吸血魚の正体
吸血するくらいなので、ピラニアと同じ「カラシン目」かとおもいきや、もっと身近な魚の仲間なのです。みんなが確実に知っているはずの「ナマズ目」なのだそうです。
生息地は、南米のアマゾン川。今のところ、たぶん日本にはいないと思われます(持ち込みされても繁殖するかどうか難しいと思いますが・・・)。熱帯魚ショップのページにブルーカンディルが紹介されていることから飼育している人はいるようです。水温が25~29℃らしいので、これをクリアできる日本国内の水域は、工業排水が暖かくて年中温水を垂れ流されていて局地的にマッチする環境はあるかもしれませんが、まず無いと思います。
体長は10センチ程度で、ナマズのようなズングリムックリな体型ではなく、ドジョウのような細長い体型をしています。ここは、須磨海浜水族園様のサイトで、ブルーカンディルの写真があります。カンディルは、もっと細長いスリム形態をしています。
吸血方法
カンディルの吸血方法は、自分より大きい魚のエラに直接頭から突っ込んで行います。ブルーカンディルを飼育するときのエサが魚の内臓というくらいなので、そのままエラを食べたりもします。
エラに頭から突っ込んでも、大型魚が暴れれば直ぐに振り落とされそうですが、カンディルのエラ蓋には鋭利なトゲがあり、これがフックの返しのようになって一度突っ込むと簡単には外れない仕組みになっています。
これは、カンディルが他の魚のエラにもぐりこむ動画です。
かじりついて吸血するもの、食いついたらそこから内臓まで食い尽くすもの、吸盤のような口で張り付いてドリルのように回転して食い破るものと、食べ方はいろんなタイプがあるようです。
アマゾン川で最も恐れられる魚
恐ろしい獰猛なイメージがあるピラニアは、本来は物陰を好む臆病な性格で、人間に襲い掛かるのは極度の空腹時や流血等の弱っていると判断されたときだけらしいです。そういわれても、ピラニアのいる水域には絶対に入りたくありませんが。
現地で一番恐れられているのは、このカンディルで、魚のエラからでる尿素を頼りに食いついていきます。ということは、人間であれば尿道(他にも肛門や性器にも)めがけて突撃してくることになります。そしてエラまで食い込むと返しのトゲが激痛を生んで外科的手段を用いないと摘出できないのです。
当然内臓まで食われれば死んでしまいますし、カンディル自体は毒をもっていないのですがドリルのように空けられた穴や食い破られた場所からの感染症で死に至ることもあるらしいです。
その他カンディルに関するページは、検索するといくつか出てくるので興味があれば見てみてください。実際にカンディルに噛み付かれて摘出した人の動画もあります。
動画:カンディルの捕食映像