どんな感じ?
RetroarchをVITAで動作させられるので旧マシンのエミュレーションは精度、速度的に全く問題がない。
ボタン・レバーなどの操作しやすさはさすがのSONY製であり携帯機の中ではもはや最強のエミュマシンといえる(ただしPSまで、N64除く)
PSまでのエミュマシン+VITA、PSPゲームの動作までできることを考えると、もはや中華マシンは必要ない。
惜しむらくはRetroarch(VITA版)ではN64への対応がないことと、ZIP圧縮されたファイルが扱いにくいこと(扱えないわけではない)
- 2019/1現在ではVITAのファームウェアを3.69にあげてはいけない、3.68までならギリぎりセーフ。
- 2019/5時点でファームウェア3.70に対応したHenkaku(Trinity)が動作させることができるようになったのでダウンローダーで古いFWバージョンに戻せるようにはなった。とはいえ、特に理由がなければHomeBrewを楽しむためには3.68までで更新を止めておくのがオススメ。
- 右スティックの位置とABXYボタンの配置から縦シューがプレイできる(PFBA使用時)
- 2022/3現点ではpsvita用64エミュDaedalusX64が開発公開されており、動作性も良いため最早欠点ではないだろう。
特徴
- 本体が頑丈で高級感がある
- ボタン、レバーが超一級でどの中華マシンよりも優れている、バッテリーも申し分ない
- VITAのゲームがフルフレームで遊べる(もちろんVITA対応タイトルはネイティブで動く)
- PS/PSPが公式エミュレーター上で動作する
- SONY製なのに任天堂系のタイトルを動作させる極上の背徳感
SFCがフルフレームで動作する(特殊チップは40FPS程度)
※ハードウェア的な改造なしでFC/SFC/MD/PS/NEOGEOくらいまでは余裕で動作
※N64はRetroArchが対応していない、サターンはエミュレータそのものが重たすぎて無理 - VitaにはL2/R2ボタンがないので、PS1では物理ボタンが足りなくなることに注意
まあこのあたりはアーカイブスでも同様の問題はでてますが。。。
Retroarchは背面タッチパッドには対応していない。つまりR2L2をあとづけするグリップなどは使えない(と思われる)
- Retroarch自体がわりと不安定で入力系が時々バグる、Retoarchのメニューに戻れない(強制リセットせざるをえない)など不具合は少なくない。これらの症状はビルドごとに現象が異なるので安定化を待つしかない(StableBuildでも安定していないので注意)
- FW 3.65 + Retroarch(1.7.5)では、これらの問題はおこらないが、FW3.68以降では問題が多い。FWとの組み合わせが問題か?
- FW3,65+Retroarch1.7.7でも同様の症状は出るので注意
- MAMEなどで縦画面をプレイする場合はMAME(無印)がオススメ(それ以外は縦画面が反転してプレイ不可能)
VITAのSPECについて
PlayStation VITAは意外とスペックが低い。しかしAndroidに比べると薄いOSのレイヤー層がハードウェアの性能を十分に引き出してくれているもよう。CPUのクロック数だけで見るとA320やPSPと大差ないが、実際にはGPD-Q9と比べても遜色ない動作をさせることができる。もっとも8~16bitマシンのエミュレーションには300MHZもあれば概ね問題なく動いてしまう、という理由もあるかもしれない。
Device | CPU | Freq | RAM | Reso | LCD(inch) | Weight | Battery | Size |
PS-VITA | Cortex-A9 | 333MHz | 512MB | 960x544(16:9) | 5 | 279g | 2200mAh | 182x83 |
GPD-Q9 | Cortex-A17 | 1800MHz | 2000MB | 1024x600(16:9) | 7 | 397g | 5000mAh | 240x118 |
RS97 | JZ4760 | 528-600MHz | 128MB | 480x320(3:2) | 3 | 133g | 890mh | 145x65 |
A320 | JZ4732 | 336-400MHz | 32MB | 320x240(4:3) | 2.9 | 110g | 1700mAh | 120x55 |
PSP | ALLEGREX | 266-333MHz | 32MB | 480x272(16:9) | 4.3 | 189g | 1600mAh | 170x74 |
