目次
アイドリング低下
対象
2006~2008年式のGSR400
2006年式以降のGSR600
2009年式以降であれば問題ないです。
現象
メーカー指定アイドリング回転数は、1.300±100回転ですが、
300km~1,000km走るとアイドリング回転数が1,000回転を切るようになる。
1,000回転を切ると発進時によくエンストするようになり、ストールする場合もある。
原因
スロットルボディーがエンジンから逆流したカーボンや、ブローバイガスで汚れることが原因。
- なお、これはGSR特有の現象ではなく、隼やGSX-R等のSUZUKIのFI搭載車で発生します。
- アイドルスクリューが緩むことが原因ではないかといわれていた事もありましたが、実際には走っていても緩まないことが確認されています。
PM(粒状物質、煤や俗に言うカーボン等の事)やブローバイガスに含まれるHC(未燃焼のガソリン成分)はエンジン始動時や低回転時、燃料の不完全燃焼が起きている状態の時に多く発生します。街乗り等で低回転を多用する車両、エンジンの停止・始動を比較的多く繰り返す車両はこのPMやHCが比較的多く発生し、スロットルボディーに蓄積しやすく、結果としてアイドリング時のエンジン回転低下が起こるようです。
高回転を多用する車両であっても、走行距離が増える事でやがて同様にアイドリング回転数を低下させるだけのPMやHCが蓄積されます。
放置をすれば不完全燃焼がさらに進み、悪循環を起こして最終的にはエンジン始動困難もしくは不能、加速不良などに陥ることが考えられます。
余談ですが、PM(粒状物質、煤や俗に言うカーボン等の事)やブローバイガスに含まれるHC(未燃焼のガソリン成分)の発生は燃料を完全燃焼させることで抑える事が出来ますが、理想とされる燃焼バランス(空燃費15:1)ではNOx(窒素酸化物)が多く発生してしまうので、それを抑える為、また未燃焼のブローバイガスや排気ガスに含まれる未燃焼成分を再びエアクリーナーに戻し、再び燃焼させる「排ガス還元装置」が組み込まれています。
パワーの確保と排ガス(燃焼後のガス以外も含む)のクリーン化は相反するものなので、開発者は苦労しているようです・・・(^_^;)
対策
効果のある対策
- アイドリング調整
エンジンの左側にあるアイドルスクリューを回すことによってアイドリング回転数は上がります。
アイドリングスクリューの回し方はこちら- ただし、走っているうちにまたアイドリング回転数が落ちるので根本的な対策ではありません。
- 数回繰り返すと低温始動時のオートチョークが未動作になります。
- スロットルボディ洗浄
バイク屋でスロットルボディを洗浄するとアイドリング回転数は上がります。
アイドリング調整をした後にスロットルボディを洗浄するとアイドリング回転数が
上がりすぎるので調整しましょう。- ただし、アイドリング回転数は走っているうちに再度下がるので定期的に洗浄する必要有り。
- キャブクリーナー吹き付け洗浄はご法度です。インジェクターが樹脂製の為トラブル事例あります。
- KUREのキャブクリーナーをインジェクション車向けの使用説明どおりにガソリンタンク満タンに対し半分(自動車では1本なのでバイクのタンクに合わせて減らしました)位添加して走ってみると、30kmくらいで200~300回転上がりました。1000回転まで下がっていたものが1200~1300回転まで改善しました。個体差なのかも知れませんが、スロットルボディをはずすことを考えれば試す価値はあるかもしれません。
- ワコーズF-1(ヒューエルワン)でもKUREのと同様200~300程度の効果がありました
添加は16Lに対して96mlです。
効果のない対策
- インジェクター交換
スロットルボディの汚れが原因なので効果無し - 高い回転数で走る
低い回転数で走っているとスロットルボディが汚れやすいという話がある。
実際にはどんな回転数で走ろうとスロットルボディは汚れます。 - ハイオクを入れる(GSR400の対策)
ハイオクに洗浄剤が入っているからというのが理由のようですが、同様に汚れます。
そもそもハイオク指定のGSR600でアイドリング低下は起きています。
※)GSR600のオクタン価は91で、国内で給油の場合、メーカー指定はレギュラー
洗浄効果を謳っている添加剤や、ハイオクの影響は受けません
インジェクターが樹脂製の為、キャブクリーナーは要注意です。
メーカー確認でトラブル事例有あります
※特に車用のクリーナーは要注意
マジックテープがバカになる
現象
シート前方にシートと車体をくっつけるマジックテープがあるのですが、
何度もくっつけたり剥がしたりしているうちにマジックテープが張り付かなくなる。
- 元々、耐久性がない部品です
原因
マジックテープが硬い。
そもそもマジックテープを使うのが間違いという話も・・・
対策
- 無し
- シートを取り付ける際にマジックテープを貼り付けない人もいます。
ミラー振動ぶれ
現象
5,000回転あたりからミラーがぶれて後方確認がやりにくい。
夜間は後ろを走ってるのが車なのかバイクなのかも分からなくなる。
原因
ミラーがハンドルバーに取り付けられている。
ミラーが軽くて振動しやすい。
対策
それぞれ、400用と600用のパーツですが、どちらも規格が一緒なので装着可能です
- 現行GSR600用ミラー(対策品)に変える
品番:56500-38G30(GSR600用)- ぶれ範囲は5000回転から9000回転で、ピークは7000回転辺り ※GSR600の場合
- ぶれ範囲は5000回転から9000回転で、ピークは7000回転辺り ※GSR600の場合
- GSR400ABS用ミラー(モデルチェンジ品)に変える
品番:56500-44G00-000 (GSR400ABS用)- ぶれ範囲は4000回転から6000回転で、ピークは5000回転辺り ※GSR600の場合
- 4000回転までのぶれは無くなります
- GSR400ABS用ミラー左 と 現行GSR600用ミラー(対策品) 右
- ステーの太さや長さ、ミラー部分の面積が異なります
- 特に下部に重量バランスを置いた仕様変更
- 耐震ミラーに変える
ナポレオンミラー のネイキッドミラー等、衝撃を吸収するタイプのミラーだとぶれない模様
speedpassが鍵の近くにあるとエンジンがかからない
対象
全てのGSR400とGSR600
現象
題の通り、speedpassが鍵の近くにあるとエンジンがかからない
原因
GSRはエンジンを掛けるときに鍵と車体の間で電波を使用して暗号のやりとりをします。→S.A.I.S(link先、ページの一番下)
その電波通信にspeedpassが干渉してしまい、エンジンがかからなくなります。
対策
鍵とspeedpassを遠ざけてからエンジンを掛けて下さい。