると感じ、最も得意とする呪法を選択、【破邪の秘法】を求めて【破邪の洞窟】に挑んでいた。
レオナ達がパーティを組んでも地下25階どまりだったのに対し、彼は最終的に一人で地下150階にまで到達しており、その実力の高さが窺える。
 
明言こそされていないが、破邪の洞窟のモデルはほぼ間違いなくトルネコの大冒険【不思議のダンジョン】であろう。
一概に比べられるものではないが、地下27階にある【しあわせの箱】を取りにダンジョンに潜っていたプレイヤーならば、ミナカトール習得場所である地下25階でも相当な難易度であるということが伝わるかもしれない。
 
また、ダイとポップを見送ったことには、自分がいることで逆にダイ達の成長を妨げてしまうという理由もあった。
この判断は結果的に功を奏し、彼らは自ら道を見つけ、やがて世界を救うパーティの中核へと駆け上がることになる。
特にポップの精神的成長は、いわば「一切の逃げ場を絶たれた上での奮起」によるところが大きい。それはアバンへの一年の師事を経ても逃げ癖、詰めの甘さは取り除くことが出来なかったことからわかる通りであり、マトリフも「アバンは優しすぎるからこういう甘ったれを育てるのには向いてない」とキッパリ言っている。
アバンが同行していたら事あるごとに彼に甘え続けるのは明白であり、ポップが「第二の主人公」と呼ばれるまで成長することはなかっただろう。

最終決戦時

そして秘法を手に入れた彼はレオナが習得した【ミナカトール】の発動に気づいて最終決戦を察知して洞窟を脱出し、ダイ達に遅れてバーンパレスへ向かう。
過去に偽アバンが出てきた例偽マァムが出てきた例があったため、復活時にはパーティメンバー・読者の両方から多くの波紋を呼んだ。
 
【キルバーン】の罠にかかったポップを破邪の秘法で強化した【トラマナ】で救い、ダイ達と宿敵ハドラーとの再会を果たし、ハドラーをその腕の中で看取ることになる。
その後はキルバーンと頭脳戦を繰り広げ、【アバカム】でバーンパレスの中央門を開放。
レオナを第五のアバンの使徒としてキルバーンの仕掛けた罠を全て潰す僅かな間に指導し、自身を執拗に狙うキルバーン自身を直接対決で倒すことにも成功する。
 
使い魔である【ピロロ】の命は、「あの小さな使い魔ではどうすることもできないでしょう」という理由で取らなかった。
彼の正体を知らなかったことを別にしてもかなり甘い行動、見落としと言えるものの、結果的にだがそれが幸いとなった。
もしもピロロを殺そうなどとしていれば、この時点で彼が黒の核晶を起動させるか、もしくは首尾よく起動前に殺せたとしても人形内に放置されたままの黒の核晶がなにかの衝撃に巻き込まれて誘爆することで、さらに被害が大きなものとなっていた(最悪ダイ一行の主要メンバーが死んだり、地上に落ちれば地上が滅びていた)可能性が高いからだ。
ハドラーは、死に際に「大魔王は恐ろしい相手だ、情けは捨てろ。冷徹になれ。」と生涯の宿敵であった彼に忠告した。
アバンもまた武人として大きく成長を遂げた彼のことを認めながら、それでもなお情けを捨てなかったことが結果論とはいえ地上を救うことにつながったというのは、いかにも勇者らしいともいえよう。
 
その後、【モシャス】でキルバーンに扮し【ミストバーン】の正体を探り、勝利の突破口を探ろうとするも、キルバーンとミストバーンの間での呼び名を失念していたことで正体を見破られる。
※アバンが居合わせたタイミングでミストバーンを「ミスト」と呼んでいる場面を伺う機会は、ジャッジに異空間へ突如さらわれるシーンや、キルバーンが異空間から舞い戻った後に独り言を呟いているシーン等であった。
逆に言うとキルバーンの人格演技そのものに落ち度は全く無くキルバーンと何百、何千年の付き合いのあったミストバーンをあと一歩の所まで欺いたのが驚異である。
 
その後のミスト本体との戦いでは憑りつかれたマァムに虚空閃を放ち、ミスト本体を倒すことには失敗したものの、防具の上から虚空閃を当てることでマァムを傷つけることなく結果的にミストを彼女の体から追い出すことには成功した。(衝撃で吹っ飛んで壁に叩きつけられたため、しばらく気絶はしていたが)
その後ヒュンケルが憑かれたところにも放ったが、すさまじい暗黒闘気によって弾かれ、通用しなかった。
 
最終決戦では【カイザーフェニックス】を受けたダメージもあってバーンの【瞳】に屈したものの、バーンの前に立った時点では彼と戦う資格のある者として認められる実力を持つ。
バーン曰く「自分の知らないタイプの強さを持つ」「彼がいることで周囲の仲間が強化される」とのこと。
それゆえか、予測不能なものに対して警戒を怠らないバーンは、彼を「もっとも厄介な男」と評した。
本格的な地上侵略の手始めとして魔軍司令たるハドラーをいきなり送り込んだのも、二人の因縁以上に、まずはアバンを始末して憂いを断つためであった。
実際に、彼の最も秀でた才能は「仲間を育てる」ことである。
仲間を徐々に強化・成長させ続け、才能を開花させる、いうなれば「人間ダーマ神殿」。
そればかりではなく、自分の高い実力をわざと抑え込むような立ち振る舞いは未熟な相手を油断させ、熟達した相手にも実力の底を読ませない(ドスの効いた肩書きを好むマトリフと好対照である)。この戦術はポップも「自分を雑魚と思わせることで敵に油断させる」という形で多用している。
またバーンは、【大魔王六軍団】に対して「互いに競うことを是とする」方針だったことから、アバンの「仲間同士を無用な競い合いをさせずに育てる」方針とは真逆であり、バーンがアバン、引いては「人間」の強さの秘密を正確に探れなかったのも納得のいく所。
 
