AMX ELC bisの砲塔を飛ばそう

1. きっかけ

ある肌寒い夕方のこと。私がいつものようにPCで動画を見ていると、クラマスであるH氏から「やぁやぁミスターフリムキ。ちょっとトレーニングルームに付き合ってもらえないかな？」とお呼びがかかった。
私にとってH氏からトレーニングルームに呼ばれるのはよくあることで、数多くの車両を開発しているH氏の車両性能テストの相手となるのはもはや定番であった。

いつものようにWoTを立ち上げてトレーニングルームに入ると、彼が繰り出してきたのはソビエトの傑作車T-34であった。どうやら彼は「ティーガーより古い車両を使うことでティーガーの強さを味わおうキャンペーン」をしたかったらしく、初期砲塔・初期砲という組み合わせで無謀にも最終形態のTiger Iに挑んできた(もちろん背面ですらまともに貫通されることはなかった)。

キャンペーンの舞台がジークフリート・ラインだったこともあり、「へぇ～、新物理エンジンになってから竜の歯の上も少しは走れるようになったのね」などと談笑しながらいろいろな車両を出し合って遊んでいたところ。
H氏のT1E6が放った砲弾が私のAMX ELC bis(以下ELC)に直撃。そして...

＼ｶﾞﾗｶﾞﾗｶﾞｯｼｬｰﾝ／ 「弾薬庫損傷！次は誘爆するかもしれない！」
そう、弾薬庫が損傷したのである。
そのことをH氏にも話したのだが、「ELCの砲塔が飛んだらどうなるんだ...??」と二人で悩みこんでしまった。
ELCは車体装甲が正面ですら25mmと薄いため、弾薬庫誘爆が起こる前に大破している確率の方が高く、砲塔が吹き飛んだ姿に見覚えがなかったのである(ELCの弾薬庫を一撃で大破させうるのは口径94mm以上の砲弾)。
そこで、「竜の歯の上を走り回ろうの会」から「ELCの弾薬庫を誘爆させてみようの会」に変更して検証を開始することとなった。

2. 実験前半

実験は会敵が早いミッテンガルドで行われることとなった。
弾薬庫はたいていの車両で砲塔後部や砲塔直下の車体側面に配置されていることが多いので、まずはその周辺を狙ってみることにした。しかし...

「車長が負傷した！」「無線損傷！」
まるで弾薬庫に被弾する気配がない。一度も弾薬庫損傷が起こることなく何度もELCは撃破されていった。

3. シリコンの国からのお告げ

なかなか弾薬庫に被弾させることができなかったため、まずはELCのモジュール判定を調べてみることにした。
インターネットというものは本当に便利なもので、すぐにお目当てのものが見つかった。
http://www.wotinfo.net/en/noobcorner?article=hitzone_elcamx
このタイプの図において、弾薬庫の当たり判定は白色で示される。早速白色の部分を探そう。
...
......
.........
「「白色の部分、ないじゃん！！」」
そう、弾薬庫の当たり判定である白色の部分が6枚の画像のどこにも見つからなかったのである。当たり判定が分からないのに弾薬庫を撃ち抜くなど無謀なことだ。
「しらみつぶしに調べていくか...」と諦めかけていたその時。

「ELCは車長が砲撃するから、車体の底面にでも配置されてるんじゃないかな、弾薬庫」
何気なくその発言をしたのは副司令官のD氏。さすがは筋金入りのミリオタ、脳内はピンク色でも視点は鋭い。
ノーヒントでやるよりはヒントがあった方が上手くいくのは当然のこと。「弾薬庫は車体底面にあるかもしれない」という心強いヒントとともに、二人は実験を再開することとなった。
D氏は「ﾌﾌﾝ」と言い残してシリコンの海へ消えていった。

4. 実験後半

車体底面を撃ち抜くことを考えるならミッテンガルドもT1E6も不適となる。
ここでH氏はマップをSH*T PARKワイドパークに変更し、Gr.Tr.を投入すると決めた。仰角60degの本車は橋の下から底面を撃ち抜くには最適な選択といえるだろう。

早速F*CK PARKワイドパークD2の線路上にELCを移動させて底面を撃たせようとしたが...
「車長が負傷した！」＼ｶﾞﾗｶﾞﾗｶﾞｯｼｬｰﾝ／ 「弾薬庫損傷！次は誘爆するかもしれない！」
上手く底面を見せることができず、転落してしまった。
いくら仰角のあるGr.Tr.を投入できても、撃たれる側のELCをうまく配置できないなら意味はない。場所を変えて出直すこととなった。

所変わって山岳路。中央の橋にELCを配置してGr.Tr.が下から砲撃を行う作戦だ。
ELCは南スタート。ここならば右側の履帯を橋に引っ掛けることで車体底面を晒すことが可能だ。
H氏の移動も完了し、Gr.Tr.の7.5cm榴弾砲がELCの車体底面を照準する。
そして...

＼ｶﾞﾗｶﾞﾗｶﾞｯｼｬｰﾝ／ 「弾薬庫損傷！次は誘爆するかもしれない！」

Gr.Tr.から放たれた7.5cm榴弾はELCの車体底面を貫通して見事弾薬庫に命中！
しかし7.5cm砲弾はELCの弾薬庫を一撃で大破できるほどのモジュールダメージは持ち合わせていない。弾薬庫にモジュールダメージが入る確率は27%なので、ELCのHPが0になる前に27%をもう一度引かなければならない。

次弾はほぼ同じ場所に命中し貫通するも弾薬庫は大破せず。27%はそう簡単に引き続けられないのか。
そして3発目...

＼ﾎﾞｯｶｰﾝ／ 「やられた！！」

実験成功である。500kgしかないELCの砲塔は静かに転がり落ちた。
ELCの砲塔が吹き飛ぶ貴重なシーンをGIFに収めたので見ていただきたい↓

H氏が作成した高画質版: https://gyazo.com/ec6e403639b6b0f40cff390ef3742783


ELCの砲塔が飛ぶところを無事見ることができた二人は、「今度はType 5 Heavyの砲塔でも飛ばしてみようか」などと談笑しつつガレージへと帰っていくのであった。

5. おわりに

今回の実験において鍵となるヒントを与えてくれたシリコンの国のD氏には心から感謝したい。今度えっちなブツ送ってあげるからね。
また、このような楽しい機会を与えてくれた破水の国のH氏にも感謝の意を表したい。

文責: ふりむ