【アルス】

Last-modified: 2022-12-29 (木) 16:46:51

概要

男性キャラクターにつけられている名前。
DQシリーズではマンガ【ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章】の主人公のほか、ゲームのデフォルトネームなどにも使われている。

DQ3

SFC版DQ3制作時に制定された勇者(男)の【デフォルトネーム】
公式のスクリーンショットのほか、SFC・GBC版DQ3の【プロローグ】でも使用されている。
FC版を映したスクリーンショットや動画では「あるす」表記。
 
バトルロードなどの外伝作品ではDQ7と重複しない【伝説の勇者】の呼び名が使われる。

DQ7

SFC版DQ3と同じデフォルトネームが、次のナンバリング新作であるDQ7の主人公にも使用された。
ナンバリングタイトルのデフォルトネームで唯一、【取扱説明書】内のキャラ紹介でも小さく括弧付きで記載されている。またマンガ版小説版とも同じく主人公名として使われている。
バトルロードなどの外伝作品では「少年アルス」の呼び名となっている。
 
一方で、シアトリズムのED曲ステージ及びDQ11の真エンディングの背景で流れる動画では、この名前ではなく「セブン」が使われている。

ユアストーリー

DQ5のストーリーを採り入れた映画『ドラゴンクエスト ユア・ストーリー』では、主人公リュカの息子の名前が「レックス」などではなくこの「アルス」になっている。

ロトの紋章

本作の【主人公】【ゾーマ】を倒した勇者【アレル】の子孫。
物語開始当初は10歳だったが作中で16歳まで成長した。見た目は幼さの残る少年(青年)ながら、幼少から自身に託された【ロトの勇者】としての使命を自覚し、ときに苦悩しながらも戦い続け、勇者として成長していく。
 
幼い頃より勇者としての修行を積んできたため、優等生的なところもあり、自身の使命に強い自覚を持つが、根は争いごとを好まない心優しい性格である。
幼少時から10年近く隠れ里に匿われてきたため世間知らずな一面もあり、さらにかなりの大食漢。
また、幼少から勇者の子孫としての期待や使命に晒され続けていた事でそれに重圧を感じる事もあり、苦境に行き詰まったり弱音をはくこともあったり、出生直後に故郷を追われて親と離れ離れになったため、両親の愛情に飢えていたりと、年頃の少年らしさも節々に感じさせる。
しかし、一度決めたら何があっても貫く意思の強さも持ち合わせており、作中での幾度もの困難や死闘を乗り越えた結果、情に流されずに全力で戦い抜くという心構えを身に着けていく。
反面、仲間の意思を尊重しすぎるせいでリーダーシップに欠ける面があり、この辺りも後述する物語の終わった後の彼の生き方に関連しているのかもしれない。
 
声優はドラマCDでは高山みなみ(少年時代)&西須汐美(赤子時代)、映画版では平松晶子。

略歴

【カーメン】王国の国王【カーメン4世】と王妃【ローザ】の間に、王子として生を受けるが、誕生と時を同じくして城が【竜王】の手によって陥落。共に【イシス】に逃げ延びた老師【タルキン】や、【カーメン騎士団】団長の【ボルゴイ】の娘【ルナフレア】たちの庇護の下、聖域にある【仙人の里】で育てられる。
後、聖域の結界が破られたのをきっかけに里を出て、勇者ロトと共に【ゾーマ】を打倒した聖戦士・賢王【カダル】に師事、【キラ】と共に蜃気楼の塔で3か月の修業を受けた後、【勇者】として旅立つ。
 