なお、バーンパレスでキルバーンの罠を潰す最中、ここまで激戦を繰り広げてきたダイ達を休息させているが、この時、魔力を回復させる「シルバーフェザー」などと共に自身の顔を模したお手製の『【おべんとう】』を提供している。
アバン復活の喜びもあって一気呵成に攻めようと息巻くダイ達のメンタルコントロールも忘れないあたり、やはり彼の真価は、戦闘とは別のところにあったと言えよう。
もっとも、この点に関しては、ダイ達があまりにも準備不足だったということも否めないが。
まるでアバンに活躍の場を与えるために回復アイテムを持ち込まなかったかのようであるが、これまでダイ達がギャグに近い薬草程度しか物資を持ち込むシーンがなかったのもまた事実である。この辺りは、当時のDQシリーズで入手の容易なHP・MP回復アイテムが薬草くらいしかなく(DQ6発売前なので【上やくそう】どころか【アモールのみず】すら無い)、【せかいじゅのしずく】【エルフののみぐすり】【いのりのゆびわ】などは貴重品だったという事情を反映したとも考えられる。またゲーム媒体ではなくバトルもの少年漫画というジャンル上、回復アイテムを多用しすぎると(蘇生呪文ほどではないが)バトルの緊張感が削がれるというメタな理由もあるのだろう。
 
最後にバーンパレスから脱出後にフローラと再会。
バーンパレスに乗り込んでいたメンバー以外はアバンが生きていた事実もその経緯も知らなかったため、当のフローラ本人に取っては死んだと確信していた想い人が突如目の前に現れたこととなり、卒倒してしまった。
長年放置されたことはやはり根に持たれていたようで、フローラから勇者はことが片付いたら直ぐに消えると釘を刺されポップに責任取らなきゃと後押しされたこともあってか、エピローグではフローラと共に玉座に座っていたことから彼女と結婚、新たなカール王になったと思われる。

復活の舞台裏

アバン復活については「唐突」「後付けにも程がある」と非難する声もあるが、原作者によるとキルバーン登場時(8巻時点)には既にアバン復活を決めていたらしい。
本来はバラン戦の後、ポップも復活せずすぐにバーン戦となり連載終了の予定であったが、連載の延長が決定され、バラン戦の直前に凶悪な曲者キャラであるキルバーンが登場している。
キルバーンとまともに戦えるのは味方側の曲者キャラしかいないということでアバン復活を決めたとのことである。
アニメ版で声優が同一だったので「キルバーン=アバンでは?」と疑った人もいたようだが、違う意味でキルバーンがいたからアバンが復活したようなものであった。
 
ベルドーサがアバンに化けた一件やザボエラがマァムに化けた一件も、後の復活時の演出効果を見越した伏線だったのかもしれない。
また、アバンが破邪の洞窟にこもっていたという設定も、生存していながらも一切姿を見せなかった理由になっており、上手い後付けと言える。
 
なお、前述の通り田中秀幸はキルバーン役も兼任していた。
仮にアニメ版が打ち切りにならずに続いていれば、アバン対キルバーンは同一声優のキャラ同士の対決になったことになる。
アバンがモシャスでキルバーンに変装するシーンも含め、面白い場面になっていたかもしれない。
同様のことはポップとミストバーンにも言える。
 
ジャンプ誌上での連載時にはアバンがトラップを解除して姿を現した話が94年度の最終号であり、翌年の新年号が出るまでに多くの読者は悶々とした正月を過ごしたらしいことを、原作者の三条が28巻で語っている。
その中では復活の理由に様々な考察が乱れ飛び、作中でポップが言及したようにザボエラの仕業かとの説もあったという。
なお、新アニメでのアバン再登場の回が第三者による不正アクセスにより影響を受け一ヶ月以上もの間放送が延期になり、皮肉にも当時の再現となってしまった。

作中の行動に対する矛盾・指摘

アバンの輝かしい功績は前述した通りである。
が、人と魔物の命の選別についてはさておき、彼の言行には肯定し難い面もあると考えるファンがいるのもまた事実である。
言うまでもなく、この世に一切の過ちを犯さず、常に正しい行動だけを行うことが出来る人間など存在しえない。それはフィクションの英傑、完璧超人とされるキャラクターとて例外はなく、それを込みにしてもアバンの偉大さに瑕がつくわけでもない。
ただ彼のそれが問題視されているのは、「これらに対しての指摘すら作中で一切ないまま尊敬と感謝の念だけを集めている」という構図に対して、である。
 

