【シナナ】

Last-modified: 2023-04-14 (金) 19:06:34

ダイの大冒険

【ドラゴンクエスト ダイの大冒険】に登場するキャラクター。アニメでの声優は旧:あずさ欣平、新:塾一久。
【ロモス王国】の国王。【ダイ】にとって初めての良き理解者となった人物。
彼が怪物島と呼ばれて恐れられていた【デルムリン島】の事実を【パプニカ王国】の国王へ伝え、ダイを紹介したことで、【レオナ】がデルムリン島に来るきっかけを作っている。
 
気さくで温厚な人物であり、国民からも慕われている。孫もいる年齢だが幼いところもあり、ダイが【鬼岩城】を両断した時にはしゃぎ【エイミ】達に驚かれていた。
その一方で、クロコダイン襲撃の際には無力を承知で戦場に留まり、兵士たちを鼓舞するなど王としての気概と覚悟も持ち合わせている。
小太りで短身、穏やかな顔の下半分を豊かなあごひげが覆っており、その姿は本編ゲーム上のドット絵の【国王】を連想しやすい姿であり、且つどこかサンタクロースを思わせる。
【クロコダイン】を倒した後にダイ一行へ装備をプレゼントして、【ブラス】に護衛を付けて帰還させてくれた(新アニメでは護衛が付けられたシーンは描かれていないが、単身帰還したとは考え難い)。
【パプニカ】へ向かう一行に聖水船も貸してくれている。
また、ダイに渡した【覇者の冠】【ダイの剣】の材料にすることも快諾している。
 
ちなみに、作中ではあまりつっこまれないがトータルで見るとなかなかの暗君である。
まず、偽勇者一行の偽りの業績を鵜呑みにしたり、魔王軍のスパイである【ザムザ】をあっさりと重用したり、人を見抜く目がとにかく甘い。
あげくには【ゴールデンメタルスライム】を献上されただけで国宝である覇者の冠を下賜しようとするなど行動も安易。
覇者の冠は【覇者の剣】と同じく「神が人に与えた金属」と言われる非常に貴重な【オリハルコン】製であり、事実として他の武器では神々が作った【真魔剛竜剣】しか登場していないし、オリハルコン自体も地上には上記の3つしか登場しない。また、真魔剛竜剣は【竜の騎士】に付属しているから現在地上にあるだけで人間や地上のものではないので、地上のオリハルコンは覇者シリーズの2つだけしかない。
つまり、ロモス王国の国宝であるとともに人間界の至宝とも言える伝説級のアイテムであり、どう考えても行きずりの旅人からの献上品の見返り程度の名目で譲渡していいような代物ではない。
結局ゴメちゃんはオリハルコンをも上回る唯一無二の天界の至宝であったことが最終盤で判明するわけだが、その時は誰一人知る由もなかったし、何よりゴメちゃんが檻の中で泣き崩れていることに気付く素振りもなく嬉々と受け取っているのは流石に如何なものか…。
結果的には覇者の冠は【でろりん】一行の手には渡らなかったが、紆余曲折の末に魔物の住む島の謎の少年に譲渡している。
こちらは後に世界を救う名剣の地金という形で大いに貢献する訳だがあくまでも結果オーライであって、当初でろりんに譲渡しようとしていた彼に人を見る目があったとか先見の明があったとかいう話にはならない。
 
次に、ダイ達一行に命と国を救われダイを「世界を救う勇者」として讃えておきながら、覇者の剣を出し惜しみして【はがねのつるぎ】などのありふれた武具を与えた一方で、どんな人格の人間が優勝するかもわからない武術大会の景品にするなど、支離滅裂な行動をとっている。でろりんらへの褒美、覇者の冠との落差もひどい。覇者の剣もまた冠と並ぶ伝説の至宝なのだが、大会には剣の売却を目論む者正体不明の白頭巾、挙げ句に魔物ですら当たり前に参加しており、人間界の至宝であるはずの剣がどうなるかを明らかに省みていない。
武術大会関連の行動はザムザの進言であり彼自身の発案ではないが、それを承認した以上は間違いなく彼の責任である。
結果スパイであったザムザの策にまんまとはまり、覇者の剣は偽物とすり替えられた挙げ句に魔王軍の手に渡るという最悪の事態を招いている。ザムザはたまたま居合わせたダイやマァムに討伐されたものの、仮にダイ達がいなければ彼自身や大会の参加者の命も危ういところであった。
 
これらのアイテムに関するめちゃくちゃな行動だが、彼の性格からすると「でろりんは覇者の冠を欲しがったから渡した、ダイは特に報奨を欲しがらなかったから手頃な装備品を渡した、ザムザが出せと言ったから覇者の剣を出した」と言われるがままに動いていた、と考えれば説明はつく。
冠の加工の快諾も、必要性を感じたから即断したのではなくそもそも深く考えていなかった可能性すらある。
主体性や検証能力に欠けると言わざるを得ない。
 
一方、好意的な見方をするなら、種族による違いを色眼鏡で見ることのない深い懐を持っているとも言える。
魔物を引き連れて襲撃してきた少年と勇者一味の行動を公平に見定めてどちらに非があるかを判定したり、百獣魔団の侵攻を受けていながら大ねずみである【チウ】を大会に受け入れるなど、国民達も国王の考えを支持していると言える。
ザムザも優秀な人物であったことは事実であるし、覇者の剣自体は奪われてしまったものの魔王軍に対抗できうる人材の発掘という目的は結果的にいえば成功している。
新アニメでは冠の加工の許可を得るシーンで偶然クロコダインと鉢合わせているが、今はダイの仲間なのだろうとして過去の侵攻を水に流している。
 
様々な愚行についても、あくまでも当人に悪気は無い。…悪気が無い、純粋な想いからの行動だからこそ余計に性質が悪いともとれるが。
多少強引に好意的解釈をするならば「懐が深く柔軟で決断力と行動力に優れる」、素直に解釈すれば「責任ある立場でありながら軽率で深慮に欠ける」人物と言える。よくも悪くも典型的なRPGの王様としてイメージしやすいキャラクター。

魂の絆

原作のストーリーを追体験する【竜の軌跡】に登場しているほか、本作オリジナルストーリーの【絆の旅路】では【ミラドシア】のロモス王が登場。
後者はシナナよりも若く見える。