【バラモスゾンビ】【リバイアサン】【グノン】との闘いに勝利するものの、同じロトの血を引く魔人王ジャガンとの戦いでは圧倒的な実力差を前に追い詰められ、戦いに畏怖するままに命を落とす。
キラたちが決死の覚悟で確保した世界樹の葉によって傷は癒え生気が戻ったものの、生きる気力を失っていたため意識が戻ることはなかった。
肉体から自身の魂が離れたことに気づいて自分の死を自覚した後、冥界【アケロンの河】で再会したルナフレアとタルキンに戦いに対する忌避感を吐露する。そして戦いを放棄し死を受け入れて2人と共に暮らしたいという願いを口に漏らすが、二人の励ましを受け、共に戦う仲間たちの思いを胸に再起を決意、現世に帰還した。
この後、自身の弱点を自覚し弱さを克服すべく仲間たちと共に蜃気楼の塔で修行を重ね自身を積極的に鍛え直していく。
この頃より、真の勇者としての自覚をより深めていき、オメガルーラでのその場しのぎ的な封印ではなく、全力で異魔神を倒すと宣言。自分なりの勇者としてのあり方を貫徹する姿勢を見せたことにより、1つに戻ったロトの紋章に真の勇者として認められるに至った。
 
最終的に、パーティーメンバーの中で唯一ラブロマンスがないキャラとなり、続編で【アラン】【アステア】の間に生まれた子供が主人公になったため唯一の独り身となってしまった。
やはり真の英雄とは家族や恋人といった特別な存在を持たず、全ての人間に対し平等に与する立場であり続けなければならない宿命なのだろうか、と思われていたが……。

劇場版アニメでは

仙人の里にいた時代、7歳の頃のエピソードが描かれている。剣の稽古ではルナフレアに勝てず、呪文もまともに唱えられずタルキンに叱られ、仙人の里のガキ大将だったキラには子分にすらしてもらえない気弱な性格だった。
また、この頃はまだ7歳で慢心が生まれる可能性があったため、カーメンの王子であることなど素性を知らされていなかった。
 
ある時、キラに捕まった妖精・ティーエを助け出したことから、妖精たちにとって大切な【君影草】を守るための最初の冒険が始まる。
最初のうちは自信もなくおどおどした表情を見せ行動もおっかなびっくり行うような感じだったが、妖精たちの長老から君影草を守ってほしいと託された事で、責任感や使命感を感じ、徐々に怯えが消え最初の冒険に立ち向かっていく事になる。

戦闘能力

ルナフレアからはカーメン流剣術を学び、タルキンからは魔法を学び、里を離れた後もカダルとの修行により実力を伸ばした。
ジャガンに敗北した後は初心に返り、剣王キラの指導で剣術、賢王ポロンの指導で魔法をさらに上達させ再戦時は雪辱を果たした。
 
魔法はカダルとの修行で【ライデイン】を会得してから、それをメインとするようになり、バラモスゾンビ戦では【マホステ】を会得した。グノン戦では【ミナデイン】を会得し、ジャガンとの3度目の戦いで【ギガデイン】を会得した。
他、物語の随所で【ベギラマ】【イオラ】を多用している。特に終盤のイオラの破壊力の高さには仲間からも驚かれた。
だが、戦闘系の呪文ばかりを身に付けていたせいか、回復魔法は【ベホイミ】止まりで補助魔法もあまり使うことができず、そのことをポロンに指摘されたこともあった。
ミナデインやマホステといったDQ4以降の呪文はあるものの、愛用する呪文やベホイミの習得が遅いという点ではDQ3勇者の再現ともいえる。
なお、劇場版によると最初に覚えた呪文はメラである模様。
 
3人の勇者の中でアランとアステアと比べて使える魔法のレパートリーは狭いかもしれないが、剣術でジャガンに勝利したり、その剣術を指導したキラにも認められたりと、剣を用いた肉弾戦においては3人の勇者の中で最も優れてると思われる。
ただ意外なことに、キラの【幻魔剣】やヤオの【波動拳】などに準ずるような肉体的特技や剣を用いた必殺技の類を持っていない。
そのため連載当初から最終戦に渡って、剣での見せ場は雄叫びや唸り声を上げながら渾身の一撃で斬り裂くのがほとんどであり、剣だけでは処理できない集団の雑魚相手やここぞという時の決め技では呪文に頼ることになる。

