DQ5(SFC版)
有名なバグ技。SFC版のみで実行可能。
概要
- まず、【はぐれメタル】+【メタルスライム】数匹の集団と出会う。
場所は【エビルマウンテン】周辺・内部または【謎の洞窟】のB1~B2F。 - 【パルプンテ】を使い、全員が麻痺するのを祈る。
- 成功したら、【毒針】or【デーモンスピア】を持ったキャラ3人と交代。
全員、道具欄から毒針を装備し直してはぐれメタルを攻撃。
このとき、事前に装備していても、道具欄から装備を選んでから攻撃すること。
1人目か2人目ではぐれメタルを倒せたら成功。 - あとは作戦を「【じゅもんつかうな】」に変えてAボタンを押し続けるのみ。
すると、いないはずのはぐれメタルを延々と倒し続ける。
その最中は画面表示がバグっているように見えるが、あまり気にしないでおこう。
ここまでの段階ならば、毒針を持って戦うならたまに見られるのだが… - しばらく放置すると、256匹倒した時点で打ち止めとなってメタルスライムを攻撃し始めるので、そうなったら終了。
一度で約257万もの経験値が手に入る。
2.を省いても部分的には実行可能で、メタルスライムが全て逃げ切るまでの数ターンは倒し続けることが可能。
ハメの成立条件
このハメは状況が二段階存在し、それぞれ成立条件が異なる。
条件さえ整えば標的がはぐれメタルでなくとも同様のハメを成立させることはできる。
第一段階
「すでに死んだ敵を同じターンに複数回倒す」
- 敵が2グループ以上で出現
- AIの標的優先度が最も高い敵がターゲットで、かつ必中攻撃(パルプンテの確定会心など含む)
- 全員どくばりかデーモンスピア装備か、【せいすい】で攻撃
条件2.と3.はどちらか一方でもOK。(後述)
以上の条件を満たし、かつ1人目か2人目でトドメを刺すと成立する。
3人目がトドメを刺してしまうと成立しない。
第二段階
「第一段階が成立した次のターン以降も同じ敵を倒し続ける」
- AIの標的優先度が最も高い敵がターゲットで、かつ全員がどくばりかデーモンスピア装備
- 主人公を出撃メンバーから外しておく
- 作戦を「じゅもんつかうな」に切り替える
- 全員がブレス攻撃を持たない
- 他の敵グループが逃走などにより離脱しないこと(256匹倒したい場合)
条件1.の詳細については後述。
条件2.については、主人公が防御するなどすれば継続できるが、攻撃の手が減るので効率が悪い。
条件4.は忘れがちだが重要で、ブレス攻撃を持つキャラだと「じゅもんつかうな」でも通常攻撃をしないことが多い。
毒針かデーモンスピアを装備できるのは、妻、娘、ピピン、装備グループB、E、I、K、M、O、Pのモンスター。
スライム(Lv99)、キングスライム(Lv20)、キメラ(Lv5)、くさったしたい(Lv10)はブレスを覚えるので注意。
ホークブリザードとヘルバトラーは最初からブレスを覚えているのでアウト。
解説
これは、【オートターゲット】の仕様の穴を突いたバグである。
通常、攻撃予定の敵グループがいなくなった場合、自動的にターゲットが別のグループに差し替わるのだが、
どうぐコマンドで武器を装備して攻撃する場合、なぜか敵がすでに死んでいるかに関わらず「標的優先度が最も高い敵グループ」に向かってしまう。
これは通常時でも同様で、他の敵グループを指定したつもりが、標的優先度が最も高い敵グループを攻撃してしまう。
だがそれでも、ここで死んだ敵をターゲットした場合、通常なら攻撃できないため、ミスと判定される。
しかし、毒針やデーモンスピア、せいすい攻撃などの必中攻撃だとミスせず、しかも撃破した敵はHP0なので1ダメージで再び死ぬバグが発生する。
パルプンテの確定会心や【ひとしこのみ】でも必中判定なので、同様のバグが発生して複数回倒すことが可能。
このとき、毒針、デーモンスピア、せいすい攻撃は他の武器と違って、最低でも敵を撃破したターンはそのまま同じ標的を狙う特徴があるため、標的優先度に関わらず第一段階が成立する。
他の武器だと、標的の優先度が低い場合は、ターゲットが別グループに切り替わるため、第一段階すら成立しない。
このとき、内部的には標的のモンスターグループは消滅(IDが255になり、パラメータはHP含めてすべて0)しているのだが、そのモンスターグループの残数の部分が負のオーバーフローを起こして255匹という状態になる。
(裏技が最高256匹で打ち止めとなるのは、このカウンターが再び0となって正常化するため。)
ここで、なぜか毒針とデーモンスピアの場合のみ、標的優先度が高ければ、次のターン以降にAIに切り替えても同じ標的を攻撃し続けて、ハメの第二段階に突入できる。
他の武器だと、例え標的優先度が高くとも、次のターン以降はターゲットが切り替わってハメが中断し、せいすい攻撃の場合はそもそもAIの行動選択肢にないためどちらも成立しない。
また、主人公が出撃メンバーにいて、改めて標的選択して攻撃するなどすると同じくハメが中断してしまう。
なぜ毒針とデーモンスピアだけがハメを継続できるのか正確なアルゴリズムは不明だが、後述の脅威度によって標的優先度が切り替わる現象から、必中の1ダメージ固定であることと敵の残りHP(トドメを刺せるかどうか)が関係していると予想される。
はぐれメタルハメの実行時期