  • ヒュンケルの扱いについて
    • ハドラーを斃すと同時にバルトスが命を落とすことはアバンも知っていることであるため、間接的にではあるものの、アバンがヒュンケルにとっての親の仇であることには何ら違いない(結果的にバルトスを殺したのはハドラーになったが)。
      アバンがヒュンケルを引き取ることを快諾したのは、バルトスの懇願もそうだが、何より子供から親を奪ったことへの罪悪感もあったのだろう。
      しかし、なぜかアバンはバルトスの遺言のことをヒュンケルに一切教えていなかったため、結果としてヒュンケルをアバンへの、ひいては正義への憎しみと共に生きる子供にしてしまっていた。
    • 「自ら語ったところで、親の命を奪ってしまったことへの言い訳にしかならない」「ヒュンケルの心の傷が時間と共に癒え、自分が居なくとも立派に自立出来る頃を見計らって打ち明けるつもりだった」などと解釈することもできなくはないが、後にヒュンケルが魔王軍に入って人々を苦しめることになるきっかけがこのすれ違いと憎しみであった(ミストバーンがその後に彼に与えた闇の教えと身に着けた暗黒闘気力の影響ももちろん大きかっただろうが)ことを鑑みると、結果として大きな過失だったと言わざるを得ない。
    • ヒュンケルの秘めたる殺気には勘づいていたことから自分のことを親の仇であると認識していることは知っていた。しかし「憎まれたり斬りかかられるのは仕方ない」と自分が狙われることくらいは覚悟していたにしても、まさか襲いかかってきた時には咄嗟に返り討ちにしないと確実に殺されていたと判断せざるをえない程に独自で技を磨いていて、さらにヒュンケルが川に落ちて行方知れずになり(返り討ちにせず制圧出来ていれば、或いは近くに運悪く川が流れてさえいなければ彼を命の危険にさらすこともなく、介抱した後で真の事情を伝えることなどもできたはずである)、その上魔王軍の大幹部に拾われて軍団長になり、暗黒闘気の力を身に着けモンスターを率いて人々を襲うなどということまでは、いくら切れ者のアバンでも予期できるはずもないのだが。
      結果としてヒュンケルはミストバーンの救助によって一命をとりとめてはいるが、ミストバーンが拾わなければそのまま死亡していた可能性が高く、仮に生存していてもアバンの元には戻らず人間不信のまま荒んだ人生を歩むのは確実であろう。信頼して息子を預けたバルトスとの約束を最悪の形で反故にしてしまっていると言える。
    • また、これらの過失に対してアバンが後悔や罪悪感を抱いている描写が一切なく、後にヒュンケルと再会した際にもそういった反応がないまま上から目線の感想しか言わなかったというのも不自然(姿を見せる前に陰で驚き感極まっていたという可能性もあるにはあるが)。
      いずれにせよ、これらの事実はアバンの自己犠牲精神とも矛盾している(旧アニメでは川の流れの強さに身の危険を感じてヒュンケル捜索をあっさり諦めるというシーンもあった。新アニメではすぐに飛び込んで探しており諦めるという描写はなくなった。)ため、復活後からでも後悔や苦悩、そこからのヒュンケルとの真の和解のエピソードを盛り込むなどの汚名返上の機会が欲しかったところである。
    • ただ、ずっと破邪の洞窟に潜っていたアバンはヒュンケルが魔王軍の軍団長になっていたことなど知らない可能性が高いし、そもそもなぜ彼が生きているのかも知らないので、いきなりのことで驚き事情もわからないのでとにかく生きていてくれてよかった以外に言うことがない、バーンとの戦いを目前に控えている状況で自分や彼自身のメンタルに差し障るかもしれない個人的な話をじっくりと腰を据えてしている場合ではない、といったこともあるだろう。
      ミストバーンはヒュンケルが復讐心で強引に抑え込んではいたものの、アバンに対する感謝の念を胸の底に抱いていたと指摘しており、ヒュンケル自身苦しい状況ではたびたびアバンの教えを思い起こしている。
      至らない面もあったかもしれないが、父の仇であるという大きな枷があってなお、精神的な支えとなりつづけるだけのものを確かに彼に与えていたのだということも事実である。
    • そもそも、ヒュンケルを育て始めた時点でアバンはまだ16歳である。本当ならまだ自分自身に庇護が必要なくらいの年齢である。そんな年齢の青年に、親として完璧であることを期待する方が酷だともいえる。
       
  • マァムの扱いについて
    • 敵ですら傷つけることを嫌う心優しいマァムに対して【魔弾銃】という強力な武器を与えた。
      魔弾銃の受け取りを拒否するマァムに対してアバンが言った「力なき正義は無力」というスタンスは確かに正しく、モンスターが村の周りを闊歩する環境であれば抵抗するための力も当然必要だと言えるのだが、マァムがアバンに師事していた時代はモンスターの脅威から既に解放されている時代であり、力を持つ必要性に乏しく、むしろ力の存在が新たな争いを生みかねない時代である(とはいえ修行前のチウのように魔王の影響外でも悪さをするモンスターはおり、備えとして必要である)。
    • ただ、アバンが平和な世の中において弟子の育成に力を注いでいたり、後進に向けてアバンの書を書き記していることを鑑みると、「必ずしも平和が長く続くとは限らない」と考えていたであろうことは想像に難くなく、ハドラーが復活するかなり前の段階から再び地上に危機がもたらされる日が来るであろうことを予見していた節もある。実際にモンスターだの魔族だのといった危険な存在が闊歩する世界においては、マァムがまだ幼い少女だからこそ今のうちに時には戦う力も必要なのだと伝えておかねばならないと厳しい判断をしたとしてもそうおかしな話ではない。
      事実、魔王復活の影響により、彼女が大人になる頃には村の周囲に魔物が跋扈するようになってしまっている。優秀な戦士だった彼女の父はその時点では既に死去しており、わずかに残った成人男性たちは城の警護に回っているため、村に残っているのは非力な老人や女子供ばかり。そんな状況下でまともに戦えるのは、両親から戦う力を受け継いだマァムしかいないのである。もし彼女が力の重要性を受け入れられなかったならば村を守るという務めは果たせず、ダイの仲間として戦いを決意することも無かったであろう。
    • そもそも、魔弾銃は形状こそ銃でも単なる凶器ではない。ホイミやキアリクを詰めることで遠方からの治療や自身のMPを上回る回数の呪文の行使を行うこともできる。マァム自身は攻撃魔法は扱えないため、意図的に他者に攻撃呪文をつめてもらわない限り危険性が伴うことはなく、何よりも、無益な殺生を人一倍嫌う彼女が持っている限りは凶器にはなり得ないだろう。
      後年マァムの第二の師となったブロキーナは、マァムが決してその力をみだりに使わないと見越した信頼の上、自分の編み出した最大の奥義を伝授した。アバンもまた、心優しいマァムならば決して使い方を誤らないと確信・信頼したからこそ、魔弾銃という強力な武器を与えたのであろう。
    • 実際、魔弾銃は長い間マァムにとって必須の主力武器であり続け、なくてはならない武器となった。そして敵を倒すだけでなく、人命を救うことにも活かされた。そしてこれを失った際には新たな力が必要(それも守るためだけでなく戦うための)と重大な決心をするきっかけとなった。結果論かもしれないが、アバンには先見の明があったといえよう。
       