Dinguxを積んだRS97やA320もAndroidに比べると圧倒的に軽量ではあるが、PSVITAのほうが断然処理能力は高い。このあたりはGPU性能とメインメモリの潤沢さ以上にOS(FW)の優秀さに違いがありそう。OSのレイヤーが厚いAndroid特有の入力遅延はVitaでは感じられない
処理能力やエミュレータの対応状況から64,DC,PS2,DS以降は期待できない
ver.3.70からのRetroarchインストール
[基本的な手順]
- VitaにPSPタイトルをPSStoreからダウンロードする(例:幕末維新伝など)
- Vitaにインストールされた「幕末維新伝」をPCにコピーする
コピーにはVita純正アプリ「コンテンツ管理」を使用してPCにコピー
なぜかUSB転送はうまくいかないのでWiFi経由でコピーする - PCにコピーされた「幕末維新伝」を改変して「Trinity」を埋め込む
- 「コンテンツ管理」で改変された「幕末維新伝(Trinity)」をVitaに戻す
- Vitaから「幕末維新伝改(Trinity)」を起動する
これでHomeBrewアプリ(SCE認定以外のアプリ)を起動させられるようになる - 非正規アプリの「VitaShell」をインストールすることで、すきなVPK(Vitaの実行ファイル形式)がインストール可能になる
- RetroarchやAdrenalineをインストールして、PSP、その他エミュレータを動作させられるようにする
ここでいうTrnityとは、旧Henkakuであり、これを使用することで、好きなアプリをVitaで起動させられる。
また、基本的にVitaを再起動すると再びHenkaku(Trinity)を再実行する必要があることに注意。
これを永続的に使用できるようにするアプリが「Henkaku-enso」と呼ばれるものである。 - Henkaku Ensoのインストール
- SD2VITAのインストール
注意
FWのバージョンは3.65あたりで稼働させるのが無難。3.69以降はTrinityを使って起動できるようにはなるが、いろいろなアプリは3.65くらいで安定動作させられることから、TrinityでHomeBrewアプリを動かせるようになったら3.65あたりにダウングレードしておくことがオススメ。
また、PStoreには最新のFWを求められることが多いため(3.70界隈ではバージョン偽装すればうまくいく)Trinity導入後はPSStoreは使えなくなる覚悟で挑もう。
1~6の手順
Trinity(Henkaku).vpkをvitaにインストールして非正規アプリをVITAで動作させられるようにする
非正規アプリのVitaShellをVitaに導入すればVITA、PC間でのファイルをコピーができるようになる
vitaに「コンテンツ管理」、Windowsに「コンテンツ管理用のドライバ(USB越しにVitaのドライブから取得可能)」を用意しておくこと。
PSStoreから「幕末維新伝」をダウンロードしておくとよい(別に幕末維新伝でなくともよいが失敗例が少ない)
Trinityに関してはこのあたりがとても詳しい。
- [PSVITA] FW3.69/3.70でHENkakuをインストールする事が可能な Trinity がリリース
- PSVita 3.69,3.70用新ハック! TrinityでHENkakuインストールしよう!
modoru
vitaのFWバージョンをver.3.68以前に戻す。オススメは3.65。
ファームウェアバージョンが3.69以降であればTrinityをつかってHomeBrewアプリを動作させられるようにして、その後はまずはバージョンダウンしておくのがいい。バージョンダウンには「modoru」を使用する。
- Modoru.vpkをPCにダウンロード、VitaShellでVITAに転送する。転送後はVitaShellからModoruを選択してインストールする
インストールができると、LiveArenaに「Modoru」のアイコンが追加されるのでこれを実行する。 - 戻したいFWもあわせてダウンロードしておくこと
- Vita上でmodoruを実行、ver.3.70→3.68に戻す
Retroarch / Adrenalinをインストール
- RetroarchをいれるとNES~PS1くらいまでのエミュレーターがインストールされる
- Adrenalinを入れるとPSPのISOイメージからVITA内臓のPSPエミュレータが利用できる
- Retroarchのリソースデータ類は別フォルダで管理されているので、ダウンロードとファイルコピーを忘れずに
詳しくはこのあたりで。
注意点
どうも2019年以降のVita用RetroarchはRetroarchのメニュー(LiveArenaではなく)に戻るとGPUがエラーをダンプしてハングする。