はぐれメタルハメを実行できるのは、ストーリー順こそグランバニアへの洞窟が最初だが、単純な最速タイミングは船入手直後に天空への塔がある島のエリアに乗り込んだ場合である。
ただし、上述の通り、はぐれメタルがAIの最優先ターゲットになる状況でなければならないため、これらのエリアの敵構成で成立できるのは、大抵は第一段階まで。
例えば、メッサーラとはぐれメタルが同時出現した場合、「じゅもんつかうな」に切り替えたあとにターゲットがメッサーラに向かってしまうことが多いため、失敗しやすい。
ターゲットが確実に安定するのは上記のメタルスライムとセットの場合で、必然的に終盤になってしまう。
せいすい攻撃は対象がランダムのため、敵が1グループのみで、かつ複数出現している場合(ex:メタルキング2匹)にも複数回撃破は可能だが、上手く決められる保証はない。
なお、どんな敵も256匹倒した時点で打ち止めとなり、同一戦闘でそれ以上倒すことはできない。
全員麻痺状態の恩恵
上述の「パルプンテによる全員麻痺」効果を利用することでメタルスライムが逃げることがなくなり、カウンターが1周する256匹まで倒すことができるのだが、実は恩恵はそれだけではない。
敵が麻痺状態の場合、そのモンスターの脅威度が最低にまで下がる関係で、標的優先度が(すでに死亡した)はぐれメタル>メタルスライムの状態が維持される。
つまり、毒針&デーモンスピア以外でも「ひとしこのみ」などの確定会心状態ならば裏技が維持できることになる。
スタメン3人が毒針&デーモンスピアで削る場合、はぐれメタルの初期HPが6だと2ターン目の3人目の攻撃でちょうど倒してしまって裏技が成立しないリスクがあるが、「ひとしこのみ」ならば1人目で確実にとどめを刺し、2人目の攻撃で裏技が確実に成立する。
パルプンテで全員麻痺を引き当てること自体に運が絡むため、できるだけ不確定要素を減らしたいならば毒針&デーモンスピアに頼るよりもこちらの方が安定する。
ただし、はぐれメタル&メタルスライムかはぐれメタル1体2グループの組み合わせ以外では全員麻痺での標的優先度がはぐれメタルに残らないようなので注意。
はぐれメタル1体2グループの出現パターンは稀ではあるがグランバニアへの洞窟で狙うことが可能で、標的優先度は左側(リストの上側)が第一優先となる。
さらに他のモンスターも同時出現することがあるが、その場合は全員麻痺させたあと裏技を成立させる前に排除してしまえばよい。
ハメの実行による不具合
この現象で不具合も確認されている。
通常は敵を指定する際に、「○○ - 1ひき」と表示されるわけだが、
敵の名前と個体数が省略され「 -ひき」と表示されてしまい、
ターゲットを指定できなくなることがある。
これは、上記の例とは異なり敵が1グループしか登場しなかった際に発生しやすく、
実際に倒した数だけ敵の数のカウントが減らされる一方で、
画面上に存在する敵の数がそれとは食い違っているため、
「全ての敵グループを全滅させた」ので「敵名も数も表示させる必要が無い」はずが、
「実際には敵がいる」ことで、「存在しないはずの敵を攻撃指定できない」のが原因。
パルプンテで敵を復活させると、「○○ - 0ひき」などと表示されるが、
0匹だろうが敵名が表示されてさえいればこの不具合からは脱出できる。
不具合中も、ターゲットを指定しなければバトル続行は可能なので、
回復や防御を繰り返して敵に逃げてもらうか、
主人公を外すなり防御させるなりしてからAIに任せるかすればよい。
ただし全体攻撃武器などを使った場合、処理上は一瞬だけ敵グループを指定していることになっているので、敵グループを指定できない=全体攻撃武器のコマンド決定もできない。
ところで、このバグ技により「敵の出現数表示と実際にいる敵の数が食い違う」ケースに出くわすことになるのだが、その場合はどうやって戦闘勝利判定を行うのか…?
実はSFC版DQ5では、「原則的に、画面上にいる敵が全滅すれば勝利」という視覚的に単純なもの。
よって、敵を一掃しても敵出現数表示が0になっていないので戦闘続行、などという事態はない。
安心して普通に画面上から敵を全滅させて勝利できる。
ただし、これを【合体スライム】相手に行うと、敵表示が「 -ひき」になった場合、
合体スライムが同種の仲間を呼ぶ際に「敵名非表示につき自分がどのモンスターなのか誤認する」ため
バグモンスター「【きせきのつるぎ】」を同種の仲間として呼んでしまうのだ。
聖水で容易に引き起こせる為、聖水バグとも呼ばれている。
注意したいのは、きせきのつるぎと戦った場合、戦いのさなかに【フリーズ】したり、
戦闘後にセーブをすると冒険の書が消えるといった報告が寄せられていることである。
はぐれメタル一行を倒す場合なら特に問題は報告されていないが、ご利用は自己責任で。
余談だが、PS2版の勝利判定はこれとは真逆で、データ内で敵の匹数が0になったときに勝利判定がなされる。つまり画面上に敵が残っていても戦闘が終了することもあるし、画面内に敵がいなくても敵が残っていれば戦闘は続行する。
前者は【ジェリーマン】に【ザイル】をモシャスさせて【パルプンテ】で逃走させたときに見られ、後者は【バズズ】のMPをマホトラで0にしてからメガザルを唱えさせると見られる。