  • ポップの扱いについて
    • ポップを両親から引き離して弟子にしている。
      師事はポップ自らが申し出たことであり、事実上ポップが家出しただけではある。またポップの弟子入りの過程はアニメ・劇場版含めてほとんど描かれていないので仔細は不明であるが、ポップの両親がアバンを恨んでいたと明言しているため、両親に相談もなくポップを旅に連れ出しているのは確かであり、アバンのしたことは親からすればれっきとした「誘拐」である。アバンの性格を考えれば、ポップの家出を諌めた上で納得させ家に送り届ける、弟子入りを認めるにしてもマァムと同じように村に滞在して指南する、連れ出すにしても一度は両親の元に赴き相談くらいはしそうなものである。
    • だがポップはアバンについてきた時点で14歳くらいであり、この世界では旅に出るのに幼すぎるというほどではないだろう。(当のアバン本人は同じ年齢のときに魔王ハドラーを討伐するために旅立っている)また、そもそもポップが家出してきたことをアバンが知らなかった(正直に話したら連れ戻されると考えたポップが両親の許可をもらってきた・勘当された…など適当な嘘をついて誤魔化した)ということも考えられる。ただキルバーンとの頭脳戦を制するほど知略に長ける彼がその場限りでしかない子供の嘘を見抜けないとは考えにくいが、根がお人好しなので、見抜いていたとしても村に戻るよう厳しく言いつけられず、なし崩しに同行を許可してしまったということもありえないではない。
    • ポップの成長に関して言えば、ダイと共に旅立った時点で既にメラゾーマなどのブラスやクロコダインも驚くほどの強力な呪文を習得しており、もう一人の師であるマトリフからは直接教わった期間はごく短いので、彼の基礎的な実力や知識の大部分はアバンのおかげで備わったものだといえるだろう。
      ただし、精神的にはマトリフや父ジャンクの言うようにまだまだ口先だけの臆病者でしかなく、せっかく備わっていたその高い実力も十全に発揮することができていなかった。
      アバンはポップを慈しみ、身につけた力は他人のために使うべきだといった精神的な理念も伝えていた。ポップはクロコダインと戦ったときやアバンのしるしが光らなかったときなど、苦しい状況でたびたびアバンに呼びかけており、彼の指導が精神的な支えにもなっていたことは間違いない。
      ただ、マトリフも言うように優しすぎたためなのかポップをいささか依存させてしまっていたようで、修行期間中に彼の心に勇気を吹き込むことまではうまくできなかった。
      • とはいえ、ほんの1年ほどの訓練で何の心得も戦闘経験もないただの少年をメラゾーマが使えるまでの魔法使いにしただけでも大したものなのに、その上平和な訓練期間中に特に奮い起こす必要もなかった勇気まで鍛えろというのも難しい話であろう。ましてアバンはポップが十分成長したと判断したわけではなく、精神的に未熟なことが上達が遅い原因と指摘している。ハドラーの襲撃を受けて訓練が中途で終わったことは、アバンにとっても想定外の事態であった。他の生徒と違って素質があるかも不明なため、まずは実力を付けさせそれが確立していくにつれて自信や勇気もある程度は自然についてくることを期待して、その方面を延ばすのはそれから追々時間をかけてやろうと後回しにしていたのかもしれない。力がないのに命を張ってもそれはただの無謀でしかないからだ(これについてはマァムにも優しさと力の両立という形で説いている)。
    • また、攻撃呪文ばかりに傾倒させ、魔法使いにとって仲間のサポートに必須である補助呪文の重要性を教えていなかったことも、後々ピンチを招く事態に繋がっている。
      • もっとも、ポップ自身「強くなりたい」という欲求が先に立っており、この時点では明確なパーティを組んでの冒険が目標にあったわけではない。「まずは本人が覚えたがっている魔法から覚えて、実力がついたら順次実戦的な補助魔法に移行する」という教育方針自体はそこまで間違っているものではないだろう。ポップは他の使徒と比べると、強くなることへの具体的な目的意識が薄かった面は否めない一方で、教育期間そのものは長く取れていたので、言い方は悪いがまずは本人の「憧れ」を上手いこと利用して「カッコよさ」を重視した教育を取っていたのかもしれない。
    • いずれにせよ、そういった面でポップを成長させたと言えるのは主にマトリフや仲間達、そして命がけの激戦の数々であった。アバン自身もそうなることはある程度予想していたようで、カールのまもりによって一命をとりとめた後は、これ以上自分が同行することはかえって弟子たちの成長の足を引っ張る結果になると考えて別行動をとっている。最初は恨んでいた両親も、後にポップの成長を実感したことでアバンに感謝の意を示している。確かに礎となるアバンの指導がなければその後の成長もありえず、今日のポップはなかった。したがって、感謝するのは間違いではないだろう。
    • ただ、その対象がアバンだけというのもいささか片手落ちであり、感謝するべき相手は他にもいるはずだという気がしないでもない。(とはいえ、両親はポップと一年間一切連絡を取っておらず、どんな修行や戦闘をしてきたのかも、マトリフなどの存在も知らないわけだし、そこまでは考えが及ばなかったのかもしれないが)

自己顕示意識の高さ

前述の通り、アバンは自らの力を誇示することを良しとせず、普段は道化を演じていることが多い。
聡明な人物であるため、作中でバーンがダイに示していた「狡兎死して走狗烹らる」な結末や、その結末を生む人間という生き物の弱さ醜さを十分に理解していたのだろう。
仮にアバンがハドラーとの決戦後にカール王国に帰属し、フローラと懇意な間柄になっていた場合は、マトリフと同じ扱いを受けていたのかもしれない。
実際に、魔王を倒したアバンがカールを去ったのは、心無い者たちによる陰謀という設定が付き、マトリフと似た境遇だったことになった。
この辺りは現役勇者時代を描いた「獄炎の魔王」での家系から来る世間との軋轢や内心の描写、それを察するマトリフとの関係など、補完する情報が増やされている。
 