電源ボタン長押しの強制再起動で事なきを得られるが、メニューに戻れないのは超不便である。FW3.65+2018年12月くらいのRetroarch(1.7.5)では問題ないので探し出してこっちを使うのがオススメ。
使い方
- Adrenalinの終了はHOMEをダブルクリック
- Retroarchのメニュー切り替えはStart+Selectに設定しておくと良い
- Vitaを再起動したらHENKAKUが機能していないので、もう一度Henkakuを実行すること
- PSPのISOや、RetroarchのROMはWindows上のエクスプローラーでコピーできる。その後、VitaShellで以下の適切なディレクトリへ移動する
- rom
Retroarchのパスとして設定する ux0:data/roms
- PSPのISO
PSPのISOイメージをコピーしてAdrenalineから起動 ix0:pspemu/ISO
バージョン偽装
PSStoreにアクセスするときは最新のFWのバージョンを求められるが、「Henkaku/Trinity」導入後はこのバージョンを偽装することができる。
設定 → HENKAKUの設定 → PSNの偽装を有効化 設定 → HENKAKUの設定 → 偽装バージョンの確認でバージョン番号を設定できる
※2019.5月現在では、ver.3.68のVitaを3.70に偽装してPSNから過去に購入したアプリをダウンロードできるのを確認
オーバークロック
HomeBrewアプリではVITAのCPU性能を444MHZから約500MHZにオーバークロック可能にできるものもある。
オーバークロックすることでMAME(Retroarch)で快適に動作させられるタイトルもやや増えるが、Adrenalineが正常に動作しなくなるケースもあるので注意が必要。僕は不具合に出くわす頻度が多いことから使用するのをやめた。
Henkaku Enso
通常VITAを再起動するとHenkakuをもう一度実行しないとHomeBrewアプリは実行できないが、Henkaku-Ensoを導入することで起動時からHenkakuを有効にすることができる。こうかくと大した需要はないように見えるが、VITA起動時に実行できないと困るアプリもある。後述のSD2VITAなどはドライブをゲームカードとメモリーカード間で入れ替えるものなのでブートシーケンスでHomeBrewアプリが動かないと困る。そこでEnsoなんです。
基本的にはHenkakuが動作するようになったVITAならEnsoをVitaShellでコピーして(VitaShellで)インストール。
LiveArenaからバブルを実行するだけでインストールは完了する。
メモリーカードアダプターSD2VITA
ゲームカード用のスロットにMicroSDカードを利用できるようにするアダプタ。VITAのメモリーカードをMicroSDから変換するものではないので注意。通常Retroarchが参照できるux0:ドライブはVITAのメモリーカード領域であるがそもそもVITAのメモリーカードは記憶容量が少ない割に高価である。であるからゲームカードスロットにMicroSDカードを挿し、そちらをux0:ドライブとして読み替えることでメモリーカード代わりに使用することができるようにするアダプタである。
RetoarchのROMフォルダなどをMicroSD側(ゲームカード側)に保存しておけば、VITAのメモリーカードの領域を消費しなくてすむ。ただしSD2VITA使用時は当然のことながら通常のゲームカードは物理的に差し込めない。通常のゲームカードの差し替え同様にRetroarchを使うときだけSD2VITAに差し替えるようなイメージ。
PFBA
エミュレーターはRetroarchだけでなく、PortableFinalBurnAlpha(PFBA)も動作可能。こちらはMAMEに比べて対応ROM数が絞られているがそれゆえ扱いやすい。Neogeoに絞ったROMのみPFBAで動作させるなど工夫すれば便利にはなる。ただしキー入力の判定がシビアすぎて同時押しがRetroarchに比べると非常に出しづらい。結局Retroarchが最も優秀なため出番は少なくなっている。ROMパスはWindows上でテキストエディタを使用するかVitaShellのテキストエディタで編集すれば変更可能。RetroarchのROM格納パスと合わせておくと良い。動作速度はほぼ同じだがPFBAのほうが高速に動作するようなタイトルはまだ見たことがない。
PFBAの最も優れた点はVITAの縦持ちによる縦シューへの対応である。右スティックとABXYボタンを併用して縦画面がプレイできるのは感動。ただし持ち手の都合からかなり底に近い位置にグリップせざるを得ないためVITAの重さによって重量のバランスが悪くなる。疲れるので注意。