サバイバルリゾート

「大丈夫でござる。拙者と！」
「我が、ついているのであ～る。ふっふっ」
ハヌマンが目にも留まらぬ動きで場を翻弄し、混乱する参加者をツァトグァが正確な射撃で仕留めていく。
かと思えば、一見隙だらけに見えるツァトグァが周りの注目を集め、「ニンジュツ」で潜んでいたハヌマンが死角から撃っていく。
個々の練度はさる事ながら、互いの特徴を理解し、動きを把握し、信頼し合う関係だからこそ実現可能となった、鮮やかな連携だった。
ハヌマンとツァトグァには、ゲーム好き以外に共通している事があった。
崇拝ではない、打算のない、能力にとらわれない横並びの関係――
そういったものを求めている事、そして得た友人関係を大切にしている事だ。
彼らは苦楽を共有し、支え合い、六本木の出来事を乗り越えてきた。
そこで得たのはサモナーズとの協力関係という、利害で表せられるものではなく、かけがえのない友人としての絆を深められた事だと、皆が感じていた。
TSLの一角に水飛沫が舞う。
参加者を圧倒するハヌマンとツァトグァの嬉しそうな声が響いた。