あるいは道化を演じることで敵を作らない、雰囲気を和らげる、【遊び人】的な行動を買って出ているのかもしれない。実際、カール騎士時代には不真面目な態度に度々呆れられながらも特に周囲の不興は買っておらず、上司のロカも毎回説教しつつ放っておけない友人という間柄。
戦友マトリフや後の世で勇者の称号を得た【ノヴァ】は「皆に勇気を起こさせる者こそが勇者」と悟っているが、凛々しさと勇ましさで周囲を勇気づけていたフローラ姫とは対照的に、アバンは笑顔のまま気楽な調子で皆を前向きにしてみせていた。ハドラーの侵略で動揺し諦めかけていた人々ですらそうした態度や発言を受け入れており、上手く人間関係を作っていたのがうかがえる。
人との関わりを絶つようにして自分の存在や実力を隠し孤立していれば、かえって周囲からあらぬ疑いを持たれたり、いざというときに信用してもらえない。ならば表向きは社交的に振る舞って警戒させず、実力以外の部分で周りに認知されていた方が良い結果を生むと考えていたのだろう。
今更実力を隠す必要もない最終決戦の最中に見せた【ミエールの眼鏡】自慢や自分の顔を象ったお弁当なども、周囲は場にそぐわない行動だと腹を立てたりせず「アバンはそういう人物だから」と呆れると同時に緊張を和らげていた。
初対面でその様子を見た敵方のミストバーンは「そういう人間がいちばん厄介」と、かえって警戒を強めている。まさに味方からこういう反応をされないよう振る舞っていたとも言える。
 
その一方で、アバンにはどうも上記のような合理的思考以外からの純粋な自己顕示意識も度々見られたりする。
作品を読んでいてツッコミを入れた読者もそれなりにいると思われるが、アバン流殺法、アバンストラッシュ、アバンのしるし、アバンの書、アバンの使徒と、作中には彼の名を冠するものがやたらと多い。自分専用のマーク(これはジニュアール家の家紋の可能性もあるが)も持っている。
一般人が「アバン」の部分を自分の名前に置き換えて想像すると、枕に顔を埋めて足をバタバタしたくなるかもしれない。
 
一応、彼のオリジナルと思われるもの全てに「アバン」が含まれているというわけではなく、発明した武器に「アバンガン」と名付けてはいないし、奥義以外の技を「アバンクルス」と呼んだりもしていない。
ルラムーン草を材料に発明した、特殊な魔法の媒体アイテムはまだ作ったばかりなので「魔法の粉」と簡潔な仮称を付けたり、毒蛾の鱗粉を調合した毒蛾の粉というように実にシンプルなものもある。
また、他はともかくとしてもアバン自身が「アバンの書」と名付けたかどうかまでは不明であり「アバンの使徒」という呼称も最初に使ったのは【クロコダイン】である。
アバン流殺法も、流派の創始者が自身の名前を冠することは珍しくないので、別段おかしな点があるわけでもない。
獄炎で勇者時代のエピソードが作品化され、実際にアバン流は魔王討伐の冒険の中で自ら作り上げたこと、アバンストラッシュの命名は「魔王を退けた光る剣」に強い思い入れのあるロカが関わっていることが公式な設定となった。
ただ、騎士時代の実力の隠し方が職務を放棄しては(姫と相思相愛なのに)城の調理場の女の子達にちやほやされに行くというものだったり、笑いを取れると思った場面ではどうあってもふざけずにはいられないなど、ちょっとした注目を集める行動は進んでやっていそうな所があるのも否めない。
勇者の家庭教師なる一見して頓痴気な肩書きを名乗るようになったあとの、およそ実用的とは言えない手の込んだ髪型や服装もそうだが、「実力を隠す」「重苦しさを和らげる」というちゃんとした意図に対して遊び人的な言動のアイデアが次々と飛び出し、それを迷わず実行できること自体、やはりアバンにはもとから注目や笑いを好む芸人気質な部分もありそうだ。
 
真面目な話、自己顕示欲や孤独の恐怖自体は、誰でも持っているものである。
世のためを思って自ら身を引いた英雄アバンではあるが、その後の言動には、命懸けの戦いが無下にされてしまう恐怖や、後世に自分の名を残したいという承認欲求のような人間臭さも感じさせる。
獄炎では、祖父ジニュアール一世もまた叡智に富んだ天才でありその力を民を救う為に使ったが、結果としては救ったはずの人々に気味悪がられて一族が世間から孤立してしまったという経歴が語られており、それを見ていたアバン自身も表向きに人当たりはよく振る舞いつつ本当の意味で心を開ける相手はほとんどいなくなってしまった…という経緯からすれば、そうした境遇への反動でもあるのだろうか。
あらゆる面で完璧な【完全無欠ヒーロー】など存在し得ないし、そんな命を懸けて国家や世界を救ったことにすら素直に応えられない勝手な人々のあり方も、この作品で問われてきたことなのである。

装備品

アバンが作中で使用した武器はその大半が無銘である。
あくまで作中で描写がなかったというだけで、実際はなんらかの銘柄があったのかもしれないが、彼が作中で使用した武器はやたら脆いため、おそらくは無銘の市販品なのだと思われる。
ハドラー討伐時に使用していた剣も、どのような経緯かは不明だが、家庭教師時代には所持していない。
 
武芸百般というのは伊達ではなく、カールを急襲したハドラーを撃退した時には、ロカの取り落とした剣を咄嗟に手にしてアバンストラッシュの原型となる技を繰り出している。
また、キルバーン戦では【ジャッジ】の異空間から舞い戻り剣を失った急場に傍に落ちていたジャッジの鎌の柄の残骸を拾い、折れた刃の部分を叩き割って即席の槍として成型・活用しており、柔軟性の高さを見せている。
作中の他のキャラ達が最高レベルの銘品と言える武器を装備しており、ダイや【ロン・ベルク】の様に専用の武器でないとそもそも技を振るうことすらできない例まであることを考えると、アバンのこの姿勢は対照的。
尤も、持参した武器をことごとく失ったために最終的には【ラーハルト】から武器を借りる羽目になっているが…不思議なダンジョンもとい破邪の迷宮経験者なら不測の事態に備え予備の武器も用意しておくべきだろう。食料の方は万全だったのだが。
 