装備

武器として最初は【せいなるナイフ】を装備していたのだが、カダルの修行が終えた記念に【ひかりのつるぎ】を贈られ、しばらくはこれを使用していた。
だが本物の【おうじゃのけん】を持つジャガンによって破壊されてしまったので、彼に太刀打ちできる剣を、という事でジパングに出発する事に。その時つなぎとしてアリアハンに保管されていた【オルテガの剣】を譲り受けた。その後、ジパングにて念願の王者の剣(通称:【アルスの剣】)を手に入れ、最終決戦まではこれを使用した。
 
鎧はカーメンに帰還した時に、ボルゴイから【ロトの鎧(レプリカ)】【ロトの盾(レプリカ)】を授かる。ジャガン戦で破損するが、アリアハンの人々の手で改修。その後もずっと使い続けた。それ以外には仙人の里で布の服、蜃気楼の塔に向かう際に旅人の服、アッサラーム出発時に鉄の鎧を装備。また、アリアハンでの修業時代に一時的に鋼鉄の鎧を着用していた。
 
アルスの剣は最終決戦の折、鎧と盾も異魔神との最終決戦で大破し、ミナデインの力がこもった一撃で異魔神の聖核を撃破した際に折れてしまった。
 
なお単行本書き下ろしのエピローグでは、王者の剣とロトの鎧を装備した後姿を見せているが、ここで身に付けているのが修復された物であるのか、【アラン】が使用していた本物なのかはこの時点では不明。
後に連載した続編にてアランが赤系統かつオリジナルデザインの鎧を装備している様子から、かつてアランが使用していた本物であると思われる。

ロトの紋章~紋章を継ぐ者たちへ

当初はカーメンから旅立ったきり音沙汰無く所在不明となっていたが、【ベゼル】の夢の中でジパングから炎の神器を持ち出した経緯が回想された際、なぜか彼の記憶の中で神器を託す姿が回想された。
上記のエピローグを反映してロトの鎧を着ている。また、容姿が前作から大きく変わった他のメンバーと比べると、全くといっていいほど姿形が変わっていない。
 
妖精の女王となった【ティーエ】の未来視によって、本作の黒幕の復活を予見し、ジパングから呪文の根源である「三種の神器」の保護を目的にイヨとイズナの下に来訪し、ジパングからそれぞれの神器の聖地へ移送しようとしてた。ベゼルとはこの時に出会い、彼と同じ船に乗り合わせていた。
だが黒幕の毒牙にかかった潮の神器の守人チュクチのロウダイによって神器が盗まれ、さらにそれを阻止したベゼルと共鳴を起こした炎の神器により船上火災が発生すると、ベゼルを逃がして炎の神器を託す。そしてアルス自身も、「雷の神器」と共鳴を起こし、神器の内部世界へと封じられてしまった。
 
アリアハンの戦いで、神器の精霊がヤルバー族の秘術で解放されたことでようやく封印から解放され、【オリハルコン】か何かの欠片らしきものを持って再びジパングに向かい、イズナに協力を要請した。
 
アロス達の戦いが終わった半年後、ポロンを除く聖戦士達は密かに集まり、ここから親世代の戦いが再び始まろうとしていた。

ドラけし!

ロト紋イベント「ロトの勇者と呪われた王子」限定ドラポンから排出される。
星5の黄属性で、スキルは縦長のX字範囲を物理攻撃する「ギガブレード」。攻撃力はなんと360にまで達する。
当イベントのバトケシ!で与えられるダメージ大。

余談

他の仲間たちが例外なく、魔王軍によって産みの親を失った中、唯一、両親と生きて再会を果たした。(その代わりに、血の繋がりはないが家族同然の存在だったルナフレアとタルキンを失っている)
 
2018年、セガのアーケードゲーム『三国志大戦』とコラボし、【藤原カムイ】の描いた劉備が登場している。通り名は「劉の紋章」で、フレーバーテキスト及びセリフ回しも「ロトの紋章」のアルスをモチーフにしている。振りかぶっている剣は王者の剣に似ているが微妙に違う。CVは小野大輔。