【サマルトリア王女】

Last-modified: 2024-03-21 (木) 04:49:22

DQ2

【サマルトリア】【王女】である。
父は【サマルトリア王】で、兄に【サマルトリアの王子】がいる。
ゲーム中では名前がついていない。英語版ではNES版のみHallaと名前がついているが、GB・スマホ版では名前は無い。
SFC版【公式ガイドブック】にイラストが掲載されている。
グラフィックはFC版等では一般女性と共通だが、SFC版以降では専用グラフィックとなった。SFC版では先祖が先祖だからか【ローラ姫】のものを流用している。GB版以降ではGB版公式ガイドブックに準じたグラフィックになった。
 
サマルトリアの王子に会ってない段階で話しかけると彼に関する情報を聞ける。
サマルトリアの王子を連れて話しかけると「ねぇ あたしも つれてってよお!」と言い出すが、王子は「だめだよ おまえは。」と一蹴する。
兄である王子を「お兄ちゃん」と呼ぶ。王族ながら「兄上」と呼ばないところから、かなり歳の離れた幼い姫君なのがわかる。
幼いことが他の3人と違って冒険に出ない理由かもしれない。
 
なお【棺桶】と化したサマルトリアの王子を連れて行くと「あっ おにいちゃんが しんでる!えーんえーん……。」と言って泣き出す。
FC版では、【シドー】打倒後にNPC達はグラフィックに応じた共通の台詞を喋るようになるのだが、彼女だけはモブの女性たちと違って特有の台詞が用意されている。
SFC版のスタッフロールでは「サマルの棺桶を引きずって妹に会いに行く」というシーンがわざわざ流れる。

没エンディング

『月刊LOGiN』1987年5月号および『ファミコン通信』1987年14号に掲載された「『ドラゴンクエストII』ができるまで(後編)」で【堀井雄二】自身が語っている公式の没【エンディング】がある。
その内容は、

それは、2番目の王子(サマルトリアの王子)が犠牲となって、最後の敵を倒すというものである。
目的は果たしたが、もはやサマルトリアの王子は戻らない。
彼の冥福を祈りながら、キミはムーンブルク王女と2人で帰路に……。
お城では人々が待ちかまえ、キミたちの偉業を心から称えてくれる。そして、一大セレモニーが開催される。
と、その時!
「お兄ちゃんの仇っ!」
駆け寄ってくる1人の少女。
気づくと、少女の持っていた短刀が、キミの胸に深々と刺さっていた、
少女は、いうまでもなく、サマルトリア王子の妹であった。
ボーゼンとする人々。
キミの身体は、やがて、ゆっくりと倒れていく。……幕。

という凄惨な内容だったが、悲しすぎるという理由でやめたとのこと。
悲しすぎるのもあるが、仮に実現していたら破壊神を破壊した主人公を短刀一本であっさり殺害する幼女という、なんだかすごいキャラになってしまう。
他の世界には勇者の必殺技すらはじき返した大魔王に対し不意打ちで手傷を負わせた王女がいるので、完全に油断しているところに思わぬ相手から不意打ちを受けては勇者といえどもなすすべがないのかもしれない。あるいは彼女もロトの末裔である以上、意外な戦闘力を秘めているのか。
 
ちなみに、ネットでこの没案を語る際に「メガンテを使ってシドーを倒した場合」という前置きが入る場合があるが、上記を見ればわかるようにインタビュー記事には特に【メガンテ】の記述はない。
堀井自身が「あまりに悲しすぎるので結局やめてしまった」と述懐している通りあくまでも没案であり、そもそも製品ではシドーにメガンテは効かない仕様になっている。
おそらく「サマルが犠牲になって」という話が先行するうちに「メガンテを使ってシドーを倒した場合」と尾ひれがついてしまったのだと思われる。

ゲームブック(双葉社)

登場はするのだが、名前は不明。
口調からして子供っぽい印象の原作ゲームとは違い、可憐な美少女で、ローレは一目惚れするが相手にされなかった。
ちなみに、デレている王子を見て怒ったムーンブルクの王女は蹴りをいれている。

小説版

名前は「マリナ」。
パーティの3人の2つ年下で14歳。
原作のように「あたしもついていっちゃおっかな」と言い出し、こちらでは父王リンド6世にたしなめられる。
ローレシア王子アレンに惚れていたが、彼は【ムーンブルクの王女】セリアと恋仲だった。兄王子コナンもセリアに惚れていたことで、兄妹で同じカップルに失恋する結果となる。
アレンからはコナンが対【マンドリル】戦の直後に告げるまで気付かれていない。
アレンがサマルトリア城を訪れたシーンと、対【シドー】戦のコナンの白昼夢に登場するのみで、エピローグでも触れられていない。
上記の没エンドよろしく嫉妬に狂って刺しに行かない事を祈るのみである。
失恋を認めて清算し、新天地の大富豪の娘との新たな恋を掴み婚約したコナンに上手くなだめてほしい。
 
なお、兄の事は「お兄様」と呼んでいるが「あのお兄様じゃねえ」「からっきしだらしがない」「虫だって怖がるくせに」と酷評しつつ、本人なりに心配している。

一方兄からは「アレンにもしものことがあったら申し訳ない」と気遣われ、「ああ見えて可愛いところがある」と好評されている。
実際の会話シーンはないものの、互いに大切に思い合っている様子。

知られざる伝説ロト2

「わがまま姫様の捕物騒動」というストーリーに登場。
こちらでの名前は「ティア」で、同年代の侍女・ローザと護衛の戦士・カールと冒険に出る。ローレシアに密偵としてもぐり込んでいた【じごくのつかい】を捕らえている。
その話は終始なかなかにコミカルゆえ一読を推める。

ゲームブック(エニックス)

同じく名前はティア。
城にいるだけだったゲーム版と比べると大活躍を見せ、サマルトリアから【勇者の泉の洞窟】まで付いてきたり、下巻では地獄の使い戦で主人公たちがピンチになるとボディアタックをかまして助けてくれたりする。
 
勇者の泉への途中の戦闘ではなんと【呪文】まで使える。
とは言っても叫ぶだけだが、イオナズンを叫ぶと敵が逃げていき、パルプンテを叫ぶとなんと1001匹もの【ドラキー】が集まってくる。本物の呪文ではないにしろ侮れない。
 
「てめぇらみんな死にやがれ!」の叫びと共にクリフト状態と化す兄上カインといい、このゲームブックのサマルトリアの血筋は何故こんなはっちゃけた呪文の使い方をするのか?
一応、サマルトリア王に魔法嫌いという設定があり、兄妹とも正規の手段で魔法を教育されていない節はあるのだが謎である。
 
ちなみに、兄王子の母親は王子出産直後に亡くなったとのことであり、下巻の人物紹介でも異母妹とされている。
【ロト】の縁者なのは王子の母親であって、ふたりの父親である王はロトとは関わりがないため、明言されていないものの王女にはロトの血が流れていないことになる。
王女の産みの母もまたロトの血を引いている可能性もなくはないが、こちらも明言されていない以上はやはり想像の域を出ない。

キャラバンハート

DQ2の数百年後とされる本作でも、サマルトリアの王政は健在であるが、現王家はロトの血筋とは関係ないらしい。
王子はシドー撃破後にどこかへ去ったという話を聞けるので、今のサマルトリア王家が彼の子孫でないことは確か。
そればかりかどうも王朝そのものが代わっているらしく、王女の子孫でもないようである。