防具に関しては軽装を好むのか、兜はカール騎士時代から一切被ったことがなく、ハドラーとの戦いにも手足の装甲が無い胴鎧で臨んでいる。
単行本第2巻での回想シーンではDQ1の主人公のような兜を身につけているが、イメージ映像だったのだろうか?
勇者の家庭教師を名乗るようになってからは、左胸にアバンマークをつけた装甲ひとつない派手な詰襟スーツにブーツと手袋でこれまた軽装。破邪の洞窟に挑む修行の間も布服だった。
最終決戦に合流した際は、家庭教師時代のスーツに似た服装に、左肩で大きな黄金の留め具を当てたマントの組み合わせ。
ソーシャルゲーム作品だと、決戦時の服は家庭教師時代の赤いスーツとは対照的な白となっていた。
新アニメでも同じ白スーツでマントは青と、爽やかな組み合わせとなっている。
 

  • 【由緒正しき勇者の剣】
    • しかし、その実態は……
  • 普通の剣
    1. デルムリン島におけるハドラーとの戦いで使用された、由緒正しき勇者の剣とは別の長剣。どの程度の性能があるかは不明。
      ダイによってハドラー撃退の決め手に使われたが、島から出るときには持っておらずその後の行方は不明。
      新アニメでは、ダイが斬った大岩の下に眼鏡と共に「アバンの墓」の碑石として使われている。
      なお、星ドラにて【アバンの剣】の名で登場しており、後にメタルコレクションでもこの名前が使われている。
    2. バーンパレスにアバンが持ち込んだ剣。ごく普通の両刃の片手剣。
      キルバーンとの戦いに使用された無銘の剣、しかし激戦の中でファントムレイザーによって切られてしまい丸腰となって劣勢に。その後は異空間に捨ててこられたようだ。
    3. 破邪の洞窟の攻略中の回想でも剣を携えているが、鞘や柄の部分デザインが違うようなので、デルムリン島やバーンパレスに持ち込んだ剣とはベツモノらしい。
  • 【鎧の魔槍】
    • ミストバーンに取り憑かれたマァムを救うべくラーハルトから借りた。
      アバンが手にしたおそらく最強の武器であろうが、(そんな余裕ある場面でもなかったため)特に感慨をもらすことはなかった。
      設定上は徒手(牙殺法)でも空の技は出来るのでわざわざ拝借する必要はないのだが、対象が同質の鎧を着ていてアバンよりも素早い、射程などの理由から、これを使った槍の虚空閃の方が最適であると判断したのだろうか。
      もっともアバンが鎧の魔槍の武器としての強さやマァムの鎧が同材質であることなどを把握していたのかは不明だし、槍自体を当てたわけではなく槍先から放った闘気を当てただけなので、武器の強さはあまり関係なく単に素手では心もとないから何か武器がほしいと思って借りたというだけかもしれないが。
  • 暗器の剣
    • 鎧の魔槍に仕込まれている多数の武器の一つ。右手甲部分が分離・伸長して剣になる。
      バーンの天地魔闘の構えに挑むためにやはりラーハルトに借りた。
      あくまで予備の武器だからか、作中に登場した剣の中でもシンプルなデザインでやや頼りない印象を受ける。
      とはいえ恐らく材質としてはオリハルコンの次に堅い鎧の魔槍と同質の金属で製作者はかのロン・ベルク。急場の武器としては最上級の逸品であろう。
      強化前にラーハルトが手甲を投げつけて攻撃に使うことはあったがその時には形状は変化がなく、剣が繰り出されたのは強化後が初めてである。
  • 【おおきづち(武器)】
    • 作中に名前は出てこないが、木製のやたらデカいハンマー。
      ミエールの眼鏡と共に罠の破壊に用いられた。戦闘には使われていない。おおきづちで罠を壊すことは後に不思議なダンジョンでも出来るようになる。
      破邪の迷宮経験者であること、大魔王の居城であること、キルバーンが罠フリークであったことを考えれば罠破壊用武器の用意は当然ともナイスチョイスとも言える。
      というかどこから出した。その調子で予備の武器を2、3本用意しておけば…
  • 【カールのまもり】
    • メガンテからアバンの命を救ったアイテム。一種の身代わりアイテムだった。
      フローラから受け取った大切なアイテムであるためか、効力が失われてボロボロになった後もアバンは身に付け続けている。
  • 【ミエールの眼鏡】
    • でゅわっ!!!
      隠されたトラップを見抜くことができるすごい眼鏡。
      デザインにかなり難がありかっこよさが50とか100とか下がりそう。余談だが彼は伊達眼鏡なので付け替えても見えないとか支障はない
  • 貝殻の手甲
    • 獄炎で登場。
      【オトギリ姫】に拉致され投獄された際、彼女の居城である【海底宮殿】の壁に埋まっていた二枚貝の貝殻を【ギラ】で削りだして自分と漁師3人分の4つを作成した簡素な手甲。
      即席ながら【ぐんたいガニ】の装甲を砕く硬度があったが、オトギリ姫の攻撃で壊されてしまった。
  • アバンの聖剣、アバンの盾、アバンのよろい、アバンのかんむり
    • 獄炎で登場。
      勇者時代に魔王ハドラーとの最終決戦に挑む際、ジュニアール家の執事である【ドリファン】から渡された。
      フローラからの依頼を受けた彼がカール王家に伝わる秘宝を勇者アバンの装備として鍛え直したもので、ジュニアール家の紋章が刻まれている。
      いずれもアバンが使用した武具の中では、一時的に借用しただけの鎧の魔槍を除けばおそらく最高クラスのものだと思われる。
      盾はドラゴンのブレスをも無傷で弾くことができ、ガンガディアとの一騎打ちに臨むマトリフにアバンが託して彼の命を救い勝利に貢献したが、その戦いで全壊し失われている。
      剣は巨大な【ドラゴンフライ】の体を縦真っ二つに斬り裂くほどの切れ味を誇る。
      これらの装備は【星のドラゴンクエスト】で2016年~2017年に実施された『ダイ』コラボイベントが初出であり、そこから逆輸入したものとみられる。

呪文・特技

設定によれば多彩な攻撃・回復・補助魔法を使いこなすとされている。
主に魔法使い寄りの呪文を使うが、旧アニメや獄炎では回復呪文も使っている。さらに勇者専用のアストロン、賢者専用のマホカトールも使用可能。戦闘用以外でも破邪の秘法や凍れる時の秘法等、常人のレベルを越えた物さえ使ってみせる。
当人が力不足を痛感し自分だけの強みを探した結論が「破邪の秘法」であることからも、能力増幅のようなサポート型の術法こそ、あらゆる分野に精通する彼がもっとも得意とするジャンルと考えられる。
キルバーンと初対峙した際は、相手の注意を引き付ける意味も含めて「好き好んで使うわけではないが、呪法については十分に知っているし、仲間を守るためなら対抗してみせる」旨の宣戦布告をしている。対抗手段を知るという面から、罠や呪いのような攻撃的な呪法についての造詣も深いようだ。
マトリフとは別系統の大魔道士と言えるかもしれない。
なお、下に挙げているのは作中に明確な使用描写がある呪文のみで、竜の騎士専用のデイン系以外なら他にも習得している呪文はあると考えられる。(公式に明確な習得呪文のリストは設定されていない)
 
アバン流殺法の技については下には作中で使うシーンがあった技しか挙げていないが、開祖であるため当然全ての技を使用可能である。
アバン流殺法の技は6種の武器(剣、槍、斧、弓、鞭、牙)それぞれに対応している通りどのような武器でも扱えるという設定で、ヒュンケルによれば本人自身も武芸百般と称していたらしく、実際作中では破損したジャッジの鎌の柄の部分を槍にしたり、貝殻を手甲のように拳に装着したりした即席の代用武器を用いて戦う場面もみられる。
ただし、そのような非常時以外に持参している戦闘用の武器は常に剣であることから、最も得意なのは剣だとみて間違いないだろう。
なお、具体的にどの技かは不明だが、バーンパレス心臓部からの脱出の際にクロコダインらとともに素手で使える闘気技を使用した形跡がある。
おそらく牙殺法のアバンストラッシュであろう。
 

 
なお、彼が破邪の洞窟へ潜った目的から考えて、復活後は【ミナカトール】もまず間違いなく習得しているはずであるが、作中では明言はされていない。
破邪の洞窟の回想シーンでも明言はされていないが【レミーラ】と思わしき呪文を使用している描写がある。
また、レオナがミナカトールを使用した際に決戦が近いことを察知した後、地下150階もの深さから脱出を図っているので【リレミト】で脱出している可能性が高い。
 
こういった呪文・特技の範疇に入らない能力としては、その頭脳を生かし相手を挑発し冷静さを失わせる口撃力の高さがある。
その代表的なものは魔軍司令となったハドラーから部下になれば世界の半分をやると服従を迫られた場面で、この誘いをNOと断ったうえで「大魔王の使い魔に成り下がったおまえにそんな権力があると思えん」とこき下ろしている。
またキルバーンを相手にした際は、ひそかにフェザーを突き刺して動きを封じており、首を刈ろうとして失敗したキルバーンに「髭を剃るなら結構ですよ」と煽っている。
こういった様子は、読者からアバン流刀殺法にひっかけてアバン流殺法と話題にされている。

2020年版アニメの不正アクセス被害による影響

『クロスブレイド』『魂の絆』は2020年版アニメの放送期間中にサービスを開始しており、アニメと連動したアバン復活キャンペーンが実施されるはずだった。
しかしアバン復活回である第73話の放送開始直前、【東映アニメーション】が不正アクセス被害を受けて『ダイ』など4作品が放送できなくなる事態が発生。
アニメは再放送でしのいで5週間後に放送再開されたものの、両作品のキャンペーン開始は延期することができず、原作未読でこれらを楽しんでいる人たちにとっては「死んだはずのアバンが新衣装でクローズアップされている」というネタバレ同然の状態になってしまった。
一応のフォローとして、『ダイ』ポータルサイトにおいてアニメ第73話のネタバレであると提示したうえで原作4話分を期間限定で無料公開し、アバン復活を(大々的にではないが)アピールしていた。
 
なお原作でアバン復活回が掲載されたのは1994年末の合併号で、なぜ生きているのか(そもそも本物なのか)が明かされたのは年明けなので、原作既読の視聴者からは「アニメでもアバン復活を焦らされた」と話題にされている。

DQMSL

超伝説系「大勇者と超魔の武人」で登場。
超魔生物ハドラーとのユニットだが肝心のハドラーが1ターンで撤退してしまうため
実質アバンの一人舞台のようなものだったりする。

星ドラ

ダイ大とのコラボイベント中に(復刻も含めて)登場。
チャレンジダンジョンイベント「破邪の洞窟」ではサポートとして登場し、パーティの強化や回復などを行ってくれる。

ウォーク

2020年11月末開始のダイ大とのコラボイベントで登場。
ストーリー序盤の1章から登場する。

アバン(ドラゴラム)

ストーリー1章6話でダイに海波斬を修得させるための試練としてドラゴラムを使用して竜化したものが登場。
ストーリー中にフィールドに出現するものを3回倒す必要があり、クリアすると強敵モンスターとして登場する。
見た目は原作と同じく、アバンの眼鏡を残した赤い竜で、攻撃等のモーションは【ブラックドラゴン】などに近い。それらよりも首が長めだが。
 
かえんの息やはげしい炎によるブレス攻撃のほか、2連続の連続かみつきや、しっぽを叩きつける転び効果のある全体攻撃を行う。
強い相手ではあるが、フバーハやスカラ、ビッグシールドで全てカバーできるうえ、マヒや眠りといった状態変化の耐性に穴があるので、難度は低め。
 
こころは緑色でコストは95。
緑のこころの中では力、素早さ、器用さに優れ、高グレードではギラ系の斬撃ダメージを上げ、スキルHP回復効果やギラ系、眠りへの耐性がつく。
グレードSでベホイミを修得できる。

アバンのこころ

人としてのアバンのこころも存在し、こちらはイベントをこなすなどして入手していく。
こころは黄色でコストは87。
全てのグレードで大地斬を修得し、グレードを上げるとデイン系の斬撃・体技ダメージやアバン流刀殺法のダメージを上げ、封印への耐性もつく。グレードSではメガンテも覚える。

クロスブレイド

第一弾では2種類のカードが存在し、眼鏡をかけたいつものアバンが【ドラゴンレア】、勇者時代の格好をした「勇者アバン」が【ギガレア】で登場している。属性は2枚とも光。
DRのアバンの必殺技はベギラマ、勇者アバンの必殺技はアバンストラッシュ。
両者とも全ステータスが満遍なく高いバランス型ステータスをしている。
現役時代のためか、勇者アバンはDRのアバンより全ステータスで上回っている。
もちろんスキルは異なり、DRアバンの方は2R目の相手ターンに味方の光へのダメージを中軽減する「弟子を守る力」、3R目に相手のハドラーへのダメージを大アップする「負けぬ心」。
勇者アバンの方は常時敵のハドラーへのダメージを大アップする「若き英雄」、2R目の相手ターンに味方「光」がいると攻撃エリアが広くなる「奮い立つ勇気」。
両者とも味方に光が必要な点やハドラーへの特攻効果などは共通している。
真一弾では再び勇者アバンがギガレアで登場し、真三段では3月24日に大勇者の復活キャンペーンの一貫で最終決戦時の彼が「偉大なる勇者アバン」のカードがシークレットとして追加された。
超三弾では原作初期の状態でシークレット化。必殺技はメガンテで、カード絵もハドラーにそれを使っているものである。
超四弾ではコレクション1にギガレア、シークレットが存在し、いずれもハドラーも描かれている。またハドラーとのSP連携「アルティメットデュエル」が追加された。

カードガムのおまけでも眼鏡をかけたアバンが登場。こちらはレアリティは普通のレア。ステータスも相応に低め。
スキルは3R目に味方の光のぼうぎょを中アップする「勇者の鼓舞」。
ブースターパックでは、なんと【シークレット】として登場した。
全ステータスが1000超えの優秀なステータスを持つ。スキルは「勇者の使命」(味方に光属性がいると2~4R目の自分ターンに敵の暗黒属性へのダメージが中アップ)、「本家刀殺法」(ブレイブインパクトがパーフェクトだと必殺技ダメージが小アップ)。
ブースターパックの仕様もあり入手難易度が非常に高いためか、通常のシークレットと比べてもかなりの高額で取引されている。

漫画版

13話で登場。本作の世界に飛ばされ、弟子もいる事を知って彼らを探した結果【ダイ】と再会する。
その際、自身の弟子を勝手に名乗る【ボストロール・デ・アール】【あくましんかん】【おどるほうせき】に襲われている【スラキン】を救出。
ボストロールをスラキンに任せ、あくましんかんが破壊した崖からスライム村を守り、自身に謝罪したボストロールに対しスラキンにも謝るよう促した。
その後はダイ達に厳しい稽古をつけ、武術大会での解説役を担当する。

インフィニティストラッシュ

第1章でドラゴラムを唱えた彼「アバンドラゴン」と戦うこととなり、海波斬で炎を消す事が勝利条件。
ただし【記憶の神殿】【チャレンジモード】には登場しない。

ドラけし!

ダイ大イベント「デルムリン島での死闘」の後半で強敵チャレンジのハドラーでの報酬としてドラけしを入手可能。
星4の黄属性で、スキルは原作でハドラーに使用したメガンテ。

魂の絆

原作通りに仲間キャラクターとして登場。本作のチュートリアルがデルムリン島でのハドラー戦の追体験なため、必ず彼を操作することとなる。
またダイの特別ハードコース3日目を踏まえ、ドラゴラム状態のアバンが特訓相手(【ボス級モンスター】)としても登場する。
 

デルムリン島衣装

勇者の家庭教師として登場した際の真っ赤な衣装。言語切り替え時の英語表記は「Dermline Dress」。
使用武器は当然であり、ガチャなしで使える基本奥義は【渾身の空裂斬】?
原作での器用万能ぶりの再現か、全属性ダメージアップの特性があったり、各スキルや奥義に様々な付与効果がついていたりする。
 
キャラ獲得イベントはサービス開始と同時に実施され、当初は期間限定に設定されていたが、途中で期限が撤廃されて常設となった。
このため原作未読でアニメや本作を追っている人へのネタバレに配慮し、時系列としては「デルムリン島でメガンテを仕掛けて死んだ(と思われた)直後のアバン」ということになっている。
 
ガチャでアバンの剣を引き当てる事により、アバンストラッシュ(アバン)を修得できる。
後に追加された【光の剣】によって【グランドクルス】を修得。
アバン復活キャンペーンの際に追加された【ブレイズソード】?によって【ドラゴラム】を修得。
 
なおアバン復活キャンペーンの際に、限定ガチャでのみ獲得できる装備として、復活アバンの服装を再現した【偉大なる勇者の服】??が実装されている。服に分類される星4の防具。
【絆の勇者】に装備させた場合は、復活アバンの衣装を再現したコスプレ状態となる。またこれは「スタイル強化装備」の一種であり、アバンに装備させた場合のみ、別種の装備特性が追加発動するようになっている。

大勇者

原作で復活再登場した際の衣装。言語切り替え時の英語表記は「Great Hero」。
デルムリン島衣装よりも更に味方の支援に特化した特性を持っている。
なお実装直後は上述の【偉大なる勇者の服】の追加特性が発揮されなかったが、アップデートによってこちらでも発動するように修正されている。
同時に実装された【光翼の剣】?によって元祖アバンストラッシュを修得。

敵としてのアバン

一部のイベントにおいてドラゴラム状態で登場する。名称としても単に「アバン」で(ドラゴラム)といった追記補足は無く、言語切り替え時の英語表記も同様に「Avan」のみ。